しなのさかいの駅前広場

スカ色がたくさんやってくる月末

KATO 20系寝台特急「あさかぜ」(初期編成)

おはようございます。しなのさかいです。




GW後半の関東平野は比較的さわやかな空気に覆われたようで、隣町にある公営公園はいわゆる「自然観察型」であるからなのか、来場者がとても少なく見えました。

芝生の上にシートを敷いてのんびりと過ごすことができてしまい、渋滞情報とは無縁な、時間を使う上ではなんだか得した気分になりましたね。

テントの類も一切設営が禁止されているようで、見回りの人が注意している場面もチラホラ。
流行りのアウトドアスタイルを実践できない点も来場者が少ない理由の一つなのかもしれません。

こーゆーところ、わざわざ遠くに行かなくても、意外と至近距離にあるものなのです。





久しぶりにレイアウトの上で列車を走らせた、という、ごく普通の話題になりますので御容赦ください。

今回の主役となる列車は、先月末にカトーから発売されたEF60 500、EF61(茶)、そして20系「あさかぜ」(初期編成)。
予約していたので、迷うことなく早々にお店から持ち帰っていたのでした。

ポスター発表時に概ね企画化を歓迎していたところで、持ち帰ってみた後の感想も満足できるレベルだったところは大事。
品質としての「ハズレ」はまずないカトーの電気機関車、そして20系客車ですから。
ギャンブル性のない買い物、最近少なくなりました。





今回の20系「あさかぜ」は1963(昭和38)年頃の編成とされていて、「走るホテル」と持ち上げられてから約5年の時間が経過した、少し変化を経た姿となります。

ビジネスマンの出張旅費の都合から連結されていた3等座席車(ナハフ20とナハ20)が編成端に見られる列車…という点が、旧型客車による長距離優等列車の名残り。
座席車の寝台車化改造は1964(昭和39)年からとなります。

ナハフ20とナハ20はファンから敬遠される傾向もあるようですけど、当方は小窓が並んだブルーの客車が大好物です。





そのナハフ20とナハ20は、今回の製品のために新しい金型が起こされたようで、非常口が落下式から外開き式に改められたボディとなりました。
1960(昭和35)年に20系に置き換えられた「はやぶさ」用の新製客車から外開き式に改められ、先行していた「あさかぜ」用の客車にも同様の改造が施されたんだそうです。

「落下式」と言っても、車両の内側(通路側)に落ちるというものだったそうですので、割れるようなリスクはあまりなかったのかナ。





念のため、過去のカトー製ナハフ20を見ておきましょうか。

一番下が10-368「20系 初期『あさかぜ』」のナハフ20。
真ん中が10-367「20系〈さくら〉」のナハフ20で、2010年頃に改修されたボディ。
一番上が10-1518「20系『ゆうづる・はくつる』」のナハフ20。

上の二つはボディが同じもののようで、洗面所寄りの窓をよく見ると外開き式の非常口となっています。
今回の「あさかぜ」は落下式からの改造によるものなので、新製時に設けられたこれらのナハフ20とは扉の位置が違う…ということなのでしょうね。
車番もそれを示唆しています(一番上が5、真ん中が53)。

初期「あさかぜ」のナハフ20は外観からでは見分けがつかないので、これこそが落下式のボディと言って良いようです。

それから、初期「あさかぜ」に含まれていたマニ20は全長17m・3t積みという小柄な電源荷物車だったので、東京から輸送する新聞の量が増えると5t積みのカニ21という新形式が必要となりました。
寝台特急に別の使命が備わり、それが本格化した時代を振り返ることもアリですね。





茶色いEF61から、青いEF60 500へ牽引機交代。

どちらも安定した品質により安心して買えるカトーの電気機関車ではありますが、ヘッドマークをランナーから切り離すときのゲート跡が上手く処理できません。
どうも、切り離したランナーがヘッドマークの周りの(厚い)塗膜まで余計に連れて行ってしまうようなのです。

それ故に今回もGMカラーの白3号でタッチアップしました。
丸い輪郭は成形処理のみで成立するようにしてもらえると助かりますね。





EF65 500のようで、でもよく見るとライトが1灯で「あれ、60じゃん」と気づく。
この違和感が楽しい。

パンタグラフ付のカニ22が入った「さくら」ととも1999年に製品化されたカトーのEF60も、ついに適正なサイズに補正されました。
2008年のEF65のフルリニューアルに遅れること約15年。



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今回のまとめです。

我が国における鉄道輸送が最も華やかな頃の20系「あさかぜ」とその牽引機たち。
この列車も1/150の世界で残さなければならない対象だったと言って良いでしょう。

しかし、あえてセットの購入は見送って、ASSYパーツ組立品での数両導入で済ませてしまった方々も多いようです。
2015年発売の“殿様編成”を再活用して…という狙いもあるのなら仕方ないことでしょうか。

当方も初期あさかぜと殿様あさかぜを持つ身なので、今回のセットを導入すれば3本目の20系「あさかぜ」になってしまう訳で、増やし方を抑制するためにASSYパーツだけで済まそうとする考えにも理解する部分があります。

ただ、1958年の姿と1972年の姿とでは、同じ20系の編成と言えども変化が大きく、その間に位置するはずの今回の編成を導入することで20系「あさかぜ」の変遷を比較することもできそう。
あえてそう捉えてみることとしました。

そしてまた、繰り返しになりますが、安心して買える品質を想定して…ということもありました。
カトーの20系客車に対しては、中毒症状とも言えそうな(?)塗装質感へのリスペクトが当方の中にありまして。
少なくとも、この客車たちが座布団式のインレタの対象となることは想像できへん(笑)

ちょっと紛らわしかった点は「初期」というサブタイトルが今回また使われたことですかね。
「初期あさかぜ」を持つ者としては、今回が「初期」とはどうしても思えず…
「トイレ設置車」「小窓あり」などのときもそうで、もう少し買う側の気分が高揚する、刺激されるようなネーミングは採用できなかったものかと思っちゃう訳です。
こんな点も商品価値に影響するんじゃないでしょうか。





10-1591のときに「20系客車」というシリーズが記号的に、編成をユーザー任せにする傾向が見え始めましたけど、やっぱり20系はネームドセットにしてもらうと買う楽しみが倍増します。

この傾向で、今度はナハ21を含む急行「だいせん」をやってもらいたいですね。

ではまた。

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  1. 2022/05/07(土) 09:20:00|
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