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スカ色がたくさんやってくる月末

KATO 787系「つばめ」2022年版(その1)

こんばんは。しなのさかいです。




3月になりました。

休日の午後、相変わらず森を抜けながら模型活動を続けているんです、が…
間違いなく世界史に刻まれる大事件が起きてしまい、頭がフラついています。
大震災の後に例の大運動会の開催が決まり、その開催直前に世界的な大厄災が起きて、今度はまるで20世紀へ戻ったような侵略戦争の勃発です。

常に気が重くなる“何か”が存在し続ける10年間。
まだまだ何かが続きそうな気配を感じています。





この度、カトーの787系「つばめ」がリニューアルを経て手元に戻ってきました。
「戻ってきた」という表現はお察しのとおりでして、古い「つばめ」は数年前に手もとから飛び立っていったからなのです。

この辺の事情は、約30年に及ぶカトー製787系の歴史を振り返りながら説明しましょう。
御存知の方にはスルーしていただくとして、この場で簡単におさらいをしておきます。


***


1993年
10-320 787系〈つばめ〉7両基本セット
10-321 787系〈つばめ〉2両増結セット

2005年
10-237 787系〈リレーつばめ〉7両セット

2011年
10-590 787系〈アラウンド・ザ・九州〉6両セット

2019年
10-1541 787系〈アラウンド・ザ・九州〉7両セット
10-1542 787系〈アラウンド・ザ・九州〉4両セット
4245-3 サハ787-100〈アラウンド・ザ・九州〉

2022年
10-1615 787系「つばめ」9両セット


***



初登場となった1993年は、カトーの編成モノ新製品が1年間でせいぜい2種程度しかお目見えしないという、今から見れば大変穏やかな時代でした。
そんな中で、実車のデビューから間もない787系を製品化したことになりますから、当時のカトーとしてはこの形式に何かを見た、ということだったのでしょう。
初回品に実車のパンフレットが付属していたことも特筆すべき点です。
まだまだカトーがトレンディでトラディショナルな頃でした。

2005年の〈リレー〉では、後に実車の「つばめ」のクモロ及びクモハに取り付けられた手すり類のパーツが追加されました。
また、1993年時には施されなかったライト部分にカバーが取り付けられ、フロントマスクがより787系らしい精悍な顔つきに変身したことが大きかったと記憶しています。
これは2001年の年末アイテムだった883系で既に採用されていた措置なので、予想できることでもありました。
この「つばめリレーレンズカバー」、10-320に取り付けられないというオチは既にお話ししましたね。

その後、実車の汎用化に伴って模型でも2011年に〈アラウンド〉化が行われました。
10-590は基本的に10-237の仕様のままのリデコ品でして、その後、2017年に再生産されるまでの間は中古市場で結構な価格になっていましたっけ。
そのときの再生産で喜んで買われた方も多かったと思われる中、その僅か2年後には旧製品化してしまうという非情な出来事がありまして、西落合のスパルタンぶりに恐ろしさを感じたものです。
ちなみにどちらも同じ〈アラウンド〉なんですけど、色調が異なっていたことも付言しておきます。

当方は2019年の〈アラウンド〉の発売をもって、それよりも前の787系を全て処分してしまいました。





今回の「つばめ」は初回品のリニューアル、とも言えますが、実は単純にそうではなく、現実世界で1994(平成6)年7月1日から実施されたサハシ787の位置変更(3号車→5号車)後の編成。
1999(平成11)年3月13日のダイヤ改正で9両から7両に減車されるまでの間の、一番華やかな頃の姿という捉え方でおおむね間違っていないようです。





また、デビュー時から少し遅れて増備されたモハ786 200番台が含まれています(と言っても車番印刷をそうしただけ?)
“2次車グループ”に当たる200番台と300番台が登場した経緯もいろいろあるようですので、各員一層奮励努力して調べてみてください(^^)

メーカーHPには「鹿児島運転所所属のBK3編成、平成6年(1994)頃の前面手スリ増設後、サハシ787が3号車から5号車に位置変更された姿がプロトタイプ」と記載されています。





実は、2019年11月に〈アラウンド〉のリニューアル仕様が発売されたときに触れるべきだった点がまだありまして、それはスカートの取付方法の変更です。

それまでは床下パーツに引っ掛けてボディへはめ込む仕様となっていましたが、室内灯を取り付けるときにこの引っ掛ける部分をよく破断させてしまい、ヘビーユーザーとしては困っていたのでした。

御覧いただいている二つのうちの奥側が手元にASSYパーツだけが残った10-590のスカート、手前側が今回のものです。





前回の〈アラウンド〉から、ダミーカプラーの下にはめ込んでスカートをぶら下げる仕様となったので、以前よりも床下とボディの取り外しは安心してできるようになりました。
こういう実用面を考えた上での仕様変更はありがたいですね。





もちろん車番は印刷済。
JR九州独特の、仮名と数字を四角く囲って目立たなくする方法はおそらくインレタには不向きで、転写圧が強いとすぐに四角がグニャグニャに変形してしまいます(検査標記インレタでよく失敗します)。
トミックスで787系をやるならば、インレタをどうするか、という大きな関門が控えているのでしょう。

この珍しい形式・車番表示は、確かデザイナーの水戸岡氏が、ボディへの仮名文字表標記が全体的に合わないことを悩んだ末に「文字を一つずつ四角く囲んでデザインに取り込む」と仰っていたと記憶しています(間違っていたらゴメンナサイ)。





シールには「TSUBAME」のロゴが描かれたバイザーも含まれるようになりました。
ただ、運転中は跳ね上げてしまうことが多かったようで、正面から下げたように見える画像はなかなか少ないようです。





もう少し続けます。


(その2・完へつづく)





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  1. 2022/03/03(木) 19:30:00|
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