しなのさかいの駅前広場

415系、売れているのかなぁ。

スイカを積んで、コアラの郷へ

おはようございます。しなのさかいです。

想定外だった奥飛騨の鉄分補給ネタを投下しました。
夏のフィールドワークについては本来ならそこでおしまいにするべきところなのですが、どうしてもあと一つだけお伝えしたいことがあり、本稿で「本当のおしまい」とさせていただきます。



例のキハ27に別れを告げたあとは、関東平野への帰路。
しかし、すんなりと帰ってしまうのももったいないし、せっかく標高の高い土地に来ているのですから、涼しい想い出を残してから「下界へ降りよう」ということになりまして、近場の「平湯大滝」へ転進しました。





その平湯大滝は、最寄りの駐車場から歩いて15分くらいだったでしょうか。
日差しはあるものの、気温は25℃という久しぶりの快適な数字にありがたみを感じました。

で、到着したら場所から1枚…なのですが、川沿いの展望スペースから先はロープで「立入禁止」となっていて、水に触ることすらできず。
確かにマイナスイオンは浴びているものの、これでは少し物足りない訳です。
マイナスイオンを目で見ることができない…ということもその気持ちに影響していますので「どこか親水公園らしきものはないか」とその場で検索しました。





そしたら、ちゃんとあるんですよ。
キハ27の方へ戻る形となりましたが「たるま(垂間)の滝」のすぐそばに砂防施設があり、どうもその工事に併せて造られたと思われる親水公園がありました。





この小屋が足湯風に親水できるようになっていたので、早速下の娘と足を入れて確認。

その水温は冷たいというレベルではなくて、もはや「氷水」でした。
こんな真夏なのに。
浸かっていると足の感覚がヤバくなってきて「うひゃー」と叫んで足を上げ、そしてまた浸かる…、以降その繰り返しでして、そのサイクルタイムは10秒というところだったでしょうか。





8月の上旬だというのに、僅かですが紅葉が始まっていました。
きっと寒暖差が大きくなってきているのでしょう。
皆さん、秋雨前線の出現も早いようですし、今年の秋の訪れは結構早いかもしれませんよ。




その後は、定石どおりに安房トンネルを抜けて長野県へ。
国道158号を一路、松本盆地へ降下しました。

ところで、この日(8月10日)はお盆休み初日、そして三連休初日ということで、登ってくる車は皆、関東平野からのものばかり。
沿道にある数多の有料駐車場には、上高地を目指す人々が乗り捨てたと思われる車で溢れかえっていて、ただただ「おつかれさまです」と黙祷しました。
そしてそこからはアルピコバス軍団の大活躍ということなのです。

我が家はこのルートを何度も(同じ方向で)利用していますけど、上高地へ行ったことは一度もありません。
景色が良くても「そこまで」して行く気がしないのです。
足尾銅山がこの国における工業公害問題の原点であるように、ここ上高地はこの国における観光公害問題(つまり「オーバーツーリズム」)の原点です。
1975年から始まった上高地のマイカー規制、パークアンドライドは、それなりに観光地の風致保全に資しているようですが、駐車場の混雑ぶりを見ると、根本的な解決には至っていないような気がします。
結局のところ、観光公害を許容する地域をオフセットしているだけですから…。
「殺到」という本質は依然としてそのままのようです。



松本盆地へ下りきって松本電鉄と併走し始めると、今度は沿道にスイカの即売所が並び始めました。
「そうか、スイカの産地なのか…」
でも、ここは安易に適当なお店へ入るのではなく、冷静に検索。





お昼過ぎでしたが、なんとか間に合いました。
JA松本ハイランドの「すいか村直売所」が開いていることを知り、サクッと急行。
ナンバーを見たところ、ココは地元の方々が多く利用しているようでしたね。
帰省する家族のためなのか、続々と車が集まってきて、緑色の球体を買い求めていました。
そんな場所に混じりましたので、我が家の旅行のミッションである「ニセ県民化政策」は、またもやクリアです。





朝に収穫したものを提供しているのでしょう。
この日の分は売切れ寸前で、なんとか一番大きいやつをためらいもなくゲット。
お値段は女房殿曰く「やすい!」という反応があるものでした。
お聞きになる方々の感じ方も多様ですから、具体的な数字は書かないでおきます(すんません)。
甘味の保証については言うに及ばず。
我が家の小さい車には、EH200のようにズシリとデッドウエイトが載りまして、再び出発。





その後は、以前Sさんに教えてもらってから家族でファンになった有明の「くるまや」でお昼にしようと向かったんですが、お店の前には驚くほどの行列。
連休初日はこんなところにも影響があるようでして、残念ながらここでの食事を断念。

異常に狭い入口から恐る恐る進入した謎の駐車場を出て、やはり娘たちの御朱印集めを優先してやることとし、久しぶりに穂高神社へ。
バカ暑い松本盆地でも、厳かな雰囲気のある神社では少しだけ涼しくなる気がしました。


松本市内へ入り、さらに四柱(よはしら)神社で御朱印。
んでもって上の娘が「白樺の大地」を買いたいというので、駅ビルMIDORIを目指しました。
何度も同じ場所に連れてくると、子どもとはいえよその土地でも勝手が分かるようで、親に対するリクエストもより具体的になってきています。
その方が応えやすくて楽、とも言えますが。





MIDORI提携駐車場のすぐウラには211系が。
アルパインブルーの「長野色」がいかに秀逸であるかが分かるような気がして1枚。
この色が登場して四半世紀が経ちますが、この色は民営化により登場した地域色のロングセラーです。







松本駅の211系とE353系。
お盆休みの大量輸送が始まっていて、夏の飾り付けで満たされた駅コンコースは帰省客でごった返していました。

それだけでなく、松本城を目指す欧米系のバックパッカーも地図を見ながらウロウロ。
なるほど「お城」というものはそれだけで海外に対するアピール力を持っているようです。
それ以外にも、駅前には「サイトウキネン」のイベントを告げる横断幕が飾られていて、小沢氏の顔写真がバーンと。
松本が持つ武器の揃え方は世界的レベルですねー。
そういえば、木造復元を目指す名古屋城は手続的に大変なことになっているようですが、大丈夫なんだろか。



□ □ □



ここまで来て、この日はマトモな食事をさせていませんで、それはそれでマズかろうということになりました。
この時点で16時頃でして、最後の晩餐をキチンとしておかないと、家に帰っても何か言われそうな雰囲気に。

そこでひらめいたのが「懸案事項」の解決を兼ねた作戦です。
時間調整を兼ねて、あえて長野自動車道を使わずに、国道19号・20号で諏訪盆地へ向かうこととしました。
夕暮れ時の塩尻峠を〈諏訪盆地向きで〉下りる絶好のチャンスでもあるし、ということで。
荷室には荷物に挟まった巨大なスイカがデンと座ったまま、気持ち良い20号のワインディングを走り抜けました。
夕暮れ時の塩尻峠が素晴らしい展望ビューを備えていることは言うまでもありません。





18時過ぎに目的地到着。
ココは岡谷市で、岡谷駅から歩いて数分の場所。
ファミリーレストラン「さんれ~く」岡谷店といいます。





グランドメニュー。
真ん中には、寂しそうに(?)こちらを見るコアラの家族が。

店内は1980年代の「おしゃれ」感がそのまま保存されたようなインテリアで統一されていて、とても懐かしい雰囲気。

繰り返しになりますが、ちょうどお盆休みの初日ということもあってか、我が家がメニューを眺めている間には、地元に帰省した人を含む3世代(あるいは4世代)の大人数家族が数団体入店してきて、程よく席が埋まっていきました。
そのうち「おばあちゃん、いいのー? ごちそうさまー!」なんていう声も(おばあちゃんに金を出させるんかーい)。

ウエイトレスさんは少し御年配の方で(本当にゴメンナサイ)、その辺も「ローカルファミレス」感満載でした。





「洋食屋さんのハンバーグ」というものを注文してみました。
ハンバーグ自体は他のメニューのものと一緒のようですが、上に乗せるモノやソースが独特で、なるほど確かに洋食店で出てくるような個性的な味になっていました。
アイデアで生まれた良メニューと思い、次に来たときもこれにしようと決心。
1時間強の滞在で「ニセ岡谷市民」となるミッションは大成功でした。





以前から、このお店の前を通るたびに、どこか「すかいらーく」のような雰囲気が気になっていました。

いや「気になっていた」というのは少し違いますね。
申し訳ないのですが、最初に見たときは正直「パクリか」と思ってビックリしたものです。

念のために説明しますと、今の「ガスト」は1990年代初期のバブル崩壊時に「すかいらーく」店を格安型店舗へ転換したものです。
その「すかいらーく」のロゴはボヤっとした、どこかやる気のなさそうな気配が漂う鳥のマークでした。
「…らーく」と「…れ~く」は似ているし、ロゴも同じ線を突いているという印象。

このファミレスの出自は専門外なのでよく分かりませんが、検索したところ「パクリ」なんていうのは失礼なルーツがあったようでもあり…。

まぁそんなことよりも、諏訪地域に展開していた「さんれ~く」は他店舗の閉店が相次いでいるようで、現在はココだけのようでもあるんです(確認していませんのでご注意を)。
せっかくお店の中に入る機会を得たというのに、この岡谷店までおかしなことになってしまっては大変なこと。





それとですね。
このコアラのマーク、不思議なことにとても心にしみるんですョ。
目が合ってしまうと、なんだか「おねがい」というコアラたちの声が聞こえてくるような気がして。
しかも「親子」で見られているから、なおさらなんですよね。

だから、このロゴマークでのグッズ展開があったら真っ先にお布施したいなぁ。
「諏訪姫」とのコラボでやってくれないかしら。
絶対にヒットすると思うんですけど。



かつては都会のカルチャーをそのまま地方にも…という意図でオープンされたのかもしれませんけど、そのカルチャーの変化をフォローする手間暇、情報の収集は大変な苦労を伴うものです。
だから、現在の地方都市のロードサイドに出店している数多の店舗は、東京や大阪の資本によるものばかりであり。
したがって、流行の変化をフォローするスピードに遅れなどはありません。
その意味において、地方の郊外は完全に〈よそ者〉の商業圏となっていますから、雇用以外に地方は潤わないシステムが完成しているのです。

独立系で狼煙を上げればいずれ疲弊するし、都会の大手資本がやってくれば真の意味で地元は潤わない。
このバランスの保ち方、難しいですよね。

とはいえ、前者に入るであろうこの「さんれ~く」は、皮肉な運命なのか、今の都会人にとってはどこか「懐かしさ」に包まれており、80年代の家族の団らん、特別な週末がこうしたファミレスで営まれていたことを思い出させてくれます。
当方はそんなことに気づき、年末の再訪を決めたのでした。

「さんれ~く」岡谷店、もう最高です。
遅ればせながら、これからキチンと通わせていただきます。





旅の最後は、上諏訪の片倉館でのお風呂。
風呂から上がると、目の前の諏訪湖では、大会前なのに15分間の盛大な打ち上げ花火が見られました。
何かとおトクな諏訪盆地でした。



盆踊りから始まった今回の旅は、気がつけば「夏休み・完全セット」というレベルにまで仕上がっており、何とか満足できるものになったようです。
次は年末の「さんれ~く」再訪ですかね。
その際には食後のデザートも頼むことにしましょう。
それから諏訪湖遊覧船「竜宮丸」の引退にも向き合わなければなりません。


ではまた。

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  1. 2019/08/30(金) 08:10:00|
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奥飛騨で真夜中の夢を見る

こんばんは。しなのさかいです。


郡上八幡を離れた後のことを書いておかなくてはなりません。
その後は国道256号経由で国道41号に出て、高山本線に沿う形で北上しました。
下呂温泉はバイパスを素通りです。





2019年8月9日「ワイドビューひだ12号」(高山本線・上呂–飛騨萩原間)

そんでもって、素人ながら大好きなキハ85系が走っている事実には背を向けられず、グースカ寝ている家族を車内に残して1枚。
もしかしたら、キハ85系はこれが見納めになるかもしれません。
1989(平成元)年デビューですから、平成時代30年間、ほぼ外観を保ち続けての大活躍です。
ですからこの車両に想い出を持つ方は多いんではないないかと。





飛騨一宮水無(みなし)神社で娘たちは御朱印。
普段は当方が何かと待たせる側の人間ですから、こうして誰かの趣味に付き合って休憩するのも悪くないということに気づきました。
とはいえ人を待たせることを開き直ってやるつもりはありませぬ。
周囲をゆっくりと観察して、飛騨にいることを実感。





飛騨一ノ宮駅前の宮村郵便局で851局目の旅行貯金。
水無神社を描いた風景印もありました。
タイミングよくキハ25系の普通列車が到着し、大きな楽器ケースを抱えた高校生が降りてきました。
そういえば吹奏楽コンクールの真っ最中だったんですね。



□ □ □



さて、ここからは少し説明を必要とします。


今回の旅は、プランがなかなか決まりませんでした。
なぜかというと、中二の次女が所属する部活の夏休みの練習スケジュールが、なんと夏休み直前まで開示されなかったからなのです。
昨年度の顧問は4月早々に年間スケジュールをバラまく程の「デキる」方だったらしいのですが、今年度の顧問は「忙しくてそんなことまで考えられない」と開き直り気味の発言をしたんだとか。

我が家だけでなく他の多くの家庭でも親の夏休みの取り方が決められず、結局家族旅行をドローにするなどの悔しい思いをしたそうで、娘から「今年は顧問に対する怨嗟が渦巻いている」との報告がありました。
そりゃそうでしょう。

で、我が家ですが、かと言ってそんな不作為に負ける訳にはいきません。
ギリギリまで待ちましたが、我慢の限界を越えたので当てずっぽうで旅行の時期に目星をつけました。
そんな中で女房殿の郡上八幡行きのリクエストがありましたので、旅館に問い合わせたところ、運良く8月8日なら宿泊OKという回答を得たのです。
これで同日出発による郡上八幡行きが決定しました。

ただ、1泊2日で相模国から美濃国まで行ってすぐに帰るのは余りにももったいない。
お盆休み序盤の日になりますが翌8月9日の宿泊施設も探そうと決めました。
そこで思い出したのは、とっくに締め切られた職場斡旋による宿泊施設。
ダメ元で、空室がないかどうかを確認したのです。


「運がいい」と思うことは、たまーにあるものなのですね。
なんとその8月9日の空き室が、同じ岐阜県の新平湯温泉で1室だけ発生していたのでした。
しかもその前後は全て満室ですから、決してヤバイとかそういう宿ではなさそう(失礼)。
ホテルのデータなど確認している余裕などありませんから「はいはい、そこでいいです!」と速攻で予約しました。


そのホテルは「奥飛騨ガーデンホテル焼岳」と言います。



□ □ □



日没前に到着しました。
車でそのホテルに近づくと何やら様子が変です。
どう見ても、そこには自宅の模型部屋に置いてきたはずの物体があるのですよ。





…。

夕食後にもう一度ロビーから出て観察したんですけど、これはどう見ても当方の大好物ではないかという結論に達しました。







間も無く此奴らがが「キハ27 551」と「キハ27 552」の2両であり、JR北海道の函館と札幌の間を夜行快速「ミッドナイト」として往復していた車両であると判明しました。
カーペットを敷き詰めて寝っ転がって移動できる、さながら青函連絡船の二等船室のようなサービスが18キッパーには人気でした(そうでもない方もいたようです)。





JR北海道での運行取り止め(引退)後、2001(平成13)年にこのホテルが開業した際、はるばる北海道から甲種回送で神岡鉄道・奥飛騨温泉口駅(2006年に廃止)まで運ばれてきたんだとか。
最後は同駅から陸送が行われたはずなのですが、こんな山奥まで、よくもまあやり遂げたものです。


お友達のキハ181つばささんにリンクを貼る許可を求めたところ「いいよーん」という心地よいお返事をもらいましたので、以下に現役時代のリンクを貼らせていただきまーす。

マル鉄・鉄道写真館〈キハ27:快速「ミッドナイト」〉

マル鉄・鉄道写真館〈キハ27:快速「北の京芦別号」〉





ホテルの方に伺ってみたところ、設置(?)から時間が経過して外板の腐食が激しくなったため、ごく最近になって上から鋼板を貼るという修繕を行ったそうです(側面のみ)。
もはや錆を落としてパテを盛って…というやり方ではどうにもならないという結論に至ったんだとか。
鋼板は細長い帯状のものを使ったのか、どこか明治・大正期の木造客車のように見えます(笑)





現在の用途はカラオケルーム、それからちょっとした催事ルームというもののようで、551は大部屋、552は複数のカラオケ個室となっていました。
当方は自慢できる喉を持っていないので、ココは外から歌っている人たちを観察(中の人から見れば迷惑な話です)。
常磐自動車道で見たような熟年風カップルが大部屋の方で熱唱されていましたが、その他に誰もいないので、給仕の係員の方が辛そうに立っていましたね。
お仕事、大変ですね。





乗務員室扉の手すり付近を見ていただくと、鋼板の厚みがお分かりいただけたけると思います。
スケールからすればほんの僅かですが、肉厚がマシマシです。



翌朝、明るい空の下でもう一度見てみることにしました。




色はゴールドというところでしょうか。
以前は青で塗られていたようです。
「保存している」ということでもないですから、この辺はオーナーさんの自由ですよ。







反対側(552)。
下り勾配を水平にするため、コンクリートの土台の上にあります。
ちょっと不安定そうに見えますが、




屋根から鋼材が降りていて、シッカリと車体を押し付けているようです。
これなら転がり落ちることもなさそう。
屋根にはエアコンの室外機までデンと乗っかっていました。




普段我が家で見ている小さい台車が150倍になって目の前に現れました。
デカイ!


んでもって、宿泊客であれば見放題らしいので、ズカズカと乗務員室に入ってみました。




この電話ボックスのような狭っこい座席に座って真夜中の札幌と函館の間を爆走していたのかと考えると、乗務としては過酷だったんではないかと。
というか、もはや「恐怖」です。





ラベルシールはおそらく20年前のままでしょう(笑)





床を見れば道産子だということが分かります。





バタンと展開させることができました。
もちろん座りましたよ。





それにしても、よくある保存車と違って、常時ライトと種別幕がいい塩梅で点灯していますので、生きている感じが素晴らしいと思いました。
特に模型をやっている身としては、その点灯具合がエロいんですよ(大笑)。
自宅で模型のライトチェックをやっているときと同じ点き方ですから。





その他、ホテルの方々に聞くと、皆さん実にいろいろと教えてくださるので、参考になりました。
20年も経っているからでしょうか、結構赤裸々でした。

ここへキハ2両を運んだ理由は、ホテル開業時にここから上のスキー場まで線路を敷設し、気動車で旅客を運ぶ構想があったからだそうです。
そのために、運転できる乗務員もわざわざ雇用し、移送後もしばらくはエンジンをかけてメンテナンスを怠らなかったそうで。
保存自体がなかなか難しくなっている今日からすれば、実に大胆なことです。





しかし、勾配が急過ぎることや、その他制度的な問題が判明し、運転を断念。
こうして線路は、ホテルから登り勾配となる坂道(駐車場)のど真ん中でブツッと切れたままとなったのでした。
やがて車両の方は倉庫と化し、その後カラオケルームに転用が図られたみたい。


思わず奥飛騨の山奥で鉄分補給をすることになりました。
あ、お風呂は火山性泉質の濁り湯で、源泉掛け流し、ホテル自家源泉。
あちこちで泉質が固まって白い結晶のようなものが固まっていました。
うっかりと湯元に近づくと「あぢぃ!」となりまして、それくらいの確かさです。

それよりも。
ココでは人生で初めての混浴露天風呂を経験しまして、気分はすっかり「土曜ワイド劇場」。
安心してください、ちゃんと湯衣(ゆあみ)を着用した上での混浴です。
古谷一行と木ノ実ナナみたいにはなりませんでしたが、たまにはこういうお風呂も悪くありませんネ。


おまけ的にもう一回続けます。
ではまた。
  1. 2019/08/26(月) 18:15:00|
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第20回国際鉄道模型コンベンション(その5・完)

(その4からつづく)


【カトー・その2】



今回は「トワイライトエクスプレス瑞風」のテストショットをたくさん見せていただきました。
このため、いつもとは異なりますが、カトーについては「その2」も設けて、画像を多目に見ていただきます。





まずは、斜め上から先頭形状を。





正面から。





カーテンを別パーツで表現する試みは「オリエントエクスプレス’88」以来、だそうです。
この点は、見たところトミックス製品には無さそうな配慮でした。







今後、屋根上のクーラーや水タンクなどは複数の塗料で塗り分ける予定だそうです。
それにしても、ダークグリーンの光沢が素晴らしい。

あ、説明が遅くなりました。
この「瑞風グリーン」は、本番を考えての「本気」のイメージになっているそうで、グリーンの色調を変化させてボディ上の明暗を調整するのではなく、メタリックの粒子の量を調整することで、実車と同様に光で変化するボディ各所の色調を再現することに成功したそうです。
この後にはエンブレムや帯、各種標記類の印刷が入るそうで、その完成状態は約1か月後には見ることができるようですから、楽しみにしていましょう。











こんな風に光の反射具合が心地よく、見ていてウットリ。
「ななつ星in九州」のときと同じかそれ以上に、工芸品のような美しさがあります。





内装については、室内灯のプリズムを専用化してあらかじめ組み込んでしまっている点に注目。
この手法は小田急ロマンスカー3100形NSEやベルニナ急行でも採用されていましたね(「ななつ星in九州」では採用されませんでした)。
当方、この手法は大好きなんです。

それからホームページでは「客室は扉を開放して左右が見渡せる昼間の状態を製品化」とありまして、別パーツ化されていたトミックス製品とは違い客車ドアはそもそも表現されていません。
定員数の少ない列車ですから、通路を行き交う乗客も少ないそうで、ドアを締め切るよりは開けて景色を楽しむ傾向にあるとか。
そうしたことまでを取材・観察して出した結果を設計に反映させたんだそうです。
カトーとしては、かつての「北斗星」のコンパートメントとは列車としての性格が違う、ということを、このような点でも掴んでいるョ、ということなのでしょう。





通路部分のプリズムは外に向かってギザギザになっているのが分かります。
こうすることでプリズムの断面を複数設けることができ、ダウンライト調に、縦型のスリット窓に合わせて等間隔の光源を生み出すことに成功しているのです。
つまり、LEDたった1個だけでもプリズムの設計で光の流れ方を自在に操れる、ということ。
トミックス製品ではこの部分をどうやっていたかな?
設計ノウハウの深みが生むマジックでして、とても面白いですよね。
前面の点灯箇所数分のLEDを基板に配列させるグリーンマックスの考え方とも対局的な設計思想です。









その他、パッと見では分からない不思議なカットのオンパレードとなっている専用プリズム。
よく見ると、カーテンとカーテンの間、専用バルコニーにもプリズムが上から下に降りてきていて、キチンと下に向けた光源が生まれています。
どのプリズムのカットも灯火させるための意味を伴って設計されており、「安易にLEDを増やして…」という発想が皆無であるところが模型として興味深々なのです。
念のために繰り返しますが、各車両の室内は「LED室内灯クリア」たった1個で各所が点灯します。
公式ホームページでは電球色タイプが推奨されていますので、今のうちに各自チェックしておくように(笑)





先頭車展望室の表現はカトーとしての標準的な仕様でまとめられています。
これは1号車でカーペットの色は〈青〉。
10号車は〈緑〉となるそうです。







ところで。
外観に資することであれば、実はカトーも細かくやっています。
ワイングラスなどをガラスパーツに描くなんて今までになかったことですよ。
ココ、会場で見逃した方も多かったんではないでしょうか。
タイミング悪く(?)トミックスとの競作となっていますが、カトーが企画・設計において「瑞風」を見つめる視線が分かる部分ではないでしょうか。







展望デッキの点灯具合。
今まで気がつきませんでしたが、かつてのマイテと同じような雰囲気がありますね。
赤く灯火したテールライトが郷愁を誘います。



カトーとしては、実車の「ノスタルジック・モダン」のコンセプトと雰囲気を再現すべく、徹底的に「外観」にこだわって、その「美しさ」を求めたそうです。
ですから、塗料と塗装方法はもちろん、例えば設計においてもボディとガラスの合いを極めて、光が反射したときにはその線がボディとガラスとでズレるようなこともないようにと(ツライチになるようにと)そこまで徹底したとのこと。
ボディやガラスの肉厚の薄さに自信がなければなかなかできないことです。

トミックスの製品化とタイミングがほぼ重なってしまいましたが、カトーとしては「室内をもっと別パーツ化して豪華に…」とかそんなことは全然考えずに、「上品な、大人のための瑞風」を目指して、ただひたすらに美しい外観を再現することに決めたそうで、そんな目標をチームで掲げて、カトーブランドでプロデュースする模型の「絶対的価値」を打ち立てることにしたんそうです。

つまり、何かと比べてとか、一般型車両を横に置いて引き立つとか、そういうことではない。
あえて言うなら、この「瑞風」がただ直線レールの上にポツンとあるだけでも価値を感じ取ってもらえる模型、ということなのでしょう。

我々は、模型メーカー間での競作が起こると、近視眼的に各部位を比較して、その優れた点やギミックの優劣のトータル獲得点数で「優れた模型」かどうかを判断しがちです。
ですから「四季島」に関しては部品の数が多いだけトミックスのPGに軍配…となる傾向にあるのです。
確かに「ここまで作り込みました」となると「へぇー」となります(現に昨年の全日本模型ホビーショーでの当方の感想がそうでした)。
ちょうどドールハウスを見たときのような感激、と言えば分かりやすいでしょうか。
模型ってフタを開けて「のぞき込む」という行動が条件反射的に起こりがちですから。

しかし今回いろいろと説明を伺ってみると、競作となった際に鉄道模型を選ぶ選択肢って「決してそういうことでもないのかなぁ」という感想も持つようになりました。

模型店で買って帰り、箱から出してみて手に取る。
そのときに「うわぁ、すごい!」と思い、普段は無関心な家族に「見て見て、すごいよコレ!」と言って共感を求めてしまう、そんなことって今までにもあったような気がします。
そのポイントは何なのか、そしてどこなのか。
それぞれのユーザーによって違うことはもちろんですが、今回の「瑞風」を見ると、「部品数」や「価格」で決まるものでもない…ということは言えそうですよね。

模型をリリースする側の「この車両を製品化するということはこういうことなのです」という強いメッセージ。
これが、箱を開けた瞬間にズバンと飛び込んでくるかどうかなのでしょう。
この「瑞風」、豪華列車にアレルギーがありながら、ちょっと楽しみになってきました。



□ □ □



この後は会場外で、いつもどおりに特別顧問を迎えての時事放題となりました。
いつも本当にありがとうございます。


少し前までは蕨方面だけの話となっていましたが、気がつけば今はどのメーカーにおいてもリリースする模型の価格が上昇傾向にあります。
それは生産拠点の人件費の問題だけでなく、構成部品数の増加なども要因と言えそうで、その点でユーザーとしては「仕方がない」という諦めがありました。
なんとなく事情は飲み込めますからね。

しかし、それだけとは思えない事例も頻出するようになっています。

あえてユーザーから見た推測を勝手に言わせていただきますと、それは「生産数の少なさ」が主な要因ではないかと思うのです。
つまり、こうしたショーで華々しく「今度はこれをやります!」とアピールしてはいるものの、実は企画としては非常に弱含みで、そもそも生産数を多く設定していない。
だから1つ当たりの価格が高騰するのです。
んでもって例の「メーカー在庫なしです。完売御礼!」という、分母の数が示されないままの謎のアピール(こういうメッセージをもって人気商品だと思うのは短絡的ですぞ)。

確かに、これまでに全く模型化されていない車両というのは、あまり残されておらず、見当たらなくなりました。
その「残弾数」は市場全体で底を打ちつつあるのでしょうが、問題は、それをそのまま「もう無いもんな」「仕方がない」と片付けてしまう、割り切ってしまうかどうか、です。
もし、そうであるならば、この市場はそんなに先が長くないように思えます。


新しい価値は、付け焼き刃的に雑誌などを見る「お勉強」などで創造できるものではありません。
日頃から「おもしろい」とか「おいしい」とか「うつくしい」とか、何事にも対する肯定的な興味の積み重ねがあってこそであり、その積み重ねが他者に向けた強い提案の源泉になるのです。
皆さんの身の回りにはいらっしゃいませんか?
一緒に旅行して、旅先でポロっと「でさ、ここに来て何が面白いの?」って言う人。

今回の会場でも、その積み重ねができている新企画とそうでない新企画を見ました(あえて「メーカー」とは言わずに「企画」と言います)。
この日の最初に諸レイアウトを見学した際には、そうした価値の持ち方のトレーニングができている方々にお会いでき、お話も伺うことができました。
質問すると実に面白い答えが返ってくるのですよ。
お持ちになっている視線が独特でユニークで。
どこか嬉しくなりました。

市場の上流にいる各メーカーにおかれても、そうした「強さ」を持って、市場・業界全体をリードしてもらいたいですね。
そうすれば、価格も多少は下がってくるでしょうか(分かりませんけど)。



情報鮮度が落ちる一方の中で、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
次回からは通常運転に戻ります。

ではまた。
  1. 2019/08/23(金) 21:30:00|
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第20回国際鉄道模型コンベンション(その4)

(その3からつづく)


【カトー・その1】

カトーについては、毎月のポスターの発表時にもいろいろとズカズカとお話ししていますけど、その延長で今回もテストショットを見ながら考えてみようと思います。






仙台の701系です。
10月の発売に向けて、全てが確定し、概ね生産準備が完了したようでした。
こうした銀色のスクエアな車体を製品化することに関しては、もはやカトーは「敵無し状態」。
金型の設計だけでなく、銀色の塗料についても改良を重ねてきましたから、それはそうなんです。
まるで実車を見ているような錯覚を覚えます。
何故か先頭車の遮光ケースだけ大量に欲しいのですが…

主役に対する「風景」みたいな役割を演じる車両って、発売された後しばらく経ってからジワジワと探し始めたりするんですよ。
今回もそんな心理を先読みしておかないといけないようです。









415系。
ライトリムなどなど、これまでの設計思想がそのまま生かされていて、こうして見ていても確かに違和感はありません。
115系や165系などで培われてきた仕様がきちんと反映されていれば問題ないのでしょう。
逆に言えば、既に見たことがあるような模型に仕上がっています。

テストショットについてはそんな感想で、ユーザーとして悩むのは、企画的に低運転台の401系を先にやって欲しかったとか、せめてローズ色からやって欲しかったとか、そういうところ?
国鉄時代のアイボリー色となると、組み合わせる車両が485系「ひたち」とか営団6000系とかになるとは思うんですけど。
ポスターでの発表以来、どうしてこの製品にときめかないのか、その理由がモヤモヤしていてよく分からないのです。
「自分にとって買う必要がない模型」という答えだけはハッキリしているんですけどね。
なんでだろ~。
「買う理由」ってとても必要です。







787系アラウンド。
セールスミーティングのレポートでも見ていますのであんまり感想はないのです。
あの豪華列車の先駆けとも言える787系が先頭車同士で連結している姿は、どこか見ていて悲しい。
でも、カトーとしてはこれが「面白い」ということのようです。
伸縮カプラーに対応するスカートパーツを見ると、丸い穴の位置が通常のスカートパーツの位置よりも下がって見えますが。
当方の目がおかしいのかな?
その他の仕上がり感は既存製品と変わり映えなし。
新規のクロハに注目すべきでしたが、撮り忘れました。





381系ゆったりやくものクモハ。
スカートの形状が独特ですね。
カトーの〈岡山シリーズ〉が着々と構築されているようです。







しなの鉄道の115系。
赤い方が通常品で、湘南色と横須賀色は3両と3両を足した6両セットの特別企画品。
1000番台長野色の際にディテールフルになったライトリムパーツは、先行して製品化された300番台のために欲しかったんですが、そんなASSYパーツの設定はありませんから、仕方がありません。
世の中、不自由なことばかりですョ。
そろそろ発売です。







ユニトラムの設計を活用した貨物ヤードのプレートが試作品として置かれていました。
これはこれで「遊び方の提案」となっていて、面白そうです。
何よりも線路の表現が豊かですし、コンテナ置き場はスプレーを吹き付けるだけでよりリアルに変身させることができそうです。
ミニジオラマとして机の上にチョコンとコンテナ駅とか、車両工場での新車ロールアウトなどのワンシーンを再現するのも可。
見ているだけで使い方(というか妄想)は広がります。

伺ったところ、数年前に唐突に発売されたフォークリフトやトップリフターはこのプレートとの一連の企画だったそうで、ようやく陽の目を見た形なんだそうです。
とはいえ、フォークリフトやトップリフターはすっかり市場から消えて久しい訳で。
ここは再生産を望む声が、ユーザーだけでなく小売店からも出てきそうですよね。



ということで、セールスミーティングで披露されているテストショットがいくつか並んでいたよ…というレポートです。
皆さんは、これらの中に「欲しいゾ」と言えるアイテムがあるかと思いますが、当方から見ると、並んだテストショット相互の関連性はもちろん、「以前にリリースしたこんなアイテムと並べると面白いですよ」というアピールも感じられませんでした。
ひたすらに「701系です」「787系です」という淡々とした展示で、これでは他社ブースとあまり変わらない。

701系ならば、今度再生産する651系と並べて仙台駅の空気感を醸し出すとか、787系ならば「ななつ星in九州」と並べて市場にまだある在庫を動かす工夫をするとか、アイテム数が豊富なカトーとしてはそんなイタズラ心を爆発させてもいいんじゃないですかねー。
ユーザーは、新製品をキーとした「面的な広がり」を教えて欲しいものなのです。

以前は出来ていた「遊び方の提案」がすっかり見られなくなり、“中の人”自身が遊ぼうとしていないような気がしてなりません(車両そのものに対するこだわりは感じますが)。
ですから相対的に、トミーテックがやっていることの方が楽しそうに見えるのです。
もっとグイグイとユーザーを引っ張るような個性的な〈連続企画〉があって欲しいし、その流れにおいては「発狂」してもいいと思いますよ。

あ、動物フィギュアと警察ロボットの模型だけは別です(笑)


(その5・完へつづく)

  1. 2019/08/22(木) 12:40:00|
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第20回国際鉄道模型コンベンション(その3)

(その2からつづく)


【トミーテック】



いきなり鉄道コレクションから。
叡山電鉄「ひえい」。
ひえーい!(爆)





関東鉄道の。
これに乗って通勤してくる同僚がいるんですが、この試作品を見てふとそんなことを考えてしまいました。
ただそれだけ。





次のバスコレの通常弾。
みんな大好き、アルピコカラー。
おそらく一番価格が高くなってバラ売りされるんでしょうね。





静岡のときにも指摘しましたが、ますます気味が悪くなって登場しましたね、鉄顔コレクション。
こうしたコレクションをポジティブに楽しめるものなのか、当方には自信がありません。
表現が適当でなければ訂正しますが、これ、京都三条河原のさらし首みたいでしょ?
石田治部?

どうか小売店に不良在庫を抱えさせて苦しめないでくださいね。
食玩かカプセルトイの類ならまだ受け入れられたんでしょうけど。

どうも他社を含めて、鉄道模型店に置くべきアイテムかどうかという考え方に至らずに企画化されてしまう、そんな製品が目立っています。
そのうち鉄道模型店には動物のフィギュアとかロボットの模型が並ぶようですから、世も末です。



さて、トミックスの方なのです。
いくつかの試作品展示もありましたけど、ひきつけられるもの、意外性のあるものはあまり見られませんでした。
そんな中でも、153系の低運転台クハ153は、1990年代初めにカトーが追加ラインナップで製品化したものしか存在しませんから、それがHG仕様で登場するということで期待が高まっているようです。

当方はこれ、「カトーが自分の仕事としてもっと早くやるべきだった」とそう思っていたんですよね…。
と言いますのも、当方はトミックスのHG仕様というものにあまり過度の期待を寄せていませんので(標記類も印刷されていませんし、透明ベース付きのインレタというものにも否定的です)。
トミックスがやる湘南色にも不信感を持っていますから、やはり無理。
間違いなくスルー決定です。

カトーの165系のような仕様で、153系急行「山陽」を組んでみたかったなぁ。
帯付きサロとサハシが入った10両編成。
そういえば天賞堂の181系山陽特急バージョンは大好評だったそうですよ。
カトーは何をモタモタしているんだろう。
そう思いませんか?



今回の試作品展示で一番気合が入っていたのが「トワイライトエクスプレス瑞風」でした。



アクリル板越しにしか見られないようになっていたので、どのくらい正確に評価できているのか、自信がありません。





後部となったときの展望デッキの灯り。





床下機器への印刷表現、今回も抜かりなくやるようです。













その他いろいろと撮影しましたのでペタペタ貼っておきますが、後述する予定のカトー製品との現段階での違いという点では、製品化する上での「思想」の差ということになるかと思いました。

トミックスとしては、とにかく(N小屋パーツ風に)中身の作り込みに対して大きなこだわりを持っているようで、四季島の製品化の際に自ら課した「プログレッシブ・グレード」という大きなハードルの上げ方がその仕様をマストなものにさせてしまっているようでした。
つまり、外観だけでなく室内の設計にも大きなエネルギーを注がなければならなくなったということなんです。

昨年の全日本模型ホビーショーでは、確かにトミックスの四季島の細かさにはには驚かされましたが、問題となるのは「驚いた後の気持ちの行き先」。
別パーツを多用した内装の再現という戦略は、果たして「新しい鉄道模型の価値の提案」となるのか。
それともそれは、消費者に対する単なるハッタリ、目くらまし、閃光弾となってしまうのか。

この辺はカトーの稿でもう一度考えてみましょう。


(その4へつづく)

  1. 2019/08/21(水) 12:00:00|
  2. 鉄道模型イベント
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第20回国際鉄道模型コンベンション(その2)

(その1からつづく)


【マイクロエース】





京王9000系「サンリオキャラクターズ フルラッピングトレイン」10両セット、49,800円(税抜)!
伺ったニュアンスから、この試作段階でも塗装と印刷を含めてほぼ本番に近いように感じました。

このラッピング車の模型は、これはこれで、鉄道模型業界とは縁のないところからの需要がありそうです。
消費税増税後の発売であることはお忘れなく。
それでも価格と等価の価値があると思う方は一定数いるのでしょう。
当方は財源を当てる優先度からここまでは及ばないという考えです(申し訳ございません)。





西武10000系レッドアロー「カナヘイの小動物ゆるっと小旅西武鉄道で行く川越旅号」7両セット、33,900円+税!!
すみません、キャラクター自体をよく分かりません。

が、久しぶりに発売されるレッドアロークラッシックの方には興味があります。
乗務員室後ろのブランドマークが「SEIBU」から「西武鉄道」に変更された姿とし、先頭車にトイレタンクを追加するそうで、これをもって「改良品」に。
また、VVVF編成・ブランドマーク付のNRAも発売するそうで、まさに「NRAざんまい」ですネ。
さて、銀色の妙な形をした電車はどのメーカーが企画化するのでしょうか。





783系特急ハウステンボス新塗装4両セット、20,100円(税別)。
その他、特急みどり4両セット、24,200円(税別)というのもあります。
確か、2000年代初期に登場したハウステンボス・みどりの8両セットも確か20,000円台前半だったような気がしていて、こういう企画で価格の高騰ぶりが見て取れるのです。

これだけの高騰は残念ではあります。
しかし、部品構成については先行するカトーやトミックスとほぼ同等であり、その点では見劣りはしません(ただし組み立て工程での接着剤使用だけは残念ですけど)。
他社製品の価格高騰も目立ってきました。
こうした視点に立てば、マイクロエース製品がまだまだ「財源を投入する選択肢になりうる」ということは言えますし、店頭で製品を探す対象にはなっているのです。
この市場の「3番手」と「4番手」には大きな隔たりがあるような気がしますが、みなさんはどうお考えでしょうか(4番手…)。





E653系特急色7両セット、27,700円(税別)。
実車に激しいバリエーション展開が見られることから、思いもかけず金型の有効利用が図られているように見えます。
2000年頃に同時に発売されたE751系は顔面の各部位の位置構成がおかしなことになっているようでしたが、こちらは似顔絵的にはイケているようです。
トイレタンク新規作成、転落防止幌を改良、中間車へスカート追加ということでの「改良品」。
常磐線ファンにはマストなアイテム??





さて、オオカ商事の持込企画では、マイクロスピーカーに関連してT車化パーツキットなるものが提案されていました。
機関車の動力ユニットを外してスピーカーを組み込めるようにするキットで、構想段階であるというのは言うに及ばず。

着想は良しとしても、マイクロエース製の機関車向けという点がオチでして。
実際に店頭に並ぶ日が来ても買うことはないだろうなぁと心の中でつぶやいてしまいました。
なにせ当方は既に1両も持っていないのですから、マイクロエース製の電気機関車又はディーゼル機関車を。

Bluetoothスピーカーの製品化以降、様々な新機軸がこうした場で提案され続けていますが、それが製品化に結び付いている様子は見られず(製品化発表のニュースもありませんから)、どうも送り手と受け止め側とでの「ニラメッコ」が続いているようです。
仮に需要予測をしている段階であるのならば、今後は難産になりそう。
こういうネタって、そういう予測でリリースされるものでもない、というのもこの業界の法則ですから。
「楽しいはず」という個人的信念が様々な壁をブレイクスルーしてきたというのも事実なのです。
どうかそれだけの破壊力のある楽しい提案を期待しています!





今回のマイクロエースブースでは、新製品の発表をメインにしながら、ちょっとした仕掛けづくりが行われているようでした。
有井社長のトークショー、是非聞いてみたかったですね。
「あじあ」をやったときのような狂犬気味のリーダーシップは、間違いなく市場への波紋を大きなものにしましたし。
「そこまでやる?」っていう感じで、しかし不思議なことに受け入れられていました。

世の中、何も知らないのに知ったふりをしている会社のリーダーもいることですから、そうではない点をもっとアピールしてもいいのではないかと思いました。



【グリーンマックス】



京王1000系5・6次車5両セット、26,800円(税抜)!
静岡鉄道A3000形と同様の発想で企画された製品であることがよーくわかります。
仮に今、当方が井の頭線の車両を手にしようとするのならば、中古市場を含めてマイクロエース製品(A0067、A0068)を探しますね。





205系5000番台(武蔵野線・M18編成)8両セット、35,900円(税抜)!
もう、静岡のときにいろいろと語りましたから、これ以上のコメントはやめておきます。
ここに来ていただいている皆さんも考え方は整理できているのではないでしょうか。

要はこれだけの価格に見合った製品であるかどうか、この辺をユーザーが是とするかどうか、です。
ちなみに当方は「否」です。





キハ110形(200番代・八高線リバイバルカラー・全線開通80周年記念ロゴ+前期形)3両セット、20,500円(税抜)!

価格もそうなのですけど、いい加減、グリーンマックスの両運転台気動車は、片方だけの点灯を仕様とすることをやめてもらいたいですよね。
どうしてこんなことが未だ実現しないのか、実に不思議で仕方がありません。
おそらく「キハ110を単行では運転しないでしょう」という企画上の考え方なのだと想像しますが、だったらばキハ54は何なのかと。
こういうところに、ユーザーの心理を読もうともしない、どこか冷たい姿勢を感じてしまうのです。
両運転台気動車であればどちらもライトが点灯する…ということは、カトーがキハ40を発売した1980年代半ばからの、いわばユーザーの中での常識なのですぞ。







グリーンマックスの室内灯。
申し訳ないですけど、ユーザー目線から見ると、この企画はもう需要が伴っていないですね。
車両模型メーカーとしてはラインナップしておかなければならない、ということかな?(ゴメンナサイ)。







毎回どうしても厳しい視線を送ってしまうグリーンマックスの各種企画なのですが、一方で今回はブース内にこんな展示がなされていて。
率直に「懐かしいなあ」と思い、感謝したくなりました。
社の中にはグリーンマックスが今でもこうして市場の中に存在し続けて、ユーザーに一定の認知がなされている、その起源をきちんと理解している方が存在する、ということなのでしょう。

でも、そうであるならば、今の完成品の開発姿勢はなんなのか。
どう考えてもそこには大きなギャップがあるようで、残念なのです。

ですから、阪急1000系製品化のニュースを見ても、そんなモヤモヤからときめくこともなく。
どこか心の中で、自分が納得できる製品に仕上がるとは思えないでいるんですよね。
先日発売された完成品マニ44も、改良されたとはいえ、部品構成自体が1980年代の客車シリーズのままでしたから。

ただひたすらに、近所の量販店で大量に並ぶグリーンマックス製品群が自分の視野というか「自分にとっての選択肢」に入る日がやってくることを気長に待とうと、そう思うのでした。


(その3へつづく)

  1. 2019/08/20(火) 08:00:00|
  2. 鉄道模型イベント
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第20回国際鉄道模型コンベンション(その1)

こんにちは。しなのさかいです。




暑くて外出を控えるべき1日でしたけど行ってきました、第20回となるJAM。
2000年、新宿NSビル・イベントホールで開催された第1回JAMから軽ーく20年が経過してしまいました。

7月末あたりのイベントとしては、銀座松屋の「鉄道模型ショウ」に代わって「鉄道模型コンテスト」なるものが軌道に乗りつつありますが、やはり首都圏に居住実態がある者としても、短い期間にほぼ同じ目的で臨海副都心を2往復するというのも地獄です。
どちらか1方に力点を置くとすれば、やはりこちらとなるのが人情でしょう。

今回も線路際の住民先生と共に、いろいろとつぶやきながら会場をうろうろと歩き回りました。
お疲れ様でございました。


今回は、入口すぐに配置されたのが企業ブースではなくて各クラブのレイアウトでしたので、自然とそちらから見る流れになってしまいました。
本来的な姿とも言えましょうから、まずはこちらで見て印象に残った作品をいくつか取り上げてみたいと思います。






すみません、どちらの作品だったかは記録を取り忘れました。
流氷をテーマにしたレイアウトってあんまり見たことがないものですから、今後の参考に。
氷はプラバンなのですかねえ。







「地鉄電車」シリーズでおなじみの宮下洋一さんが、RMモデルズの企画と連動して製作された小和田駅のモジュール。
当方は、カトーの飯田線シリーズの最終形態は「流電」ではなくて、あちこちのユーザーがこうしたモジュールレイアウトを製作し始め、車両の舞台を用意してやることではないかと思っていて、その具現化された作品の第1号なのではないかという感想です。

それから、きちんと撮影することを忘れてしまいました。
手前の駅舎は宮下氏のメーカーCHITETSU CORPORATIONによるレーザーカット製キット「小和田駅タイプ駅舎キット」を組み立てたもの。
3,000円程度でカチッとした駅舎が手に入るのならトライしてみたくなります(みんなが揃って小和田駅モジュールをつくるのもアレですが…)。







こちらも製作者の方を記録してくることを失念してしまいました。
荷物運搬用の簡易モノレールが上下に伸びていることを見逃してはなりません。
建物で囲まれた作業スペースにごちゃごちゃ感を見出してしまうと、ここまでのレベルに達するにはよほどの観察眼とそうした風景への愛情のまなざしがなければダメなはずで、製作された方には脱帽です。
鉄道模型をやる人間って、実は車両そのものへの趣味的視点だけで満足するのではなくて、本当はこうした空間ごと切り取る趣味というか習慣へ行きつくものなのですよね。
全体も褐色系の色調で整えられていて、作品全体から郷愁を感じることができました。





「鉄ちゃん倶楽部」さんは「ダム放流中」という電光掲示板をこしらえてマイナーチェンジ?
あくまでも現実世界に即しながらクスッと笑える仕掛けづくりをする技には、本当に頭が下がります。
これも観察力とその土地への愛情があってこそ、なのでしょう。





「多摩温泉電鉄」さんです。
路面モジュール規格で、複線間隔は25mm。
15m級の電車や貨物列車が、本当に心地のいいスピードでクルクルと回っていました。
実は複数のモジュールを連結させた作品なのですが、不思議なことに全てが一体化していて、どこか大型レイアウトのようで。
建物もよく見ると市販品をほぼそのまま使用している例が多く、それを、屋根をメインに統一的な色彩に変更することでオリジナリティのあるものに変えていました。
電車の色も、いつでも手に入るようにクレオスの王道市販カラーを標準色に採用することに決め、それを統一的に施しているんだとか。

自分にとっての「ワールド」観を強く打ち立て、それを発展させていく。
古い概念のようではありますが、実はそんなに実践できている人はいないのだと思います。
ブルートレインが全廃となり、新幹線ありきとなった今。
我々は「車両方面」でそんなに共通した話題を持てなくなっているように感じます。
今後、鉄道模型趣味の世界では、こうしたレイアウトづくり、情景づくりが共通言語となっていく「べき」なのかもしれません。



*          *          *



会場内には高校生のコーナーもいくつかありました。
しかし、情景の観察力もさることながら、レイアウト内を走行する車両のスピードが速い!
まぁ、こうした大人と交わることができる会場にあえて身を置くことで、どんどん吸収してもらいましょう。
かつての町中の模型店でオヤジさんや常連客の会話を聞けていたように…。
今のJAMにはそうしたティーチングの効能もあるように見ています。


(その2へつづく)


  1. 2019/08/19(月) 12:00:00|
  2. 鉄道模型イベント
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90年前の郡上八幡駅で見たロイヤルレッド

こんばんは。しなのさかいです。

郡上八幡の町のことを散々書きましたが、きちんと鉄分補給もしてきましたので、その辺のことも触れておきましょう。




町を出た後は、前夜に踊りの会場となっていた長良川鉄道・郡上八幡駅を訪問しました。

同鉄道の前身は言うまでもなく旧国鉄・越美南線で、意外にも国鉄が民営化される「前」の1986年12月に第三セクター鉄道として再スタートしています。
このとき、結ばれる予定だった越美北線とは運命が分かれ、北線は経営分離されずにそのままJR西日本へ継承。
今もそのまま存続しています。

この駅舎は1929年の越美南線開業時のもので、2015年には国の有形文化財に指定され、さらに2017年には開業当時に近い外観に復元されました。
さらにさらに、2018年にはカフェとテラスが設けられ、おみやげやグッズの販売もあり、来訪者に対するちょっとしたもてなしが行われています。





改札を抜ければ、この見事な佇まいなのです。
まるで映画のセットのようでしょう。
非電化路線の風景はまさにこうでなくてはいけません。





信号を扱う張り出し部分は、なんだかGMの木造駅舎のキットみたいです。
無駄なものは何もなく、往年の姿を見ることができます。





下り方面の乗り場を示す案内板は、どう見ても国鉄時代のまま。
国鉄フォントって見る人に優しさがあって、今見ても和みますよね。







さらに駅名板もありまして、昭和の香りがしていました。
「郡上」が小さくて「八幡」が大きい点がポイント高し。
当然ながら、所在地は「岐阜県郡上郡八幡町」です。
現在の郡上市は2004年3月1日、郡上郡7町村(八幡町・大和町・白鳥町・高鷲村・美並村・明宝村・和良村)の合併により誕生しました。





跨線橋に吸い込まれて…





階段を登って振り返ると、模型の世界そのまんま。
「わたしの旅スタンプ」の台がこういう階段の下にあったりしましたね。





ギシギシ音を立てながら渡ってみました。
どこもかしこも板、板、板。
首都圏ではすっかり見なくなりました。





下りの島式ホームから駅本家側を見たら、石積みのホームから全てがご馳走に見えてしまいまして、鉄道模型の可能性はまだまだあるなぁと思うのでした。
作りたくなりますよね、こういう景色をレイアウトで。
「鉄道模型コンテスト」では風景を大きく切り取ろうとする作品が多いのですけど、こういう視点であえて近視眼的に切り取ろうするのもアリなんじゃないかと思います。





蹄鉄機。
下の娘はこれがなんだか分からないとのことで、軽くレクチャー。
かつては、これを操作することに全身全霊を捧げていた方々がいた訳です。
それを現代の視点から「なんて非効率な…」と切り捨てる風潮もある。
せめて自分の子どもたちには、そんなメンタリティを持って欲しくないなと思いながら説明しましたが、本人に届いたかどうかは不明です。
まぁ、こんな地方の町に親と付いてきたこと自体を評価しましょうか(笑)



さて、列車がやってきましたよ。




2019年8月9日 郡上八幡にて 観光列車「ながら」1号

列車が来る数分前になると、ホームには大音量で「かわさき」が流れ、そのお祭りムードで乗客を歓迎するという仕組みでした。
そんな中で当方はカメラ、下の娘はビデオという役割分担。
この日からはお盆休みの期間は毎日運行となったようで、美濃太田からランチを楽しみながらお客さんがやってきました。
こんなときに撮り鉄をやる人は迷惑だったかもしれませんけど、少ない出迎え人の中の一人だったこともあるので大目に見ていただきましょう。





誰がどう見ても、あの方のデザイン。
JR九州の「アクアライナー」から30年が経過しましたが、やはり見ていてスペシャル感があることは間違いなく、人を惹きつけるアイテムとなっているようです。
現にこうして我が家も、町を離れたのだからサッサと次の目的地へ行けばいいものの、こうして駅で遊んでいるのですからネ。





食堂用の2号車はここで切り離し。
郡上八幡回転、上り「ながら」2号での営業に入るべく、ここで準備に入るようでした。





1号車はそのまま終点・北濃を目指します。
茶色い跨線橋との組み合わせが最高じゃないですか。
なんと車両と跨線橋とでは約90年の時間の差があるのですが、そんなに違和感がないという事実にも驚きました。





ロイヤルレッドが眩しい。





そして北濃へ。
「トミックスのながらを買っておいて良かったな」と思う至福が自分の中でピークを迎えました。
Nゲージをやる人間の悪いクセで、この後すぐビデオ撮影をしていた下の娘に「実はこの模型、ウチにあるんよ」と告げて呆れられましたナ。


その後「もう気が済んだ?」というオーラ全開の女房と上の娘がカフェからゆっくりと出てきて、4人ですっかり灼熱地獄に戻った車内へ戻ったのでした。
どうやら女二人は、冷房の効いたカフェで、オレンジジュースを飲みながら明方ハム製の「醤油フランク」を食べていた様子。
こうして旅の道中での“腹の空き具合”というものに遠心力が働いていくのです。
よくあるでしょ、「お腹すいたねー」「いや、そんなにすいてないよ」っていう虚しい会話(爆)




〈次回予告〉
さらに飛騨地方を鉄分補給しながら進むと“約束の地”には予期もせずに究極の「鉄分」が待っていた!
そこで見たものは、数多くの人々の魂を乗せたかつての方舟、そしてそれを守る人たちの苦悩。

次回、しなのさかいの駅前広場
「奥飛騨で真夜中の夢を見る」
ご期待ください。




注)JAMレポートを先行させるかもしれません。

  1. 2019/08/17(土) 22:00:00|
  2. 駅ノート
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気になるまち 郡上八幡(後編)

(前編からつづく)




翌朝、旅館をチェックアウトした後は、午前中だけ車をそのままにしておくことを旅館に頼んで、あらためて町を散策しました。





あの多治見市を抱える岐阜県ですから、気温36℃なんていうのはザラのようで、まだ9時台だというのに、既にその目盛りはバーストモード。
でも、不思議なことに適度に日影を選んで歩けばなんとかなるようでした。
木造の建物ばかりだからでしょうか。
鉄筋コンクリートだらけの都会と比べると、そんなところにも違いがあるようでした。
照り返しとか蓄熱とか、詳しくは知らないのですが、いろいろと比べるべき点があるのかもしれません。





それから、なんとなくですが、この町は元気なおばちゃんの姿が目立つというか、絵になる気がするんです。
そんなことを考えながら、遠くから正体が分からない程度に1枚だけ撮らせていただきました(ゴメンナサイ)。

家の前でおしゃべりをするおばちゃん。
そして、水路からひしゃくで水を汲んで打ち水をしたり植木に水をやるおばちゃん。
こうした風景も郡上八幡にはよく似合います。







町中の清流。
どこもかしこも水、水、水で、この流れが様々な町の生活と産業を支えているようです。
暑い夏の旅は、穏やかな水のあるところに限ります。





町の中心部を流れる吉田川には、早朝から釣り人が多数。
もちろん獲物は鮎のはず。





我が家がその釣り人たちを見ていたのは、高さ12mの「新橋」。
地元の子どもたちのダイビングスポットとして有名ですが、調べてみると、2000年以降、県外からの観光客の飛び込み死亡事故が数回あったそうです。
地元の子ども達は繰り返しイメージトレーニングをしながら飛び込んでいるのでしょうから、やはり県外からの素人はマネをしない方がいいのでしょう。
何事も地元の方々への迷惑行為となることはやめておくべきです。





宗祇水は、その町中を流れる水路のシンボル的存在で、特に水不足に悩む海外の観光客にとっては極めて珍しく、日本の山間部の町の豊かさを感じるシンボルともなっているみたい。
似たシステムとしては、隣の滋賀県にも川端(かばた)があります。
どうも岐阜県と滋賀県は「水」をテーマにして旅をすると、より深いものになりそうです。


その後は、旧役場庁舎を活用した観光協会で買い物をしながら町を離れました。





鉄道やバスで訪れる人も多いようで、駅にも観光協会にもレンタサイクルはきちんと揃っていたようですし(三浦半島とは大違いです)、気候次第ですが郡上八幡城を含めて徒歩でぶらぶらすることも十分可能だと思います。





京都や鎌倉をトップとした日本各地での「オーバーツーリズム」が大きな課題となる中、郡上八幡はまだまだその規模が適正に保たれているようですから、懐かしい日本の風景を味わい、感じてみたい方は、今のうちにコッソリと訪れてみてはいかがでしょう。
そして出来ることならば、若者の移住が増えている理由まで「考える」、そんなことをしてみて欲しいですね。

観光スポットで撮影→買い食い→買い物、という流れだけでこの町を楽しもうとすれば、この町を半分も楽しめていないということに注意です。



□ □ □



休み明けにお土産を配った職場では「え、ぐじょう…なんですか?」と郡上八幡を知る人が極めて少なく、知っていても郡上踊りを阿波踊りと同じものと思っていたり…という具合でした。
この「アンケート調査」には、なかなか考えさせられました。

でも、これはこれでいいのかもしれません。
と言いますのも、逆に郡上八幡では自分が散策した限り、とうとう見ることがなかったんですよ、例の東京オリンピックの(吉野家のような)エンブレムを(笑)

来年の郡上踊りの開催期間は、ほぼオリンピックとパラリンピックの開催期間と重なるんじゃないかと想像していますが、何せ400年も続いている「無形文化財」ですから。
そんな東京からの準商業的イベントに踊りの開催が振り回されることなく、例年と変わらない郡上八幡らしさを堂々と貫いて欲しいナと、そんな風に町全体を応援したくなりました。

都会に対するアンチテーゼに見える町。
そんな町が「地方創生」なんていう力の入った掛け声などに頼らずに、どんどん増えるといいですね。





冷蔵宅急便で自宅へ発送した「明方ハム」は、予定通り帰宅した翌日に届きました。
ヤられたらしいブタのエンブレムが可愛らしくて、並べて冷蔵庫に保管したら女房殿に呆れられてしまいましたが、これくらいのことをしておかないとハムの有り難みを感じることができません。

その後、包丁を入れて、少しだけマヨネーズを付けながら美味しくいただきました。
YouTubeで徹夜踊りのライブ映像を見ながらです。



鉄分補給のこともありますので、もう少し続けます。

  1. 2019/08/16(金) 20:10:00|
  2. 駅ノート
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気になるまち 郡上八幡(前編)

こんばんは。しなのさかいです。




先週は、大勢の方のお盆休みと大型台風の襲来を前にして、岐阜県を旅してきました。
具体的には「郡上八幡」が目的地で、帰りには長野県まで回る2泊3日の自作旅程です。

郡上八幡はウチの女房殿が“仮想移住先”と定めている町であることから(笑)、今年の我が家の夏休みは5年ぶりの訪問に当てることとしました。



さて、当方が説明するまでもなく、郡上八幡には実に数多くの「名物」と言えるものが存在します。
山間部の小さな城下町なのに、その数は人口減少で悩む地域が羨むほどで、知識の薄い当方がザッと挙げるだけでも以下のとおり。

・郡上踊り
・郡上八幡城
・鮎
・食品サンプル
・ハム
・藍染
・町中を流れる水路 等々

ちょうど出発前に放映していたBSの番組では、郡上市長が出演していて、近年の移住人口の堅調な増加を説明していました。
その番組だったか別の番組での内容だったかは忘れましたが、2012年に移住して町の真ん中で稼業を開かれた若い方もいるそうで、もう脱帽するしかありません。
我が家が家族4人で最初に郡上八幡を訪問したのが2013年ですから、ほぼその頃に都会からの移住を「決行」した方が、2019年の今ではすっかりと岐阜県の町に溶け込んでしまっている、という訳なんです。

この事実には、正直に言って胸に刺さるものがあります。
当方は日頃から、現代における本当の「勝ち組」とは、住む土地を自分の素直な気持ちで選べる人たちや、住む土地に心身共に溶け込んでいる人たちなのではないかと思っているのですが、こうした実践例があるとその思いはさらに確信へ変わっていくのです…。



□ □ □



まぁ、堅い話はこれくらいにしましょう。
相模の国を朝8時に車で出発して、途中休憩を挟みながら新東名、東海環状道、東海北陸道を進み、14時過ぎには郡上に到着。







未訪問の八幡小野郵便局を訪問して849局目の旅行貯金。
続いて町外れの喫茶店で美味しいコーヒーをいただいた後は、さらに八幡吉田簡易郵便局に寄って850局目の旅行貯金を果たし、ちょうどよい頃合いになってから町中の旅館へチェックインしました。





その後、夕飯を兼ねて徒歩で町へ繰り出しました。
当方は郡上下駄を買い求め、娘たちは食品サンプルのお店ではしゃぎながら大トロのキーホルダーをゲット。







この町における「食品サンプル産業」の存在は、子どもたちが山間部の町を旅する上では退屈しない大きなネタとなっています。
大人と子どもがそれぞれ目当てを持てる、ということがこの町の強さなのですね。





夕飯は宿泊した旅館では用意されませんので、近くの「わかば」さんで焼肉。
「特上飛騨牛」なるものを注文しました(これは食品サンプルではありませぬ)。
うーん、やはりこれは美味しいです。
女房と娘たちには大好評でした。





夜は「郡上踊り」に参戦。
この日は町外れの長良川鉄道・郡上八幡駅前が会場でした(徹夜踊りを含め、おおよそ町中で行われることが多いようです)。
久しぶりなので、踊り方などほとんど覚えていなかったのですが、輪に飛び込んでしまえば案外どうにかなるものです(失礼)。





生演奏、生歌によって「かわさき」「春駒」「三百」「猫の子」「ヤッチク」などが次々と演奏され、見よう見まねで地元の方々についていくと、いつのまにかニセ郡上市民爆誕!
「春駒」はややアップテンポで外人さんにも人気がありますね。


こうした「溶け込み」が出来る点で、郡上踊りが他の地域の祭りとは「違う」ということを言い表わせると考えます。
当方のような、リアルな帰省先を持っていない都会の人間としては、どこか擬似的な実家を持った感覚になれますし。
都会から若者の移住が増えている理由もそんなところにあるような気がします。
一足飛びに移住者を増やそうとするのではなく、まずは「交流人口」を増やして、その取組を大切にするマインドが肝心。
そういうプロセスが大事であり、よく分かる地域と言えましょう。
もちろん、郡上市には、意図してそんなプロセスを作っているつもりはないでしょうが。





家族4人で汗ビショビショになりながら、エンディングである「まつさか」まで頑張りました。
これぞ「にっぽんの夏の夜」。


(後編につづく)

  1. 2019/08/15(木) 19:45:00|
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