しなのさかいの駅前広場

細かいことばかりでよく分かりません。

KATO 西武鉄道701系(非冷房)

こんにちは。しなのさかいです。




この前のことなんですが。
仕事から帰ると、家人たちが生返事しながら、必死に「三匹のおっさん」を見ている。

で、どうも商店街のラーメン店が嫌がらせを受ける話だったようで「ラーメンが食べたくなった」と自由奔放なことをおっしゃるんですな。

この段階であれば、そんな発言は捨て置くのですが、その数分後に別の局で「耳をすませば」なんてのを上映するから始末が悪いのです。

最近、相模の国に住む我が家にとって“聖蹟桜ヶ丘”という街は、少々特別な意味を持つようになっていたのでした。





その翌日の夜は満州の最南端、ケープ・オブ・マンシュウ、です。




昨年の夏頃、職場の仲間のススメがあり、それ以来家族で「ぎょうざの満洲」にハマってしまいました。
しばらくは「今夜の晩御飯にでも」と仕事先の近くで店舗を見つけると、焼いてもらってそれをお土産にして運搬していましたが、それも限界(においがね…)

そーすると次は「じゃ、じゃあ自宅に一番近い満洲はどこだ?」となるのです。
探してみると、満洲さんは埼玉県や東京都の北西部に多く展開しているみたいでした。
やがて「関東の満州」では、おそらくこの聖蹟桜ヶ丘駅前店が最南端のようだと気づき…。
我が家からは、おおよそ片道40分くらい車で遠征する必要がありますが、それ以来、たびたび往復しています。





地球屋の人たちは、目の前の道路に「ラウンドアバウト」なる名称がつけられるなんて思ってもいなかったかナ。


「三匹のおっさん」に「耳をすませば」が重なることで、こんな遠征をすることとなったというお話でした。

ちなみにこの満洲さんはいつも混んでいます。
南方からの圧力を一手に引き受けて、必死に耐えているように見えますが、気のせいですかね。
まるで満洲の橋頭堡のようです。







例月どおり複数のメーカーから多くのアイテムが発売される1月末。
当方は迷うことなくカトーから発売された西武鉄道701系(非冷房)だけをチョイス。
嬉しくなって遊んでみました。

もちろん、基本と増結を合わせた8両での導入で、この後に増結を探しまくるような危険を回避したのです。
101系のときは大変でした。





わーい、カトー・クオリティで「西武の赤電」が手に入りました。
「西武ラズベリー」なんていう缶スプレーは、ローズピンクのEF81300番台を仕立てるときにしか買わなかったなぁと、どうでもいいことを思い出しました。
この赤電カラー、なんとなく田舎っぽくてイイですよね。
黒貨車が並んでも似合いそうです。





今回の製品は、昭和38年12月から昭和40年までに製造された前期形に該当しています。
特徴は乗務員扉のつかみ棒が埋め込まれていない姿で、前面の補強は後天改造となるでしょうか。
ちなみに後期形は前期形と比べて全幅が65ミリ狭くなったそうです。

昭和44年からは台車の交換が始まりますが、それも昭和53年までにわたる長い間でのこと。
昭和50年から始まった冷房化、アルミハニカムドアからステンレスドアへの交換、塗色変更など、当方にはどうにもならないほどの歴史がある701系です。

今回の先頭部では、101系のようにダミーカプラーが採用されておらず、基本の先頭車でもボディマウントタイプのカプラーが採用されました。
これにより基本と増結の連結順序は気にしなくてもいいというメリットが。

ドアの戸当たりは印刷で縦線を表現して済ませているようです…。





クハには意外と古い台車、TR11A。
そのルーツは明治、大正ですから「意外」どころじゃありません。
9ミリゲージであるがゆえ、まくらバネあたりが車体からはみ出すのでは、という心配もありましたが、そんなことは杞憂に終わりました。
紛らわしいTR14Aでなく、TR11Aであることもちゃんと確認できますね。

ボディと台車のチグハグさが、大量輸送の使命に喘いでいた(単に経済性を重視していただけ?)西武鉄道の息遣いを感じてしまうのです。





運転台の成型色はライトブラウンです。
たかが成型色でも、実車で運転台の後ろにかぶりついたときに感じるイメージが得られる、こういう配慮が好きなんです。
簡単な仕様改善で脳内にどういうサインを送るか、ですよね。
人間、思い込みはあるものですから。この思い込みは「うまく」利用しなければなりません。
そこを理解しているメーカーと、そうでないメーカーがありますから、見分けると面白そうですよ。





101系と同じように、妻面側のカプラーは台車マウントタイプ。





公式サイトでも比較されていましたが、実際に手元で101系との差異を感じてみたくなりました。
差異を感じる前に前面方向幕をなんとかしろっていう状態です。
新宿線よりは池袋線の方向幕がイイんだけど、どうしましょうか。





雨どいの位置など、比べてみればいろいろな違いがあります。

その他、ユーザー取付パーツはゼロ。一切ありません。
付属品はシールだけでした。



では、寝る前の運転会です。




自分の記憶の中を探すと「赤電」は確かに走っていました。
昭和50年前後の池袋線の記憶です。
この頃は、西武線の設備を見るとまだまだローカルムード漂っていて、屋根のないホームが当たり前でした。
大泉学園の駅舎。懐かしいなあ。





それと、ベンチレーターが一直線に並ぶ屋根って素敵ですよね。
私鉄電車であればなおよし。
「原形の美」が漂っています。
若い頃は「クーラー、クーラー!」とわめいていましたが、好みは変わるもの…。





レッドアロー初期形を導入しておいて良かったというところでおしまいです。



トミーテックが「鉄コレ」のネタを本家トミックスブランドでやればこんな感じになるのかもしれません。
そこをカトーがやると「こうなった」ということなんでしょう。
不思議とそう感じられる701系でした。
だから、とてもコストパフォーマンスも良く、しっかりとした対価が感じられるのです。
こーゆー模型は、新製品が溢れかえる今、選んで手もとに置いても、後々に活きてきそうな気がします。





「シリーズ」とは銘打っていないようですが、カトーの「西武線で感じる東京近郊の青春」シリーズがここまで来ました。
武蔵野、東京郊外、団地、マイホーム、屋根のないホームに並ぶサラリーマン、線路際の古枕木柵、赤土の目立つ畑、などなど…。
これらのキーワードは「西武の赤電」が結びつけてくれますし、101系やレッドアローにも同じことが言えそう。

飯田線シリーズは、飯田線の沿線風景が昔も今も変わらないからこそ、旧型国電でも313系1700番台でも許容されるのです。
しかし、西武線の沿線風景は昔とは比べられないくらい変化し、もはや今回の701系と次回の40000系が同じ風景に溶け込むのには無理があります。
だからこそ、畑に似合う701系には40000系ではない「続く何か」が欲しいところ。
40000系は「西武」というキーワードでつながっていても、風景から見れば別会社の電車です。

ここまでカトーの提案についてきましたが、正直な話、今後の展開には不安を感じています。
これだけのラインナップでもコンセプトのある風景は再現できそうですが、やはり寂しさは…。

毎月のポスターの中身のほか、「西武の赤電」や「飯田線の旧国」に続編があるかどうかでも、今、そして今後のカトーを推し量ることができそうです。
そこをじっくりと見ていきます。

それにしても6月のポスターは…。



ではまた。

スポンサーサイト



  1. 2017/02/07(火) 12:20:00|
  2. 鉄道模型(車両)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
<<まだまだ中央本線で遊んでいます | ホーム | 冬の伊那谷の風景に憧れて>>

コメント

餃子の満州~♪

こんにちは

元西武線沿線住民の拙者ですが餃子の満州にピクッと反応してまいました。
『3割旨い!』でしたっけ?

よく駅前にあったので、お店でも、持ち帰りでも良く頂きました~

いま、元居た場所に戻ったら西武線でも東急が走っていたりして『ココは何処~』ってことになりますね~
  1. 2017/02/08(水) 13:38:14 |
  2. URL |
  3. 海山鉄 #-
  4. [ 編集 ]

ご無沙汰しております。
西武は私には全く縁がないのですが、それでも701系の写真を拝見して”さすがKATO、良い出来だなぁ〜”と唸ってしまいます。何となくKATO製品は、一目見ただけでもしっかりとした作りを感じるんです。
次は最新鋭の40000系ですね。実車の登場と同時期に出すあたり、KATOの西武への特別な思い入れを感じます。6月の予定品にまた入れた東急5050系もそうですが、地下鉄乗り入れで実現した、多種多様な車種が入り乱れた面白さを是非ご家庭で! ということでしょうか。これもKATOならではの(メトロ10000系辺りから始まった?)面の広がりを感じさせます。
私は6月の予定品で欲しい物がないのですが(ふるさとはちょっと惹かれますが)、5月に大出費の予定なので助かります。
ちなみに今月も欲しい新製品がなく、今まで予算の都合で買えなかった物を買うチャンス!というわけで、先ほどリゾートしらかみを買ってきました。
  1. 2017/02/08(水) 15:12:56 |
  2. URL |
  3. やまだ #LLR6AlOk
  4. [ 編集 ]

窓が大きく軽快なイメージの車体とうらはらの台車を 私鉄電車ガイドブックで見た時の異質感は、今でも覚えてます。
モデルの車体を見ると全面強化後ですから昭和45〜52年の台車振替前のコアな時期ですね
いずれにしても 都会の住宅地の中というよりもキャベツ畑や雑木林を行く姿が似合うような気がします。
追伸
全面強化ではありませんが、このボディで101系の試験塗装車の画像を見た時も凄い衝撃でした
  1. 2017/02/08(水) 19:59:53 |
  2. URL |
  3. 線路際の住民 #-
  4. [ 編集 ]

原体験

西武701、私は子供のころから「見て育った」ので大変なじみが深い車種です。
手すりの工法で全幅65mmですか。言われなければ気づかず「確かにそうなんだ」な部分です。

すっきりとした仕上がりは唸るほどよくできていますが、前面ガラスのHゴムはもっと出っ張っていたように感じましたし台車のコロ軸は逆に頼りないぐらい細く見えました。
GMキット改造で完成させたばかりのところを襲撃されましたが、自作品ではオーバースケールであっても強調するところを押さえて自分のイメージを育んでいます。
でも正直な気持ちでは「やられた」・・・
  1. 2017/02/09(木) 09:15:38 |
  2. URL |
  3. ホビぽっぽ #Q.zvybpY
  4. [ 編集 ]

3割うまい?

海山鉄さん

そうでしたか、西武沿線。
「3割うまい」は初心者には謎のコピーで、やがてその意味を知るという通過儀礼です。我が家もそうなりました。
西武に東急が走る…。時代とはいえなんだか複雑です。
  1. 2017/02/13(月) 06:33:58 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

ジックリと

やまださん

カトーが今の西武線にまで思い入れがあるかはわかりませんが、少なくとも昭和の頃に対してはそのようです。ローカルムードが漂う大手私鉄というのも良いですよね。

やはりそちらも買いたいものが少なくなって来ましたか。当方もこういうときこそ本当に手にしたいものを考えるきっかけにしたいです。遅れて入線させた車両の方が、ジックリと考えた結果として思い入れが大きいと思います。
  1. 2017/02/13(月) 06:38:13 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

都会じゃなくてローカル

線路際の住民さん

そうなのです。これは通勤電車でありながら、沿線の風景としてはローカルな畑、武蔵野の林の中こそふさわしいのです。
ユーザーに風景を見極めさせるような企画の仕掛けの存在に唸るのですが、通勤電車イコール都会と考える傾向には一撃を与えたと言えそうです。
  1. 2017/02/13(月) 06:44:17 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

65センチ

ホビぽっぽさん

やられましたか(笑)
それはカトーと見ている方向が同じということの証しですよ。素晴らしいじゃないですか。

なるほど、自分でデータを書きながら、手摺の分をマイナスして65センチか。気づかなかった
(^_^;)
こだわりのある自作車両であっても、昔の武蔵野の風景を楽しむことには変わりなし。お互いに良い趣味を目指しましょう。
  1. 2017/02/13(月) 06:48:44 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://sinanosakai.blog100.fc2.com/tb.php/1488-2f59b4d5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)