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スカ色がたくさんやってくる月末

2021年のKATO年末アイテムを振り返る

こんばんは。しなのさかいです。




今回は、当方の昨年末の買い物について触れるところからスタートします。
御覧のとおり、カトーのHOT7000系「スーパーはくと」なのです。

割引価格といえど「6両」という数量とはアンバランスに見えるなかなかの高額商品でして、年末という特別な時期の発売でなければ難しい選択となるところでした。

このHOT7000系が(思いもかけず?)先行して販売されているマイクロエース製品と比較され続けているようで、後攻カトーとしては意外な展開…なのか?

原因となる点は、主に二つ存在するようです。
当方は既にマイクロエース製品を手放しているので、記憶に基づいた比較となりますが御容赦を。





まずは側面の「ハーフミラー」を再現したガラス周りへの違和感。
試作品の公開からもありましたが、発売後に至っても「連続窓のように見えない」という指摘が多いようです。
なるほどそうかと同意するところがあります。
JR四国2000系と同様の設計であるはずなのに、なぜ?

やはりというか、ハーフミラー加工によって窓ガラスパーツが自己主張し過ぎてしまったことが遠因なのかもしれません。
本来ならツライチ性を求めたいガラスとピラーの分割線を脳内で認識してしまうのかも。

ちなみに、マイクロエース製品はガラスとピラーが一体となってボディに組み込まれていました。
カトーでもキハ85系などで、トミックスでも(車体が曲がる副作用を出しながら)キハ183-500/550系などで採用されていると言えばお分かりいただけるでしょう。





もう一つは前面のワイパーの根元付近の表現があっさりと省略されている点。
この省略は、最近ではリニューアル版の223系2000番台でも採られていますので、設計上で何らかの狙いがあってのことと想像しています。
ワイパーがガラスパーツとボディとで分割されてしまうことを避けたのかな?

マイクロエース製品ではこれらがしっかりと再現されていたことから、今回のカトー製品への「物足りなさ」を受け止めるユーザーが一定数いた、ということも原因と読みました。





2018年3月1日 京都駅にて


実物はこんな。
側面窓の連続性は斜め前から見ても認識できますね。
ワイパー付近のディテールも同様…
カトーがやると「こうなる」ということなのでしょう。

多くの新規金型を導入していますから、このまま絶版であるとか、(今回の売れ方から見て)単純再生産ということはまずなさそう。
最近の大規模な新製品が早い時期にバリエーション展開される傾向から見ると、近いうちに貫通型先頭車(HOT7020形)が入ったセットもポスターに掲載されるんじゃないかなーと。
分かりませんが。
とりあえず、今回のセットを複数買うようなことは頭に浮かびませんでした。



⬜︎ ⬜︎ ⬜︎



さて。
本稿の目的は、このHOT7000系を「買った方が正解」とか「買わない方がいいですよ」というようなものではありません。
2021年におけるカトーの「年末アイテム」として、今回のHOT7000系はその役目を務められたのか、という点での考察です。


以前からお話しているとおり、カトーの「年末アイテム」という名称は、当方とその周りのお仲間たちで勝手に称しているものです。
昔からカトーには、年末商戦に相応しい列車を模型化してきた歴史がありますので、ユーザーとしても年末に暖かくなる懐をストレスなくそのアイテムにぶつけることができていました。
以前の記事から再掲しますと、おおよそこのような歴史だったかと。



1993年 181系(クロハ181)
1994年 281系「はるか」
1995年 681系「サンダーバード」
1996年 E351系「スーパーあずさ」
1997年 201系 中央線色
1998年 285系サンライズエクスプレス
1999年 E26系「カシオペア」
2000年 885系「かもめ」
2001年 883系「ソニック」
2002年 E257系「あずさ・かいじ」
2003年 20系初期「あさかぜ」
2004年 M250系スーパーレールカーゴ
2005年 EF58 試験塗装機4両セット、101系 中央線快速
2006年 683系2000番台「しらさぎ」、EF63 1次形、489系初期形「白山・あさま」
2007年 C62東海道形、スハ44系「つばめ」
2008年 オリエントエクスプレス'88、383系「ワイドビューしなの」
2009年 EF80 1次形、24系寝台特急「ゆうづる」、EF5835、10系寝台急行「能登」
2010年 キハ181系、EF510 500 カシオペア色(+E26系「カシオペア」リニューアル)
2011年 C623 急行「ニセコ」、東京メトロ 有楽町線・副都心線10000系
2012年 E655系 なごみ(和)、485系300番台
2013年 581系 寝台特急「月光」
2014年 小田急ロマンスカー・NSE(3100形)、ED19+タキ10600セメント輸送列車
2015年 C59戦後型(呉線)、10系寝台急行「安芸」、10系寝台急行「安芸」〈1967〉、京急2100形
2016年 165系 急行「アルプス」、東急5050系4000番台〈Shibuya Hikarie号〉
2017年 DD54初期形 中期形、10系夜行急行「だいせん」、E001形〈TRAIN SUITE 四季島〉 
2018年 クルーズトレイン「ななつ星in九州」
2019年 87系「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」、113系 湘南色
2020年 東武8000系
2021年 智頭急行HOT7000系「スーパーはくと」



こうして見ていると、カトーのアイデアに驚いたりしていた数々の年末年始を思い出します。
2008年のクリスマスの日は、模型店に開店待ちの行列ができたとかできなかったとか。
2017年からの3年間は誰がどう見ても話題性のあるクルーズトレインへ舵が切られたので、カトーはこの3年間の後にどういう企画を持ってくるのかと気にしていたんですけど、2020年のアイテムについては、これはもう十分に語りましたから(^^)

それでもまあ、おおよそ両数も多くてボリューム感のある買い物だったこと、そして何よりも年末年始の商材としての話題性のある企画が窺えていました。
少なくとも、今回の「6両」という編成数は、近年で比較するとその規模の小ささが目立ちますよね。

そしてまた、これまでの年末アイテムは、販売店でもある程度の在庫を抱え続けられるアイテムだったのでは、とも。
と言いますのも、当方が観察してきた限り、これらが処分品的に取り扱われることはほぼありませんでしたので。





今回のカトー謹製HOT7000系。
驚いたことは、近所の量販店では発売から僅か1週間程度の時点でバラ売りの対象となったという客観的事実でした。

セットで在庫を抱えたままでは何か不都合があると判断されたのか、その点の詳細は分かりませんが、「セットよりも」という、メーカーの思惑とはネガティブな方向での判断であったことは間違いなさそう。
カトーの年末アイテムがそのように扱われること自体に軽度のショックを受けた次第です。

また、当方の周りでも「やっぱり買うのをやめた」という方が複数いらっしゃることも気掛かり。





せめて年末アイテムでは、ユーザー同士での会話で楽しめるんじゃないかと考えていました。
しかし、そうならないまま失速して年末年始が終わりました。

2022年の年末こそ、入線報告だけで遊び尽くせるような何かが発売されるといいなぁと、そんなことを考えながら本稿を終わりにします(いくらなんでも気が早いですかね)。

皆さんはホッコリできるアイテムを何か一つ手にされたでしょうか。
それはもしかして、トミックスの201系だったりしますかね。



ではまた。


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  1. 2022/01/19(水) 19:30:00|
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