しなのさかいの駅前広場

細かいことばかりでよく分かりません。

KATO 381系「スーパーくろしお」(リニューアル編成)

おはようございます。しなのさかいです。




前回の続きでして、改めて先月末に発売されたカトー謹製 381系「スーパーくろしお」(リニューアル編成)で遊んでみます。
基本セットと増結セット、合わせて9両編成での導入でございます。





まずはじめに、避けては通れぬ「色」の問題から触れておきましょうか。
スカイブルーの帯が「スカイブルー過ぎではいませんか?」という疑問ですが…

当方は「気になりません」。
こんなことを言うと「眼科行け」とか言われそうですけど(笑)

今回のスカイブルーの色調、不思議なことに、自分の目ではいろいろな環境下で変化するのです。
これを「錯視」と言うべきなのかどうかは分かりませんが「そう見えるときがある」ことは間違いありません。

それならば、わざわざ自分で塗り直す必要もなく、「これで可」ということなんです。
トミックスの381系やマイクロエースの283系をお持ちの方ならば「こうでないとダメ」という違和感があるかもしれませんが、これらを持っていない当方としては不都合もなく、すんなりと受け入れられる塗装でした。

皆さんはいかがでしたでしょうか。





天王寺方の「普通の顔」のクハ381はいつもどおりで、「ゆったりやくも」の色替えの趣き。
塗装や印刷に乱れなどはありませんで、ヘッドマークは「スーパーくろしお」にしています。





白浜回転の3両増結セットを増結するとこんな違和感満点の編成に。
この変態編成をやらなきゃ今回の「スーパーくろしお」導入の意義は半減しそうです。
そしてまた、ヘッドライト専用化基板が必要であることに気づきました。
どこかにあったかなぁ。

製品の特徴はこんなところでイイでしょう。
「ゆったりやくも」の焼き直しのような企画でして、あーだこーだと言う点などそもそもないのですから。

それでは早々と、ホントに久しぶりの、ひとりぼっち運転会へ移ります。






複線区間を快走!
田園風景が似合う列車ってホントにありがたいというか。
最近はどのメーカーを見ても、コンクリートジャングルの中を走り抜ける列車の模型化が多いですからね。
水田がいつまでも春であるところが難点。





ストレート区間を飛ばして来て、カーブに差し掛かってクッと車体を傾ける瞬間がたまらなく好きです。
それが振り子ギミック付であればなお良し。
カトー製の283系は発売されないでしょうか。





ATS警報ベルが鳴動して、駅舎に接した1番線へソロソロと進入するところ。
周囲が寂しいので、このシーンはもう一度やり直します。





反対側からやって来たのは、ローカル運用につく225系5000番台。
381系との並びとなると、前面に転落防止幌がない時代を選ぶ必要がありますから、これを持っていてちょうどよかったです。
あ、トミックス製ですよ。
「転落防止幌なし編成」が生産休止扱いとなる傾向が見え始めており、トミックス製225系の今後の動向が気になります。





カトーが放つ「くろしお」はナンダカンダで結構持っています。
ただし287系だけはナシ。
そろそろ導入してもいいかなぁと思いながら、トミックス製品との比較も気にしていて。
新しい〈パンダ〉でまたやるつもりなら、それは買いませんからね(と西落合を向いて独り言)。





この381系との入れ替わりで導入された289系を、テストランの最中という設定で横目に。
だから2015年ということになりましょうか。

西落合におかれては、クロハ288を入れた上でやり直してもらえれば…
「こうのとり」がやって来る日をずーっと待っています(?)

鉄道コレクションの105系は最近発売されたSW009編成で、アクセサリーと割り切って何も加工せずに使っています。





紀伊勝浦か新宮で。
オレンジ帝国のカミンズエンジン車と遭遇するイメージでおしまいです。



⬜︎ ⬜︎ ⬜︎



ポスターでの企画発表から財布を開けるまでの間、この列車に対する興味はさほど高まらないままで「大阪環状線の仲間を増やせるかナ」という程度にしか捉えていませんでした(好きなんです、混沌とした大阪環状線が)。

当方は紀勢本線を2回乗り通したことがあるんですけど、そのうち1990年3月の回は、165系の「新宮夜行」に乗ったため、早朝の新宮で寝不足の頭をボーッとさせていた思い出しかなく…





1998年8月10日 新宮駅(※撮影位置がアレですみません)

また、1998年8月の回では、きちんと陽が高い時間に移動して、目玉焼きにケチャップを垂らしたような旧塗装の「スーパーくろしお」にも乗ったんですが(新宮→周参見)、そのときの記憶はどこか退屈だったというものでしかありませんでした。
紀勢本線の電化区間のイメージをキチンと持とうとしないままだったことが原因だったようで、せっかくの機会を無駄にしたかと反省しています。


そこで。
なにごとにもポジティブに興味を持ってみる(笑)

この週末は、車両ケースのフタを開けながら、諸先輩方が動画サイトに上げておられる前面展望動画を、途中スキップさせることなく見てみたんです。
休憩を挟みながら4時間以上、延々とですよ。

そうしたらやはり発見がありました。
今さらながら紀勢本線は、意外にも「山」ばかりの路線であることに気づいたんです。
ムック本のグラビアなどでは「海」を取り込んだ写真が多く(海を見せなければ説明が難しいでしょうからね)、そのことがある種の誤解を招いていたのかもしれません。
海に接した区間よりは山の中を走る区間の方が多く、どこか中央本線のような気もしてきたりして、抱くイメージ、親しみ度が変わりました。

また、新大阪から新宮まで「4時間以上もかかる」という所要時間の事実も発見でした。
白浜で「増結セット」を切り離しても、その後はさらに2時間も走り続けるというスパルタンな走りっぷり。
平成の歴史は、整備新幹線の開業が相次いだ歴史でもあり、さらにはロングランの働きをする在来線特急が死んでいく歴史でもありましたから、この時代の流れの中で未だに4時間以上もの所要時間は実に「重々しい」と感じるのです。

紀勢本線は今でも「本線」のままでいてくれているようです。

「ワイドビューしなの」、それから「にちりんシーガイア」のときにも触れたとおり、これだけの乗車時間があれば、車窓やすれ違う車両などに変化も大きく、特に「都会」と「田舎」のギャップという長距離列車特有の面白さを楽しめるというもの。

今回の「スーパーくろしお」は、そんな思考を巡らせて、自分なりに整理して(ようやく)刺さるものを感じました。







「在来線特急で過ごす4時間の旅」。
こんな風に「時間」に着目して捉え直せば手元に寄せた模型にも楽さが倍増して見え、さらには製品化して欲しい企画がまだまだ浮かんできそうです。
もちろんそれは過去の列車でも構わない訳で、要はこれも“キリトリ方”なのでしょう。
しばらくは紀勢本線の風景で遊ぶこととします。

それにしても、この路線は夏がよく似合いますよね。
もう夏だというのに、どこか夏ではないような2020年の7月です。


ではまた。


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  1. 2020/07/22(水) 09:10:00|
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色の問題、いろいろと果てしなく

おはようございます。しなのさかいです。

感染が再拡大している中、2週間ほど更新が途絶えました。
お越しいただいていた方々にはいつものセリフになってしまいますが、本当に申し訳ございませんでした。





自粛期間を含めたこの2か月間は、デッキガーター橋、それから続けて駅構内の線路の、塗り替えを兼ねた張り替え作業を進めていました。

新しく買い求めたユニトラックの線路を、例のフィニッシャーズのプライマーを塗布した上でNATOブラウンに塗装。
この際、ユニジョイナーも茶色のものに交換しました。
その上でこれまでのユニトラックをバリっと剥がして、これらを再びボード上に固定し、一部にはバラストを、そしてさらにNATOブラウンを吹き付け。
6線もある(その他貨物ホームもある)訳ですから、線路の本数だけを数えても結構ハードな更新工事となってしまい、実はその間は基本的に運休状態だったのであります。
あ、レールを抜くことができないポイントのレールにはガイアマルチプライマーを筆塗りしたと申し添えましょう。

この更新工事により、剥がれ落ちた茶色の塗膜が融雪溝に落ちるような心配がなくなりました。
また、S60やS64などの端数線路を使う部分は、ユニトラックの道床を切りつなぐなどしてユニジョイナーを使う箇所を減らしながら、フレキシブルレールでロングレール化。
特に貨物線は「ロングレール1発キメ」とし、クリーニングなどのメンテナンス性が向上。
気分がスッキリしました。
パステル粉をふりかけるなどの仕上げはしなければならないでしょうか。





まもなくカトー製のレム5000が発売されるようですので、トミックス製でイメージトレーニング。
全体的な色調はこれで良いとしても、貨物ホームの演出にはもう少し学習が必要のようです。
どうしても黒貨車よりもワム80000を出したがるのは世代的に「どうしようもない」と思っています(笑)





レイアウト再全通を記念して、先月末に再生産されたカトー製225系100番台も置いてみました。
左側が今回のプチリューアル品、右側が前回の初回ロットで、カプラーはフックなしの「♯2」に交換しています。

いやー、青い帯の色がより実車に近い、濃い青に改善されましたよね。
この帯になることをお願いしていました。
当方の祈りが通じたのかどうかは分かりませんが、ユーザーの声が届いたということだけは間違いないでしょう。

先の東京メトロ16000系(5次車)もそうで、ここのところカトー製品では色調の改善が続いています。





行先表示器も黒く塗りつぶされて、シール対応に。
駅のホームで見た印象を求めたいユーザーはシールを貼り、そうでないユーザーは黒のままかっ飛ばす方が良いようです。
「弱冷房車」表示の印刷位置も変更されたようで、品番が同じであることに多少の混乱も(中古市場だけでしょうか)。

今回のプチリューアル品は、手にしたときにトミックス製品のような「そうそう、これこそ223系、225系」という気持ちになり、テンションが上がります。
顔の表情と共に、Nゲージの225系100番台としてはベストバイだと思っています。





その一方で。
225系100番台と共に、先月末にカトーから381系「スーパーくろしお」(リニューアル編成)が発売されました。
このスカイブルーのようなボディカラーの色調が、残念ながら新たな物議を醸し出しているようなのです。

「沿線で毎日観察しているから」という前置きの上での評価もあり、また動画サイトでは早々と塗り直しを決行するヘビーユーザーも現れるという具合で、ここ半月ほど見ていましたが、ユーザーの動揺は相当なもの。

当方としては…
この辺は次回で触れましょう。
381系「スーパーくろしお」(リニューアル編成)、もう少し取り上げます。


ではまた。


  1. 2020/07/20(月) 09:00:00|
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KATO 2020年11月分ポスターを見て特別企画品が本当に特別なものであるかどうかを考える。

こんにちは。しなのさかいです。




今月もカトーから新しいポスターが発表されました。

自分なりのメモとして、また模型店の常連客会議のネタのつもりで(?)見た印象を書いて、ココに置いておきます。
昔はよく模型店のカウンター越しにポスターやファックスを見て歓喜の声を上げたり嘆いたりしたものです。
そのうち、後から来る方々も会話に入って、いつの間にか宴会状態。
懐かしいなぁ。

財布を開くのか、開けさせられるのか、それとも「閉じたまま」と判断してホッとするのか…は人それぞれです。
しかし、いずれにしても財布からお金を出すことはユーザーが行使できる唯一の「投票権」であり、意思表示の手段であります。
この権利(?)を温めながら、メーカーから発信されたメッセージを受け取って、対話を楽しんでみることとしましょう。





【10-1627 JR四国N2000系 3両セット】 ¥13,600+税
【10-1628 JR四国N2000系 特急「うずしお4号」 5両セット】 ¥20,700+税 ※特別企画品

昨年に製品化されたJR四国2000系のバリエーション展開であることは言うまでもないでしょう。
ラッピングのバリエーションを除けば、形状的なバリエーションはこれと試作車「TSE」しかないため、誰もが予想していた通りの(なんのひねりもない)順当な展開だと思います。
特急形DCは意図的に集めていますので「買います」が、2000系を十分にそろえてしまった今となっては、やはり両方は買えないかなーという感想(と言いながら前回は両方買いましたね)。





先行量産車である2458が特別企画品の方に含まれるとはいえ、その相方である2424の設定がないことは非常に残念でした。
さらに言えば、この2両は水色帯・赤色ドアという、どこかラリッたような異端車っぷりがハンパなかった旧塗装バージョンが欲しかったです(設定年が他の車両とは合わないんでしょうけど)。

カトー製品だけで四国の風景を展開させるには早くも限界が見えてきたようで、どこか789系1000番台のような立ち位置。
念のため言っておきますが「アンパンマン列車」は製品化したとしても買いませんからね。
そこんとこヨロシクでございます(笑)





【10-1600 キハ58系(パノラミックウインドウ) 4両セット】 ¥16,000+税
【6127 キハ58 1100(M)】 ¥5,800+税
【6128 キハ58 1100】 ¥3,200+税
【6129 キハ28 3000】 ¥3,200+税
【6130 キロ28 2500】 ¥2,200+税

カトーが2018年にフルリニューアルを行ったキハ58系は、「冷房・平窓車」から「非冷房・平窓車」へ移り、2020年版のカタログでは「次に冷房・パノラミックウインドウ車を手掛ける」と予告されていました。
今回は「この公約を果たします」とのことのようですから、驚きは何もありません。

ただ…
1968(昭和43)年から翌年にかけて製造された“最終増備車”に当たるこやつらは、近畿地方に集中配備されたこともあって、なかなか「全国津々浦々」と言うことはできないシロモノでもあるんです。
「全国津々浦々」の平窓車が既に手元にありますから、これらのアレンジ用という位置付けにならざるを得ず、特定の列車をイメージすることは難しいという印象を持っています(メーカーのアナウンスには幾つかの編成例が含まれていますが)。


それはさておき、Nゲージ・ユーザーにはとても馴染みがある車であることも事実です。



Nゲージの世界におけるキハ58系の冷房・パノラミックウインドウ車は、トミックスの旧製品がパイオニアです。

そのトミックスは1993(平成5)年の年末アイテムとして、「HG」シリーズと銘打ち、これらをフルリニューアルすると高らかに宣言したのでした(オーバーですが)。
当時としては恐ろしいほどの精密化が行われました。
これが今の“トミックスHG気動車群”の「はじめのいーっぽ!」であったということは、今となっては御存知ない方も多いことでしょう。
当方も1993年当時、発売直後に馴染みの模型店へ飛び込んで買い求めました。
インサート紙の文字がキンピカでしたっけ。
そのときの感動は2009年の「C57ショック」とほぼ同じくらいのことだったと記憶しています。

で、その後も幾度かのプチリニューアルを繰り返されたパノラミックウインドウ車は、つまりは1993年の年末からずーっと欠くことなく当方の手元に存在し続けているんですョ。
だから今回のカトー製品を手にして感動するということはまずなく、ひと通りのラインナップを押さえておくという、どこか消極的な動機しか湧いてきません。
なので「買います」が、「あの列車を手元に」というワクワク感はなく、淡々とならざるを得ないところがどーも煮え切らないなぁと。
こういう買い物が増えているとは、ココで散々指摘してきました。


できることなら、フルリニューアルを遂げたカトーのキハ58系のフォーマットは、カトーの仕事らしく、特定の地域を見つめた「別の何か」に化けてさせて欲しかった…。

13連のキハ56系にして北の大地を彷彿とさせる姿を描いても良かったですよね。
急行「狩勝」が長大編成をくねらせながら狩勝峠へ挑む姿はキハ82系のそれと共に忘れられないシーンですし、また札幌駅ホームでも未だ補助灯がない711系などと並ぶことはありました。
もちろん50系51形や14系500番台、急行「ニセコ」などとも。
そしてキハ22を細かい差異でちびちびとバリエーション展開してくれれば、1970~80年代の北海道の風景は完璧です。

あるいは碓氷峠へ視線を転じさせ、キハ57系がED42を4両連れてくるという見せ方だってあったのではないでしょうか。
この角度からのキリトリ方でないと、あの違和感100%の電気機関車は製品化されそうになく、逆に言えばキハ57系にアプローチせずにそれをやることなんてできるのだろうかと思います。

どこか「トミックスもラインナップしているのだから」ということでの後追い的、無表情的な車種選択のように見えてしまいました。
繰り返しになりますが、トミックスは最初にパノラミックウインドウ車を製品化してそれをリニューアルしたからこそ、早くからラインナップに存在したのだ、ということなのです。

なお、単品と4両セットの差別化はキロ28のグリーン帯の有無(セットは帯ナシで単品は帯アリ)と単品のキロ28のクーラーの形状のみ違うというものだけのようです(もちろん車番も異なりますが)。
前述のとおり走行線区も少ないことから、通常品に当たる単品と共に数多く買う必要があるのかと悩みます。
4両セットと単品のキロ28だけという選択が無難かもしれませんね。





【10-1604 広島電鉄1000形2両セット】 ¥23,400+税 ※特別企画品
【14-804-1 広島電鉄1000形<グリーンムーバーLEX>】 ¥11,700+税
【40-901 ユニトラムスターターセット 広島電鉄1000形】 ¥36,000+税

広島電鉄の。
これもカタログで製品化が告知されていましたから、驚きは特にありません。

路面電車のある風景にはいろいろあって、長閑さを感じさせてくれるところと圧迫感を感じさせられるところがあるようです。
広島に住む方には申し訳ないのですが、関東に住む者から見れば、広島電鉄のキービジュアルは紙屋町付近の車とひしめき合う姿です(ホントにごめんなさい)。
その他に浮かぶシーンとしては、大門軍団に囲まれて爆破された「もみじ号」の最後のシーンかな。
路面電車のある風景自体を否定はしませんが、都市の選び方は重要ですね。
富山や高岡をもう一度やってもらえないかなぁ。

新しい連接車のフォーマットが今後どのように活用されていくのか。
そんな点を楽しみにしています。
あ、「買いません」。





その他です。

サウンドカードに201系が加わるとのこと。
カードの種類が増えることに不満などありません。
どんどんやってください、ちゃんと「買います」から。
PLUMの大きいキットを組んだ方々にサウンドボックスを買ってもらうキッカケになるか、な?





D51一次形(東北仕様)は夏の花輪線に続く関連商品のように見えます。
関連性があるからこその再生産であるならば、北海道形の再生産は見込めないのでしょうか。
それから、20系「ゆうづる・はくつる」をお持ちなのにコレを持っていない方は、今回の再生産のチャンスを逃してはいけませんよ。
仙台~平・約2時間半。
D51のキャブの中で繰り広げられた死闘を想像するだけでおなかいっぱいです。



□     □     □



今回はN2000系、広島電鉄1000形それぞれに特別企画品の設定がある点が気になりました。




広島電鉄1000系については、色替え製品をいっぺんにやってしまおうということ(だけのよう)。
一緒にやらなければ通常品だったんじゃないかと思えるような、ごく普通の塗替え品に見えます。
広島の街の風景をすれ違いで演出するために、色違いの編成を同時にリリースするということには何ら疑問がありません。
しかし、ユーザーの購買力を考えると、「特別企画品」という肩書を添えて、しかも2編成をセット化してしまうというやり方には少々疑問が残ります。
3編成を全て単品にして、お好みの組み合わせで2編成を選べるようにする、というくらいがちょうど良かったのではないでしょうか。





一方、N2000系については、前述のとおり特別な2458が含まれるものの、「うずしお4号」という製品名が引っ掛かります。
HPのアナウンスを読んでも「うずしお4号」がどういう列車なのかという言及は一切なく、N2000系で両数が多い列車は唯一4号で、それが5両編成だからそうした、というように見えてしまうんです。
2014年に発売されたセットに「日南3号」というものがありましたが、この製品名とは全く異なるテイストを感じています。
因みに「4号」はいわゆる“おはようライナー”であり、おおよそ特急らしからぬ走りっぷりだそうで(トホホ)。
「うずしお4号」という製品名で旅情を感じることはどこか「間違い」であり、ホットコーヒーと新聞を手にした通勤客を連想した方が正解のようです。


特別企画品を通常品と同時にリリースする場合、従来からカトーとしては「通常品と特別企画品の両方」を買ってもらおうとする意図があるように見ており、これまでそのような施策はほぼ当たっていました。
特別企画品を買わなければならないワナ(失礼)がきちんと設定されていたからなんです。
思い出せば、特別企画品のウレタンの中に「これがないと困る」と叫んでしまう特別なものが鎮座していたでしょう?
そしてまた、特別企画品にはそれなりのストーリーが用意されていて、その列車が走っていた当時に思いをはせる仕掛けもあった訳です。
今回のポスターではこの辺に雑っぽさを見てしまい、どこか「その手に乗るかい」と思っちゃうんですよね。
皆さんはいかがでしょうか。


「特別企画品」ってなんなんでしょうね。
1990年代までの「限定品」に代わるネーミングとして2000年代に採用された経緯がありますが、ユーザーとしてはここにきてその意味が分からなくなってしまいました。
特別企画品は、再生産をしてしまえば通常品と変わりません。
通常品だって、再生産をしなければ特別企画品のようなもの(笑)
通常品が再生産されないままなのに、その後に発売された特別企画品が再生産される事態も発生しており、もう論理的に「なにがなんだか」です。

とにもかくにも。
今回のようなコンセプトで特別企画品を同時設定しても、ユーザーには「選択肢」が広がっただけとしか映りません。
つまり、通常品と特別企画品が互いに競合してしまっているのです。
こうして「どうせ売れない」という総括があって、生産数が少なくなって、やがては価格が上がっていくのだとしたら。
「メーカー在庫は持たない」というメーカー側のアナウンスも最近よく聞きます(しんゆり湘南ラインさんによれば「EF64 0 1次形」と「きそ」についてそういうアナウンスがあったとのことです。いつもありがとうございます)。
そしてまたこのアナウンスは、後に続く関連企画を用意していないと自ら認めて公言していることとなります。
EF64なんて、後続する企画によっては需要の第二波(トレンドワードですね)を発生させることだってできたはず。
「ちくま」だって、貨物列車の重連運用だって、です。

特別企画品の設定方法、メーカー在庫を持たないとのアナウンス、そして価格の上昇。
こんがらがった糸が…
うーん、やっぱりこんがらがったままです(大笑)


ではまた。

  1. 2020/07/04(土) 12:00:00|
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