おはようございます。しなのさかいです。
カトーからマニ44が発売されました。
「待望の新製品」と言いたくなるカトーの新製品は、自分にとっては実に久しぶりですので、ココで少しだけメモを残しておきます。
1978(昭和53)年デビューのパレット式荷物車。
荷物列車の命運が尽きるまであと数年というタイミングで新製され、1980年代前半、荷物列車最末期における「ニモレ」の編成に強烈な特徴を与えました。
後部はこんな。
普通ならレボリューションファクトリーのインレタにお世話にならなきゃいけないような検査標記が、乱れることなくあらかじめ印刷されています。
いつものことながら、カトー製品の強さをひしひしと実感するポイントです。
カプラーはボディマウントタイプに対応していませんので(これはこれで正解だと思います)、カプラーポケットに何を打ち込むかが勝負です。
当方は、ブルトレ等を除く全てのカトーの客車の両端には「かもめナックル」を取り付けていますので、今回も躊躇なくそれにしました。
マニ44同士の連結間隔。
よろしいのではないでしょうか。
「歴代のマニ44」と比べれば車高も低く抑えられていて、いわゆる腰高感は全くありません。
サイドの印刷も乱れなくキマっています。
ところで、室内灯の取付については少し悩みました。
マニ44は窓が少なくて、両端にしかありません。
なのでLED室内灯クリアのプリズムを取り付けても無駄さが目立ちますし、プリズムの断面が反対側の妻面までしっかりと導光して照らしてしまいまして、いわゆる「爆光状態」なのです。
しばらく考えて出した結論は「室内灯拡散板」。
確かヨ6000が発売されたときのパーツだったでしょうか。
そのときには、手持ちのあらゆるヨ、ワフへ取り付けようとASSYパーツを買っていて、その残りが程よくありました。
これを使って、ほどほどに車内へ光を行き渡らせればいいやと考えました。
ボディを被せないでテスト。
結構大変なことになっています。
他社製品では「提灯」になるかもしれませんよ。
しばらくするとヨ8000が発売されますから、その際には再びASSYパーツによりこの拡散板を調達することとしましょう。
一定程度のストックがあると、ある日突然応用が効く…というお話でした。
仕立てたい列車は、函館本線の客車列車たちだったのです。
特に、函館を夜に出る41レは、荷物列車なのか旅客列車なのかという諸説があるもので、チョット変わった列車でした。
東京からはるばるやってきた荷物車たちは、青函連絡船による航送で函館に上陸。
そして様々な列車に連結され、さらに北を目指していました。
ココ、我々はこれまでの「ニセコ」「大雪」などでも散々予習してきたはず。
マニ44を手にした目的は、1980年代前半という荷物列車最末期にも感じられた〈北を目指すロマン〉を手元で再現したかったからなのです。
今回の単品製品は「北スミ」の「マニ44 2109」。
この車両が北海道を走っていたことは確認済です。
グリーンマックスから板キットのマニ44が発売されたのが、確か1980年代半ば。
「小荷物列車 Part II 5輌セット」のために新規で製作された気配もあり、なかなかチャレンジングな企画でした。
この頃のDNAが数年前までのカトーの企画に通じていたとも言え、逆に、当のグリーンマックスにその遺伝子が何も残っていないように見えるのは皮肉な話です。
その後同社からは2011年に完成品を発売。
さらに2019年(たった昨年のことです)には側面や台車を改良した完成品を発売しましたが、このときの1両単品の価格は3,600円+税に達しました。
同じ2019年にはモデルアイコンからも意欲的な板キットのマニ44が発売されましたが、いずれにしても荷物列車をどうのこうのと語る企画ではなく、カトーから発売される気配がないことを見越した上でのスキマビジネスのように見えたことは事実(ごめんなさい)。
製品化に注ぐエネルギーを考えると非常に悩ましい問題です。
この度PLUMが製品化した「工業地帯」シリーズのように“誰もいないところ”で立ち上がる発想、誰もいないところを見つける発想が必要なのかもしれませんね。
Nゲージ・マニ44ストーリー。
これにて完結でございます。
長かったなぁ。
「カトーは寝て待て」ではなくて「カトーはコールドスリープされて待て」でしょうか。
この調子で適正なワム80000をよろしくです。
ではまた。
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2020/04/28(火) 09:30:00 |
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こんばんは。しなのさかいです。
いきなりどーでもいいことから始めますが、今月のお買い物は、今のところコレだけだったりします。
自分の中での「コンテナブーム」は、カトーからSRCが発売された辺りがピークで、その後は下降。
結局のところ10年以上前には過ぎ去っており、今回も念のために手に入れておいた程度のものです。
既にコキに満載しているコンテナをいくつか下ろして載せ直すかな。
今般の大騒動が原因で模型店に行かなくなっているのではなく、それ以前から続く「買いたいものがない」ことが原因である、とだけは申しておきましょう。
それにしてもやはり。
世の中は混迷の一途を辿っており、鉄道模型趣味どころではないという人が大勢生まれていることも分かってはいます。
ですから、果たしてこんなブログを続けていていいのだろうかと悩みながら結局は書いていることをどうかお許しください。
現実世界からの逃避も、今を生きる人間としては精神衛生的に必要なことなのです…
さて、前回の続き…
ディーゼル・ワールドへ逃避していたのでした。
でも、非電化区間のエースであるキハ82系をこのワールドに溶け込ませていないことに気づいたが故の前回の終わりの予告だったのです。
皆さん、チョット前に買った模型、走らせていますか?
その後に登場するキハ181系と比べれば、滑らかな曲線のデザインが心地よく、ヘッドライトのケーシングが当時の自動車の意匠を汲んでいるようにも見えます。
全国を走り回っていた特急形気動車であるだけに、どんなシーンに置いても違和感なくキマりますよね。
2000年代半ば、直線モジュールを北海道風に仕立てようと決めたのは、カトーがキハ82系をフルリニューアルしたことに大きく因りました。
ヘッドマークを「おおぞら」にして、キロ80が2両入った13連が堂々と走る風景は、誰が見ても「イイ!」とため息をつくものなのではないでしょうか。
これまでに架線柱を立てたい衝動に駆られてきましたけど、やっぱりなくてよかったかもー。
これは、色の組み合わせだけを楽しんでいるところ。
ワム80000のとび色2号が加われば最高でして、できればファインスケールのカトー製品を拝みたい。
トミックス製品でもいいから一番背後に置けばよかったかもしれませんね。
一方でこうなれば、ワム80000よりも黒い貨車の方が合います。
そう言いながら貨車を出していないところに当方の問題がありまして、それはまたそのうちにということにします。
ウチのカトー謹製ローカルホームは13両が収まる長さにしています。
ポイントとポイントの間であれば14両もOK。
15両は流石に厳しく、スハ44系「つばめ・はと」とか20系「殿様あさかぜ」、湘南新宿ラインのE231.233系などはダメです。
構わずに走らせちゃいますけど(笑)
ローカルホーム、手に入りにくくなっているようですね。
2013年当時はまだまだ買えたのですけど。
最近は車両よりもストラクチャーを手に入れておいた方がいいんではと思うことが多々あります。
急行列車を待避させて特急通過。
この冬にレール側面の錆色を吹いたところ、塗膜が弱かったのかパリパリと剥がれてしまう箇所が続出しまして、土曜日は1日中エアーブラシを使っていました。
今度は強い塗膜を作ったので、まずは大丈夫かも。
「やっぱりプライマー処理をしといた方がよかったかなぁ」と少し後悔しましたが、かと言って剥がれたことが一度もない箇所が大部分なので、やはり塗料を希釈しすぎたのだと自分を納得させました。
北海道なのか山陰なのか、自分でも分からなくなっています。
でも、それがまた面白い。
20系客車は一旦ケースにしまいました。
ラダー式に、レイアウト上に入線させているものと関連する列車を少しずつ出し入れしながら、列車同士でリレーさせていくという魂胆です。
そろそろカトーのマニ44が発売されますね。
やってみたい編成があるので、キハ82系はそのまま駅に留置。
マニの到着を楽しみに待ちます。
ではまた。
2020/04/20(月) 22:30:00 |
鉄道模型(車両)
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こんばんは。しなのさかいです。
当方は、おおよそ1か月ごとじゃないと対策のフェーズが上がっていかないという不思議な国に住んでいまして、今は様々な「自粛」キャンペーンにより、玄関から外に出ることを自問自答する毎日です。
ただ、そんな中でも季節の移ろいは間違いなく見られており、日常生活の中で、そんな細やかなサインを見落とさないよう、更に気をつけるようになりました。
テレビを点けてどのチャンネルを回しても、ネットニュースを見ても論争、論争、論争です。
必要な議論なのだと分かっていても、その情報量はそろそろ自分のキャパシティを越えそうな予感。
見ていると病んでしまいそうなので、季節を感じることのできる景色や録画してある『新日本風土記』などを見て、極力浮き世から離れるようにしています。
「京都 青春物語」はなかなか面白かったナ。
さて。
先日、キハ181つばささんとおしゃべりをしていたところ、談議のテーマがいつのまにか20系客車の「美」へ移っていました。
と言いますのも、当方がパンタグラフのないカニ22のスタイルを「スタイリッシュ。やっぱり、いいな」と伝えたからなのです。
パンタグラフ撤去後のカニ22については、以前からキハ181つばささんが「最高」と宣言していた車両でした。
DF50の次位には、2013年の「さくら」セットから引っ張り出した、パンタグラフなしのカニ22を連結させてみました。
まだ車掌室側がカトーの施しにより床下パーツのボディマウント化がされていませんので、カプラーポケットに車間短縮ナックルカプラーを取り付けています。
20系客車基本セットを出したままでしたので、カニ21をカニ22に取り替えてみたところ、パンタグラフのないカニ22のサイドビューが思いの外細く、オデコが目立つカニ21よりも「アリ」じゃないかと思い直したんです。
こんなことを談議の中で伝えたというワケ。
でも、キハ181つばささんの指摘はカニ22だけではありませんでした。
「車端部はナハネフ23、これに限る」との仰せです。
地域によってスタイルが異なる蒸気機関車は、機能を十分に発揮できるよう、気候に合わせるなどの改造が施されました。
機能性を追求したことで、いつしかそのスタイルが「カッコイイ」「美しい」と評されるようになり、こうしたことは近年でも起こっています。
ちょうどJR西日本の221系、223系、225系の先頭車に取り付けられた転落防止幌がそれではないでしょうか。
20系客車もそのような機能性を追求した結果、登場時のデザインを無視したような割り切ったスタイルが現れており、その代表格がカニ22、そしてナハネフ23だということなのでしょう。
これらを編成の両端にして、久しぶりにレイアウトをぶん回しました。
不思議なことに、Nゲージの世界では今、ちょっとした20系ブームのようです。
DD54とDF50を並べて。
無煙化後の非電化区間の景色は、なんでもDD51でお茶を濁すのではなくて、こんな箱型の奴らに活躍させてこそ再現できるのだと気づいているところです。
「ポンポンポン…」という音を聞いていたいですね。
サウンドカード、待っています(笑)
それから。
下の娘が「休校中の宿題として何らかの本を読まねばならない」と仰る。
勧めたい本は多くあるのですけど、とっつきやすくてある程度洗脳できるとなると…
考えた挙句、我が家の中心に造り付けてある巨大な本棚から、宮脇俊三の『旅の終りは個室寝台車』を取り出して「ホレ」と渡しました。
著者が、鉄道旅行に興味がない編集者を連れて、無駄だらけの旅に出掛ける、そんな紀行文を集めた短編集です。
この続編が『途中下車の味』として刊行されていることも付け加えておきましょうか。
その第1話が「にっぽん最長鈍行列車の旅」。
乗るのはアノ山陰本線824列車でして「ああ」となりました。
長い間この列車の存在を忘れていたんです。
かつての〈汽車旅の大スター〉を我が家で再現するのもいいかなと思い、適当な客車列車を仕立ててみることとしました。
だんだん自分が目指す地域が分からなくなってきましたが、とにかく旧型客車が見える風景というのは実に癒されるものです。
こういうこと、もっと早くやっていればよかったかな。
気動車も出したくなりましてね。
こんな風景、昔は現実世界で当たり前のようによく見ました。
融雪溝はそのうちウェザリングしますので許してください。
キハ58系は冷房車で。
チョット時代を間違えています。
でも色の組み合わせとしては楽しいのですからどうでもいいのです。
20系客車で遊んでいたつもりが、いつの間にか自分の中では「非電化区間のディーゼルエンジンたち」というテーマに変わってしまっていました。
でも、これでいいんです。
こうやって、レイアウトに置く車両を少しずつ取り替えながら、自分が持つ車両を全て、コンスタントに走らせることができれば、それはパラダイスです。
正に「鉄道模型で全国を旅する」。
趣味のあり方の再構築には必要な方向性です。
こういう遊び方、昔はよくやっていたんですが、次第に買い物が多くなり、いつの間にか忘れていました。
もう少し非電化区間ゴッコで遊んでみます。
自宅がメイン会場となる鉄道模型趣味は「今こそ」でしょうか。
ではまた。
2020/04/13(月) 23:00:00 |
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こんばんは。しなのさかいです。
カトーから8月分2枚目のポスター(1枚目は先月に発表された8620形のポスターですよ)が発表されました。
いつもどおり、この内容を見て自分に対するメモとしておきましょう。
が。
今回ばかりはいつものとおりに見てはいけない気がしています。
と言いますのも、このポスター発表とほぼ同じタイミングで、カトーから出荷予定の変更がアナウンスされたからなんです。
そのアナウンスには「部品製造に使用する原材料が入手困難」という言葉が含まれており、続く出荷案内表では「繰下げ」とされた既発表アイテムがチラホラと示されることとなりました。
少し楽しみにしていた225系100番台の再生産も、なんとこの4月から7月へ繰下げ…。
その一方で今回のポスターにある681系「サンダーバード」、キハ110系がなんと6月に、700系とEH10が(繰下げとなった既発表アイテムよりも早い予定として)8月分に割り込んでエントリーした形です。
このスケジュール上のトレードはなかなか興味深いと考えました。
入手困難となっているという「原材料」とは。
これがボディなどを構成するABSやPSなどのことを指すのであれば、カトーの車両製品は全く生産できないこととなりますから、わざわざ再生産アイテムを持ち出して発売順序の入換えを行うことは不自然です。
ここはプラスチック以外の原材料と考える方が無難のようなんです。
そこで、今回のポスターに掲載されている700系、681系、キハ110系、EH10を見ると「ずいぶんと昔のアイテムたちだよなぁ」と、ふとそんなことに気づくんです。
700系は正に「さよなら企画」ですからタイムリーなんですけど(商機としてはちょっと遅いですけどね)、他のアイテムと並ぶと、どこかカトーとしての時代の一部が切り取られたような、そんなポスター。
実はこれら、いずれも20年程前、2000年頃に設計されたアイテムたちです。
したがって、動力ユニットに使われているモーターは一世代前のGM-5であること、LEDはいわゆる砲弾型であることなどが挙げられそうです。
チップLEDがいつから使用されるようになったかは記憶していませんが、現在多く使われている(フライホイールを付けても床下に収められる)GM-3モーターは2005年発売のフルリニューアル版キハ82系から始まったことを覚えています(なお「KATO Nゲージ生誕50周年記念誌」では2007年となっていますので当方の勘違いかもしれません…)。
なのでこれらは「フルリニューアルキハ82系以前」のアイテムということになります。
仮にモーターの部品やチップLEDが入手困難なのだとすれば、近年のカトーの基礎設計は活用できないこととなり、しばらくはこの傾向が続くのではないかと見ます。
そんな状況での今回のポスター、なのかもしれず、その読みの上では、ある程度は仕方がないことと考えるべきなのかもしれませんね。
ただし近年の企画を振り返ってみると、あえてフライホイールを搭載しない、古い動力ユニットを活用した面白い新製品がありました。
その筆頭は西武101系、5000系「レッドアロー」。
そしてまた、E257系500番台なんていうのもそうでしたよね。
既存製品のボディを載せ替えて新しい形式をリリースするやり方には感心してしまいました。
カトー製品については、フライホイール付動力ユニットではないからといって決してダメではなく、安定した動きは間違いなく確認できます。
ですから、既存の動力ユニット等を活用して新しい車両が設計されないかなぁと思うのですが、そんな発想は野暮でしょうか。
例えばですが、キハ283系と並ぶものとしてキハ281系なんていうのもウットリしちゃいます。
たったの4形式(キハ281、キハ280-0、キハ280-100、キロ280)だけで済んじゃうというのも好都合ですよね。
今回のキハ110系にしても200番台のボディをこしらえてくれたりすれば、話題性はそれなりにあったような気がしました。
電気機関車などを見ても、まだそんな狙いを持てるネタはまだありますでしょう。
おっと、忘れていました。
ここまで語っておきながらアレですけど、今回のポスターを見て、やはり当方はどれも「買いません」。
販売店としては、こういう厳しいときにこそ集客できる(「売上につながる」という意)ネタが欲しいはずですよね。
実に難しい局面です。
なんとかして知恵を出さないといけませんね。
メーカーも、販売店も、そしてユーザーも、です。
ではまた。
2020/04/06(月) 23:00:00 |
鉄道模型(車両)
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