しなのさかいの駅前広場

細かいことばかりでよく分かりません。

買おうと思わなくなる日の到来

おはようございます。しなのさかいです。




ちょっとした娘関連の用がありまして「山の日」なのに横浜の山下公園のすぐそばまで行き、その帰りに大船へ出て、湘南モノレールを乗り終えてみたところ…の図。

比較的近場にありながらも、大船という土地へ行くことがほぼなくて、なかなか乗車機会の縁がない鉄道だったんですね。

山岳路線の風情があって、ピークポイントでは遠くに相模灘を見ることができて、そしてまた懸垂式の揺れ方も新鮮で。
たまには模型部屋を出て、こういうフィールドワークをしてみるのも良いものです。

湘南江ノ島駅は江ノ電江ノ島駅のすぐ隣。
そこから延々と海へ歩いていく若者の列に混じって、スルリと帰ることとなりました。



□     □     □



さて。
この場で“Nゲージ車両の新製品”をフォローしなくなってから、しばらく経ちました。

実は6月までに少々の買い物があったんですけど、残念ながら、それらを感動とともにお伝えできるテンションは当方にはありませんでした(買い物の中身はナイショ)。

事務的に持ち帰った車両ケースを平積みにしたまま、多くの諸先輩の同じ買い物の御披露をネット上で拝見していた、というところです。
近年はポスターの内容に驚くことができなくなっていましたから、こんな営みもそれはそれで必然と言えます。



鉄道模型メーカー各社は事業を継続させなければなりませんから、今でも毎月のように「新製品」を発表しています。
「こんなの、欲しかったでしょう?」という具合にです。

昨年までこの場で皆さんと見てきたように、本当に「新製品」と呼べるかどうか疑わしいアイテムが結構な割合を占めるようになってきましたけど、まぁそこは置いておきましょう。
当方の感覚がこの市場のスタンダードとズレただけのハナシですし、今の需要にはしっかりと対応したアイテムが発表され続けているのかもしれません。

新しい企画内容を車座になって語りあうことは、今のメーカー各社の企画担当氏を中心に、新しい世代の方々がやっていかれるべきなのでしょうね。



でも、この段階でもう一度だけ、Nゲージ車両の新製品について俯瞰的に書いておこうと思うに至りました。
それは、価格「帯」の上昇が明らかに顕著になってしまったからです。

この場でポスターを見て懸念していた頃が懐かしくなるくらい、各社で価格帯の底上げが完成してしまったような気がします。
いや、まだまだ上がる気配がある?


メーカー各社がそうせざるを得ない理由は様々なのでしょうけれど、当方には従来からその理由の一つではないかと疑っていることがあります。
それは、生産数に連動した価格帯の上方修正。
少ない量にして売上を維持するのなら、単価を上げるしかない、という一次関数の問題です。
もちろん、ユーザーである当方に生産数など分かる由もなく。
飽くまでも仮説であると強調して前置きしておきます。



仮にそうだとしたら、ではどうして少ない量にする(なる)んでしょうか。
ここにお越しくださっている皆さんなら、もうお分かりのことですよね。
ポスターの企画内容は「置いておきましょう」と言ったばかりなのに、やはり置いてはおけないのかナ。

念のために申せば、ウクライナ情勢だとか、原材料価格だとか、消費税率だとか、今のNゲージをそういう客観要因だけで総括することは、あんまりオススメしません。
ユーザーがそう捉えている限り、価格上昇は許容されたとしてまだまだ続くのかなーと思うからです。




とにもかくにも、価格が上がるということは買えなくなるユーザーが増える、ということです。
「買えなくなる」というと「あんたいくら持ってんのよ?」といった議論になりがちなので、ちょっと幅広に捉え直しましょうか。
「買おうと思わなくなる」。


◯両編成で、モーター車が◯両入って、◯万円。

皆さんも脳内でお持ちのはずの、いつもの構文です。
各企画をこの構文に当てはめてみて、ある種の魔法、催眠からハッと醒めて、我に帰るような気分を味わっているこの頃なんです。
自分の手を見つめて「オレは何をやっているんだ」っていう、ドラマとかでよくあるやつですよ。

フワフワと空に向かって浮かび始めた風船に掴まり続けることになんだか疑問が生じてきて、またまた面倒くさい話題を共有しておきたくなりました。

集める車種、地域性などを絞り込むことは人生の晩年になってからでも良くて、それまではモラトリアムのつもりでいろいろ手にしてみて、鉄道のことをもっと広く、そして深く知ってみよう…
そんなことを言ってきましたけどね。
残念ですが、もうそんな悠長なことは言ってられない、そういうフェーズに入ったようです。

生活の中で鉄道模型趣味を溶け込ませておくということ。
溶け込んだレベルで趣味を持ち続けるということ。
この視点を見失わないようにしないといけません。



幸いにも年末までは買い物の予定がなくなりました。
なので、日常生活で必要なアイテムをそろえるとか、1,000円ちょっとで懐かしいプラモデルを買うとか、塗装の勉強をしてみるとか、手元にあるお小遣いをそんな使途に振り向けています。

レイアウト上のストラクチャー製作もその一環で、これまでに手頃な価格で買い揃えた車両たちをイキイキと走行させるためには、プラ板やプラ棒と格闘することは自分にとってちょうどいい模型活動のようです。
そんな「新しい日常」も悪くないのかも。


ではまた。
  1. 2022/08/13(土) 08:00:00|
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続・「わたしの旅スタンプ」を知っていますか

こんばんは。しなのさかいです。




再び近所の量販店へ徒歩で向かう森の中。
その途中で見た桜は、関東平野の累積気温がそこまで達したことのサインでもあり、厚着をし過ぎて出かけてきたことにようやく気づいたりもするきっかけでもあったりします。


出勤時には、朝から元気よく公園で遊ぶ小学生たちが目立つようになりました。
ずいぶん前、大人の世界に春休みがないことを娘たちに不思議がられましたけど、単に先生たちが児童生徒に構う余裕もないくらい忙しいから、校舎から追い出しているだけなんだぞーと、そろそろ気づいてくれたかしら。

こんな時期に花見とかに行く気分、味わうことができなくなって数十年が経ちました。



ところで。
JR北海道の方では、また並行在来線となる区間の廃止方針が固まったようで、先週末にかけて大きな話題となっていました。
この手のニュースに接する度に、北海道を鉄道で旅行するオプションは当方の心の中で消え続けています。

また、首都圏の人間が新幹線で延々と札幌まで移動することも「まずない」と言えそうです。
東京から札幌まで、利便性や速達性だけを求めて乗り物を選ぶならば空路を選ぶ方が自然でしょう。
価格面でも新幹線よりは空路が強いかもしれません。
人間しか運べない巨大インフラ「北海道新幹線」って、一体何を目的として建設され続けているんでしょうね。

当方の見方はそうなる訳で、それ故にNゲージで「今の北海道の鉄道」をフォローする気にはなれないのです。
むしろ「見たくない」と言った方がいいか。

鉄道で北海道、日本全国を旅行できる、のんびりとした豊かな時代はそろそろおしまい、なのでしょう。
日本人の価値のトレンド、観光需要に“のんびり”というキーワードが定着しつつあるのに、なんだか変ですよね。




さて。

この冬、JR東日本の首都圏地区では「あの日を追いかけて JR東日本 懐かしの駅スタンプラリー」というキャンペーンが開催されました(もう終わったようです)。

タイトルだけでは何のことか分からず、いつもの子ども向けのものかとスルーしようとしたところ、なんだか見覚えのある図案が採用されていることに気付きました。

これ、1980年代に国鉄が始めた「『わたしの旅』スタンプ」を復刻させたキャンペーンだったのです。
このスタンプについては、当ブログの黎明期に一度取り上げたことがありました。


2009年6月20日
「わたしの旅スタンプ」を知っていますか






当方がこのスタンプ収集を始めたのは1983年2月9日で、横浜線・町田駅のスタンプが最初の押印でした(よく見ると「国鉄 町田駅」となっているでしょう)。

地域によっては例外もありましたが、統一された絵柄も見ていて楽しく、スタンプの色と形でメッセージ性も体系的に整理されていたので、あっという間に収集の沼にハマっていったと記憶しています。





ただ残念だったのは、スタンプが良い状態に保てていなかったこと。
御覧いただいているのは、1984年1月29日に押印した青梅線・奥多摩駅のスタンプで、フチがボロボロに欠けています。
まあ、これは利用者の中にけしからん輩がいたということ、ですね。





でも、駅側の管理に起因するものもあったようで、1983年7月21日に押印した東北本線・赤羽駅は、ゴム部分が外れないように絵柄上の3か所をビスで固定させるという愚挙に。
それ故に、押印跡には不気味な円形の空白が生まれてしまいました。

その他、スタンプ台の色を間違えて設置する駅もよくあり、友人はこの対策のために3色のマイ・スタンプ台を持ち歩いていましたね。

待合室ではなくて駅事務所に置いてある駅も多くあって、「スタンプはありますか?」と聞くと、面倒くさがりながらお菓子の缶に入ったスタンプをドンと出す駅員も多かったんです。



とはいえ、この「わたしの旅スタンプ」は期間が定められていた訳ではなく、それ故にいつまでも遊ぶことができたキャンペーンでした。

なによりも、スタンプノートに示されたスタンプ設置駅の地図を見ていると「訪れなければならない」という衝動が湧き起こりましたよね。
つまり、小学生や中学生が、自分の生活とは何の関係もない土地に憧れたりする仕組みが、インターネットもない1980年代に実現できていたのです。





これは1986年3月27日に七尾線・輪島駅で押印したときのもの。
まだまだガキンチョの頃に、スタンプを押すことを目当てにしてこういう土地にも立ち寄っているし、思い出の土地には大人になっても再び訪問したいと考えるものなのです。





このときは輪島で1泊しました。
ビジネスホテルなんてありませんでしたから、当時はずいぶんとリーズナブルな価格だった国民宿舎「輪島荘」にわざわざ電話とハガキを駆使して予約して、駅から大分離れたところまで歩いて泊まったんです。

日本海側に面した崖の上にありましてね。
夜空の下、坂の途中から振り返って見た日本海の荒波は今でも目に焼き付いています。

スタンプ一つでこうした冒険が引き起こされていました。



どうして今、この手のキャンペーンをやると、数週間の開催期間という制約と(大して欲しくもない)景品を付与するという施しのセンスがつきまとうのか不思議です。
期間を区切ってキャンペーンの成果を見るため、だと思うのならば大きな間違いで、そんな短期間で見えるものは「成果」でもなんでもないのですよ。

いつまでも変わらない取組が強いファン層を育てる、ということは普遍的な価値なんだと思う次第です。


今は、胡散臭い駅のスタンプラリーはスッパリやめていて、郵便局の風景入り日付印(風景印)に旅の思い出づくりの役割を求めています。
戦前から延々と続くスタンプ趣味の王道となっている理由はもうお分かりですよね。
設置する郵便局にとって、このスタンプの存在が当たり前だからです。
混雑しているときでも「緊張しますう~」「ちょっと下手なんです~」なんて仰りながら、でも終始笑顔で押印してくれる局員さんがほとんどですし、このときに感じるホスピタリティも心地よい。

いくつ集めても郵便局から副賞をもらえることなどありませんし、こちらも期待していません。
それでもファンは絶滅せず、新たなファンが現れ続けている…





大人になって、もう一度能登半島の日本海を見てみたくなり、家族を連れて出掛けてみました。

「鉄道とバスを乗り継いで、ここに泊まったんだよ」と車の中から指を差したその土地には、もう輪島荘は消えていて、同じ名前の特養施設に建て替えられていたのでした。


ではまた。

  1. 2022/03/30(水) 21:00:00|
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果てしなくつづくトンネルの中で

こんにちは。しなのさかいです。




ブログというものは一度書かなくなると復帰が難しくなるようです。
御覧のとおり、787系のことを書いてから数週間の沈黙を挟んでしまいました(大変申し訳ございません)。

このまま沈黙を続けることもアリかなと考えたのですが、このタイミングで「何故こうなっているのか」ということを整理しておくことも大切かと考え直しまして、こうして再びカタカタと音を鳴らしています。



鉄道模型趣味、Nゲージの趣味を小学3年生のときから続けてきて、特に社会人になってからは幸いにも中断することなく取り組んできました。
「学校」という器を飛び出すと、どうしても周囲にいた同好の士は消えてなくなるもの。
このときに一度Nゲージから離れてしまった、という皆さんの経験談もよく耳にします。

当方の場合、親しみを持てる近所の模型屋さんでアナログ的な交流を維持することで、社会に出た後もこの趣味を続けることができました。
そのときのお店は、御店主の突然の他界によりもう存在しませんが、そのときのわずかな常連客同士で今もつながりを保てていることは大きな遺産。
こんなところも昭和の時代からNゲージで遊んできた者の特権、でしょうか(ゴメンナサイ)。



話がややそれました。

気さくな店主を囲んで常連客が何時間も集うことができる「街の模型店」は少なくなる一方であり、増え続ける量販タイプのお店や中古店では、そんなことは至難の業でしょう。
居座り続けたら業務妨害と見なされますしね(笑)

なので今、この趣味を社会人になっても続けていくためには、鉄道模型メーカーとユーザーが、毎月発表されるポスターなどで(擬似的に)直結した関係が求められるようになっています。
このブログで模型ショーの様子やポスターの内容に注目してきた理由はそこにあります、と過去にもお話ししてきました。

しかし…




現状、当方が新しいポスターを見るときは、概ね以下のような視点に立っています。

①買い直しを迫られていないか
②新規パーツを調達するにはどうしたらいいか


少なくとも、そう身構えてしまっているようであり、それ以外に視点は生まれていません。


①についてはいろいろと評価が分かれるところだと考えていますが、製品のアップデートを許容できる「旧製品ユーザー」の気持ち、そしてユーザーの手元にある「旧製品」の状況(傷み具合)をあまりリアルに想像されていない様子を、上流の方々に感じています。
「ついこの前」と思ってしまうのはだいたい何年前のことなのか。
この趣味は継続して取り組む人が多いはずですし、なによりもメーカー自身がそう仕向けているはずです。
だから10年くらい前のユーザーは今でもユーザーとしてとどまっているはず、という見立てはメーカーの中にあって然るべきでしょう。
大枚を叩いて基本セットと増結セットを買って、丁寧に保管してきた手元の模型を、ある日突然“旧製品化”させてしまうやり方はどこか残酷であり、何らかの優しさ(パーツの分売による救済措置等)を見せて欲しいところです。


②についてもほぼ同じですが、①とやや異なることを言うと、ポスターで発表された車両自体には興味がなく(だいたい既に持っているものばかりが並ぶワケですから)、「どこそこを改良します」という文言と、そこに該当する新しいパーツしか見えてこない、ということになります。
だからポスターの紙面よりも販売店向けの解説文、そしてその後に配信されたりする解説動画の方が情報ニーズは高い、となる。
もちろんその新規パーツについてもおおよそ待望のものとは言えませんで、消極的に「この際、アップデートしておくか」という程度の受け止めに。
パーツを分売してくれること自体は有り難いのですが「そもそも、そんなパーツのために新規金型を投入するんじゃなくて…」という見方もあるとは、これもまた以前にお話ししたと記憶しています。



分かりにくいことを書きました。
つまり、新しいポスターを見て、手元にある車両たちをアップデートさせるかどうか、という判断を迫られ続けていて、なんとなく暗くて長いトンネルの中でしんどいマラソンをさせられている気分なのです。

買い直しやアップデートのために財布からお金を出しても「楽しい」と思うことはほぼありませんし、なによりも、そんな買い物の結果をこの場で披露しても共感が広がるとは思えません。
いっそ、リニューアルの可能性を“将来のリスク”と捉えて「処分する」とか「もう持たない」とか、そんな結論を出すことも始めています。


自分が持つ自由時間の中で、長年温めてきた「Nゲージ」という範囲が狭まりつつある、ということが自分自身で気がかりです。
近いうちにメーカー各社からまた新しいポスターが発表されることと思いますが、おそらく身構え方は変わらないでしょう。

「お金を使う」ことで確かなリターンが感じられる別の趣味を、Nゲージ以外の何かに見出す必要性もあるのかな。
いや、鉄道趣味以外で、ですかね。


ではまた。


  1. 2022/03/26(土) 15:30:00|
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2022年 あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。
しなのさかいでございます。




2021年12月18日 山梨県北杜市にて


「2022年」。
毎年のことながら、こんな数字で書き表す時代を自分が生きていることがなんとも不思議で、どこかSFの世界にいるようです。

その割には、街の風景は1990年代と大差ありませんし、人類が火星に降り立っているわけでもありません。
EVが席巻する国も出てきてはいるものの、日本においてはまだまだガソリン車。
結局のところ、文明の進歩もこれまでのような劇的な右肩上がりにはなり得ない、そんなフェーズに到達してしまっているのかもしれません。

分かりませんが(^^)



さて。
100年に一度と言われる厄災が全世界を覆うこととなってから、ほぼ2年。
経済的な打撃で劇的な生活の変化を受け入れざるを得ない方が多い中で、おそらくココにお越しいただいている方々は、幸いにも以前と変わらずに鉄道模型趣味を続けていられるのかな…、と勝手に想像したりしています。

とはいえ、日常の中におけるこの趣味の向き合い方を再考しようと動き始めている方々も含まれているようで、「このままでいいのかしらん」として変化を求める空気感は、こちらとしてもしっかりと受け止めています。


こんな流れで当方の昨年の趣味生活を振り返ってみると…




 
前半は、自分でもよくまぁやったものだと言いたくなるくらいレイアウト工事に邁進していました。
その成果もあってか、現状、まずまずの風景を眺めてニンマリすることができています。

もちろん「レイアウトに完成なし」。
まだまだやりたいことは脳内にリストアップされていて、その工作準備もしているんですが、とりあえず8月頃まではひたすら地面に向かって思考を繰り返すことがメインだった、と振り返ることができます。





ところが、そんな趣味生活は9月頃から一変してしまいます。
かねてよりレポートしています「インレタ転写」です。





トミックスの新ポスターに興味を向けているうちに、自分の手元にある買ってきたままの車両、つまりインレタ転写をしていない未完成車両の数の多さが気になり出しました。
「こやつらをセットアップして、カトー製品と同レベルに持っていくまでには、これから先どのくらいの時間がかかるのだろう…?」
漠然とした不安から早速作業を始めてみたところ、想像していた以上に全く終わらないという(笑)





時間の問題だけならばまだ良くて、サードパーティのインレタを調達するという想定外の財政負担もジワジワとフトコロを痛めまして、なんだかヘロヘロな気分での締めくくりとなりました。

とまぁ、こんなところが2021年の真相なんですネ。




他の趣味とも共通して。
この趣味に向き合うためには、①時間、②場所、③お金といった考慮すべきポイントがいくつかあるようです。
それも、これらのいずれかが長けていればイイということではなく、これらがバランスよく消費されたり、機能し続けることで趣味生活をより豊かに感じられるような気がしているんです。

せっかくの場所を確保しても、お金を使い過ぎてモノに埋もれ、手狭になってしまっては趣味全体が台無しです。
お金をたくさん持っていたとしても、交換したモノを使いこなしたり愛でたりする時間のゆとりを伴わなければ、消費したお金は活きません。
これだけ各社から毎月のように新製品が溢れ出せば、お金と交換するモノに対する目利きやセンス、新企画の捉え方、受け止め方も重要となってくるでしょう。

「◯◯マニア」という言葉があるように、どうしても趣味って自分の中で過熱していくものですから。
どこかで自分自身が消火剤を吹き掛けながら飛び続ける必要がありそうです。
その消火剤、ちゃんと自分の中に持てているかどうか…

当ブログではこんなことを考えながら、ホビーショーへ足を運び、その発展として「Nゲージとお金の使い方」を考える集いを催してきました。
おかげさまでたくさんの方々に御意見をいただくことができました。
改めて御礼申し上げます。
当方としても考え方を転換するキッカケとなるコメントを数多く読ませていただくことができました。
そしてまた、ここ数年繰り返してきたこともあって、既に皆さんもお気づきのとおり、大方この場における意見は収斂されてきたようです。

そこで、新年となったことを契機として、ひとまず「集い」形式はリセットしてみようと思います。
とはいえ、適当な機会を見計らいながら「上流」のやり方に対する「下流」の捉え方についてはコメントし続けていきたいナとも。
そのためには、オリンピック以前、コロナ禍以前のように模型ショーなどが再開されることがマストですね。


さて、1年後にはどんな模型を手に入れて、コタツの中でホッコリとしていることでしょう。


それでは、2022年のスタートでございます。





  1. 2022/01/01(土) 00:01:00|
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よいお年をお迎えください。



2021年12月18日 中央自動車道・諏訪湖SAにて


2021年も残り数時間となりました。
1年間お付き合いいただき、ありがとうございました。


しなのさかいの駅前広場





  1. 2021/12/31(金) 12:00:00|
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塩尻峠を越えて、再びコアラに会いに行く

こんばんは。しなのさかいです。




約2年ぶりに訪れた小淵沢では、夕方から雪が降ってきました。
背後の八ヶ岳から降りてくる冷気が厳しいからか、北杜市という山の斜面にあるような土地の寒さは、海からの風にさらされる日本海側とはまた異質、という感覚です。
いや、八ヶ岳だけではないですね。
甲斐駒ヶ岳を擁する南アルプスにも囲まれているようです。


「スーパーはくと」の引き取りも後回しにして、ちょっとだけ、前泊付のワンデイ・ミニトリップをしてきました。





前泊を経た翌日(12月18日)は快晴。

定宿の敷地内からの定点観測をして、中央東線がE353系のみの特急街道となったことを改めて実感しました。
これは9時24分発の「あずさ14号」で、付属編成を連結しない9両。
時刻表の上では、この僅か22分後に甲府まで達します。

E351系とE257系が代わる代わるやって来る風景もそれはそれで楽しかったのだと今更ながら気づく訳ですが、効率的な車両の運用を考えればE353系の車種統一は仕方なのないことでしょう。
JR東日本では最後の205系の置き換えも加速しており、普通列車を担当する211系の運用もそんなに長くない予感。
小海線のキハ110系も気になる車齢ですから、数年以内にはまた更に小淵沢駅の風景が変わっていくと思われます。

この場で長野色の115系を見ることができていた頃がつい最近だったような…





さて、風景を楽しみながら買い物でも、ということで、まずはパン屋さんへ。
店内の窯で硬めに焼かれたパンは、噛むほど味が楽しめるようで、県道から奥に分け入る場所なれど、訪問者は途切れることがないようでした。





次は食品と雑貨類の買い物。
ポイントカードもいただきましたょ。





快晴で動きやすいことこの上なし、でした。





さらに移動して、甲州街道・台ヶ原宿にも数年ぶりに訪問。
金精軒さんで信玄餅やどら焼きなどのお菓子を買い込みました。





「七賢」で有名な山梨銘醸さんの蔵元は、この台ヶ原宿にあります。
店の中が前回訪問時よりもますます垢抜けていて、どこかの鉄道模型メーカーとそっくりの変わりっぷり(ホントにそうなのです)。
お酒が飲めない人でも楽しめる、隠れた立ち寄りスポットとなってきているようです。

隣の直営レストランも盛況ぶりは健在で、その他、この台ヶ原宿では洒落たコーヒー店もオープンしていましてビックリ。
甲州街道の宿場町も攻めに転じたようでした。
そういえば、昨年の9月に訪問した日野宿もそんな気配がありましたっけ。


この後は「道の駅はくしゅう」で恐ろしいくらいの野菜を買いましたが、御想像どおりの行動ですので、このパートは省略でございます。


さて、いつもどおりならば、ここから諏訪湖まで、のんびりとロングドライブをするところですが、久しぶりにおいしい空気を吸って、少し気が大きくなりました。
車の中で「行けるでしょ」「いや無理よ」といった同行者たちとの論争になりながら、小淵沢インターを経て中央自動車道をさらに北上し、長野自動車道へ。
梓川サービスエリアのスマートインターを抜けて、結局松本市へ降り立ちました。





とある場所を見学し、そのついでに久しぶりの松本城なんですよ。
ライトアップを開催中とのことで、開始時刻の18時を待ちきれずに、チラホラと人々が集まりだしていました。
その他、プロカメラマンに結婚写真を撮ってもらう二人とか、松本城は用途がいろいろのようでした。





展望台、いや天守閣最上層から。
真ん中やや右寄りに常念岳を見て、松本市をぐるりと囲む山々がそれぞれに冷気を吹きおろしているようで、なるほど15時を過ぎる頃になると寒さが厳しくなるようです。
寒い冬は嫌ですけど、「寒い寒い」と言いながら寒い街を歩くことにはどこか気分が酔えたりする。
そーゆーこと、ありますあります。





「お城」がある街が羨ましい。
観光で訪れれば、まずはここが目的地となりますから。

約10年ぶりに天守閣を登りましたけど、アスレチックあるいは忍者屋敷のような面白さは健在でして、またそのうち来ようと思いました。

木造復元を目指す名古屋城は一体どうするんでしょうか。





ここまで来て夕飯を松本市内…とするのもどうかと思い、県道63号(これもまた素晴らしいドライブコースでしたよ)で塩尻へ抜けて、さらに塩尻峠を越えて諏訪盆地へ。





いつものように岡谷の「さんれ~く」で夕飯です。
このね、コアラのマークが沁みるんですわ、何故か。
最近、唐突にこーゆーことが多くなりまして、単に涙もろくなったのか、それとも生きにくくなってきたのか、自分でもよく分かりません。
ま、いずれにしても大したことはないはずです。





新メニュー(?)のトルコライスを試しました。
もちろんおいしかったですよん。

18時頃の早めの夕飯でしたので、店内は閑散としていましたが、食事をしているうちに地元の方々が次々に来店しましてね。
ニセ岡谷市民となったような感覚に陥って非常に満足し、お会計をして退場です。
「ニセ市民」になる楽しみはやめられそうにありません。
ローカルファミレス巡り。
次は「あっぷるぐりむ」か、「さわやか」か。





すぐそばのヌーベル梅林堂さんで、これまたお菓子を買いまして、その後は車で数分の日帰り温泉「おかや温泉ロマネット」。

ここは初めて訪問する温泉施設で、肌がツルツルする泉質が面白かったです。
内装は「片倉館」を意識して造られているのかな。
いわゆる露天風呂はありませんが、営業時間も比較的長く、座敷の休憩室もしっかりとありますから、男女の待ち合わせにも不自由しません。

今回は「さんれーく」と「ロマネット」という組み合わせを発見しまして、諏訪という土地を旅のエンディングとするときに用意できる“岡谷ゴールデンコース”の完成となりました。



*   *   *



というわけで、久しぶりの、軽めのフィールドワークでした。
「新たな危機」も近づいている気配があり、こんなことをしていられるのも、ひょっとしたら今のうちかもしれません。

一方、やはり海外からの観光客が居ない観光地というのは(自分の感覚では)1990年代を最後に見られなくなっていましたから、こんなときこそ訪れてみたい場所はたくさんある訳でして、京都と奈良はその筆頭となります。
かつての修学旅行をやり直すような見学旅をしてみたいものです。

また、日程の都合上、恒例の年末木曽路ドライブは叶いませんでした。
中央自動車道の神坂パーキングエリアにスマートインターが開設される日も近づいているので、パーキングエリアと至近の馬籠宿から恵那山トンネルへの取り付きが劇的に楽になるはずです。
中津川市内へ降りる必要がなくなりますから、こんなことも試してみたい。

もっとも、中津川市内に入って名古屋圏の空気を感じることも関東人のささやかな楽しみではありましたが。
この付近で「アトムボーイ」を見て感動したのも古き良きおもひでです。


ではまた。

  1. 2021/12/22(水) 23:30:00|
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タラーンとした日常

おはようございます。しなのさかいです。




しばらく気絶していました(笑)

現実の世界も、模型の世界も「鉄道」に関しては大きな話題の渦などなくて、その気になれば非鉄な日常を送ることもできるし、その気にならなくても気づかずにそんな日常を送っている…
いつのまにか、鉄道趣味を巡る世の中はそうなってしまったかのように見えます。

さらに、今年の夏も昨年と同じ流れになりつつあり、家にいて作業をする時間に恵まれることとなっても、気持ちが持ち時間に比例して上がる様子がないのです。

うーん、このままではヤバいですね。
いろいろと。
そんなことを考えながら、近所の公園で真夏の空を眺めていました。



そんな中ですが…




カトーEF15最終形の再生産を記念して、12系客車を牽引させてみました。
記念列車です(^^)
デッキのある旧型電機は、そのデッキがある分、牽引車両の妻面から本体が離れるので、このように後ろから覗いても顔を見ることができます。





ホイッスルカバーを今度のASSYパーツで対応させましょうかね。
スノープローは、まだASSYの設定がない頃にわざわざ標準形の台車ごと買い求めて手に入れた思い出の品です。


今模型店で見ている限り、並んでいる貨車製品の量はトミックス製が圧倒的で、カトー製がチョボチョボ。
それだけ再生産のたびに売れているのでしょうが、カトーつながりで国鉄貨物ワールドを広げられるイイ機会だけに、タキやヨの再生産だけでは惜しいし、もったいない。
単品貨車は「買い足す」という昔ながらの消費行動が起こりやすいだけに、模型屋さんでいつでもお気軽に買える状態になるといいのですが。





カトーの「とびうお・ぎんりん」を走らせてみたのは、白いボディの具合が気になって確認してみたくなったからです。
幸いにも黄ばみなどはなくて無事でホッとしました。

つい最近はトミックスからも発売されていましたが、当方は何故かこちらの方が好み。
白の色調の違いもその理由かも。
そして基本セットと増結セットで車番が全て違って印刷されていることも大きい。
増結セットはもう一つあってもよかったです。



こんな風にして、101系鶴見線と同じように既に手元にある車両を再び走行させる遊びをしています。





高価になった車両を増やさないで、手頃な価格で手に入るパーツを買い求めて、簡単に交換してみるのもいいですね。
目下、飯田線の旧型国電でスポーク車輪を使っていた車両を調査中で、流電セットには使えそうというところまで来ました。



こんなです。

自分でもずいぶんとタラーンとした活動内容だと思っていますが、仕方がありません。
とにかく買いたいモノがないし、模型店で見かけた新製品も「買わされる感」がハンパないといいましょうか、ホントに自分が買うべきなのかと自問自答することが多く、結局はそこから立ち去るというパターンの繰り返し。

目下、趣味の方向性は模型屋さんで見つけるのではなくて、自宅の模型部屋で考えるようになっています。





それでも、レイアウトの作業もチマチマと進めているのですよ。
常葉樹のボリュームを増やしたりして。
やっぱり地面の作業は楽しいですね。



近況報告でした。
もう少しシャキッとして出直します。

ではまた。

  1. 2021/08/04(水) 08:00:00|
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(番外編)「懐かしいもの」と「懐かしくないもの」

こんばんは。しなのさかいです。


前の記事では、皆さんには大変お世話になりました。
参考となる多くのコメントをいただきまして、こちらとしても楽しんで返信をさせていただきました。
今回はその御礼を兼ねながら、ちょっとだけ前回のコメント欄の最後に書くつもりで脱線させていただこうという趣旨になります。

そのような位置付けになりますので、今回だけはコメント欄を閉塞させていただき、次回の記事へつなげます。
御理解をいただきたく、よろしくお願いします。



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前の記事では、連接車さんのコメントから「1990年代が懐かしい」ということで対話をさせていただきました(連接車さん、ありがとうございました)。

連接車さんへの返信は、実は仕事帰りの通勤電車を降りたところで「えいっ」と送信させていただいたのですが、その後、バスに乗っている間に再び考えこんでしまったのです。

「懐かしい」ってどういうことなんだろう。





当方は勉強がきらいですので、ここで国語辞典を読むようや野暮なことはサラサラやる気がありません。
飽くまでも鉄道模型趣味を例にして捉えてみたくなった、ということで本稿を続けます。




我々は、鉄道模型の車両を見るとき、そしてまた模型メーカーのポスターを見るときには「懐かしい」と思うことがよくあるようです。
おそらくたぶん、鉄道が好きになってから乗ってみたり、自分の目で走っている車両を、あるいはある車両の現役当時に鉄道雑誌のグラビアなどに掲載されたその車両を見て、なおかつその経験が記憶の中にあることで、自分の脳が「懐かしい」と認識してしまい、また声に出してしまうんだと思います。

また「今も走っている車両」なんだけど、自分の住まいから遠く離れた旅先で乗っただけであって、普段は簡単に乗れない車両だったりすると、これも「懐かしい」となるかもしれません。

いずれにしても「懐かしい車両」とは“かつて自分が乗ったり見たりしたけれど、今はそれが叶わない車両”とやや幅広に捉えることができそうです。




さて、「懐かしい」と思う車両があるということは「懐かしくない」と思う車両もあるはずです。
その違い、その境界線はどこにどのように存在するのでしょう、というのが本稿のテーマになります。


簡単に思いつくことは、今も走っている車両を「懐かしくない」として「懐かしい車両」と区別する、そんな境界線です。
これはこれで間違いではないはずで、要は時間のスケール上では「懐かしい」よりも現在の方に向いたところの範囲ですね。
E235系などは多くの方が「懐かしくない」と捉える車両ではないでしょうか。





ここで当方、脳内で自分の模型部屋をぐるりと見渡すイメージを描いて(だいたい収納場所は頭の中に入っています)少々悩んでしまいました。

「懐かしい」車両は簡単に「これ」って指をさせるんですけど、どうも懐かしいと思っていたはずなのに指をさせない車両がある。
「懐かしい」と思っていたものが「懐かしくない」かもしれないと気づいたからなんです。



当方は蒸気機関車の模型を数多く持っていますが、これらが現役の頃を知らない人間です。
だから「懐かしい」という捉え方は正解ではありません。

客車急行列車たちもそうで、乗ったことはほぼありませんが、何故か模型部屋にはズラリと並んでいます。

飯田線の旧型国電たちも実は全然懐かしくない(笑)
当方はまだ「関水金属」と呼ばれていた頃にカトー製Nゲージを買ってもらいましたが、まだまだ趣味的にはヨチヨチ歩きもいいところでした。
鉄道雑誌を立ち読みしたり、友達同士で乗り鉄をするようになったのはせいぜい1983年頃から。
もう飯田線には119系が走り始めていました。


その他にも疑惑印の「懐かしい鉄道模型車両」はたくさんあって、今更ながら、そやつらをお店から持ち帰ってきた動機は何かもっと別の動機だったのではないかと。

つまり「懐かしくない」世界は、懐かしい世界の手前の世界だけにあるのではなくて、もう一つ、懐かしい世界のもっと過去の世界にも存在するようだ、ということなのです。




 
懐かしくはないんだけど、何故か興味が湧いてしまう過去の車両。
懐かしくはないんだけど、いつのまにか1票を投じてしまう謎の車両(爆)
不思議ですよね。

現在に至ってもなんらかの魅力、人を惹きつける力のような要素を劣らせることなく備えた車両や列車もあることにはあって、そのことで出たヒット作もあるのでしょうが、今までの数多くの鉄道模型の「新製品」を振り返ると、それだけでは説明がつかないものもたくさんあります。

「懐かしいでしょう」と言って特定のターゲット層に向けてセールスする新製品車両と、もはや懐かしいと考えるユーザー層が薄いことを見越して、それでもなお「ね、おもしろそうでしょう」とセールスする新製品車両。
もちろんどちらも歓迎できるものであるとして、発表直後のざわめきの大きさは、どちらかと言えば後者なのかもしれません。
「おいおい、いったい何を始める気なんだ?」となって、メーカーから発せられたメッセージの意味を調べたり、とかね。

この時点で既に「対話」が生まれているのだということは、もはや本稿で繰り返す必要もないですね。

これまでの鉄道模型の新製品には、そうやってユーザーの心理を揺さぶって、思わず買わせてしまうものがあった、ということのようです。



さて、このコロナ禍で忘れがちでしたけど総括すべき2010年代の10年は既に終わっていて、もはや2020年代です。
我々鉄道模型ユーザーは「懐かしくない」新製品に出会うことができているでしょうか。



なんだか新年の御挨拶のようになってしまいまして反省しています。

ではまた次回に。


  1. 2021/06/21(月) 20:00:00|
  2. 駅ノート

2021年 あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。
しなのさかいです。




多くの方々にとっては大変な年になったと思われる2020年が終わりました。
しかし大晦日の状況を見ると、2021年も引き続いて厄災に右往左往することは間違いなさそうです。
この国には重々しいメッセージを発することができるリーダーが圧倒的に不足しているようで、このことによって国全体で果てしない論争の渦の様相を呈しています。

テレビを点けてもネットを見てもそうなので、争いの姿を当たり前のもののように感化されてしまったのか、街中でも道路上でも、攻撃性あふれる人をよく見るようになってしまいました。
ウイルスよりも人間の攻撃から逃げるためのステイホームをする必要がある…
そんな気分で今日も家にいます(近所の量販店だけはそっとパトロールしますかねえ)。


ですので、現実の世界から逃避できて、自宅にこもった方がより遊べちゃうNゲージ趣味は「やっててよかった」となるのですが…
毎年のことではありますけど、改めて問いかけましょう。

皆さんはこの趣味を楽しめた2020年だったでしょうか。


当方の1年間をざっくりと振り返りますと、まぁこんな感じです。

・カトーの新製品はホントに買いたいものが少なくなったし、買わなかった。
・その間隙をトミックスが突いてくるもんだからいくつかを手に。でも品質に難があってすぐに売却することも。
・本当に欲しかったマイクロエースの京急2000系を手にしてどこかホッコリしちゃったワ。
・おこづかいだけに頼らずに「買う前に売却」を徹底。不思議なことに1年間トータルでは黒字。
・そんなことでして、新製品レビューをするテンションも上がらず。
・レイアウト工事は「ひととおり完成」の後の修正、装飾段階に。


参考にはなるはずもなく。
なんだか、もがき苦しんでいるような2020年だったようです。
読み捨てちゃってくださいね(笑)




Nゲージ趣味の黎明期は、誰もが街中の模型店へ通い、そこで主人や常連客から感化されることだけで満足していたものでした。
やがてそうした零細模型店は後継問題などから閉店していき、顧客は他者とのコミュニケーションを失っていくのですが、そこで思わぬ伏兵が現れます。
「ワラビの狂犬」マイクロエースの再登板です。

同社の新製品は正にカユいところに手が届くようなものばかりでしたので、ユーザーは喜んで買い続けました。
それまでの模型店に代わって、ポスターと新製品を触媒にして鉄道模型メーカーとの対話が成立していたように思います。
Nゲージ・ユーザーにとって、このことは非常に新鮮な経験となってしまいました。
ただし、新製品で遊ぶいとまもなく「次の新製品」を買うこととなり、さらには品質に対する評価も二の次となってしまい、雑なコレクションが広がっていくものになっていくのでした。
対話を続けるために「月刊マイクロエース」に追従していくようなスタイル、とも言えましょうか。

この後は、マイクロエースに代わってカトーの快進撃が始まった訳です(語るまでもありませんね)。


我々ユーザーは、同好の他者とのリアルなコミュニケーションを失いかけていて、その代わりにメーカーとの擬似的な対話を楽しんでいます。
そして対話は「新製品」を「買う」ということで、かろうじて成立しているようです。
しかしその「新製品」も、ユーザー間の公約数のように、発売と同時に大きなフォーラムのようなものが生まれている間は機能していましたが、今ではどうなんでしょう???
なかなか力強い新製品は見られなくなったので、もはや「買う」ことでも他者とはつながりにくくなってしまっているようです。
現状はその手前、新製品の「発表」でかろうじてつながっている状態。
市場全体の消費意欲は旺盛のようですけど、その真実はなかなか厳しい局面、なのではないでしょうか。


模型店もなく、ヘビーな新製品も(企画の弱さから)なく、この趣味はますます個人主義的なものになっているようです。
メーカー各社はそうならないように、エントリージャンルの開発、イベントの開催に力を注いでいるようですけど、どこか空転気味。
今なお正解は見えていません。


現実の世界でも、模型の世界でも、閉塞感が覆っているように感じます。
数十年続けてきた趣味ですので、なんとか楽しめる方向に持っていかないといけないのかな。
そんな気持ちでいっぱいです。


暗い雰囲気でのブログ始動となりましたが、本年はこれまで増やしてきた「かつての新製品」を振り返りながら、自分なりの世界を育てていければいいなと、そんな前向きの発想を温めています。


ということで2021年のスタート。
本年もどうぞよろしくお願いします。





  1. 2021/01/01(金) 00:01:00|
  2. 駅ノート
  3. | コメント:18

よいお年をお迎えください。



2020年も残り数時間となりました。
1年間お付き合いいただき、ありがとうございました。


しなのさかいの駅前広場




  1. 2020/12/31(木) 14:00:00|
  2. 駅ノート
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