しなのさかいの駅前広場

ユートピアもモーターなしのままでしょうね

もう一度、飯田線に帰ろう。

こんばんは。しなのさかいです。




今年も鉄道に関係するニュースが多い季節となりました。
営業運転を開始する新車があり、その一方で消えていく車両もあり…
この動きに合わせて、模型の世界でもメーカーやユーザーが企みごとをして右往左往、となる訳です(^^)

とまぁ、車両の話題があることは例年どおりなんですけど、その中に路線の存続に関する話題が混ざっていることは、近年では稀なことと受け止めています(ダイヤ改正とは無関係な、単なる偶然かもしれません)。
最近では北海道と新潟県で、JR線の一部区間の存廃に関係する具体的なニュースが飛び込んできました。


当方は存廃の是非について語ることができる程の知識を持ち合わせていませんので、この点に触れることはできません。
ただひとつ、存廃の是非の「考え方」のようなことでの発言をお許しいただけるのであれば、この国では1987年3月31日をもって鉄道を「公共」と捉える発想を棄てている、ということになります。
言うまでもなく、この国では鉄道に代わる「公共」は、とっくの昔に「道路」となっています。





民営化直後は気が付かなかったけれど、今振り返ってみると、もうそのときにこうなることは運命となっていた気がするのです。
JR北海道にいろいろとあった2010年代、前北海道知事は「JRはもっと経営努力を」という発言に終始していました。
そういうことなんですよね。



我々鉄道趣味人は、乗り鉄、撮り鉄、模型鉄などの活動をする上では鉄道に「公共」的な性質を必要としていないため、社会システムの仕組みによって消えていくモノゴトに対しては傍観するしかありません。

ただ、鉄道に「公共」が備わった様子を好んで趣味の対象とさせてもらっていたのではないかと、こんなことを今更ながらつくづく思います。

特に模型の場合はどうでしょう。
亜幹線の風景を「今」の視点で捉えれば、最新型のハイブリッド車などが走る姿が浮かびますが、その地域の公共として機能していたときは貨物列車も走っていたし、たまには都会から臨時列車の乗り入れもあったことでしょう。
普通列車だけを見ても、気動車の中に(通勤通学時間帯には)やや長めの客車列車も運行されていたはずです。
どちらを手元で再現すれば楽しいか、と言えばやっぱり後者かなぁ。





鉄道模型メーカーでもこのことを分かっているようで、カトーは「飯田線シリーズ」「氷河特急シリーズ」、トミーテックは「猫屋線シリーズ」で描き表している、と受け止めています。
それぞれに当該路線内で完結させられる世界観があり、逆に言えば路線外のその先を想像することはユーザーにとっても「そのまた次」のスピンオフな世界。
区切られた世界に、様々な役割を持った列車が進入(珍入?)してくる様子は、なんとなく舞台芸術を見ている感覚に近いのかもしれません。


当方にとっては「猫屋線シリーズ」は対象とするスケールの違いと架空性の高さから制約がなさ過ぎること、リアルな世界から制約を読み解く楽しみに欠けるため、趣味の対象外としています(ゴメンナサイ)。





一方で「氷河特急シリーズ」。
現在も展開が元気ですし、ほぼ追従して集めてきましたが、1月28日に発表されたポスターではコンテナ貨車だけの8両セットが予定されるということで、少し違和感が生まれました。

貨車を模型化するならば、これまでの客車たちにせいぜい2両程度の貨車をつなげて、日本の鉄道にはとっくに失われた混合列車のある風景をもっと強く押し出して欲しかったナ(公式HPの編成表には掲載されていますが)。

貨車も日本でも見るコンテナなどよりも原木をゴロンと積んだチキ風のやつ、とかの方がシリーズとして相応しかったかと。





で、「飯田線シリーズ」なのです。
まだまだ伊那地方の道路が整備されていなかった時代、貧弱な路線でも郵便物や貨物を走らせる必要があって、ときには普通列車だけでなく優等列車も入線してきた「公共」が失われていない頃の飯田線。
豊橋と辰野を上手と下手にした細長い舞台を用意して、以上のような様々な役者たちで演じる、まるで劇団一座のような仕掛けづくりができていました。





それだけでなく、今も沿線風景に大きな変化がないという事実を楽しめるように313系1700番台という車両も用意。
165系のフルリニューアルが「こまがね」「伊那」から実現したことも特筆しておかなければなりません。





昨年早々にED19のバリエーション展開がありましたが、「あれもやるのか」と言えるような新展開は119系以降パッタリと途絶えています。
カトーの中でどのような整理があるのか、その辺はユーザーに分かるはずもありませんが、このテーマが従来とは違う扱いとなっていることは、ラインナップの展開が消えかけている事実からほぼ明らかでしょう。





撮影をされている方々にお聞きすると、カメラの高性能化とは逆行して年々撮る対象が少なくなっていて、あったとしても同好者が殺到するとか、そもそも一昔前から見れば本当に「撮る対象」なのかすら疑わしい、ということを言われます。

「飢餓感」と言えばオーバーですけど、現実世界を対象とする限り、そこまで切迫しているということなのでは。
動画方面では独特なキリトリ方で、リアルに今見える対象を掘り下げる技術を持つ方々もいらっしゃいますが、やはり一般的には難しい作業と言えるでしょう。





以前にも書きましたとおり、幸いにも模型趣味に限っては時空を行ったり来たりすることができてしまいます。
このメリットをイカすかコロすかは、趣味に関わる全ての人々次第かと。
でも、上流におられる方々には特によろしくお願いしたいところですね。





2016年9月25日 第56回全日本模型ホビーショーにて

もう一度、飯田線に帰ろう。
今年こそシリーズの再展開がありますように。


ではまた。


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  1. 2022/02/11(金) 19:30:00|
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