しなのさかいの駅前広場

もうお腹いっぱいです。

Nゲージとお金の使い方・2021年10月

おはようございます。しなのさかいです。

毎度のポスター鑑賞会のお時間です。
今回は前振りを省略して、さっそく本編へ入ることとします。
また、発表された内容に相当のボリュームが見られませんでしたので、今回は記事を分割しません。

いつもどおりの駄文ですが、お時間がありましたらお付き合いください。









10月1日にカトーから発表されたポスターは3枚でした。
一部に「2・3月」とありますから、まだ生産スケジュールが流動的なようですね。
気になった企画のみ取り上げていきます。





D51 498がリニューアル。
品番が「-A」とされ、品名も「副灯付」と銘打たれましたけど、これは「リニューアル」と言っていいんでしょう。





2010年8月20日 JAM11にて

ちょっと懐かしいお写真を御覧いただきました。
2010年のJAM。
この年の11月末にカトーのD51が498号機としてフルリニューアルされたときは、こぞって多くのユーザーが入手したんだと見ています。
その購入動機は「ちゃんとした498号機を」というものと「ファインスケールで作り直された新しいカトーのD51を一刻も早く手にしてみたい」というものではなかったかと。

当方が気にしている点は、この498号機がファインスケール版D51の最初のモデルだっただけに、後者だけの動機で買われた方も多かっただろうということです。
つまり、この498号機(品番2016-1及び-7。2016-7は2017年製のスポーク車輪取付版)に関しては、これまでに相当数がユーザー側に浸透しているということ。

で、その出来事から11年(または5年)を経過して再びリニューアルをすることとなりました。
確かに、今のカトーの設計水準で見れば、デフレクターの厚みが気になっていましたから、改善の余地はゼロではないと思いますが、特定番号機でもありますから、11年というインターバルはカトーにしては少々短すぎではなかったですかね、ということです(特に2017年の2016-7を買われた方にとっては)。

様々な仕様が「実車と異なるようになってしまった」という事実も、どれだけの方が実車の形体変化をフォローし、不満を抱いていたか気になります。
と言いますのも、正にこのボリュームが「リニューアル需要」ということになりますから。
当方にとっては、これまたスッキリしない選択肢を突きつけられる形となりました。


それから(またもや繰り返しになりますが)カトーの蒸気機関車の企画は“復活系”が続いています。
特にネタの宝庫である「D51」が200号機、そして今回の498号機と復活系で続いている点は残念。
例えば、肥薩線の〈重装備形〉をダブルルーフのスハ32と製品化することができたりしたら、そのダブルルーフだって「その後」に続けていけるような気もするのですが。





高崎の12系客車もリニューアルされます。
これは国鉄仕様がフルリニューアルされていましたから、品番10-557が再生産されることはないだろうと見ていました。
JR東日本のDD51 800は、これはよく分かりません。



買い方が数パターンあるのでしょう。

機関車だけの買い直し…
客車だけの買い直し…
もちろんマルっと全部…、という方もいるかな。

機関車と客車の組み合わせ方を楽しむ題材として「高崎」が選ばれる点も、時代の流れを感じます。





787系「つばめ」が、全盛期に当たる(と思っている)1994年以降の姿で再発売されるそうです。
2019年の「アラウンド」仕様で前頭部スカート部品の作り直し(カプラーの変更によるもの)、カプラー付近の車端部床下機器追加がなされ、それ以前にも2005年の「リレーつばめ」のときにはヘッドライトのカバー(レンズ)と前面窓下の手すりが表現されていましたから、これらをまとめて活かせば良いことでして、その範囲において今回の企画では新しい金型を必要とすることもないのではと見ています。

どちらかと言うと、485系「RED EXPRESS」などを継続して製品化しているトミックスの企画路線に近く、それを補うには好都合なネタです。
当方はこの場で繰り返して求めてきた企画ですので「買います」が、多くのユーザーが同じ考えかどうかは分からず。
「グランドひかり」のような価値を見いだすユーザーが多ければ、それなりに多くの需要も発生しそうです。

それから、この787系はいわゆる「振り子」車ではありませんから、カトー以外のメーカーでも製品化のハードルが低いのかもしれず。
どうでしょう。





この企画にはその意図がよく見えませんでした。
ポスター上の787系「つばめ」を見た人にとっては「振り幅」が大きくて、これらをお金と引き換えることでどんな世界が見えてくるのかよく分からず…
プロトタイプが従来から世間一般の話題になっていたような気配もありませんから、中の人のどなたかの“脳内主導”による企画なのでしょうが、もう少し「ワールド」に関する説明が必要なのだと思いました。
「コンパクトなスペースて遊べる」というアピールだけでは、そうした企画はこれまでにたくさんありましたし、1/76スケールということもユーザーにとっては大きなリセットボタンです。
価格も結構なレベルなんですね。





103系。
いわゆる「KOKUDEN」ではない方で、1980年代半ばにトミックスと競作となった高運転台のシリーズが再生産されるそうです。
前回の生産は確か2007年だったと記憶していまして、そうだとすれば約15年ぶりの生産。

この間、トミックスでは既にフルリニューアルを実施してHG仕様にしていますから、残念ながらディテールを見れば勝負にはならないでしょう。
勝算のポイントとしては、今どきにしては「安過ぎる」価格帯。
鉄道コレクションと比較してみても、動力ユニットが組み込まれて、前照灯も尾灯も点く、室内灯も組み込めるとなれば、勝算の読みは分からなくもありません。
その低価格、基本的仕様の備えを武器にして、加工派モデラーに対して、又はライトユーザーに対して、というところなのだと推測しますが…
加工需要、どこまであるでしょうか。

カトーとしては、当面103系をフルリニューアルする気はない、ということなのでしょうね。
リニューアルを遂げた117系、113系、415系などとの線引きがよく分からず。
前面の帯は、ホットスタンプよりはシルバー塗料によるマット感のある印刷の方がしっくりくるんだよなぁ。


その他の再生産については省略です。
「機関区施設セット」は探していたので買いますかね。
やはり「いつまでもあると思うなストラクチャー」。





一方でトミックス。
10月14日に発表されたポスターは1枚だけとなりました。





14系500番台 快速「海峡」は、前回の「事前告知」から間もなく正式に企画化。
「津軽海峡線はトミックスで!」と言わんばかりの展開は、途中でシリーズ展開がピタッと止まることはないように見えていて、ユーザーとしても安心感があります。
どうでもいいことのように見えますけど、ココにお越しくださる方々にはとても大事なことでしょう。





三鷹区の103系1200番台は、サハ103とこの番台オリジナルのクモハ102が含まれているところがユニーク。
ついつい分散型クーラーを乗っけていることに着目してしまいがちですが…

三鷹区の1200番台は、この番台オリジナルのクモハ102が入る7連(6M1T)5編成(計35両)という陣容だったところを、1991(平成3)年、松戸区へ12両転出させると同時に浦和区のサハを2両転入させた上で編成の組替えを行って10連2編成と5連1編成(計25両)に再編。
103系でクモハがある10連、となるとサハが必要となるのですよ。





313系が前面形状の見直しとともに再登場するそうです。
ユーザーが求めた改善点(?)はメーカーに届いているみたいですから、いずれは223系2000番台の転落防止幌もやり直されるのでは。
東海地区の近郊型電車もトミックスとしてはあきらめていない、ということなのでしょう。

JRの近郊形電車、通勤形電車はトミックスもカトーも自社製品として欠かせないラインナップということで、それそれに仕様の支持を得ているようです。
でも、313系に限っては、当方としてはカトーのでお腹いっぱいでございます。



⬜︎ ⬜︎ ⬜︎



エンディングです。

今回は、トミックスのポスターに前回ほどのピリリとした企画は見られなかったようで、各方面の反応も穏やかなようです。
新製品の発売時期も「スーパー雷鳥」のように延期措置が頻発していますから、それなりの事情もあるのかもしれません。
ユーザーの財政事情としても、それはそれでいいでしょう。
ここんところ、トミックスのポスターは加熱し過ぎでした(笑)

一方でカトーには、またもや「ん?」と思える新企画が登場し、これまでのNゲージユーザーに語りかけているのかどうか、その狙いがイマイチ判然としないボールが投げかけられました。
“教育のための鉄道模型”としての捉え(直し)方と同じように、カトーとして新しい「どこか」へと向かう姿勢には興味が尽きず。
そしてまた「これまでのNゲージユーザー」に語りかけていると思われる企画が「オヤ12」。
この二つの流れが気になっています。



今回のポスターで興味を持てたアイテムは、カトーの787系、トミックスの14系「海峡」くらいでして、これらのニュースも驚きはなく「いずれはやるだろう」という範囲内の企画でした。

繰り返しこのような話題を取り上げてきましたが、そろそろココにお越しくださる皆さんも、メーカー各社による毎月の発表を、例えば隔月とか、四半期ごと、20年くらい前のように半年ごととかにされるようになったとしても構わないというとか、そんな風に捉えるようになってきた頃合いではないかと想像しています。
少なくとも、発表を楽しみにして待つということは、以前よりも少なくなったんではないでしょうか。

メーカー各社の企画の傾向とその受け止め方は固まりつつあって、変化する兆しもなさそう。
単調なキャッチボールが続くようになっています。
このような場の必要性も再考していく時期に差し掛かっているようです。


ではまた。


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  1. 2021/10/18(月) 09:00:00|
  2. 鉄道模型(車両)
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箱の中から出ない車両を「道具」にしたい

こんにちは。しなのさかいです。




暑さが残っていても乾いた空気を感じ取れるようになった関東平野の10月。
厄災も好転の兆しが見えてきましたから“不要不急”の外出を再開したいところですが、どうしても「自衛」という気持ちから未だにその判断がつきかねています。
難しいところです。





最近はトミックス製品の始末とともに、勉強もしています。
『旧型国電50年(I)』(沢柳健一著 JTBキャンブックス)は、ずいぶんと探し求めていた本で、昭和元年から昭和28年までの「国電」の製造が解説されている、もはや産業考古学としての貴重な文献です。
先に「Ⅱ」を見つけて読んだところ、そのルーツまで遡らないと理解が深まらないことに気づきまして、ネット上や大きな古本屋を探し続けていました。
その結果、つい先日に近所のブックオフに売られていたというオチはいつものパターンで、要は「ジタバタせずにのんびりと探せ」という神様のお告げなのでしょう。





そしてまた先週には、宮下洋一氏によるトンデモナイ本が発売されました。
旧型国電のうち「17m級」というところにテーマを絞って、恐ろしいほどに貴重な写真が散りばめられています。
令和の時代にこのような考古学的な内容が、しかもムック本で書店に並ぶという事実にはもっと驚いて受け止めても良さそうな気がします。





手に取った模型が、元々どのような形の車両だったのかと考えるのも、涼しくなってきた季節にはおあつらえ向き。
そんなお話でした。





トミックスの車両たちの“始末”もどんどん進めています。
この度、JRな気動車たちにもプラケースから出てもらい、12両用のウレタンの中に転居していただきました。
この後は例によってパーツの取付、そしてインレタ貼りとなります。
JR6社の気動車たちは、ほぼ買ってきたマンマなので、数年前に民営化前の国鉄の気動車たちを“始末”したように「こうなったら一気にやってしまう」つもり。

カトーの車両たちは買ってきた状態そもそもがそうなのであることに対し、トミックスの車両たちを当方に馴染む「道具」に変化させなければならず、ようやくその決心がついた、ということなのかもしれません。
少なくともカトー製品並みの外観レベルには持っていきたいナと。





なので、潔く2両セットの箱も潰しました。
中古店に持って行けなくなる?
トミックスの車両については、もうそんなことは考えないこととしました。
どうせピンバイスとドリルで列車無線アンテナのための穴を開孔すれば、査定を期待してもどうしようもないでしょうし。
パーツもランナーから切り飛ばせば、残数が足りているとかどうのこうのと数えるのも面倒というもの。
そんなことよりも、レイアウト上に地域的な色を落とせるカラフルな気動車たちを走らせることの方が大事。





それから。
キレたり崩壊したりした車両ケースも全て処分し終わりまして、ついでにスリーブも取ってしまいました。
この方が車両を取り出しやすく、ボロボロのスリーブを見なくて済んで気分もスッキリするようです。





ん?
一見同じように見えるケースでも、いろいろと変遷があるみたいで面白い。
何かがあったんでしょう。



さて。



その一方で、多少のお買い物をしました。
まずは、カトーのレサ10000系。
増結セットとなる10-243は、発売当時に基本セットとの組み合わせで1つだけにとどめておいたところ、両数が中途半端でした。
で、やはり20両にしたいでしょうということで、この度もう一つ買い足しましたんです。

トミックス製品が発売された後だからか、近所の中古店で、しかも増結だけで格安で売られていました。
この手の中古品は、基本セットと増結セットを紐づけられて売られることが多いですから、少し得した気分。





キズ一つない美品でして、これにて「とびうお」号は20両になりました。
トミックス製品が精密な設計で発売されたのに今さら何故…と思われるでしょうが、当方にとってはやはりインレタ貼りがバリアであること、そしてこのレサ10000系に限っては、なによりも「色」が決め手でした。
オフホワイト調に塗られているカトー製品の方が、自分には馴染む色だったということです。





もう一つのお買い物。
こちらもカトー謹製で、品番は10-1147と10-1148。
181系100番台「とき・あずさ」ですね。
既に1編成を入線させていましたので、今回で2編成となります。
これは新品です。
あるところにはあるのです。

クハの先頭の文字マークを、一方は「とき」、もう一方は「あずさ」にして、それぞれ165系「佐渡」「アルプス」と並走させる企て。
その都度マークを交換するやり方でもイイんですが、マーク周りの銀色のホットスタンプ部分にダメージが出てしまうリスクを回避したいですし、なによりも「面倒くさい」。
それならばいっそのこと、それぞれを専用編成にして持っていようと考えるようになりました。





先頭の台車はクハ165用のスノースロー付きに交換して、中間部カプラーはフックなしの「#2」に。
そして定番のLED室内灯クリアを取付。
このくらいのセットアップならば問題ございません。
改めて見て、立体感のあるJNRマークが素晴らしい。





文字マークの色調がトミックスの車両ではどうしても青みがかっていてナントモでして、カトーはその点よく分かっているようです。


久しぶりのカトー製品、しかも12両編成、しかも国鉄特急色の、でした。
鶴見線の101系と同じように、これも「おかわり」なんですけど、何杯目でも手に馴染むと言いますか、自分の趣味の持てる時間としてはカトーのレディ・トゥ・ラン仕様はやっぱり心地よいものがあります。




ということで、今回も「ちゃんと生きています」という内容となりました。
Nゲージでとことん遊ぶための環境づくりは「レイアウト作業だけでは足りない」という思いにも至って、これまたストイックに取り組んでいます。
その点で、御紹介したレサ10000や181系は、買ってきて間もないうちに馴染んでしまいました。

この辺りは次回の年頭の御挨拶でも触れさせていただくこととなりそうで、それまでにはなんとか…


ではまた。


  1. 2021/10/13(水) 12:40:00|
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