しなのさかいの駅前広場

細かいことばかりでよく分かりません。

私鉄特急模型観察記

こんにちは。しなのさかいです。




最近また、近所の量販店へ歩いて往復するようになりました。
この趣味をやっていると動かなくなることが多いため、趣味と体力の維持の両立を少しでも…ということです(意味ないかナ)。

森を抜けた先に模型店があるというのは決してウソではありません。
日本のどこかで、こうしてNゲージを買いに行く者がいると知っていただけたら、それだけで本望です。

それから…
どうでもイイことですが、昭和の時代にはこういうところによくいかがわしい雑誌が投げ捨てられていたようです。
当方が最後にそんなシーンを見たのは、1994年11月19日。
山梨県道212号線・笹子隧道の大月方坑口手前脇に散乱した異常な量のエロ本でした。
今から思うと、昭和の残光を目に焼き付けることができた貴重な体験だったようです。
人生で「あのときが最後だった」と気づくことはよくあるものでして、気を引き締めて毎日を生きなければなりません。





さて、いろいろと走らせてぼんやりしています。
東武100系が登場時のカラーリングに戻されたそうなので、「あるよ」と独り言をつぶやいて、久しぶりにレイアウト上に入線させました。

これはトミックスの2006年ロット。
グリーンカーマークのインレタが付属したときのもので、ちょうどJR東日本との相互乗り入れを始めたときに発売されたと記憶しています。
あれからもう15年ですか。





1995年に発売されたときのことをよく覚えています。
グリーンマックスが意欲的に私鉄特急の板キットを発売し、その後素早くボディ一体型キットに移行するというミステリアスな動きをしまして、キットの製作機運が残る中での完成品モデルの製品化発表でした。

その初回品はユーザーが付属するデカールで妻面へ帯を貼る、トップコートを吹き付けるという極めてスパルタンな仕様でしたので軽くスルー。
それから10年以上で時節到来ということになります。

ボディがやや反っている(?)気もするのですけど、マットな塗装と印刷が見ていて気持ちよく、未だに色褪せずに手元に残しておける逸品です。
妻面は相変わらずホワイトであるものの、実車がそうなったことからこれで良いこととなりました。





実はこの2006年ロットでも謎仕様がありました。
ボディマウントTNカプラーが取り付けられそうな切り欠きがありますが、固定させる凸状のツメ・モールドがありません。
どうやら現在のド派手なカラーの製品でもこの仕様は続いているようで、この後に発売されるであろう(?)リバイバルカラーセットでトミックスの中の人がどうするか、が注目されます(ていうか今さらボディマウント措置なんてやらなくていいですよ)。





TNカプラーはカプラーポケットを利用する品番0382で大丈夫なのであります。
気持ちとしてはあと少し間隔をつめたい、という向きもありますが、まぁこんなものでしょう。

ロゴマークだけでなく、号車表示も印刷済という仕様は「へー」。
車番だけはインレタでした。





この0382を、先日「課題だ」とお話したトミックス・近鉄50000系に取り付けてみました。
貫通ホロのキワとカプラーの飛び出し具合をよく観察して「これでイイかな」。





アーノルドカプラーのままよりも1㎜は縮まったでしょうか(笑)
さっさとカプラーポケットを切り飛ばしてボディマウントTNカプラーにしてしまえばイイものを、みみっちく代替品で試しながらやっています。
ケチだからです(笑)







こういう座席や共有スペースに座って、数時間に及ぶ旅をしてみたいナと、乗り鉄趣味に夢中になっていた1990年代を思い出しながら。
LED室内灯でぼんやりと照らされる内側を見ていると、コロナ禍が収束したときの宿題が溜まっていく感覚になります。





JRでは、運行していることを当たり前のように捉えていた在来線特急が次々と消えたり、運転区間が短縮されたりしています。
言うまでもなく整備新幹線の開業によるJRからの経営分離、運転需要の見直しなどによるもので、地元では存続を求める要望を出すなどして騒動が生じているようです(いつものことですが)。

生活の様子が垣間見える車窓は、高架線を高速で走る新幹線にはどうしても求めにくく、せいぜい時速100㎞/hで地ベタを走る特急列車の方がバラエティー豊か。
こんなことを考えていると「いい旅チャレンジ20,000㎞」の頃から国鉄・JR一辺倒だった乗り鉄趣味の視線が、私鉄特急に乗りに行く気持ちへ移っていることに気づきます。
特に2時間以上も乗っていられる近鉄特急は、最も気になる存在。
今はもう、鉄道に対する自分自身の着眼点を研ぎ澄ませて、柔軟な発想で対象を見出す時代なのです。





どーけーよーどーけーよー◯ー◯ー◯ーぞー

◯に入る文字は各員で埋めてくださいまし。
東海3県で幼少期をお過ごしになった方々には、さぞや簡単な問題でしょう。
最後にトミックスの名鉄7000系で締めくくります。

トミックスとしては1980年代に製品化していましたが、2007年にHG仕様でフルリニューアルさせました。
Nゲージの世界に「名鉄パノラマカー」が残ってくれてよかった。





このHG製品にも謎仕様がありまして、なんと靴ずりが印刷されているのです。
現在は絶賛印刷中のトミックスですが、早々とこんなことをしていた車両もあったんですね。


虫干しのような営みをお話ししました。
ではまた。


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  1. 2022/02/18(金) 12:30:00|
  2. 鉄道模型(車両)
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もう一度、飯田線に帰ろう。

こんばんは。しなのさかいです。




今年も鉄道に関係するニュースが多い季節となりました。
営業運転を開始する新車があり、その一方で消えていく車両もあり…
この動きに合わせて、模型の世界でもメーカーやユーザーが企みごとをして右往左往、となる訳です(^^)

とまぁ、車両の話題があることは例年どおりなんですけど、その中に路線の存続に関する話題が混ざっていることは、近年では稀なことと受け止めています(ダイヤ改正とは無関係な、単なる偶然かもしれません)。
最近では北海道と新潟県で、JR線の一部区間の存廃に関係する具体的なニュースが飛び込んできました。


当方は存廃の是非について語ることができる程の知識を持ち合わせていませんので、この点に触れることはできません。
ただひとつ、存廃の是非の「考え方」のようなことでの発言をお許しいただけるのであれば、この国では1987年3月31日をもって鉄道を「公共」と捉える発想を棄てている、ということになります。
言うまでもなく、この国では鉄道に代わる「公共」は、とっくの昔に「道路」となっています。





民営化直後は気が付かなかったけれど、今振り返ってみると、もうそのときにこうなることは運命となっていた気がするのです。
JR北海道にいろいろとあった2010年代、前北海道知事は「JRはもっと経営努力を」という発言に終始していました。
そういうことなんですよね。



我々鉄道趣味人は、乗り鉄、撮り鉄、模型鉄などの活動をする上では鉄道に「公共」的な性質を必要としていないため、社会システムの仕組みによって消えていくモノゴトに対しては傍観するしかありません。

ただ、鉄道に「公共」が備わった様子を好んで趣味の対象とさせてもらっていたのではないかと、こんなことを今更ながらつくづく思います。

特に模型の場合はどうでしょう。
亜幹線の風景を「今」の視点で捉えれば、最新型のハイブリッド車などが走る姿が浮かびますが、その地域の公共として機能していたときは貨物列車も走っていたし、たまには都会から臨時列車の乗り入れもあったことでしょう。
普通列車だけを見ても、気動車の中に(通勤通学時間帯には)やや長めの客車列車も運行されていたはずです。
どちらを手元で再現すれば楽しいか、と言えばやっぱり後者かなぁ。





鉄道模型メーカーでもこのことを分かっているようで、カトーは「飯田線シリーズ」「氷河特急シリーズ」、トミーテックは「猫屋線シリーズ」で描き表している、と受け止めています。
それぞれに当該路線内で完結させられる世界観があり、逆に言えば路線外のその先を想像することはユーザーにとっても「そのまた次」のスピンオフな世界。
区切られた世界に、様々な役割を持った列車が進入(珍入?)してくる様子は、なんとなく舞台芸術を見ている感覚に近いのかもしれません。


当方にとっては「猫屋線シリーズ」は対象とするスケールの違いと架空性の高さから制約がなさ過ぎること、リアルな世界から制約を読み解く楽しみに欠けるため、趣味の対象外としています(ゴメンナサイ)。





一方で「氷河特急シリーズ」。
現在も展開が元気ですし、ほぼ追従して集めてきましたが、1月28日に発表されたポスターではコンテナ貨車だけの8両セットが予定されるということで、少し違和感が生まれました。

貨車を模型化するならば、これまでの客車たちにせいぜい2両程度の貨車をつなげて、日本の鉄道にはとっくに失われた混合列車のある風景をもっと強く押し出して欲しかったナ(公式HPの編成表には掲載されていますが)。

貨車も日本でも見るコンテナなどよりも原木をゴロンと積んだチキ風のやつ、とかの方がシリーズとして相応しかったかと。





で、「飯田線シリーズ」なのです。
まだまだ伊那地方の道路が整備されていなかった時代、貧弱な路線でも郵便物や貨物を走らせる必要があって、ときには普通列車だけでなく優等列車も入線してきた「公共」が失われていない頃の飯田線。
豊橋と辰野を上手と下手にした細長い舞台を用意して、以上のような様々な役者たちで演じる、まるで劇団一座のような仕掛けづくりができていました。





それだけでなく、今も沿線風景に大きな変化がないという事実を楽しめるように313系1700番台という車両も用意。
165系のフルリニューアルが「こまがね」「伊那」から実現したことも特筆しておかなければなりません。





昨年早々にED19のバリエーション展開がありましたが、「あれもやるのか」と言えるような新展開は119系以降パッタリと途絶えています。
カトーの中でどのような整理があるのか、その辺はユーザーに分かるはずもありませんが、このテーマが従来とは違う扱いとなっていることは、ラインナップの展開が消えかけている事実からほぼ明らかでしょう。





撮影をされている方々にお聞きすると、カメラの高性能化とは逆行して年々撮る対象が少なくなっていて、あったとしても同好者が殺到するとか、そもそも一昔前から見れば本当に「撮る対象」なのかすら疑わしい、ということを言われます。

「飢餓感」と言えばオーバーですけど、現実世界を対象とする限り、そこまで切迫しているということなのでは。
動画方面では独特なキリトリ方で、リアルに今見える対象を掘り下げる技術を持つ方々もいらっしゃいますが、やはり一般的には難しい作業と言えるでしょう。





以前にも書きましたとおり、幸いにも模型趣味に限っては時空を行ったり来たりすることができてしまいます。
このメリットをイカすかコロすかは、趣味に関わる全ての人々次第かと。
でも、上流におられる方々には特によろしくお願いしたいところですね。





2016年9月25日 第56回全日本模型ホビーショーにて

もう一度、飯田線に帰ろう。
今年こそシリーズの再展開がありますように。


ではまた。


  1. 2022/02/11(金) 19:30:00|
  2. 鉄道模型(車両)
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KATO 117系 JR東海色

こんばんは。しなのさかいです。




2月になりました。

この時期は年末年始の反動からなのか、1年のうちで最も消費が冷え込むようで、世間も受験を控えていたりしてお祭りムードなどは皆無。
毎日を同じように、黙々と過ごしています。

文字どおりに「春を待つ」気分と言いたいところですが、“6回目の波”によってその春も「春」と言えるのかどうかすら再び怪しくなってきました。
何か楽しいことを見つけなければダメになってしまいそうです。





今回は、カトーが1月27日に出荷した新製品、117系 JR東海色についてです。

2020年5月に発売した関西向け新快速の117系のバリエーションで、その翌月に発売されたトミックス製品のその後と比較すると、ややゆっくりめの展開となりました。

今回の当方の選択は10-1709「4両セットA」と10-1710「4両セットB」の組み合わせ。
1990年代に「18キッパー」として乗り歩いた頃の「懐かしい」車両として、JR東海色の8連を手元に再現できればそれで良いと考えていたので、特別企画品となる10-1711は見送りです(今のところ)。
375Mの終点・大垣駅で乗り継いだ、さらに西へ運んでくれる車両はコイツでした。

お店で見ていると当方とは逆の選択をされる方もいらっしゃり、今回の117系の受け止め方は様々なようです。





目玉は間違いなく、一段下降窓となったモデルチェンジ車の登場でしょう。
昨年、トミックスも0番代の発売から1年ちょっとというタイミングで6両編成の100番台を製品化しましたから、どちらのメーカーも117系の製品化にあたっては0番代だけでなく、このモデルチェンジ車までを視野に入れていた、と言って良さそう。





当然ながら、標記類や靴ずりもしっかりとカトーの標準仕様として印刷されていて、ユーザーがセットアップのために手を動かすことはジャンパ栓パーツをランナーから切り離して差し込むくらいでした。

異なる台車同士の並びも、この編成の出自を物語っていると捉えることができますし、グレーの台車はその差異を良く表していて好都合。





乗務員室へ上がるための梯子はありませんので(念のため)。
でも、これでいいんだと思います。
ATS標記も、位置を示す「①」マークも印刷済。





新快速の0番台は1セットのみの導入でしたので、117系の先頭部が向かい合わせになるシーンは当方としては初演出です。
増結用に付属する521系のカプラーと専用スカートに交換する手間は生まれますけど、車両間隔はTNカプラーのそれと比べても負けていないくらいにリアル。
連結させるときにステップ同士を押し当てて変形させないように注意する必要はあるかもしれません。
AセットとBセットの選択で、こうして同じオレンジカラーでの併結を楽しむことができます。


列車無線アンテナは0番台と100番台とでキチンと区別されて取付(表現)済。
最近はこの「済」という措置に飢えていたので、今回は何度でも言いますョ。





それでは久しぶりに、ひとり運転会の様子を御覧いただきます。




トミックスの373系と並べてみました。
このオレンジ帯の車両の模型も、再生産するたびにちゃんと店頭から消えてなくなるという不思議なアイテム。
JR東海の在来線車両はなんだかんだで意外と需要があるんですね(でもそろそろお腹いっぱいです)。





神出鬼没だった371系とのすれ違いも模型で再現。
お互いに「場違い」な中央西線でのアルバイト?





313系「セントラルライナー」との共演でおしまい。
東海道本線を走るイメージよりも、ナイスなホリデーに中央西線の山の中を走る姿の方が好みかもしれません。
東濃地方、行けてないなぁ。



⬜︎ ⬜︎ ⬜︎





特急「東海」発車!
てなところで今回のエンディングです。


311系や313系が主役として君臨してきた民営化直後から、ひたすら脇役に徹してきた感のあるJR東海の117系。
このような編成が生まれた背景は過去に語りましたのでそちらを参照していただくとして、カトーとしては117系でどんな風景を演出しようとしたのか、その辺は少々謎です。

その謎が解けない中で、今回もまた特別企画品も上乗せして同時に発売するという財布泣かせな企画となっていまして、全16両を買うことはコアな117系ファンでないとなかなか辛い。
結局のところ、3セットも買えないので、取捨選択を余儀なくされました。

少々背伸びをするのなら、特別企画品と、その中のリバイバルカラー編成と同様にクハ116-200が入る4両セットAを買い求めてJR東海色のみの8連も再現できるように保険を掛けておく…という選択が堅実なのでしょうが、それにしたって一気に12両の増備です。
せめて特別企画品は、タイミングを1年後くらいにずらして発売するなどの配慮をしていただきたかったですね。
N700Sは「発売時期を分散させた」とはいえ、2か月連続ですから(新幹線をやっている方は大変でしょう)。
こうしたスパルタンな傾向は2017年の「碓氷峠シリーズ」から強くなった気がしています。





とはいえ、カトーらしい「READY TO RUN」な製品であり、現にこうして買ってきたその日の夜には自宅のレイアウトを元気よく駆け回っています。
当方にとってはこの営みが心地よく、生活のリズムにも合っているみたい。

そして、お店から引き取るときもほとんど不具合などは見られず、安心して持ち帰ることができました。
コレ、お店との信頼関係を壊さないで済む点でも本当に大切なことなんですよね。


TNカプラー、運番表示器の点灯などで細かいディテールも再現しようとしているけどインレタ作業はマストなトミックスの作り方が好みか。
トミックスと比べるとやや大味ながら標記類の印刷は済んでいるし、シールも付属させるカトーの作り方の方がイイか。

競作が頻発している近郊形電車については、両メーカーの製品化思想(のようなもの)への支持でユーザーの食指の伸び方が明確に分かれつつあるようです。
だからソコソコ売れるし、そんなには売れない、のかな?
難しいですね。


ではまた。

  1. 2022/02/01(火) 17:20:00|
  2. 鉄道模型(車両)
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