しなのさかいの駅前広場

細かいことばかりでよく分かりません。

ホビーセンターカトー 223系2500番台〈関空・紀州路快速〉タイプ(2021年版)

こんばんは。しなのさかいです。

人間の記憶力とはそんなに続かないもので、おかげさまで10年以上もこんなブログを続けていると、過去に書いた記事を忘れることがたびたびあります。


2009年5月9日「出撃、関空快速O-CAT車」
2011年2月21日「ラウンドハウス・223系2500番台(関空・紀州路快速)タイプ」
2018年4月23日「続・旅のおみやげたち」


この3つも、今回の件を記録する前に「そういえば…」と自分で検索して「そうそう、そうだった」と再認識した記事でしてね。
書き方もどこか変で、その辺もひっくるめて懐かしく振り返ってみました。





ということで、今回も関空・紀州路快速についてでして、「ホビーセンターカトー」ブランドとなってカトーから223系2500番台〈関空・紀州路快速タイプ〉が発売されました。
品番は10-921から10-951へ変更されています。





これは、前回の記事でメモしておいたカトーの223系2000番台をベースにした「タイプ」品です。
旧製品10-921と同じように、座席パーツは2+1ではなくて2+2のまま、床下機器も少々異なるので「タイプ」なのだとか。
でも、その程度の差異をアナウンスせずに発売している事例はたくさんありますから、これを額面どおりにタイプだと捉えて敬遠するのもどこかもったいない気がして…
つまり、店頭に並ぶ他のNゲージ車両と比べると、「タイプ」とする製品名がやや正直過ぎる気がする、ということです(主観の問題ですのでどうかスルー願います)。





2011年の画像(10-921)と比較することができました。
先頭部の表情に僅かな違い。
「お母さんにはわからないわ」とか言わずに、素直に進化を喜びましょう。
ライトの形状、スカートの長短などに改良点が見えるじゃないですか。
色味はカメラの問題ですから気にしないでください。
強いて不満を言えば、今回もワイパーの根本の表現がないことですかね。
やるとすればガラスパーツ部分とボディ上の部分とで分割されますが…





先に発売されている225系5100番台タイプと比べると、側面の種別幕、行先表示器の印刷がブラックアウト化(前回の10-921は例の方向幕パーツが埋め込まれていました)。
その5100番台タイプの原型である225系100番台は、この前の再生産時に青帯の色調改善が図られ、その際にココもブラックアウト化されましたので、5100番台タイプも再生産されるときにはそうなるのでしょうかね。
ブラックアウト&シール化は評価が分かれるところのようですが、いかがでしょうか。





残念ながら今回の10-951も、ボディ側面のマットなグレー部分には、工場で組み立てたときに付けられたと思われる爪のひっかき跡がありました。
幸いにもお店側で「ダメだこりゃ」と避けてもらいましたが、デリケートな部分だけに丁寧な組立て工程をお願いします。






今回も2編成を導入しまして、例によってヘッドライト専用化基盤を取り付け。
室内灯は純正品。
奥に見える背景代用の車両は鉄コレの105系。





カプラーが#2になりましたので、事前に交換しておいた225系5100番台との併結もできます。

225系5100番台は青いJRマークが水平に印刷されていますし、どちらも細かい標記類が印刷され、精密感があります。
これらはトミックス製品にはなかなか越えられないハードル。
TNカプラーと比べると、先頭部同士の連結間隔に残念な点があると言われていますけど、こうして総合的に見ればカトー製品の品質に1票を投じたくなる、という訳です。
「カトーの品質ファン」の皆さんもたぶんそうなのでしょう。




それではちょっとだけ運転会。



泉南方面へ向かう列車たちの並び。
東海道・山陽本線の新快速と並走することがあるのは特急「くろしお」だけで、環状線グループとは運用地域が全く別、という点が面白いです。





225系5100番台と。
グラディエーションのついたブルー帯の車両は「紀州路快速」の区画に見られる長閑な田園風景から、こんなレイアウトにも合うんじゃないかと想像。
やっぱり近郊形電車なのですよ。





今回のまとめです。

カトーらしい品質が感じられる、手元にあるお金と交換したことに後悔が残らない製品で安心しました。
少なくとも、ボディ上の標記類が曲がって印刷されているとか、ボディも曲がっているとか(?)、そのようなことは全くありませんでした。





2018年8月23日 三国ヶ丘にて

顔面整形手術の結果、先頭部の見栄えは大きく向上しており、223系2000番台と同様、2500番台もこれで「決定版」と認定したくなります。
トミックスも昨年末の転落防止幌の失敗をあのままにして再生産することはないでしょうから、再び追いかけてくるんだろうと想像しますが、ユーザーとしては“追いかけてきたパイオニア”の成果に満足しているので「もうイイですよ」という気持ち。
いつまでもこんな競争を続けるのではなくて、両者互いに「価値の発掘」で競ってもらいたいですね。
もちろん納得できる品質、適度なパーツ構成を前提に、です。


カトーにも「289系の半室グリーン車改造後の姿」という宿題がありますので、その辺を是非。
「京都店の真下にやってくる列車の今の姿です」と説明すればクリアできるんじゃないでしょうかねぇ(誰に?)



今月末の買い物で、この後しばらくはカトー製品の導入がなくなる予定です(だってポスターがあーなのですから)。
再び財源を温存させながら、今回のように自分のこだわりの範囲にスコンと入る企画の到来を寝て待つこととしましょう。


ではまた。


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  1. 2021/05/27(木) 19:10:00|
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KATO 223系2000番台〈新快速〉(2021年版)

おはようございます。しなのさかいです。

先月末、カトーから223系2000番台が発売されました。
今回はそのインプレッションをちょこっとだけこの場に記録しておこう、という趣旨でございます。
もし御興味をいただけましたならば、このままお付き合いください。





皆さん御存知のとおり、この2000番台は既にカトーから発売されていました。
しかし、カプラーとの干渉を考慮したのか奇妙に下に長くなったスカート、やや縦長のヘッドライト形状、顔の輪郭の全体的な縦長感(?)などがどうもおかしく、ネットの普及と共にユーザーの中では似たような意見が共有されている、ということも確認するようになりました。

今回は、そんなユーザーの声をすくい上げたようで、先頭部分の見直しを中心にリニューアルが行われた形。
見たところボディの前面形状とスカート関係の形状が大きく改善されているようです。
「ようです」というのは、既に旧製品を手放しているからでして、今回は画像で比較することができていないことを御容赦くださいませ。





前面形状の見直しである一方、今回は現行仕様ということで、未だに賛否両論あるらしい転落防止幌は取り付けられた姿とされました。
幌パーツは、先に発売されている521系のときに起こされたパーツです。
カプラーは221系RN車と同じ、電連パーツ付の♯2に変更。
これは225系100番台との混結を考えれば適切な措置と言えましょう。

なお、乗務員室に上がるためのステップも再現されています。
適正な位置に表現できるならやる、そうでなければやらない(117系)ということのようで、当方もそれでいいんじゃないかと考えます。





ボディ側では、旧製品で採用されていた画期的な“行先表示パーツ”の使用が中止となりました。
あのパーツ、321系用ともども手元に残ったままなんですけど、どうしましょうかねぇ。
あれもまた、カトーの技術の歴史の一つとなりました。





先頭車同士の連結間隔はこんな。
カプラーは伸縮式(←→マークのあるやつです)なのでTNカプラーと比べると敬遠されがちみたい。
カトーの車両にも関わらずTNカプラーを取り付ける加工例をよく見ます。

でも、この間隔のおかげで当レイアウトでは転落防止幌同士の接触は発生していません。
製品(というかパーツのランナー)には幌の黒いゴム部分がなくなったデフォルメパーツも1組封入されていて、キツいカーブのあるレイアウトでは使用が推奨されていますけど、できることならば使いたくないところです。

521系はボディマウント式カプラーなので、短いデフォルメの方は先頭車同士の連結では使わざるを得ないパーツのようです。
221系、225系は今回の223系と同じ伸縮式となっています。
連結間隔のリアル性を取るか、幌形状のリアル性を取るか、この判断は分かれそう。

あ、ヘッドライト専用化基盤を取り付けたので、転落防止幌に囲まれたライト周りは明るく反射していますよ。





言い忘れましたけど、カトーの223系は窓ガラスへの編成番号の印刷だけでなく、運転台にJRマークも印刷してくれているので非常に助かります。
このマークがないトミックス製品は…

行き先は「敦賀」。
これは4両セットに付いている北行方の行き先で、8両セットには「近江今津」が付いています。
どちらも湖西線を走るように想定されていて、なんとなく「分かってるな」と。

ただし、その行先表示と種別幕の暗さにはややガッカリしてしまいました。
E353系のヘッド・テールライトもそうでしたが、導光部分の新規設計についてはアタリ・ハズレが目立っているようで「カトーの品質ファン」としてはチョット心配しています。







それでは軽めに、夜のひとり運転会。




ATS警報音を鳴らしながら、ゆっくりと短い4両編成が入線。
湖西線の4両運用は、人工物が少ない車窓もあってか、ローカルムードも高く、見ていて癒されます。
湖北地方は人の気配が薄く(ゴメンナサイ)、かえってその切なさが魅力なのかもしれず。





融雪溝、それと521系の介添えが北陸地方の入口にいるっぽい(?)
その奥にはコンテナを満載した貨物列車がビュンビュンと北を目指して行く、というイメージです。





んでもってオレンジ帝国の313系が並ぶと、米原っぽくなるようですから面白い。

民営化以降は境界駅の風景を観察することも楽しみになりました。
昔はホームにある自動販売機の中身が変わるのを見て楽しんだりしましたっけ。
米原のホームで「20世紀梨ドリンク」を見て「はるばる来たぜ西日本」っていう思いに浸っていたものです。
以上は大垣夜行にお世話になっていた頃のお話。
おそらくトミックスの企画者さんはこの辺をお分かりなのかと。





225系100番台とのすれ違い。
こちらもカトー謹製で、青色の帯が改善された現行品であります。
帯の色は、以前はあまり気にしていませんでしたが、やっぱり青の色調はこのくらいが適正だったようです。
カトー製品における「色」の選び方も一つずつ改善されています(トワイライトエクスプレスの黄色帯、東京メトロ16000系の緑色などなど)。





ちなみに。
225系100番台は顔の形状、転落防止幌を差し込んだときの幌の安定性などに好感を持っていて、この点は521系も221系も、今回の223系も同じ。

こうしてレールの上に載っけるだけで現地の風景が脳内再生されます。



⬜︎ ⬜︎ ⬜︎





ということでエンディングです。


カトーにおける「223系」の歴史は紆余曲折でした。
まずは1995年デビューの1000番台が1999年に製品化。
しかし、皮肉にもこの年には2000番台がデビュー。
その後はこの2000番台が1000番台の両数を超える大所帯となっていきます。
カトーがその2000番台を製品化したのは、実車の登場から10年経った2008年になってからでした。
ただしその形状には問題点があった訳で、この点は前述のとおり。
「223系新快速ファン」は2019年のトミックス製品の登場まで、さらに10年も待たされることになります。


昨年11月末、その翌月末にトミックスから転落防止幌付きの2000番台が発売されるという、そのタイミングで「追いかけてくるパイオニア」が「ウチも製品化します」とアナウンスしました。
実に余計なことをしてくれる…と感想をまとめましたが、月末に店頭に並んだトミックス製品の幌のデザインセンスのなさが“自滅”を決定的にし、ユーザー間では半ばなかったこと、見なかったことになってしまったようです。
カトーによる「ウチも製品化します」は、223系新快速ファンにとっては偶然にも幸いしてしまったのでした。


当方がこの20年以上を、どれだけの223系と出会って、そしてまた別れてきたか。
この点を書き始めるとキリがありませんので御勘弁いただきますが、蕨方面まで含めれば大変な数のアイテムとの邂逅でした。
今回の2000番台で、その長い長い旅はようやく終着駅に到着しそうです。



新幹線が東西に1本しか伸びていない大阪圏・アーバンネットワークは、関東から見ればまだまだ在来線車両同士の組み合わせ、走行路線が面白く、興味が尽きません。
カトーとしても京都店の窓から見える車両には野望があるのでしょうから、生暖かい目で今後の追加ラインナップに期待しつ続けるとしましょうか。
とりあえず225系0番台の顔も改良していただければ。

この週末には、お約束の2500番台タイプも発売されます。
もちろんコレも予約してあるので、大阪環状線・阪和線の風景も賑やかになりそうです。









(おまけコーナー)



100円ショップ「セリア」で並んでいるJRコンテナ缶。
皆さんも見かけたり手に入れたりされたことと思います。
なにせ1個100円ですからね。

でも、この手の箱はインテリアグッズとして発売されているようで(まさにアート・手芸コーナーで)、いわばジョーク・グッズ。
細切れ風のジオラマ製作とは方向性が一致するようであって、逆に実用性を求めるモノではなさそうなんです。

買ったはいいものの、案の定模型部屋に置いておくのも…(要は早々とジャマになりまして…)
「何か入れるものはないか」と模型部屋をグルリと見回していたところ、所在のない「あるものたち」に目が止まりました。





カトーのサウンドカードがこの向きでピッタリと。
これ、本当に偶然?
いわゆる「遊び」の間隔もなく、実に気持ちよく収納することができました。
あんまり多くの枚数を入れると、今度は取り出しにくくなりますのでほどほどにしておいた方がいいみたい。
蒸気機関車、電車などなどでコンテナごとに分類することができましたとさ。
テンションも上がって、地味なカトーオリジナルの収納ケース(ていうかウレタン)よりは満足。
「遊びごころ」とはこーいうものなのでしょう。


ではまた。

  1. 2021/05/19(水) 08:00:00|
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鶴見線101系、おかわり

おはようございます。しなのさかいです。




鉄道模型趣味をやっていると「偶然の巡り合わせ」って、よくあるものです。
このカトー101系鶴見線もそうで、先日ふと訪問した中古店で巡り合いました。
驚いたのがその価格。
なんと、中古のトミックス製電機機関車1両分程度(余計分かりにくくなった?)という破格値がつけられていて、中身もジャンパ栓すら切り離していないという完全未使用品(おそらく)。

発売直後に買った1編成を今でも大事に持ち続けていますが、デフォルトで「鶴見ー扇町」となっているオレンジ色の方向幕の他に「鶴見ー海芝浦」となっているスペアの緑色の方向幕の編成も導入してみたくなりました。
そんな計算(あるいは打算)を瞬時に行って、お店の人に向かって「すみませーん」と手を挙げた、という次第です。
こういうときは、ほとんど動物的な反応に近いかもしれません。





「方向幕を付け替えればいいじゃないか」なんて言ってはダメですよ。
二つの編成がカワイく顔を揃えて並んだシーンにこそ、3両編成の101系の存在価値があるのです(当方の主観です)。

なんとなくですけど、1980年代に見た鶴見線の101系って、鶴見駅でも国道駅でも、二つの101系のあっさりした顔が駅で並んでいる様子が頭に浮かぶんですよね。
これを心象風景というのでしょうか。
残念ながら当方のレイアウトの様子とは不釣り合いなんですけど、3両編成の通勤電車が田舎の街に転属してきたと考えておくこととします。

1980年代、グリーンマックスが101系のキットを発売したときも、そうした鶴見線向けの狙いがあったんじゃないかと今でもそう思い続けています。
あの板キット、今から見れば分からないですけど、同社製品の中ではかなり後発だったんですよ。





同じ年代つながりで、ついでにEF13とク5000の編成を。
「自動車が鉄道で運ばれる」という事実が童心をわしづかみにするからなのか、子ども向けの図鑑ではよく見た編成です。
当方が実物を見ることはとうとうありませんでした。
もう少し早く大人になっていたら…という思いは、この趣味ではキリがありません。





そのク5000編成が101系中央線と遭遇。
背景の緑をもう少し増やすかナと考えてしまった画像となりました。

オレンジ色の101系も800番台共々、もう少し活躍させないといけませんね。
顔面手術をしてもらったことで、101系のNゲージ車両模型としては不動の位置に固定されました。
ちなみに、101系のジャンパ栓パーツはABSで作られていますので、ホース部分が黒く印刷されていて見栄えが特に良いです。

現在カトーが作る同パーツはABSから軟質のPOMに変更されたようで、材質の特徴から印刷がなされていません。
折れにくくなった一方でユーザーにとっては残念な点ではあります。
その他、あえてABSを使用して着色を施した例として、EF63 JR仕様のC'列車無線アンテナがあるようです。





そうでした。
リニューアルされたカトーのク5000は6両セットのみ増備しておりました。
自動車のカバーの色とクのフレームの色の組み合わせを見ていると、時代の「色」っていうやつはあるんだなと。
轍の底に貼るシールは未使用です。
単品も2両くらい買っておいた方が良かったか。





そして、1980年代といえば「サロンエクスプレス東京」。

2014年にアップデート加工を施していたので、久しぶりに旧型電機EF15に牽引させてみました。
その後、Z05-2997(14系SER用)車端部床下機器もはめて、格好を引き締めています。





宮原のゴハチが牽引した事例はレアだったようで、150号機の牽引実績があったかどうかも未確認です。
とにかくナンバーパーツの分割線がないブルーの150号機でぶん回してみました。
1980年代前半は、どの鉄道雑誌を見てもEF58のグラビアばかりでした。





先日の動画でトミックスが1980年代の車両の製品化に力を入れる旨のコメントを行ったことがずーっと引っかかっています。
もし、トミックスが「ファイナルセット」以降封印しているサロンエクスプレス東京をHGでフルリニューアルしたら…
もし、トミックスが1980年代に製品化していたEF58をフルリニューアルしたら…
そんでもってそのEF58は61号機からのリリースだったりしたら…





どれも正月の初夢のような当方の想像ですけれど、1980年代の“縦軸企画”が必要となれば、この辺りの出番なんじゃなかろうかと思っちゃったりするものでしてね。

あ、でも製品化は希望しません。
このカトーの「サロンエクスプレス東京」で十分に楽しめていますから。
カトーも変な気を起こしちゃダメですよ。
もっと違うことを考えてね。





お、久しぶりに新車登場。


ではまた。

  1. 2021/05/12(水) 09:10:00|
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Nゲージとお金の使い方・2021年5月

こんばんは。しなのさかいです。

結局のところ、毎月恒例のカトーポスター鑑賞会なのですが、今回は本題に入る前に少しだけ前提をつくらせていただきます(GWですからねっ)
なお、サブタイトルは前回の時点で特に感想の言葉もなくなりましたので、このようにしています(笑)



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1985年8月6日 銀座松屋・鉄道模型ショウにて。
このときのトミックスは新幹線100系、カトーは14系700番台が注目アイテムでした。



当方はこのブログを始めるはるか前、1980年代から、主に都内で開催される鉄道模型イベント(主にメーカーが試作品等を展示するショーですね)に足を運ぶようにしてきました。
何故かと申せば、それはこの趣味における「お金の使い方」を自分にとって出来るだけ最適なものにしたかったから、です。

以前にも書きましたとおり、鉄道模型趣味はお金を1円も失わずに始められるものではありません。
誰もが、幾らかのお小遣いを手放すことで趣味活動をスタートさせ、その後もお金を失い続けながら趣味を楽しんでいるはずです。
これから店頭に並ぶ模型がどんなモノになりそうで、メーカーがそれをどういう意図でユーザーに買わせようとしているのか。
こうした気掛かりを抱えながら、イベント会場で見たり聞いたりしているうちに、自分なりのお金の使い方を考え続けることができましたし、失敗と反省を繰り返しながら、まぁまぁ納得のいく形で手元にあったお金をプラスチックの物体に変え続けてきました。
少なくとも、そうしないよりはそうした方が良かったと振り返っています。
ブログを始めてからも静岡や銀座松屋、東京ビッグサイトへ出向いて繰り返しその感想を駄文にしてきたところでして、そのことは過去ログを御覧いただいているとおりです。


そして、そうしているうちに、鉄道模型の買い物をすることには「買わせようとする人たち」との(お金を媒介とした)コミュニケーション、或いは「壮絶な心理戦」が含まれてることに気づきました(笑)
有料で配布されるカタログを、疑問を感じることなく買って、掲載されているメッセージを読み取ろうと夢中になるのはその象徴と言えます。
どうやらこの趣味では、多くのユーザーが無意識にメーカーとの擬似的な対話(悪く言えば「独り言」をつぶやくようなこと)をしているようです。

さて、そんなことをしているうちに、次第に当方の中には「完成品」と言われる車両模型に対する一定の条件のようなものができ、その条件に一番近いのはカトー製品なんじゃないか、という答えのようなものが固まってくるようになりました。



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2005年7月28日 鉄道模型ショウ2005にて

2000年代は「月刊マイクロエース」と呼ばれるほどに蕨方面から発信される情報に夢中になり続けてきましたけど、その数か月後に店頭で並んだものたちへの評価は、お世辞にも「イイもの買っちゃった」とはならず(全てではありませんが)、家に持ち帰って眺めても表情が曇るようなことが度々あったんですよね。

その後、月刊的な話題の出し方はカトーも行うようになり、ユーザーに語り掛けるその内容も、そして店頭に並ぶ製品もなかなか。
家族の冷たい視線を感じながらも新しい車両を見て思わず「ニンマリ」としてしまうことは、2010年代を振り返るとカトー製品を買ったときに多かったような気がしていて、現に今も模型部屋を見渡すと手持ちの車両ケースの7~8割は濃緑色となっています。


しかし、ここ数年はカトーのポスターを見ても以前のように既存ユーザーへ語りかる様子は読み取れなくなっていて、外国型車両の比率が高くなり、ジオラマ製作への誘いが顕著、日本型車両を見ればピンクの「NEW」マークが付く製品にビックリする価格が付されていて、基本的には再生産ばかり、という事態に。
残念ながら、以前のようにはお付き合いをすることが難しくなってしまいました。
ここにお越しくださる皆さんも、カトー以外の製品を見ながら「もし、この車両をカトーがやってくれたなら…」と想像する機会が増えたようで、それだけ今でも「カトーのものづくり」、品質だけは支持している、ということなのでしょう。

現状、このような流れの中で毎月発表されるカトーのポスターを眺めています。
「自分のお金と交換することができるかどうか」。
皆さんはいかがでしょうか。



□     □     □



前置きが長くなりましたのでそろそろ。




カトーが予定する2021年9月分の内容だそうです。
既にE257系2000・2500番台もその頃(9月と10月)の発売だとされていますから、実質的には追加メニューとなっていることに注意しておきましょう。
だけれでも、こうやって1枚のポスターにまとめられると、9月も再生産をメインとした内容で固められたのだと思ってしまうのです…
少なくとも、これらを見て新規金型は使われまいということなんです。

485系200番台やマニ44は、ついこの前に生産されたばかりですから、買い逃し需要があると見込んだ上での救済的な再生産なのでしょう。
当方はどちらも既に手元にあるので、もう買うことはありません。
東北本線を意識した画像が使われていますけど(どこかで見たような画像…)サハ481の使い方が難しくなるので、ここでは日本海縦貫線の特急をデンと置いた方が良かったかもしれませんね。
そのサハ481も再生産されるようですから。





NISSANのコンテナは絶版状態でしたから、まぁその状態を解消する意義は感じられるんですが、このコンテナって使用路線も限られるから牽引機も選ぶことになるし、使うとなると難しそうですよね。
そんなことを気にせずに「つべこべ言わず手元にあるコキ104に載せろ」ということなのかもしれません。
形が面白いだけにコンテナのバリエーションとして使うユーザーもいるのかも。
ないと寂しいけど、あればあるで困る、そんなコンテナなのかな。
それにしてもカトーは、こんなマニアックなコンテナをよく1990年代に製品化したものです。





ICE4も例外ではなく色替えの上での実質再生産。
新規金型の投入量を考えると、どんどん生産しないといけないのかも。
問題は、それだけ国内の需要があるかどうか、です。
以前のポスターなら、これだけの面積をドイツの車両で埋めることなんてなかったんですよね(前回もそうでした)。





そして7月には、謎の「マイトラム」企画が突如始動。
広島電鉄の車体を無地色に塗ることで「地域や時代を問わずに楽しめるユニバーサルデザインの路面電車」となるのだそうです。
自由過ぎる発想で今でもバリエーション展開が続く「チビ電」のリアルタイプ版といったところでしょう。
これも、こうでもしないと…なのでしょうか。
7月に生産できることとなった事情もいろいろと想像してしまいます。

赤と青、だけで終わる気もせず「今度はこうしちゃおう」という企画が続いていくような気配をヒシヒシと感じます。
選ばれた赤と青の色調も、もう一工夫欲しかったですね。
空想の世界がアートの世界が融合していきそうです。
そういえば金色のEF65という企画もありましたっけ(まさか20年前の蕨方面のやり方を真似するとは)。





そしてまた、ジオラマ関連商品。
ジオラマ、ジオラマ、ジオラマ…



□     □     □



今回も当方にとっては必要のないものばかりでした。
おそらく当方のような古いカトーファンに向けたものではなく、新しいカトーファンへ語りかけたポスターだったのだろうと解釈しています。
新しいカトーファン、あとは頼んだぜ(^^)







今回の9月分を含め、これにて都合3か月分は全てスルーでして、7~9月は販売店にお金を落とすこともなく財源を温存する見通しとなりました。
それぞれにカトーなりの品質の良さは想像できるんですけど、やっぱり「ノせられて買う」ようなアイテムたちではありません。
淡々と受け止めて、粛々と取捨選択をする最近です。





ここで「いやいや、その3か月間にはトミックスの新製品だってあるだろう」という声も聞こえてくる訳ですが。

こちらはこちらで、続々と面白い企画を出し続けてはいるものの、工場が「エラー」と認めたくないのか、工場に向かって「これじゃエラーですよ」と言える人がいないのか、世にも不思議な塗装・印刷がなされた製品が店頭に並ぶことが多いので、なかなかカトーに代わる選択肢にはなりにくいようです。
先月に発売された◯◯◯系も、当方が近所の量販店で見た限りでは「うわー」「どうしてこう…」といった類の言葉を発しながら買われる方が複数いらっしゃったようでした。

こういう買い物は精神的にダメージが大きく(無駄な出費をしてしまったような気分に支配されてしまうんですョ)、手元に置き続けるくらいならパッと清算して、損失分は反省するための授業料としてしまいたいと考えています。


「ニンマリ」とすることができる買い物の機会の到来をじっくりと待って、「ニンマリ」とすることができる模型だけが部屋に並ぶような趣味生活を送ってみたい。
毎月の僅かなお小遣いを、どのような買い物に使えば豊かな気持ちになれるのか。
店頭に並ぶアイテム数が増えているだけに、そんなことを考え続けている2021年です。


ではまた。

  1. 2021/05/02(日) 18:20:00|
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