しなのさかいの駅前広場

細かいことばかりでよく分かりません。

第13回国際鉄道模型コンベンション(その4・完)

(その3からつづく)


【カトー】

やっぱり最後は、カトーブースでの話題をまとめることにします。
13時00分開演の加藤社長によるプレゼンテーション。
これを1年間楽しみにして待っていました。


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ついに始まりましたー。
拍手の中から地味に登場。
しかし会場の雰囲気は、まるでデパートの屋上のようです。
ちびっこは誰一人いないのですけど。



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まず最初に、1年前の発言を振り返ってという意味でHOのEF510について。
オプション設定のニュースがいろいろと語られました。
静岡ホビーショーでは「これから検討」というか、サードパーティに任せるようなことを聞いていましたけど、早くもユーザーの声に応えたような形です。

小半径曲線用の連結器については、テーブルトップでの遊びを大きく意識したものだとか。
このあたり、鉄道模型をやったことがない新規ユーザーの獲得に全力を挙げている様子、ですね。
DCCサウンドデコーダ搭載済製品については、目を輝かせるユーザーも多いかもしれません。
とにかく製品本体が低価格なのですから。
搭載による価格上昇を考えても、他社製品と互角の値段かもしれません。

あらためて見て、普通、ヘビー、初心者の各ユーザーに向いた戦略的アイテム、という印象を受けました。



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当然ながら、NゲージのC56についても。
当方の記憶ですが、おととしのこの会場でD51のモーターを開発中であるとした加藤社長のプレゼンの中に「C56でもC12でも」なんていう発言がありましたっけ。
こーいうひとことを聞き漏らせないので、このショーは実におそろしいのです。
で、こうして実現してしまいました。

こんなのを見てきてから(書いちゃってから)わずか1か月後に製品化発表。
そして半年後には手に入るのですから。
自分でも信じられませんが、ホントの話なのです。



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アルプスの氷河特急。
これもカトーの新しい展開のようです。
このプレゼンの後で伺った話では、この氷河特急は、当方のようなこれまでのユーザー向けではない、海外現地や飛行機の中、空港のショップなどでの販路開拓を期待しているとのことでした。
室内灯をオプション設定することもない見通しだそうですから、割切り方が伝わってきます。
HOのEF510のような戦略とは別の、また新たな戦略を始める、ということのようですね。
まずは暖かく見守らせていただく、ということでよろしいでしょうか。



そして、恒例の年末アイテム発表。


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パネルが反転した瞬間「おーっ」という歓声がありました。
こういうこと、ここ数年なかったな。

E655系なごみ(和)。
数年前にフジテレビの朝の情報番組で笠井アナウンサーがそんな話をしていましたっけ。
「カトーはやるそうです」って。
5両セットでして、TR車は入らないそうです。
が「お召列車運転にも考慮したパーツ取り付け設計とします」とのこと。
ちょっと気持ちが複雑になる?アナウンスでした。

しかし、5両だけだと年末の売り上げとしては少なめですよね。
例年はガバガバ買わされていたような気がしますよ。



で、そのあともいろいろとお話を伺うことができました。
いつもいつも本当にありがとうございます。
この場を借りて御礼申し上げます。

今後も自分のわずかなおこづかいを有効に使っていく上で、大変参考になりました。



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C56については、動力部のみが展示されていました。
モーターはD51のものと同じ。
ここまでの小型化に成功したので、B20を除く(あれは別格ですね)国鉄形蒸気機関車の製品化については、ハードルが圧倒的に低くなったようです。
C11よりもハードルの高いC56を選んだ理由には、そうしたフォーマットの早い段階での確立ということもあったのですね。
ウォームギアの彫りこみ角度が特徴的、と盛り上がってしまいました。



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ホントに小さくて軽い。
これで旧型客車5両は牽引できたとのことでした。
C56の実物を考えれば、十分と言えましょう。
スローも効いて、いつまでもユニトラムの上を走り続けていました。
モーターの上の2つのツメはライトユニットを挟む部分だそうです。
ここから長い道光材と途中の屈折を使ってシールドビームを点灯させることになるとか。
R150もOK。
小型レイアウトユーザーにも訴える小ささです。

C62、D51、C56と3サイズの動力ユニットが揃いました。
これでカトーの蒸気機関車は、いつどんなものが製品化されるのか、びっくり箱のようになってしまいました。
恐怖と楽しみが混じり合った空気が今後しばらく続くでしょう。
もっとも、バリエーション展開もありますので。
D51は「なめくじ」よりもアレを…



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ツムとコキ。
ツムの扉は想像以上に薄かったです。
これもカトーの技術的ブレイクスルーの1つですね。
今後の有蓋車の標準仕様となるかどうかにも注目させていただきます。
ツムだけで終わらすにはもったいない仕様。
約30年前に製品化された定番貨車のリニューアルでこんなギミックが備われば、貨物を中心としたレイアウトを作る人も多くなるかもしれませんね。
トップリフターやフォークリフトの製品化も、そうした「貨物列車で遊ぶ」という要素を膨らませる狙いがあったんだそうです。

ターンテーブルも扇形庫もやっています、とのことでした。
いろいろとお話を伺いましたが、とにかく待ちましょう(!)


どの話題になっても気が付いた点。
今のカトーは「新しい技術」かそれに準じた工夫を生み出しながら、新製品を発売しているということ。
そんな製品が実に多いということです。
しかも、そのフォーマットは今後の商品展開を十二分に考えてのことなのですねー!
なので新製品が登場しても、その設計の思いを想像することで、今後の楽しみを膨らませることができるのです。
「あそこをこーすればこれができちゃう」と繰り返されるお話は、聞くたびにドキリとしました。
今後も、毎月恒例となった4か月前の製品化発表を、答え合わせのように拝聴することとなりそうです。



というわけで、JAM13でした。
次は幕張ということになりそうです。
10月なんて、意外とすぐなんですよね。


ではまた。









































大雪警報発令。
うちの女房と娘はプールに行きましたけど(笑)










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  1. 2012/08/18(土) 23:59:49|
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第13回国際鉄道模型コンベンション(その3)

(その2からつづく)


【フローベルデ】

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同社のペーパー製橋梁製品の細かさは、いつも感心しています。
さすがはレーザー加工。
というか「つくってみようか」と心をぐらつかされていますね。
これは上田交通の風景だそうですが、橋梁が主役となっています。
いつまでもニンマリとみてしまうレイアウトでした。
地面の草は、例のノッホの静電気のやつです。



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この竹やぶはステンレス製だそうです。
残念ながら、製品化したものの完売となってしまったそうで。
しなりもあり、葉も精密に出来ていまして、たいへん見とれてしまいました。
ジオコレの樹木はどれも使えないものばかりでして。
鉄道模型レイアウトの樹木関係製品はまだまだ発展途上です。
いろいろな材質と表現方法の工夫で、できるだけローコストに森林を作れる時代になるといいのです。



【Zゲージ各社】

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ロクハン、天賞堂など様々なメーカーが頑張っているZゲージ。
ここにきて車両のラインナップが豊富になってきたようです。
新しい165系が発売されるというニュースは、Nゲージユーザーから見ても気になります。
フル編成前提のZゲージだけに、12連のアルプスなんて簡単に。
しかし今の時代、かけもちで2つのゲージをやるのはキビシイですねー。
Zゲージに乗り換えるまでの気力は、やはり無いです。



【鉄っちゃん倶楽部】

広い会場をまわろうにも時間切れ。
初日だけしか見れない者としては、こうなると12時開場はつらいです。
しかし、こちらのクラブだけは、毎年必ず拝見させていただいております。
ホントに勉強させていただいております。


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今年の新作は「第八利根川橋梁」をモデルにしたセクションだそうです。
吊り橋だけでなく、街灯まで設置されていて、見ていても楽しい。



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今回もこの水面下の表現は健在のようです。
樹脂を流すような工作まではしたことがないので、ホントに脱帽。
製作過程もブログで公開されていましたので、ご苦労もよくわかりました。
樹脂漏れ対策のあたりは圧巻でしたー。

上越線は山あり川ありで、特に表情に変化の富んだ路線。
なのでまだまだネタがあるようです。
やっぱり来年も期待しちゃいます。すみません。
楽しめる範囲で頑張ってください!


(その4へつづく)














  1. 2012/08/18(土) 21:02:27|
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第13回国際鉄道模型コンベンション(その2)

(その1からつづく)


【マイクロエース】

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京急800系です。
着色された状態で展示されていました。
側面窓のHゴムがボディ側にモールドされ、少々出っ張っているようですが。
窓枠に白い断面があらわれてしまっています。
それと、恐ろしく巨大なアーノルドカプラーは健在ですね(笑)
これで伸縮するみたいですけど、果たして意味があるのでしょうか。
ロケットパンチ?



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TX2000系。
当方の守備範囲外なのでよくわかりません。



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西武4000系ですね。
なかなか良さそうに見えました。



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さてさて東京メトロ10000系。
メーカー間の調整などあるわけもなく、こうして競作3番手が悲壮感を抱えて発進します。
車高が低く抑えられているようでした。
貫通扉(ガラス?)中央の装飾もきちんと行われていましたね。
地下鉄ヘビーユーザーへのアピールが奏功することを祈るばかりです。




それで、JR四国2000系なんです。
今回の生産で2度目となりますね。
予想どおり今回は、ラリった顔のN2000系、2424と2458がラインナップされます。


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前回品は、工場の仕上げが難アリでした。
接着剤のはみ出しがひどくてもう。
安定した出来をお願いしたいんですけど。

あとは微妙な前面形状の違いを気にするかどうか、でしょうか。


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1993年9月・高松駅にて

振り子車特有のボディ下部のふくらみ。
その位置ですが、こうして見ると、ライトよりも上にあると思うのです。
微妙なところですけど、模型の方はライトとほぼ同じ高さにふくらみのピークがあるような。
あんとなくおたふくかぜのようでして、不満ではあります。



【グリーンマックス】

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京成3150形。
なかなかの自信作のようです。
正面貫通扉にある方向幕は裏側からの別パーツのようでして、好感を持ちました。
4両動力付の価格が16,800円。
少々お手頃な価格ゾーンに戻ってきたでしょうか。

それと、新企画としてキット形式のシリーズを立ち上げるとか。
前回の鉄道模型ショウの際にも書きましたが、こうしたキットユーザーの存在をバッサリとやらない姿勢はうれしいです。
ちょっと週末のわずかな時間だけでも工作をしてみたくなる、そんな魅力あるキットが出てくるといいのですが。



【モデモ】

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びわこ号です。
鉄道模型ショウでは撮影していませんでしたので、今回。



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今回のJAMでの唯一の戦利品。
江ノ電シリーズの連接部の新型パーツです。
モデモブースでの発売でして、こうした救済策は助かります。
新500形や10・20形に取り付けてみようと思います。

それにしても、以前と比べると、この会場でのお買い物はしなくなりました。
ちょっとは変わることができたのかな。
開場直後の物販ブースの人だかりは、そりゃあもう、すごいものでした。


(その3へつづく)









  1. 2012/08/18(土) 15:25:06|
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第13回国際鉄道模型コンベンション(その1)

こんばんは、しなのさかいです。


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第13回国際鉄道模型コンベンション。
さっさと行ってきちゃいました。
今年は、開場が12時からとなり、東4というホールに移りました。
開場が遅くなるのは、早起きをしなくてすむようになりまして、ちょうど良かったです。

しかしながら、やはり暑い暑い1日でした。
会場も蒸し暑かったですねー。タオルを巻いたままの方が多かったようです。
そんな中、今回もいろいろと見て、聞いて、考えてしまったわけでして。
書きながら頭の中の整理をしてみますので、当方のタワゴトに少々おつきあいいただければ幸いです。




【トミックス(トミーテック)】

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183系あずさ色は、銀座松屋ではグレー色が出されていた時間に見ていましたので、サンプルとはいえ着色状態を見るのは今回がはじめてです。
この段階でカラーがどうのこうのと言っても仕方ないので、ただひたすらに祈るだけ。
どうか、スカスカなブルーでは発売されませんように。
115系のような、ちょっと白いボディの色が透けて見えてしまうアルパインブルーでは困るのです。

昨年の「あさま」のように年末発売ならうれしいですね。
9両編成で大糸線に乗り入れちゃいましょう。



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キハ120のトイレ設置工事が終わったやつです。
同車両のトイレをめぐる攻防は、このNゲージの改良をもって終わることとなります。
ところで、トイレなしのボディはもう作らないのかなあ。
なんだかあまのじゃくみたいですが、気になりません?
トミックス製品では、そういうパターン、よくありますから。



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銀座松屋でも撮影しました北陸本線の475系。
方向幕の閉塞された状態をもう一度確認してきました。
ライトのリムは少々厚みが目立つようです。
しかし、青いラインのきちんとした塗装のためには、これも許容できます。

トレインボックスの急行色は飛ぶように売れていましたね。
このブランドの気動車を以前持っていましたが、あまりにプレミアがつくので箱から出すこともできず。
結局、さよならしてしまいました。
なので今回はスルー。
こちらの新塗装で遊ばせていただきます。
秋には発売するようですから。



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鉄道コレクションの52系ですが、早くも2次車が登場です。
(ちょっと早すぎません?)
幅広の窓は、古いNゲージユーザーなら馴染みがあることでしょう。



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1次車は、もちろん買いました。
しかし塗装が残念な結果でしたー。
今回はどうなるんでしょうね。
時間があれば全部塗りなおしたいシロモノです。



そしてそして…

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東京都交通局6000形。
「いつかは鉄コレで…」と誰もが思っていたアイテムが、このタイミングで製品化発表されました。
6000形というのも、都電ワールドの入口としては納得できるネタ。



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モデモ製品とは異なり、車高が実感的です。
もっとも、このダミー状態ならGMのキットと同じと言えてしまいますので、動力ユニットが入った状態が勝負と言えましょう。
続報を待つしかありません。
しかしこのアイテム、これまでのトミーテックのジオコレ関連のほとんどにマッチングするのですよね。
カーコレ、トラコレ。バスコレでも似合う車両がありました。
街並みコレクションの初期シリーズなんて、都電の景色そのまんまだったのでは。
そう思うと、このネタには相当な需要があるように見えてしまうのです。
桜が咲く前までには発売されるのでしょうか。
後続ネタもあるかもしれません。楽しみです。



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参考出品だそうです。
昨年も寝台車の車内のやつがありましたけど、どうなったのかな?
買うつもりはありませんので特に質問はしませんでしたが、少々気にはなるのです。
「橋本わかば」って、そういう組み合わせがあったのかー。
「境タマコ」にして欲しかったのです(爆)



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80分の1のスロネフE26の試作品。
これでは感想の言いようもありません。
とにかく頑張ってください。



*      *      *



トミックスブランドでの新製品発表はなく、コレクション系でもご紹介した内容だけが新しいものだったような気がします。
建物系の新しい情報は、当方は特に気づきませんでした。
立石方面、ちょっとひと休み、といったところでしょうか。
そんなまったりした雰囲気の中、80分の1のEF63は、がんばって峠を登っていましたよ。
ロクサンは好きですが、大きいのには手を出せないなー。


(その2へつづく)






  1. 2012/08/18(土) 00:05:28|
  2. 鉄道模型イベント
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