こんばんは。しなのさかいです。

夏の終わりを告げるイベント「全日本模型ホビーショー」が今年も開催されました。
今回は東京ビックサイトの改修の影響からか、りんかい線・東京テレポート駅そばに仮設された東京ビックサイト「青海展示棟(青海ホールA)」が会場。
駅の地上出口から歩いて数歩の距離ですし、空調もキチンと効いていて、仮設施設としては高評価です。
来場者数からしてもこのホールは模型ショーのような規模にはうってつけのようで、静岡ホビーショーのような立ち止まっていられない殺伐とした雰囲気は全く見られませんでした。
仮設ですから撤去が控えているのでしょうが、恒久設置でも良さそうですョ。
今回も線路際の住民先生と二人であれこれと談義しながらの会場内回遊となりました。
いつものことながら、今回以降しばらくは当方の主観ばかりとなる記事が続きますが、もしよろしければお付き合いください。
【ピーエムオフィスエー】

今回のショーにおける鉄道関連では、この1/80の201系(中央線)が大きな話題と言えるでしょう。
株式会社ピーエムオフィスエーは、我々のような鉄道の世界の人間からすれば認識が十分ではありません(たぶん)。
所在地は長野県諏訪市だそうで、ホームページには「営業品目 金型の設計及び製造 プラスチック成型及びプレス加工業 経営合理化等に関するコンサルタント業務 キャラクターフィギュア・プラスチックキット等の製品の企画・設計・開発・生産・販売」とあります。
金型を自ら製造している点は「お!」となります。
当方は「さんれ~く」の稿で触れましたが、この会社を「諏訪姫」キャラクターの展開で注目していたところだったのであります。

説明が遅くなりましたが、これは「プラモデル」です。
ボディは一体成形。
吊り革などの各種パーツがディスプレイモデルであることを示していますね。
先頭車セット(クハ201・クハ200)、中間車セット(モハ201・モハ200)が各12,500円で、12月発売予定。

パーツ全体を見てみましょう。
ブルー系のパーツは座席。
台車の構造が細かく分かるようになっています。

床下機器をアップで。
機器類の分割線を処理するのが大変かも(笑)

鉄道模型をやっていると、クーラーを見て大体の精度を知ろうとするクセがありまして、自分でもいやらしいなと思います。


電車庫、架線柱、洗浄台もペーパーキットで製品化されます。
その他プラスチックキットでは、ピット線路、キュービクル、継電器、入換信号機を製品化予定。
伺ったところ、会社としては「車両だけではなく周辺のアクセサリーも是非製品化すべし」との積極的な方針に至った…とのことでした(頼もしいですね)。
電車庫(ペーパーキット)はテスト品なのか、もうブース内で販売されていました。
市販品は11月発売予定で、お値段は9,800円(税抜)。


イメージをつかむには十分なジオラマの作例。
担当さんに「どうして201系なのさ?」と質問したところ、諏訪地域を走る(走った)車両のうち、ボディカラーのインパクトが強いことを理由に選んだとの御回答がありました。
201系は諏訪湖の花火大会関連輸送でよくアルバイトをしに諏訪地域まで来ていましたからね。
そしてプラモデルにしたのは、持てる金型の設計技術を全力で注ぎ込みたかったからだそうで、企画当初から、会社として経験値のない「鉄道模型」としての走行装置やライトユニットなどは、きっぱりと外部にお任せしようと割り切っていたそうです。
さて、当方は「このプラモデルが今後どういう運命をたどるのか…」という点に関心を持つのであります。
当ブログでは、こうしたショーで、新機軸を打ち出す新規参入企業を見て、取り上げてきましたが、その後はきちんとこの市場に残る会社と早々に退場する会社に分かれ、どちらかというと後者の方が多かったように感じています。
今回は飽くまでも「プラモデル」ですから、鉄道模型ユーザーがとやかくいうのも変かもしれません。
しかしながら、この1/80といういやらしいスケールのプラモデルに需要があるとしたら、そのほとんどは鉄道模型ユーザーのそれなのだと思うのです。
走行化を簡単に実現できるパーツ類が何処からか現れたなら、潜在する需要が浮き上がってくる可能性はありますが…。
振り返れば、現在この市場には1/80スケールの車両プラキット(完成品ではなくてですよ)が多く市場に出回っています。
古くはホビーモデル製、最近ではあまぎのZugブランドやネコパブのホビダスブランド。
アクラス製205系なんていうのもありますよね。
そして、16番ユーザーには、これらを手に取るためには揺るぎない覚悟が必要のようで、近所の量販店にはいつまでも売れない店頭在庫があることを確認しています。
スケールこそ異なりますが、アオシマのDD51やEF66のプラモデルも然り。
完成作例が少ないですよね。
なんとなくですが、精巧なパーツであることは認めることができても、必ず「鉄道模型」に化けるという「約束」は、これらの精巧なキットからは感じられないのかもしれませんね。
16番に限らずに、今リリースされるべき鉄道模型の「キット」に必要な視点はそんなことなのではないでしょうか。
かつてのカトーの阪急6300系や京急800形のように、完成品から逆に分解した状態でのキットなんていうのものが出てくればよいのにと思うわけなんです。
いずれにせよ、新しい情熱を持ったプレイヤーが市場の上流に現れてくれました。
どうか退場することなく、早い段階で市場での立ち位置を確立させてください。
【グッドスマイルカンパニー】


東京都電6000形、のプラモデル。
試作品ということで、仕様や価格はまだまだ未定のようです。
スケールは1/24、全長512㎜(51.2㎝)だそうなので、ちょっとした出窓に置けば存在感(威圧感)は大きそう。
こちらもプラモデル。
この辺りになると、もう「鉄道模型」にするよりは「ラジコン」にしてしまった方が良さそうです(笑)。
【ポポンデッタ】


何かと話題の相鉄20000系。
そのサンプルを見ることができました。
第1弾のJR九州305系が発売となっていない現段階では、まだまだその出来は想像することができません。
が「安中貨物事件」を知る人間から見ると、このサンプルはなかなか善戦しているようでもあります。
いわゆる「電車系」への新規参入初期シリーズとなるであろう、この辺りのラインナップでは、少なくとも「選択肢になり得ない」ことはなさそうです。

南海30000系こうや号も。
サンプルとしてはもう一つのモノが線路を走っていまして、そちらの方がより分かりやすいテストショットだったかも。
少しだけお話を伺いました。
「安中貨物」のときは、生産体制面において工場へ指示を伝達することに難しかった点があったそうで、今の体制はその課題をクリアしているようです。
このポポンデッタ電車シリーズ、当方から見ると、少なくとも「鉄道模型の完成品」と言うべきパーツ構成の条件(貫通幌があるとか、床下パーツは機器との一体成形だとか)はキチンと満たしていますし、会話している脇をクルクル走る305系の車体への印刷もしっかりしていましたから、マイクロエースのようなレベルには達しているのではないかと想像します(おそらく)。
これなら予定品の状態で既にグリーンマックスと激突している「阪急1000系」対決は、少しだけ楽しみになります。

ジオラマ関連では法面のフレームがありました。
コルク仕様なので、ちょっとした歪んだ地形には難なく追従すると思われ、レイアウト作業がはかどりそう。
先のスノーシェッドといい、こういうの、どこかで見たような…
(その2へつづく)
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- 2019/09/30(月) 23:15:00|
- 鉄道模型イベント
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おはようございます。しなのさかいです。
9月の連休2回目は、甲府盆地訪問からスタートしました。
甲州遠征の内容は、いつもどおり家族の要望による食事と風呂なので、ドライバーを担う身としては楽なものです。
住まいから甲府盆地までの距離がそんなにないので、渋滞の解消を見届けてからの遅めの出発でも平気であることも心強いです。
圏央道の開通は行動範囲だけでなく旅の可能性も広げてくれました。
ただ、ドライバーとしてはそれだけではつまらないので、中央道での定期的な車の振動で女3人を爆睡状態にさせた後は、普段使う一宮御坂ICをスルーして、コッソリと中部縦貫自動車道・増穂ICへ。
ICを降りて富士川沿いを走り始めたら女房殿が覚醒して「ん、ここ…どこ?」との発言がありましたが、ここまでくればこっちのもの。

すっかり暗くなった18時過ぎ、「レールパル351」さんに到着しました。
国道52号と富士川のそばの鉄道模型店は約半年ぶりの訪問で、在庫の豊富さも変わらず。
知る人ぞ知る存在の、奥の超巨大レイアウトも、10両編成の列車が米粒みたいに見えるほどの規模で健在でして、今まで見てきたものの中ではおそらく最大級です。

買い物は、カトーの「パワーパックハイパーDX」1つ(左側のほう)。
最近、関東平野では店頭在庫をすっかり確認できなくなり、こうしたお店まで遠征しなければ入手が難しいようです。
当方は地方の鉄道模型店でお買い物をするときは「旅先での思い出づくり」という側面もあるかと考えており、むしろ近所の量販店で買うよりは強く記憶に刻まれるので、それはそれでいいかなと楽しんでいます。
既に手元にあったもう1個のハイパーDX(右側のほう)は、7月に自宅から電車で数分の隣町で見つけたものです(これも新品でした)。


これでハイパーDX2台体制が整いました。
当方のレイアウトは片渡り線がある複線仕様なので、内側と外側とで同一のコントローラーにしなければなりません。
なので1台を入手したときからもう1台を入手することは半ば宿命だったのです。
使用感はこれから…となりますけど、どんなものなんでしょうね。
諸先輩方のレポートでは概ね好評価のようですから、まずは安心(というか楽しみ)にしていますが、制御機器は実際に手元に引き寄せてからでないと感想を持てないという壁がありますので厄介な楽しみとも言えそう。
ともあれ、90年代から愛用していたKM-1とKC-1の組み合わせも素晴らしいものでしたが、ハイパーの方が省スペースですし、ここら辺で世代交代させたとしてもバチは当たらないでしょう。
これまでありがとう、KM-1+KC-1(まだ分かりませんが)。
1990年代は遠くになりにけり。
車両を増やすペースをダウンさせた代わりに、こうした制御機器への投資を行ってみました、というお話でした。
最近は、レイアウト工事も「とりあえずの完成」に達したような気もしているため、身だしなみを整えるつもりでこうした投資と整備、特に配線関係の整理をするのも悪くないかなぁと思っています。
◻︎ ◻︎ ◻︎

模型店に行った後は「ほうとう」ということで、何度目かの「小作 竜王玉川店」へ。
小作のシンボルである水車はここのやつが一番大きいような気がしますが、気のせいか。
さらにその後は「ほったらかし温泉」へ。
不思議なことに、連休初日なのに特に空いていました(ただしいつも比較的空いている方の「こっちの湯」の話です)。
巨大な露天風呂に身を沈めれば、秋の虫の音が聞こえてきて、そして人工物など一切ない夜空と山影だけの視界。
いつもなら聞こえてくる若者グループの「ウォー」というような大声もなく、ひたすらに静かに、秋の訪れを楽しむことができました。
そして、風呂にいるときは台風の影響で雲が多かったのに、帰るときに駐車場で仰ぎ見れば、西の空に夏の大三角。
それならばと東の空を振り向けば、おうし座を確認することができました。
天の川も久しぶりに見ましたね。
夏は「終わり」もキチンと楽しむべし、ですね。
さて、週末は「全日本模型ホビーショー」。
これで今年の夏は本当に終わります。
ではまた。
- 2019/09/27(金) 07:40:00|
- 鉄道模型(レイアウト)
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こんにちは。しなのさかいです。
ここらへんで趣味活動の方を…、と考えていましたが、当方が書いた記事に捨て置けない事情が生まれましたので、予定を変更します。

前回、カトーの再生産情報に関して、オハネフ24の前位側に表現されたダミーの尾灯(テールライト)を“実車では存在しなかったもの”としてお伝えしたところ、PINさんから「やがてネ(しなのさかい注・オハネ24 のこと)以外は増結運用車は固定尾灯改造されておりました。」とのコメントをいただきました。
恥ずかしながら当方は、2009年末の「ゆうづる」発売当時のうわさ話でこの尾灯の有無に気づくくらいの知識で、後追いで自宅にある資料を見て、そのうわさ話を「本当のこと」と捉えていました。
その資料(根拠)は、鉄道ピクトリアル№791(2007年7月号)「【特集】14・24系寝台車(Ⅰ)」(岡田誠一氏著)。
P.33にある25形客車が24形客車から仕様変更された点を挙げた記述のうち「(8)オハネフ25の前位側(切妻側)にも尾灯を取り付けた。」という説明、さらにはP.31~32にある24形客車の改造内容(ただしS58まで)に尾灯取付に関するものが含まれていないこと、からオハネフ24 の前位側には尾灯がないと判断したのです。
ただ、既にお気付きの通り「尾灯がない」と断定した記述は一切ありませんで、オハネフ25の仕様と、24形の改造内容から「なかった」と当方が判断したに過ぎません。
以上の経緯をお友達であるキハ181つばささんにお伝えしたところ、「えー、あったっかなぁ」と一緒にあれこれ思考を巡らせてくれました。
本当に感謝です。
写真などの物的証拠などがあれば手っ取り早いのですけど、やはりそんなものはなく、結局のところ推理の延長になりました。
しかし、実に楽しい検証作業だったので、その辺をメモしておこうと思った次第です。
まず、24系24形はいわゆる「九州ブルトレ」の運用に就いた時間が短く、後継である25形が誕生すると東北へと転属します。
九州ブルトレでは大分、熊本、出雲市でダイヤ上の増解結の運用がありましたが、「東北ブルトレ」(24系時代以降とします)では基本的にそうした運用はなく、あったとしてもそれは客車区で出区前に増解結を済ませてしまう、飽くまでも波動的なものであり、しかもそれは中間にオハネ(オハネフではなく)を組み込むものが主であったはず…。
というのが、まずは一つの推論です。
次に尾灯の必要性についてです。
駅構内で増結編成を切り離した際、そのまま駅構内から客車区等へ入線できるのであれば、必ずしも固定式尾灯は必要とはならなかったのかもしれませんが(取り外し式のものを1つ差すことで足りた?)、こうした移動を(たとえわずかな距離でも)大抵の本線上の走行を介して行う場合は、規程どおり2つの尾灯を必要としたのではないか…。
うまく言えませんが、こうした差し迫った事情が、東北ブルトレには「なかったのではないか」というのが二つ目の推理。
したがって、仮に現場の声として固定式尾灯の必要性が訴えられていたとしても、それが九州ブルトレの時代であればまだ分かるのですが、東北へ転属してしまった後の時代にはもはやそのような必要性はないため、「ゆうづる」や「あけぼの」でわざわざ改造を施してまで尾灯を埋め込む必要はなかったのではないか。
二つの推理からこのような結論へ至りました。
ネット上をパトロールしていても、わずかながらオハネフ24 の前位側の画像が落ちているので、その有無を確かめることができます。
見つけられたのは保存車を含めて3両のオハネフ24 。
千葉県の「いすみポッポの丘」にある「オハネフ24 2」、それから秋田県の小坂鉄道レールパークにある「オハネフ24 12」には尾灯がないことを確認することができます。
また、土崎に入場する「オハネフ24 10」の画像もあり、これにも尾灯がないことを確認することができました。
それでもオハネフ24全27両のうちのたった3両ですから、残りの24両に尾灯を取り付けたものがあったのかも…と考えられます。
いずれにしてもPINさんのエピソードは極めて具体的ですので、今後も資料を探し続けていくつもりです。
また、オハネフ25の前位側に尾灯が取り付けられた理由についても知りたくなりました。
□ □ □
とまぁこんなことを考えているうちに、模型店「しんゆり湘南ライン」さんが、つい先日に開催されたカトーのセールスミーティングで「前回生産時にエラーだったオハネフ24の妻面側テールライトのモールドは、修正されるそうです。」と聞き出してくれたようです。
店主の清水さん、ここを見てくれた上でのことかどうかは分かりませんが、本当にありがとうございました。
とりあえず、カトーとしては「オハネフ24の前位側に尾灯があってはならない」という結論に至ったようです。

なお、しんゆりさんのレポートには続きがあって「6号車のボディはASSY設定がありません」とのこと。
いいですかーみなさん、10年前のロットをASSYで補完しようとしても「6号車」のボディは手に入りませんよ。
古い12系が大量にゴミとなっているのに、さらにゴミを増やすことになるかもしれませんが、こうなったらセットごと買い直して、みんなで成仏しましょうかね(笑)
ではまた。
- 2019/09/22(日) 15:30:00|
- 鉄道模型(車両)
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おはようございます。しなのさかいです。
9月になりました。
暑さのせいにして、あらゆること全てを「後回し」にしていたような、怠惰な夏は終わりました。
したがって、ここから4か月間の遊び方、楽しみ方、課題の片付け方如何で2019年の総括になることは間違いなさそうです。
ポジティブに、家内制手工業とフィールドワークを織り交ぜてやっていこうと思います。
もちろん、これらに仕事のことなど入っているわけがありませぬ(大笑)
そんなことよりも、先週末にカトーから発表されたポスターでして、今回は2020年1月分と2月分。
まだまだ暑さが残る時期に真冬のメニューを見るためには想像力を豊かにしないといけません。
今回もいつもどおりこれらを見て、あれこれ考えてみようと思います。

【10-1578 221系 リニューアル車 JR京都線・神戸線 8両セット】¥21,700+税
【10-1579 221系 リニューアル車 JR京都線・神戸線 6両セット】¥17,900+税
「そのうち製品化されるだろう」とは思っていましたが、その日がこんなに早く来ることになるとは。
今回は主にJR京都線・神戸線(東海道本線・山陽本線)の運用に入る網干のA10編成(8連)とB10編成(6連)が同時発売で、アーバンネットワークを感じる路線として、このA・B編成は王道と言えそう。
いわゆる「220系」の中間車であるモハ220とサハ220は旧製品にも存在していたので、今回の企画で先の4両セットに含まれていない両車が製品化されるのは「待つ方」としては必然の流れと感じています。
カトーが示す編成例を見ると、本命としてはB編成をダブルでつないだ12両編成かなーという感想を持っていますが、皆さんはいかがでしょう?
2018年8月22日 三ノ宮にて 網干総合車両所 B17編成ただ(確か)網干の221系には、A、B、Cの全編成に併結を考慮した例の先頭車の幌が取り付けられています。
221系ファンとしては、先頭車の幌がない原型に近い顔が見てみたかったので、製品化の順番としては「オアズケ」を食らったような残念感もあるんですよ。
2018年8月23日 京都にて 吹田総合車両所奈良支所 NC605編成
2018年8月25日 京橋にて 吹田総合車両所奈良支所 NB803編成やはり〈大和路快速〉というネームを冠するのなら、
奈良のNA編成(4連のNA413・414編成)よりも先に、同じく奈良のNB編成(8連)をやって欲しかったし、大和路快速ではなくなりますが同じく先頭部に幌がない奈良のNC編成(6連)でも順序としてはアリでした。
同じ顔の電車が「長いか短いか」という違いだけの感覚は、どこか合理的な財政出動には遠い気もして「まぁ買うけど、利口なお金の使い方ではないよなぁ」と自問自答を繰り返しています。
それから、8連と6連を同時に発売しておきながら、この2編成を併結させることはなさそうでして、その点も企画の立て方としては大きく引っかかります。
このことは、10月に発売されるはずの787系〈アラウンド…〉にも言えて、このアラウンド・デザインのまま6連と4連を併結することなどないのに、併結カプラー化を施して「同時リリース」というややこしい、誤解を与えるメッセージが発信されています。
ここ、気をつけなければなりませぬよ。
両セットを併結させることがないのであれば、どちらか一方は、また冷却期間を置いて発売すればいいのです。
こういう「えーい、いっぺんにやってしまえ!」というやり方は、いたずらにユーザーの財政力を疲弊させるだけのような気がしますが。
碓氷峠シリーズの波状攻撃にも疲れましたよね。
カトーさん、どうなんです???
JR西日本アーバンネットワークの車両を製品化する企画では、ここんところトミックスとカトーとできわどい「領土争い」が行われています。
ユーザーとしては、支持できる設計に票を投じることができていますので、どんどん改良を重ねてもらいたいところ。
改めて申しますが、カトーの課題はズバリ「223系と225系0番台の顔がおかしい」ということに尽きますョ。
【7011-3 DE10 JR貨物更新色】¥7,200+税
結論から言えば「要りません」ので「買いません」。
繰り返して申せば、当方から見れば、このカラーをまとったイマドキのDE10は、構内を行ったり来たりするだけのただの「機械」でして(本来業務だと言えば確かにそうなのですが)、活躍している姿を目撃するのは撮影を生業とされている方々くらいではないでしょうか。
令和の今に現存する、アレンジされまくった国鉄型の機関車を製品化することは、トミックスに任せておけばいいのになぁと思うんですよね。
DE10に着目することは良いとして、何かもっと面白い広がりはつかめなかったのでしょうか。
かつての蕨方面の目の付け所を見習って欲しいです。
【3064-1 EF80 1次形】¥7,000+税(再生産)
【3075-1 ED75 1000 前期形】¥6,800+税(再生産)
【10-811 24系寝台特急「ゆうづる」 基本6両セット】¥12,000+税(再生産)
【10-812 24系寝台特急「ゆうづる」 増結6両セット】¥11,500+税(再生産)
さて、今回のポスターにおける最大の関心事はこの24系「ゆうづる」の再生産なんです。
2009年の年末アイテムでしたから、ちょうど10年ぶりの再生産でして、そろそろ待つ人も多くなった頃合いではあるんでしょう。
ただ発売当時、この24系24形を手にしたユーザーの間にはちょっとした物議が巻き起こっていたんです(もう10年も前のことなのかぁ)。
それはオハネフ24の妻面でした。
実車は言うまでもなく24系の最初期のシリーズであり、あまり複雑な運用は考慮されていない設計だったそうです。
だから、オハネフ24の連結方向も素直に緩急側が編成の最後尾になるように考えられていて、本来ならその反対側には尾灯など存在しないのです。
尾灯の取付はこの後に登場するオハネフ25で施されることとなります。

しかし、なぜか模型のオハネフ24には尾灯(ダミー)がある…。
品番を同じにしたままプチリニューアルを施す例はあまりなく(10-255の顔面整形くらいでしたでしょうか?)、現時点では今回の再生産でこの謎が消えるかどうかも微妙です。
ただ、ユーザーとしてはこの「尾灯問題」だけが「買う」(買い直す)か「買わないか」を決めるポイントとなっています。
このことで小売店の予約受注数も大きく変わってくるのではないでしょうか。
一番不幸なことは、メーカーからのアナウンスがないままリニューアル(というか補正)されて、機会損失する小売店と買えなくなるユーザーが多くなること。
もう10年も前のことです。
やるならば文句を言わずに素直に買い直しますから、カトーさん、決めるなら早い方がいいですよ。
9月16日追記:
コメント欄をご覧ください。
読者の方から、オハネフ24の尾灯については後天的な改造により固定式の尾灯が取り付けられたというエピソードが披露されました。
当方としては現時点で断定的な論調は控えるべきと再考し、このようなセンテンスを付け加えさせていただきます。
こんな面倒なことになるならば、やはり24系24形「あけぼの」としてリスタートした方がよかったのでは…とつくづく思います。
先に発売されたEF65 1000前期形も立ち位置が曖昧なまま発売されましたから、こうして65発売のわずか半年後に24系をやるならば、ブルトレ牽引機としてもっと企画的に「活かす」ことができたのではないでしょうか。
そもそも今のカトーには「常磐線シリーズ」というキーワードも存在していないので「ゆうづる」として再生産するこだわりも必要無いように思います。
※1枚目に掲載されているその他の再生産アイテムについては省略します。

【1-320 (HO) EF81 一般色】¥19,600+税
【1-321 (HO) EF81 北斗星色】¥19,800+税
16番ユーザーにとっては緩やかな選択肢の増え方が続いています。
同時にサウンドカードの開発も進んでいるそうですから、単機で行ったり来たりさせるだけでも面白そう。
「車載スピーカー搭載の準備工事も行います」というアナウンスもありますから、そろそろサウンドボックスを使った車両からの音の響きが味わえるようになるといいです。
天賞堂のカンタムサウンドシステムは特権階級に許されたもののように見え、ただひたすらに羨ましかった思い出があります。

【3102-2 アルプスの機関車Ge4/4-Ⅱ <氷河特急>】¥9,000+税
【5280 アルプスの青いレストランカー WR3811
】¥4,000+税
こちらは2月。
カトーとしては、この時期に開催されるドイツ・ニュルンベルクのトイメッセに向けたアイテムが必要となりますから、海外モノがエントリーされる確率が高いようです。
そんな意味もあっての2月ポスターの一部フライングなのでしょう。
飯田線シリーズの継続は不安が付きまとったままですが、氷河特急シリーズは大丈夫みたい。
Ge4/4-Ⅱについては塗り替え企画ですけど、これはこれで必要と言えるデザインなので「買います」。
そして、なんといっても食堂車ですよ。
これこそ「なんでもアリ」なレーティッシュ鉄道の列車の真骨頂。
小さい車体なのにキッチンとダイニングを両方備えているという点も驚き。
日本の観光列車ではほとんどが料理の持ち込みですからね。
模型としてはテーブルランプが点灯するそうですから、カトー標準と言える食堂車の仕様がそのまま活かされるみたい。
ひたすらにゆっくりとコトコトと鉄道模型走らせたいユーザーにはマストと言えそうな車両です。
これまでのシリーズ展開をほぼフォローしてきた当方としては「買います」。
いや、ここからが模型でレーティッシュ鉄道の旅を味わう本当の入口なのではないでしょうか。
今後はトロッコ車両、コキみたいな貨車もよろしくお願いします。
その貨車には無造作に丸太を積んで!
年明けは年末商戦もひと段落した閑散期。
消費税の税率引き上げもありますから、価格上昇の影響がじわじわと財布に効いてくる頃でもありましょう。
なんと言いますか、お金の使い方を反省したくなるような時期になるんじゃないかと。
こんなときだからこそ、ささやかな財政出動でも大きな満足が得られる、緻密に計算された企画のパズルとその答えとしてのアイテムが必要です。
以前の企画にフィードバックされるような、以前に買ったセットが再び活きるような、ちょっとだけ車両をプラスして既に手元にある列車に別の見え方、楽しみ方を出現させる…。
ホッコリしたい冬の季節にはそんな「おみやげ」「ファン感謝アイテム」があるといいですよね。
飯田線シリーズには、ユーザーの気持ちと向きあいながら、そうした優しさがあったと思うのです。
今回のポスターにそんな点が見られるかどうか。
それはあなた次第です(なんちゃって)。
ではまた。
- 2019/09/12(木) 09:00:00|
- 鉄道模型(車両)
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