しなのさかいの駅前広場

スカ色がたくさんやってくる月末

KATO 2021年5月分ポスターを見て客車急行シリーズの終焉を確信する。

こんにちは。しなのさかいです。




従来は月初の金曜日に発表されていたカトー大本営の発表は、ここんところ月末の金曜日の発表にシフトしました。
今回もその前例にのっとって12月25日(金)に発表。
そして、前回のポスターが「4・5月」でしたから「5月」と言われても説得力が失われているようでもあります。
西落合の方々、ホントに5月に発売されるということでよろしいんで?

年末でもあり、この厄災の中ですので、例年以上におうちでゴロゴロしている方も多いことでしょう。
模型屋さんのカウンターのような記事は早めに置いておくべきかと思いまして、取り急ぎ更新します。
乱文、お許しくださいませ。







【3091-2 EF64 0 2次形】 ¥7,920
【10-1460 ホキ5700 秩父セメント 8両セット】 ¥13,970

最近のカトーの完全(?)新規製品は発売後に続くと思わるバリエーション展開が早いので、「EF64 0」の展開もそんなに待つことはないだろうと察し、前回の1次形の導入は1両のみで止めていました。
案の定、1次形のセットアップが終わって一息を入れたところで2次形の発売が発表されましたので、今後もこんなペースで発売されていくのかなと勝手に想像しています。

今回のロクヨンは<電暖ナシ>です。
ですから、まずは貨物列車の牽引に当たらせると考えるのが普通でして、メーカーとしてはホキ5700との組み合わせでこの2次形の企画化を図ったようです(EF64のページに編成図があります。しかも2次形は重連で!)。
確かに、辰野駅に運ぶホキ5700は存在したのですから、それはそれでいいのかもしれませんけど、ちょっと工夫が足りないようでしたね。
飯田線シリーズで感化を受け続けたユーザーとしては「ああ、なんだ」という感想になり、自分が知らなかった「何か」がありませんでしたので。

先日、この場で妙な画像を貼り付けたとおり、ここは斜め上の発想で、あえて貨車ではなく、再び暖房車と旧型客車との組み合わせを考えてみてもよかった場面とも思えます。
暖房車はマヌ34だけではなかったようですし、今度こそセットには飯田町所属のオハ61系客車を持ってくることが可能でした。
つまり「あのセット」の第2弾です。

今後も延々とロクヨンのバリエーション展開が続いていくことを想像しつつ、お供に連れてくる車両については企画プロセスにやっつけ感がなくなることを祈ります。
これらは「買います」。
ただし、そう判断しても別の路線での用途を想像した(つまりカトーの提案には乗らない形で)「買います」となりますでしょうか。
ロクヨンにしても、ホキにしても、それぞれに深化を行うことができた企画・ネタなので、もったいなくて残念!

参考までに、ロクヨンには18号機のナンバーが入っているようですね。
18号機は勝沼ぶどう郷駅の隣に鎮座しているので、何回か観察していて愛着があります。





【10-1690 381系<パノラマしなの>(登場時仕様) 6両基本セット】 ¥20,680
【10-1691 381系<パノラマしなの>(登場時仕様) 3両増結セット】 ¥7,480

先日の「しなのとちくま」稿で散々「まずはしなのだよね」というようなことを言っていたら、早々にやってきました(笑)
時間軸上ではレジェンドコレクションNo.5(#10-876)、そしてグレー床下の「パノラマしなの」(#10-1248)のちょうど間に位置づけられるような列車が製品化されます。
レジェンドコレクションの際に物議を醸しだした「クハ381 0」の顔もようやく改修されるとアナウンスされていますので、当方のようなレジェンドを手にしていたユーザーにとってはひと安心といったところになりますでしょうか。

オレンジ色の大きなJRマークが入るこの民営化直後の姿も必要ですが、先に取り上げたEF64のように、カトーが描く中央本線の国鉄型車両はこれまで国鉄時代に軸が寄っているので、レジェンドコレクションのやり直しとして国鉄時代の「しなの」からやってもらってもよかったかなー、というのが正直な気持ち。
ま、それも時間の問題かもしれません。
両端がクハ381 0となるような編成にもしたいので、ASSYでこの車だけをもう1両狙いたいところ…かな。
もちろん「買います」。

今回のクロ381は、製品名で「パノラマ」をうたっていますから当然ながら10番台になりますが、ゲテモノ感のある0番台も気になる存在。
とにかく、カトーがこの製品を企画する上で想定した時代が1988(昭和63)年は、特急「しなの」が多彩な編成で運転されていた時期でもありますから、「ゆったりやくも(ノーマル編成)」のような、多彩な編成を組むことが可能となる続編が企画されてもよさそうです。
もしそうならば「買ってくれないと次はありませんよ」なんて言うのではなく(?)、ちゃんと「後続企画もしっかりありますから安心してついてきてください」という、「シリーズ」と銘打たないまでも、覚悟を持ったアナウンスをしてくれないとね。
165系のローカル運用3連、塩尻まで来ていた311系「ナイスホリデー妻籠・馬籠」などなど、民営化直後の信州の風景がいろいろと浮かんできます…。





【10-1670 客車編成セット 寝台急行「きたぐに」(8両) 】 ¥16,500

さて、今月の<まな板コーナー>。
今回はこれに注目せざるを得ません。

まず「客車編成セット」という謎だらけの冠タイトル。
申し訳ないけど“編成セット”という言葉がどうしても理解できず、タイトルからは製品の意味と狙いがさっぱり分かりません。
で、「何なのよ?」とフタを開けてみれば、この8両セットで「きたぐに」が全部そろう訳ではなくて、既に発売されている12系急行形客車との組み合わせで「遊ぶべし」ということなんだそうです。
しかも、この8両セットに入る客車は全て既存の金型の使いまわし。

なんだかね。

カトーが12系客車をフルリニューアルすると発表した際、当方は12系客車だけのセットが発売されることへの懸念、違和感のようなものを指摘していました。
で、じゃあどういう編成を想定したらよかったのかと指摘していたのが、正に(アベ風に)この「きたぐに」だったんです(ココを御覧くださいまし)。

大阪万博における大量輸送の使命がひと段落すると、無機質な12系客車も様々な急行列車の座席車へ転じて、全国各地の風土へ馴染んでいきました。
そんな姿から製品化していった方が奥深くて、12系だけのプレーンなセットなんて(従来路線の)客車急行シリーズの展開の最後の最後にやるかやらないかを判断すれば良かったのです。
その「最後の最後」を一番最初に持ってきてしまったのですから、ひょっとしたら編成例を研究する術がないライトユーザーの心には響かない、何をどうしたらいいか分からないセットになってしまったのではないでしょうか。
製品の展開順序があべこべだったかもしれませんねえ。

ちなみに。
メーカー公式HP上の「きたぐに」のページには、今回の10-1670と並んで10-1550「12系急行形客車 国鉄仕様 6両セット」が併記されています。
「どちらも買ってね」ということのようなのですけど、問題なのは、その一方で生産予定表に10-1550が記載されていないことです(単品のスハフとオハは記載されています)。

ここでピンと来た方はすばらしい。

そうなんです、10-1550はメーカー在庫があるのか、はたまた問屋に在庫があるのか分かりませんが、とにかく再生産なしでも手に入る状態だということを示してしまっているんです。
と、いうことは…
このセット、なんだか「みちのく」と「C62常磐形」のときのようなニオイがプンプンしてきています。

そして10-1550は所属表記が「大ミハ」。
この12系を核にするんだと息巻いていますが、まさか「かいもん」「日南」はやらんでしょうなぁ(爆)





急行「能登」からスタートした客車急行シリーズは、基本セットと増結セットという2箱に分割されはするものの、ケースのフタを開いたときに、有名な絵本「やこうれっしゃ」で見れるような、列車内の人の営みと、都会から地方を目指すベクトルのような空気をふゎーっと感じたものでした。
たとえ10系客車、43系客車が繰り返し封入されていても、サボや所属表記の統一的な(当該企画に沿った)印刷、そして新しく加わる新規金型の客車で救われていましたから、素直に受け入れることができていたのです。
そしてさらにこの空気を、例えばちょうど今のような年末にユーザー間で共有できたからこそ、ほっこりすることができて、文化的な価値を共有し、(結果として)シリーズを育んできたように見ています。

今回の「きたぐに」には、メーカーとユーザーが対話し続けて生まれたフォーラムの存在に気づかないまま企画されているようで、ブルーの「関スイ」表記の客車セットのように、カトーが持つ旧型客車の金型の使われ方がだんだん雑になってきいることを深く憂慮することとなってしまいました。
そろそろ当方は、カトーが放つこの手の企画からの撤収準備に入ります。
「買いません」。



□     □     □



その他は駆け足で。



151系が10年ぶりに再生産されます。
近年は青大将「つばめ」「はと」もやりましたし、この冬にはC62「はと」の発売もありますから、「東京・大阪間」の連動企画としての再生産なのかもしれませんね。
だとしたら、やっぱり0系新幹線は登場時仕様でちゃんとやっておけば、ストーリーを紡ぎだすことはできたでしょうに。
もったいないことでした。
手元にある151系を確認しましたら、ブルーの座席パーツの変色化が進んでいました。
変色しないような措置と、当方のようなユーザーを救済するパーツを分売してもらえると助かるんですけど。

チビ凸はそのうち気が向いたら買いますから、こうして色違いでも再生産を繰り返して常時在庫があるようにしておいてください。





【10-951 223系2500番台 <関空・紀州路快速>タイプ 4両セット】 ¥16,940

これは「買います」。
225系5100番台タイプとの併結には必要ですし。
もう阪和線系統は「タイプ」にしておかなくても、座席パーツくらいは製造していいんではないでしょうか。
定番化していますからねえ。
225系0番台、5000番台の「顔」の修正も近づいてきたようです。





これも<まな板コーナー>として取り上げたかったんですが、そこまですることのものでもないでしょう。
まず、絵本にしなければいけない理由が(普通のユーザーには)よく分かりません。
「製作できるよ」となっているジオラマも、作風とユニトラックのミスマッチ感が香ばしくて、どこかキタならしい。
これで¥5,500だというのですから、おおよそはISBNコードのない絵本代ということなのでしょう。
既に市場には出回っているようですけど、子育てをしてきた者として、これを手にして娘たちに与えることはまず「ない」と言っていいかも。
絵本を読む、読み聞かせるような超ライトユーザーに対して「ジオラマ製作」というのも現実的ではありません。
やっぱり車両とレール、そしてパワーパックから入門しますでしょう、普通は。
なんでもかんでも「入門者向け」「子どもに夢を」というキーワードで総括されている、イージーゴーイングな企画に販売店は(セールスミーティングなどで)何も言わないのかしらん。

カトーよ、どこへ行く。


ではまた。

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  1. 2020/12/26(土) 16:00:00|
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