しなのさかいの駅前広場

みんな考え始めているようです。いろいろと。

バラストを茶色に染めて

おはようございます。しなのさかいです。

買うモノもなく、だから義務的に模型店へ行くこともなく。
極めて穏やかな日々を送っています。
なのでココらで久しぶりに当方のレイアウトのことをお話しておきましょう。




年末年始の休みでは、残る駅モジュールと田園モジュールの線路をエアーブラシで塗装してみました。
選んだカラーは、これまで通りにタミヤラッカー塗料の「LP-59 NATOブラウン」です。
調色しながら吹いてしまうと、後から追加塗装するときに不整合が出ますので、こういう「基礎化粧品」は市販品をうまく選ぶ方がいいかもしれません。
駅のホームなどは従来からそうしています。

レールの側面はもちろんのこと、デリケートなポイント部にも薄く吹いて、レールの表面だけが光るようにしてみました。
これでポイントが故障すれば、リカバリー作業が大変なことになりますが、それを気にしていつまでもやらない…ということでもダメ。
ポイント内部にバラストのりが侵入することもなく施工できたはずですので、エアーブラシを軽く吹いたくらいでは大丈夫でしょう。
後は、祈るのみです。

レール側面にはプライマー処理などせずに直接吹いています。
食いつきは案外イケてますし、プライマーを吹いて厚ぼったく仕上がるリスクもありましょうから、これで。





貨物ホームには二軸貨車を並べてみました。
自分としてはまぁまぁのレベルまで持っていけたかナというところですが…

貨車はワム80000やトラ70000の方が時代的によかったか。
スリムなワム80000、カトーから出ませんかねぇ。





当レイアウトには駐機場のようなところもありますので、当然にここにもプシューっと吹きました。
このように蒸気機関車を置いておくとか、21m級気動車は2両まで入るのでそんなヤツを置くとか、そうした便利な使い方にモッテコイのスペースとなりました。
もちろんポイントを介して駅本家に接した1番線ホームに進入することができます。

もっと蒸気機関車用の施設(給水塔とか)を置くという選択肢もありましたが、時代や用途に幅を持たせておきたかったので止めました。
欲張りは禁物、というのがこのレイアウト作業の上での教訓となっています。
魅力的なストラクチャーが多いため、ついつい置いてしまいがちなんですが、すぐにごった煮状態になりますから。





田園モジュールはNATOブラウン1色にはせず、錆が広がりきらない部分をグレーにしておくこととしました。
ユニトラックタイプのバラストを使っていたので、そのままでは黒色のツブが目立ちます。
これを誤魔化すためには、面倒でもグレーを吹かないとダメだなと悟り、やってみました。
このグレーは適当に選択。
もう少しパステル粉を使ってボカシを入れてみようかと反省しているところです。





485系300番台でテスト走行。
問題ありませんでした。
このヨンパーゴ、基本セットだけのインチキ編成でして、Tcの次がTd、その次がTsです。
2M4Tです(笑)





久しぶりに3灯タイプのDD51と50系客車4両で遊びました。
カトー版「なつかしの磐西客レセット」で、サウンドカードはもちろんDD51用。
だんだん脳内に浮かぶ風景が具体化してきました。

駅にも架線を立てること(すなわち電化)を試行錯誤していたけど、もう非電化のままでいいやという心境。
だからといってパンタグラフのある編成が入ってこないということではないのですぞ。
そーゆーときは「架線があるつもり~」ということでやります。

心が落ち着く風景は、やはり亜幹線の駅の空。
家の中にいて非日常の景色を楽しむことが、当方のレイアウト製作の目的でもあります。





今年は塗装をどんどん進めましょうか。
やりたいこと、まだまだたくさんあります。

ではまた。



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  1. 2020/01/21(火) 08:10:00|
  2. 鉄道模型(レイアウト)
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妻籠宿でコーヒーを飲むことができる時代の到来

こんばんは。しなのさかいです。

そろそろ趣味生活のことへ進もうかと考えたところですが。
少し前のことになってしまいますけど、昨年末(と言っても数週間ほど前のことです)のフィールドワークのことについて触れておきます。
よろしければお付き合いください。





3年ぶりに安曇野に行きました。
コテージに荷物を下ろした後は、一時期の猛烈な混雑ぶりに比べると落ち着いてきた感のある「国営アルプスあずみの公園」LEDイベントへ。
駐車場には県外ナンバー車はそんなにおらず、どちらかというと地元車が多いようでした。
気温も関東平野のそれとほとんど違わないので、寒冷地仕様の服装で来た意味は半減。
この冬はどこも穏やかな気候のようです。
そろそろホントにやばいかもしれません。





翌朝は快晴でした。
泊まった物件は山の上なのでソコソコの積雪があり、履き替えてきたスノータイヤの効果を早速発揮。





今回は早めに木曽路に入り、奈良井宿で昼食休憩としました。

ココは駅直結の観光地。
なので、多くの外国人観光客が散策する、アプローチしやすい場所となっているようです。
たった2両の313系1300番台でやってくるアジア系のグループが、奈良井駅くらドヤドヤっと宿場町へ散っていきました。
おそらく木曽福島で「ワイドビューしなの」から乗り換えたんでしょう。
だとすれば、名古屋に宿泊しているのかな。
観光バスではなくて普通列車で、ということなのですから、個人レベルでの来訪も多いということのようです。
海外にも何らかの形で木曽路の評判が伝わっているということなのかもしれません(「京都よりもまだ…」ということだけかも?)。

欧米系のバックパッカー組も多く、カップルや子ども連れのグループと陣形、フォーメーションは様々。
鳥居峠を徒歩で越えてきたようで、今の日本人ですらなかなかやらないことですから、敬意を表します。






「ワイドビューしなの」9号を後ろから。






さて、妻籠宿なのです。

早めに木曽路へ進入したことで例年よりも持ち時間に余裕が生まれたため、馬籠宿へは急がずに、久しぶりにココへ立ち寄ることとしました。
実は、当方の視点からすると、ちょっとした異変が起きているとの情報をキャッチしたので、実際にこの目で確かめたくなった、という動機もありました。



その異変というのがこちら↓と…、




こちら↓。



明らかに外国人観光客を(も)ターゲットにしたお店のようです。
長年この辺をウォッチし続けていたので、日本の山深い場所であるにもかかわらず、ここ数年は海外からの観光客が増えていることを実感していました。
だから、間違いなくこのような需要はある訳で。

コーヒーをいただこうとカフェの中に入ったら、いい感じの古カフェになっていましたよ。
御店主にいろいろとお話を伺い、豊かな時間を過ごすことができました。
妻籠には何回も足を運んできましたが、こうした交流をすることができた記憶は今までにありません。


それにしても、妻籠宿でコーヒー。
ようやくこんな時代がやってきたんですね…






我が国における「全国町並み保存発祥の地」と称している妻籠宿では、昭和30年代の終わりから昭和40年代の初めにかけて保存の機運が芽生えました。
取り分けて昭和43年に取りまとめられた「妻籠宿保存計画基本構想」では、「観光をも目的とするが、あくまで歴史的景観の保存を第一義とする」「地元住民の生活環境の整備維持を十分考慮する」「木曽路計画の一部として構想する」といった、今まさに観光公害で悩まされている地域からすれば深く頷いてしまいそうな基本方針が盛り込まれました。

そして昭和46年になると、住民自らが「妻籠宿を守る住民憲章」を掟として定め、その後の保存条例へとつながっていきます。
その住民憲章の三原則が「売らない、貸さない、壊さない」。
このポリシーは令和の今にも受け継がれているようです。


保存当初はココにも観光公害と言えそうなブームがあったため、その都度住民が主体的に議論し、以上のような経緯を踏んできたワケなのですが、結論としては、飲食店で提供するメニューも大幅に制限し、今風の看板や自動販売機もNG、コーヒーの提供にも大きな論争があって…という強い自制が誕生しました。
この点、保存事業の後輩にあたる宿場町などとは大きく異なるもので、今では日本のあちこちにある「重要伝統的建造物群保存地区」の第1号(昭和51年、他の6地区と共に指定)にして、最も戒めを課している地区と言っても過言ではないでしょう。

まずは住民のアイデンティティづくりを優先させ、その結果として、取組の価値を共感してくれた人達だけが訪れるようになって、さらにその延長線上に観光産業が根付くならばそれを許容してみよう。
当方はこんなスタンスが長く続いてきた、と見ています。




しかし。

「ディスカバージャパン」のブームに乗って旧中山道を歩こうと訪問した多くの観光客は、そのブームが去ると次第に消え、大型観光バスで宿場町の裏方にある駐車場に乗り付けて、というスタイルに変化しました。
そしてバスから降りた団体客たちは、住民憲章などを知ることもありませんから、宿場の中心に躍り出たら「ホントココ、何もないわねぇ」という感想を抱き、記念写真を撮っておしまい、ということに。
妻籠宿は、どちらかというと滞在型ではなくて立ち寄り型のスポットとなってしまったのです。





実際に見てみてもこのとおり。
宿場の通り(街道)を歩いてもサイン類が不足していますからどこでどんな営業をしているのかがサッパリ分からない。
戸を閉めて営業していればなおさらで、果たして営業中なのか、何を営んでいるのかすら見分けられません。





失礼ながら、まるで『木枯し紋次郎』に出てくるひっそりと静まり返った(戸板の隙間からジーっと外を覗くような)村のようで、当方が見ていても、建物の前で何かを確かめようとフリーズし続ける観光客が何人もいました。





どうなんでしょう。

迎える側が「来る人」を選ぶことなどできるはずもなく、どうしたってまずは軽い観光目的で訪れようとする人は現れます。
このような人々が大勢押し寄せることで、地域社会が崩壊の危機に瀕してしまうのですが、かといってシャットダウンしてしまうのも極端なことです。
いつまでも文化的な理解は広められませんし、訪れた人は地元とのテザーの手段としてお金を使うこともできませんから、受け入れるべき方としては外部との交流の機会すら逃して帰してしまっているのです。

さらには欧米系のバックパッカーたちです。
まだ何も理解できていないはずの子どもまで引き連れて馬籠峠や鳥居峠を徒歩で越える姿を見ると、こういう人々までを速やかに立ち去らせてしまうのはどこかもったいない。
どう見ても、日本人以上に「価値を理解した」観光客でありましょう。








確かに、今京都で起きている観光公害を見れば、これまでにココが採った方針は理解でき、まずは暮らしを守った上で…というスタンスは讃えられるべきかもしれません。

でも、全ての観光客が、義務感で矢継ぎ早に観光スポットをラリーする人達ということでもないのですから、何らかの“観光客フィルター”のようなものをこしらえながら、それを受け入れようとする度量は必要なのかもしれませんね。
ココ、とても大きな課題です。
今回見たような新しいタイプのお店たちが僅かながら現れた事実は、地元の方(売らない、貸さない、壊さない、ですから)のそうした危機意識の現れなのかナと。

地域に必要とされているものは、経済的な潤いよりも、結束性の高い地域社会よりも、質の高い交流人口の増加なのかも。
今回の妻籠宿訪問ではそんなことを考えてしまいました。






さて。




馬籠宿から中津川市街を俯瞰。
岐阜県は大好きです。





さらに翌朝は神坂神社。
あいにくの雨なので、苔を見て和みました。





信濃比叡から見ても下界は雲海。





飯田市に入って、鳩ヶ嶺八幡宮へ。
ココはちょうど天竜川の河岸段丘の崖にあり、水がジョボジョボと流れ出ています。
飯田市が河岸段丘の高低差を無視して広がっていることに改めて気づきました。







伊那市のグリーンファームで野菜を死ぬほど買って、「見晴らしの湯」へ。
そして17時頃に岡谷へ達し、夏の旅に続く2回目の「さんれーく」です。





帰りは諏訪湖SAから岡谷方面を見て、2019年が終わったと実感。
そんな旅でした。


ではまた。

  1. 2020/01/18(土) 00:20:00|
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KATO 2020年5月分ポスターを見て同じモノを持って来た相手と鉢合わせるシーンを生暖かく見守る。

おはようございます。しなのさかいです。

例年よりも長めだった年末年始の休みが終わり、2020年の日常がスタートしました。
怠惰な生活はもうおしまいでして、今年も趣味を続けながら1年間を生き延びなければなりません。
結局のところ、毎年同じような心配をしても無事に済んでいますから、今年も大丈夫かな…
何事も焦らず、欲張らず、マイペースで、です。







昨年末には、カトーから5月分ポスターが発表されています。
いつものことではありますが、一人のユーザーとしてその内容を見て、受け止め方をメモしておきます。







【10-1607 117系<新快速> 6両セット】 ¥19,200+税
【10-949 117系 京都地域色タイプ】 ※ホビーセンター扱い ¥21,000+税

念頭で御挨拶させていただいたときに触れた「疲れる選択肢」。
その具体例が正にコレです。

大手2社で、互いに同じカードを「いっくよー、いっせーのーせ!」と出してしまった形となり(本当は意外な方が後出しだったりして?)驚きの上に脱力感を重ねてしまった12月末となりました。
トミックスがツイッター上で製品化を告知したと思ったら、その数日後にカトーがこうですから。

先日JR西日本が発表した「WEST EXPRESS 銀河」(117系改造による)を意識した上でのバッティングであろうことは素人でも想像がつくことであり、それだけ企画に携わる人たちの視野、視界がナローになっているのではないかと心配になります。
まだ運行すらしていないのに、そしてそのホスピタリティは未知数であるのにもかかわらず「夜行列車」というキーワードだけで飛びついているのだとしたら、それはどうなんでしょう?
2020年の最初に考える上で大変良い事例だと言うべきかもしれません。

その「銀河」は未だ詳細が明らかになっていませんので「それならば」と原形を先にすることとしたのかな?
「新快速のルーツともいえる“関西急電”を連想させるクリーム1号のボディ」とありますから、一応この点は認識しているようですが、「117系」という題材を考えるのであれば、むしろこの点を主眼に置くべきでした。
単に「1980年代の新快速」であることだけを売り文句にしても、商業的にはなかなか厳しい展開が待っているのではないかと想像します。
時代背景を考えて仲間を増やすよりは「カトーの企画で紡ぐ新快速物語」として、時間軸を持った企画にした方がイイ、登場時の221系もリニューアルする覚悟を持ってやった方がイイということです。
1980年代の京阪神地区を丸ごと切り取ろうとすれば、この117系の外に目立った形式はありませんから、唐突感は拭えません(まぁ、あることはあるのですが)。

「今さら、何で117系?」という受け止め方をしているあなた!
そうなりますよねえ(笑)

実は、時間軸的な捉え方に関しては、カトーよりもトミックスの方が先に王手をかけているように見えます。
今月に発売される153系も〈ブルーライナー〉へ仕立てることができそうですし、モハ52系だって鉄道コレクションで存在しちゃっている。
80系はともかく221系あたりを製品化すれば、おおよそ新快速の歴史が揃うので、カトーだけがこだわっていたはずの分野がいつの間にかトミックスに侵食されてしまっている、そんな風にも見えちゃうんです。
トミックスは221系もやりたいのかな。


さーて、皆さん。
マイクロエース製品以来の、久しぶりの117系です。
どうしますかぁ?
ホビーセンター扱いの湖西線色も気になるという人は、仕様の統一を考えてカトーを選ぶかもしれませんが、トミックスこそ塗替えで済む企画を見通していない訳がない、と思います(座席パーツだってキチンとやるでしょう)。
ですから、ここは両社の仕様を見比べて、となりそうです(だから「疲れる選択肢」なのです)。
当方はインレタを貼るくらいならカトーを選びたいところです(笑)
だから「買いたい」ところなんです、が…

ドーン!
6両セットで19,200円+税。
さらに、ホビーセンター扱いの緑のやつは6両セットで21,000円+税ですからね。
もはや「メロンです」「請求書です」と同じ状況ではないかと。
こんな価格に見合う、釣り合う買い物となるのかどうか、そろそろ真剣に悩まなくてはならない頃合のようです。
フルリニューアルという、本来なら嬉しい情報に接しているはずなのに、どこか暗いニュースに見えてしまう。
こんな思いをしているのは当方だけでしょうか。





【3060-3 EF65 500番台 P形特急色(JR仕様)】 ¥7,100+税
【10-1603 ク5000 トリコロールカラー 8両セット】 ¥14,900+税
【8078-7 ク5000 トリコロールカラー】 ¥1,650+税
【3088-9 EF65 0 JR貨物(茶)タイプ】 ※ホビーセンター扱い ¥7,300+税

ク5000のリニューアルがあったので、いずれは製品化されると考えていたトリコロールカラー。
しかし、未だこれを買わなきゃいけない流れが敷かれておらず、やはり唐突感だけが伝わってくる企画です。
おそらく「貨物駅プレート」を市場に流したことにより登板させた企画なのでしょう。

でもね、それならばその駅で積む自動車はどうするのさ、と思ってしまうのですよ。
プレートに置く自動車は、まさか「あのクラウン」でイイなんて思っていませんよねー。
時代的に合わないのはもちろん、一応指摘しておきますが「クラウン」はトヨタの車ですから。
カバーをつけた状態でプレートに置くのも変。

台車は前回の製品とは違うTR63CFというものになるそうですが「はぁ、そうなんですか」という感想しかありませぬ。
こういうセールスポイントでワクワクするユーザー、そんなに居ないんではないかと(どちらかと言うと「エラー騒動」対策?)。

65のPは国鉄時代・ブルトレ牽引機として欲しかったもの。
茶色い65も当方には全く不要で、結局のところ、これら全ては「買いません」。

どこか、先の「カートレイン」とテイストが似ています。
その「カートレイン」は近所の量販店でバラされても、セットのまま叩き売りされても在庫が動かないという、どこか始末の悪い深海魚のような優れものでして、多くのユーザーは徹底的にそういう反応なんだなとつくづく感心して見ています。





【8065 ヨ8000】 ¥2,400+税

これは「買います」が、トリコロールカラーのク5000と組み合わされて出てくるところがちょっと残念。
ま、リニューアルされるだけ喜ばないといけませんかね。
時代的に新しい部類の車掌車なので、もう少しダイエットに成功したワム80000と組み合わせたかったナ。
御神輿ワッショイ。





【22-241-3 サウンドカード<221系>】 ¥3,000+税

これも「買います」。
最近はカトーが放つ「車両」の企画にはあまり期待を寄せておらず、どちらかと言うと、こうした既存の車両製品の「魅力再発見」につながる仕掛けづくりの方を面白く観察しています。
やっぱりね、手元にある車両はもう一度車両ケースから出して走らせたいですから。
そのキッカケって、あるようでなかなか無いものなのです。
こちらの開発チームにはまだまだ頑張って欲しいと思い、エールを贈らせていただきます。




その他、TGVレゾ・デュープレックスについては新製品となっていますがココでは省略します。
当方に語る資格はないですし、氷河特急シリーズとは別の方向のようでして、それなりの守備範囲を持つ方々には必要なのだろうと想像します。
それはそれで可。


再生産品についても、特には。

10-288「883系〈ソニック〉リニューアル車」は「ななつ星in九州」「787系アラウンド」に続くものとして九州地方の販売店からの要請があったのかなぁと。
再生産よりも、カトーがやる「ゆふいんの森」なんていうものを見てみたいゾと。
銀、青、赤、緑。
この辺りのカラーが揃うと、水戸岡デザイン黎明期を好む当方としては落ち着くというか、和むというか。

牛乳パックのロクヨンはタキ1000が米タンを機にフルリニューアルするから、通常のエネオス仕様の発売を控えた布石ではないかナ。
以上、勝手に想像。
ところで、JRFマークってまだ使えるんですね。

ホキとかDD51の再生産はよく分かりません。


これらはいずれも「買いません」。
よってこれらに釣られて販売店へ足を運ぶことはありません。
それにしても、再生産品と新製品がポスター上で噛み合わないことばかり。
スカイブルーの201系なんかを再生産すると発表したら、117系の写真と相まって、少しは華やいだんではないかしら。



□ □ □



5月はカトーの決算期に当たり、今回の内容をもって2019年度の「数字」が決まるみたいです。
Nゲージ市場におけるカトー製品のシェアは大きいものがあり、カトー製品の規模の伸縮が市場規模のそれと同じ、とも言えそう。
この場でカトーのポスターばかりウォッチし続けている理由もそんなところにあります。

だから毎年5月にリリースされる製品は、その伸縮を決める〈駄目押し〉とも言えるモノたちであるはずなので、よりユーザーの琴線に触れるアイテムであることが求められているんだと、過去の「5月モノ」を見て、そう分析していました。

今回のポスターはそんな条件をクリアしているかな?
少なくとも117系が「6両」セットであるというところは「クリアしているか微妙」と言えそうです。
だってねぇ、こういうときこそ15両編成モノで稼ぐべきでしょう(笑)
ま、ユーザーにとっては関係ないことですね。


ではまた。

  1. 2020/01/07(火) 08:30:00|
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2020年 あけましておめでとうございます。

新年明けましておめでとうございます。
しなのさかいです。




2019年12月29日 中央本線 藪原-奈良井間
特急「ワイドビューしなの」9号



“2000年問題”なんていうキーワードでアタフタしていたあの頃から20年経ちまして、2020年です。

趣味的な視点では…
カトーが885系「かもめ」を出してから20年、
トミックスがHGの165系を出してから20年、
そして、マイクロエースが金ピカのC62を出してから20年、となります(爆)

これらの過去の出来事の延長線上に今のNゲージ・ワールドがあるわけですけど、皆さんは鉄道模型趣味、Nゲージ趣味をどんなふうに楽しめているでしょうか。
そして、その中身はきとんと2020年につながっていきそうでしょうか。

飽くまでも当方の主観であるとお断りした上で。
昨年のNゲージの市場動向を見ている限り、明るい見通しは少なく、この市場動向に寄りかかりながら趣味活動を続けていくことがますます難しくなっている、ようです…



まず、「上流」から流れていた新しい価値の提案がほぼ途絶えました。

以前にも申しましたとおり、鉄道模型趣味はあらかじめ時間軸が埋め込まれたものなのに、このメリットが生かされていないのは何ともモッタイナイ。
そしてまた、時間軸を遡って新しいジャンルや世界観を広げようとしても「最初に打つ駒」が非常にショボイのです。
新規金型をふんだんに投入したその形式、その車両には今後の展開を覚悟したようなメッセージがないから、ユーザーは「?」となって追従できないままでいる。
「背景」や「書き割り」のような車両から描くのではなく、誰もが主役だと感じることのできる「強い」車両を、記号的にではなく具体的なイメージを抱かせて、最初の一手として盤面に置くことが強く求められています。

「選挙結果」を買おうとしてもそのときには牽引機がないとか、「ノーマル」を買おうとしてもその前の「ノーマルでもないもの」に続きがあると思ってもいなかったからスルーしていて云々、とか(だから「ノーマル」がダブつく)。
新企画をおそるおそる小出しにして、観測気球を上げながら不安げに前進する傾向も強くなってきました。
中流や下流に対して「先見の明がない」とでも言いたいのか、価値の発見を(在庫を抱える)小売店やユーザーに、やや乱暴的に任せている気配も感じられています。



そして、その必然として「疲れる選択肢」が多くなっています。

時間軸を意識して掘り下げる発掘力、新しい価値を提案する企画力に乏しいから、無難に(マーケティング的に)誰もが知る内容で勝負しているように見えるんです。
だから、仮にそれが他社製品や既存の自社製品と競合してもブレーキをかけずに「ええい、やってしまえ」、となる。
ときにその決断は、ユーザーが従来製品で満足できているものとそうでないものの区別、分析ができていないまま行われているようにも見えてしまうため、こうした思考により用意された選択肢はユーザーにとって非常に悩ましく、苦痛を与える結果を生んでいます。

振り返って2019年は特に、メーカー間を含めて想定外の「買い直し」を迫るリニューアルものが見られませんでしたでしょうか。
既存製品にソコソコ満足していたのに、妙な作り直しをやろうとするから、それらが一気に陳腐化して見えてしまうんです。
買うと決めても「発売日が待ち遠しい」という気持ちになることなどなく、逆に「あー、もう発売されちゃったのか」と気づいて、重い腰を上げて模型屋へ。
こんなこと、以前はありませんでした。
「少しでも新しくなるなら仕方がない、買うか…」という消極的な動機で財布を開ける虚しさは、上流の聖職者たちにはもっともっと想像してもらいたい。
消費行為の満足感がどんどん失われており、その逆に罪悪感(「オレ、何に金を使ってるんだろう」ていう気分)がどんどん増幅しています。
この傾向、一体どこまで続くんでしょうか。



さらには、ユーザーから見て理解できない価格の上昇が起こっています。

もはやマイクロエースだけのことではありません。
むしろ、マイクロエース製品の価格上昇の原因は比較的はっきりしていたのに、今起きている他社の上昇要因はユーザーにとって不可解なものに見えています。
もし「この企画、これくらいしか売れないだろうから…」という生産数から逆算して決められた価格であるならば、そうした“つまらない企画”のシワ寄せを、最終的にユーザーが背負っている構図にもなるのです。
2020年は、ユーザーが新製品を賢く選択していくことも必要のようです。

なんならば、安いプラ製の16番を1年に数回だけ手にして、それを遊ぶ方へ転向しちゃいますか。
そうした傾向を読んで、16番をメインに移す模型店もあると聞いていますが。




以上は「企画」を源泉とした懸念材料。
これら以外にも「品質の低下」という点が気になっています。

「曲がったボディ」なんていうのは論外。
溶剤による接着を含めた組み立て工程は、「完成品」というよりは「キットを組み立てたもの」ということです。
幌パーツがない完成品は、カトーでは1980年代までに放棄した仕様ですし、使用するLEDが多い製品は、導光技術(設計力)の低さを隠すためのものとも見えます。
隠蔽力のある塗料の選択、的確な印刷手段の選択はできているのか、ホコリを巻き込んだり泡立てたりした塗装はしていないか、などなども、生産の段階での現場スタッフの愛情不足、乱暴な工場出荷があるように思うのです。




「ニューホビー系」と言われる鉄道模型の規模の拡大も気がかりです。

前述の価格上昇傾向をフォローする形で低廉価格帯をカバーする立ち位置は、新規ユーザーに示す入口としては適切であるかもしれないけれど、Nゲージ全体の品質、レベルを地盤沈下させてしまってはいないでしょうか。
多少オーバーですが、1980年代初頭の標準仕様へ後退しているような気がしています(「ライトなんて点かなくてもいい」とかね)。
あちらこちらを見ていると、結局のところ、ニューホビー系もヘビーユーザーによって買い支えられているようですから、ヘビーユーザーが「この仕様で可」としてしまえば、メーカーとしてもその売上を「ユーザーの支持がある」と肯定的に捉えてしまうでしょう。
模型店でうず高く積まれた「軽めの箱」の山を見てしまうと、その占める分だけNゲージのレベルが変化したことに気づかされます。
この傾向が、老舗模型店をプラモデル店っぽく変えてしまったことも事実なのです。



*     *     *



とまあ、数年前からこんな風に見ていたところ、2019年はその主観がさらに極まってしまった印象です。
新製品が模型店に並んでもネット上では大きな話題にならないまま時間が経過していく。
数年前までは当たり前のように起こっていた現象が今ではほとんど見られなくなりました。
これほどまでに新製品のウエイトが軽くなった年は、思い出してみても記憶の中に存在しません。

ですから、もう手持ち品で遊ぶことを「考える」だけでなく、実践しなければならないなと。
(厳しい言い方になりますが)最近は、模型店よりも自宅の模型部屋にいる方が楽しめるはずだと、そんな気がしているのです。





これ、あの「はま◯す」を慌てて買いに行ったあの頃、レイアウト定規で書いていた我が家のレイアウトの図面です。
だから着工は2001年。
そんなときからだいぶ年月が経過してしまいましたが、まだ身体的に異常がないうちに趣味生活の基盤を転換させることができました。





「このままじゃ一生モノにできないナ」という危機感から、2016年にギアをトップに上げたレイアウトづくりは、2019年、ひと通りシーナリーを完成させるところまでたどり着きました。

2020年からは、よく言われる「レイアウトに完成なし」という言葉の中で(やっとこの言葉を受け止められる頃合いになりました)、より納得できる風景へ近づけて行こうかなと。
そんでもって、これまでに「買いためた」手持ちの車両をレイアウトの風景の上で振り返ることができたら、もはや「上流」の動向など気にしなくても遊んでいけるはず。
ぼんやりと、そんな趣味活動を描いています。





2020年は例の世界的イベントが控えており、例年以上に「文明」くさい1年となりそうです。
そんな中においても、ブレずに「文化」的な価値を持ち続けていたい。
このことは鉄道模型趣味においても同じです。


それでは、2020年もよろしくお願いいたします。



  1. 2020/01/01(水) 00:01:00|
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