しなのさかいの駅前広場

またリニューアルですか、そうですか

王子公園駅のホームから海は見えるか

「関西漂流(その3)」編からつづく)


2日目の動きをご報告する前に、今までの流れから少々脱線することをお許しください。


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ずいぶん前になりますが、「アーバンネットワークと南野陽子」という、なにやら奇妙な記事を書いたことがありました。
1980年代を青春時代として過ごすこととなった経験から、『スケバン刑事』といえば初代(斉藤さん)と二代目(南野さん)であり(残念ながら三代目は…)、初代よりも二代目。
不思議なことに、当時の一大トレンドであった「おニャン子」には全く視線が行かず、ひたすらに南野さんだった…と思っていて、鉄道趣味によくあることと同じように、自分にとって「あの頃」を思い出す一つのアイコンになり続けています。


そんな彼女は、当時の標準仕様である“歌うアイドル”でしたから、漏れなくアルバムもリリースしていた訳で、提供されたその楽曲も萩田光雄氏の編曲によるものなど、なかなかのものでした。





その1stアルバム『GELATO』(1986.4.21)の1曲目には『春景色』という曲が収録されています。
南野さんが歌う隠れた(?)卒業ソング。
3rdシングル『悲しみモニュメント』(1986.3.21)のB面(死語)として収録されたものが、1stアルバムを編集したときにトップに置き直されたようなので、リリースする側としても思い入れのある曲だったのではと勝手に推理しています(それとも、斉藤さんの1stアルバムと同じやり方にしただけ?)



https://www.youtube.com/watch?v=pnTNRK2ENq0

どういう曲なのかと気になる方は、たぶんこのあたりで見ることができるんじゃないかと思いますのでご覧ください。
この際、歌い方は関係ないと思います(笑)
なんだか様々なことが許容さていれる雰囲気があって、ホントにイイ時代だったなと感じてしまうんです。


さて、その曲の出だしには、当方が長年に渡って「謎」と捉えていたフレーズがあるんです。
それは…


あなた待つホームから見える景色は遠い海

春めく風に誘われる神戸線のどかに



…というものでした。
「ホーム」というのは、「家」のことをわざわざ英語にするような(ルー語のような)ことはしませんでしょうから、まぁ駅のホームを連想できますが、どこのホームなのかは特定されていませんから「イメージの世界なのかなぁ」と、そう思っていました。

ただ、次のフレーズにある「神戸線」ってなに?
やたら具体的だけどよくわからない。
そういう疑問がモヤモヤしていました。


しかし、インターネットというものは凄い。
2000年代に入って、ひょんなことから見たページには「“神戸線”とは『阪急神戸線』のことであり、“ホーム”とは彼女が上京するまで通学に利用していた王子公園駅のホームのことである」と明確なアンサーが書いてあったんです。

そういうことだったのかと視界が晴れる思いをしながら、その後のことも考えるのが当方の悪いクセでして、それは「果たして今でも海は見えるんだろうか?」という疑問を持ったことでした。

今回、こうして関西方面を旅する訳ですし、特に私鉄には乗っていない路線が多い。
さらに言えば、阪急電車については、その経験が皆無です。
それならば、行くしかない。

という訳で、旅の2日目は、自分の中の長年の課題を解決することを第一のミッションとすることにし、阪急電車から乗ることとしました。


□       □       □


2月26日(月)。




今回の、関西の鉄道を乗りまくる旅の目的を考えると、京都・五条を宿泊地としたのは、京都駅周辺とするより何かと便利であり、正解だったようです。
気持ちの良い快晴の月曜日の朝、通勤する方々の流れに逆らって四条通り、阪急烏丸駅まで歩いてみました。



IMG_20180308_0004.jpg

烏丸駅で「阪急阪神1デイパス」を買い求めました。
1,200円で全線乗り降りし放題なんですって。
やす!
当方は、何故か昔から1,000円分の「ラガールカード」を1枚持っていたので、河原町駅まで行ってこれを払戻してもらいました。
払戻しはこの2月1日から始まっており、関東者なのにタイミングよく換金できたと。
ラッキー。

なので差し引き僅か200円で全線乗り降りし放題、となりました(ゴメンナサイ)。





そして、ここで9300系との邂逅なのです。
カトーが数年前に製品化して、気になりながらも買うことがなかった車両で、初めて見ることになりました。

光沢のあるボディに、なんとなく上品さが漂う内装を楽しんで、恥ずかしながら「これが阪急電車の人気の秘訣なのかナ」と感心してしまいました。
こんなの、関東にはないなぁ。
この9300系に乗り込みました。





京都市内の地下区間を抜けて、京都線の地上区間へ。
快晴の空の下、9300系は梅田へ向けてかっ飛ばしていました。

昨日はJRの「新快速」で移動して、そんでもって今日はマルーンボディの電車で移動して。
ほぼ同じ区間を異なる路線で移動するということを可能としている京阪神の路線網は実に多様です。
沿線風景、ホームで列車を待つ人々にも少なからず差異があり、観察していて飽きませんでした。





梅田。
アナウンスは「梅田、大阪梅田です。」というものでした。

このターミナルに降りるのも初めての経験で、今までに何度も大阪に来ているのに「京阪神ミニ周遊券」が健在だった時代からJRばかりに目を向けていたことがいかにアンバランスだったかと反省しました。









京都線、宝塚線、神戸線。
ひっきりなしに列車が発着していて、それはまるでかつての上野駅、いや外国のターミナル駅のようで。
これは確かに大阪の一つの象徴であり、見ていて飽きないなと思いました。







ここまで車両カラーを統一している鉄道会社は例が少なく、それも伝統的に統一しているのですから、この「阪急マルーン」は絶対的なのでしょう。
現在の西武電鉄あたりはこのブレのなさを見習った方がいいのではと。





任務を遂行しなくてはならないので、今度は特急新開地行きに乗り込んで、神戸線の旅をスタートさせました。





そしてまた、六甲山地が近づいてきて。
JR神戸線よりも山寄りなので、少しは大きく見えるはずなのかもしれませんが、よくわかりませんでした。
ただ、その山地が近づいてくると、明らかにJR神戸線よりは山の裾野を貫いて線路が敷かれていることがわかって、その変化が面白かったです。

これが「神戸線」ということなのでしょう。





途中で各駅停車に乗り換えて、そして、問題の王子公園で下車。

早速、ホームから海が見える位置を確認…しましたが、やはりそんな位置は見当たりませんでした。






と、思っていたら…





これで「見える」と判断するかどうかは、南野さんに対する信仰心に関係するでしょう。
当方は「見えました」(⁈)

信仰心はともかく、1986年頃はどんな風に海が広がっていたのかと想像しました。
32年前だとすれば、今見える鉄筋コンクリートの建物だって全くなかった可能性もある訳ですから、もっと低い木造建築物が建ち並んでいたことでしょう。
だとすれば、神戸の海はバッチリ見えていたのかも。
それと、その間、あの震災もありました。
とにかく、長い長い年月が経過したのです。





王子公園には動物園があるようで、そこにはパンダがいるみたい。
月曜日であるにもかかわらず、観光バスも止まっていて(遠足?)、この辺りのレジャースポットとなっているようでした(ということでいいんですよね?)


ついでに神戸の何気ない坂道を体験したくなり、だったらばと、南野さんが通っていたと言われている学校近くまで登ってみました。
結構大変なアップトリムでした。

その学校の隣で、海の方へ視線を向けてみたら…





おお、ちゃんと海が見える見える。
こーいうのが神戸らしい風景だと(勝手に)思っていて、ホントに来てみて良かったと思いました。

なお、先ほどご紹介した『春景色』には、実は先ほどのフレーズと同じように2コーラス目の冒頭で…


坂道を上りきり、見下ろせば ほら船の影

優しい街を包んでる この街は いつでも


というフレーズが続いています。

もしかしたら、まさにココのことなんじゃないかしら…。

1コーラス目の海は微妙でしたが、2コーラス目の海は「まだまだ見える」というアンサーを出して、32年に渡る課題をクリアすることができました。

ミッション・コンプリート。

『春景色』に近い季節に現場検証できた訳ですから、これ以上の成果はないと思っています。

あやしい男が一人でウロウロしてしまいました。
毎日この坂を登るのは並大抵のことではなさそうですが、そこは学生さん。
若さかなー。





『春景色』課題解決記念として、この旅行で最初の貯金を、学校の近くの神戸中島郵便局で実行。
もっとウロウロしたかったんですけど、やはりいろいろと見るべき場所が盛りだくさんなので、下山することとしました。





右側が六甲山地、左側が海側、画面奥が新神戸方面です。

坂道のある街の暮らし。
関東平野の真っ平らな街に住む人間の勝手なアレなんですが、起伏のある街並みはとても惹かれる、個性的で、曲の舞台になり得る場所のようでした。


(つづきまーす)


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  1. 2018/03/10(土) 00:05:00|
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