しなのさかいの駅前広場

みんな考え始めているようです。いろいろと。

漆久保トンネルを目指して

こんばんは、しなのさかいです。


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安曇野の風景2012夏


松屋銀座に行った後は、早々と夏休みをいただいてしまいました。
職場のみなさん、ごちそうさまでした。

おおざっぱに言いますと、松本(泊)~安曇野(泊)~糸魚川(泊)~直江津~湯田中(泊)というコースです。
ひさしぶりにたくさん運転しました。

いつも当ブログをご覧いただいている方々はお気づきかもしれません。
このコースの中にはツアー主催者である当方の鉄分補給スポットが数か所しこまれている訳です。
今回は、その結果報告です。



まずは1か所目。
道の駅「さかきた」に寄ることを口実に、篠ノ井線の撮影場所へ。



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踏切に立ったら松本方から突然来ました。
あいかわらずのヒドイ写真ですみません。
運転士さんがマスクをしていることは確認できる訳です。



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時刻表で調べたとおり。
今度は長野方からやってきました。
383系の貫通型の方です。



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目の前を通り過ぎて、松本方面へ。
特に減速もしないで山を登っていきました。
こうして見ると、383系も山岳用車両なのですね。

30分ほどで撤収。
道の駅「さかきた」は、ほとんどトイレと駐車場という状態でしたので、野菜の直売を期待していた女房にニラまれましたとさ。
おしまい。



2か所目は、篠ノ井線の廃線跡。
明科~西条間は1988年に新線に切り替えられ、一部が放棄されました。
その後は当然に、荒廃の年月を重ねることとなるのですが、最近になって安曇野市がウォーキングコースとして整備。
これまでわが家の安曇野訪問はいつも真冬だったので、訪問することもできませんでした。
この真夏のタイミングを逃す訳にはいきません。



旧第2白坂トンネルの松本方に、広くて粗末なジャリ駐があるので、そこに車を停めて、徒歩で出発。
ほかに駐車してある車はなし。
だれも歩いていないのですなあ。主催者としてはこの時点で期待が不安に。


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コースに入るとすぐ、比較的あたらしいPC製の架線柱が、不気味なオブジェのように何本も現れます。
この線路跡の下には国道403号線が並走していますので、わずかですが走行音も。
なので、山奥でも遭難した気分にはなりませんでした。



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20分くらい歩くと、目的のトンネル出現。
漆久保(うるしゃくぼ)トンネルと言います。



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レンガ造りの坑門は、いつもそのカラーの複雑さに驚かされます。
真上の木々は、廃止された後の年月をあらわしているのかな。



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白い色が入っています。
何かが石灰化したのでしょうか。
模型作りの参考になります。



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松本方の坑門です。
意外にもデザインは同じのようです。



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漆久保トンネルの松本方、さらに先には三五山トンネルがあるのです。
が、道のりが長く、7歳のチビには無理。
残念ですがここで引き返します。



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塩尻起点33キロポスト、だと思われます。
廃止前のデータでは、明科駅が28.2キロ地点で、西条駅が37.9キロ地点。
歩いた場所は、両駅の間にありますので、たぶん間違いありません。
風化しても黒い数字がくっきりと残っていました。



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潮沢信号場跡に近づくと、このような擁壁があらわれます。
重厚な作り。
現役当時、やはりこの上に木々は無かったようです。
そもそも西日でこんな日陰なんてできなかったんでしょうね。



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まぎれもなく(?)潮沢信号場でした。
EF64や165系、パノラマエクスプレスアルプスが行ったり来たりしたスイッチバックの場所なんですが、信じられないほど、まわりの木々が生い茂っています。
地面も多少盛り土が行われたのか、突っ込み線などがはっきりしなくて残念でした。



*      *      *



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こんな青空と架線柱の景色が、この廃線跡のイメージかと。
うーん、実にシュールです。
車に戻ってから国道403号線を明科へ走りましたが、延々とこの架線柱が続いているようでした。
この柱が立っている限り、ここに線路があったということは半永久的に示されます。
無数の架線柱が立ったまま地面が自然に帰る姿というのも、少々見てみたい気がします。


駐車場から漆久保トンネルまで、トンネルの松本方で休憩をはさんで、往復1時間半くらいの散策でした。
「山の中なので涼しいよ」とそそのかして家族を歩かせたのですけど、独特の景観と思いのほかの蒸し暑さで、主催した当方も苦戦。
娘二人は、足元にまとわりつく虫に悲鳴をあげ続け、その声が常に山中に響くという始末でした。
それだけ娘たちには、夏休みの思い出としては強烈なインパクトだったようです。
当方としては、満足です(笑)
体験型の観光地が流行っていますので、これもまあ、そのひとつということで許してほしいですね。

ではまた。













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  1. 2012/08/10(金) 23:24:27|
  2. 駅ノート
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<興味深いカトー 丸ノ内線300形 | ホーム | 銀座松屋>>

コメント

家族サービスの中に最初は、コッソリ…回を重ねるうちに…鉄分の世界に引き込み成功!でしょうか?
安曇野市の試みは、面白いですね
シュールな抗門にニヤニヤ⁉
抗門フェチに…(失礼)
そのうちにレイアウトに廃線跡が出来ているかもしれませんね
  1. 2012/08/12(日) 22:12:00 |
  2. URL |
  3. 線路際の住民 #-
  4. [ 編集 ]

今回も家族サービスとこっそりと「鉄分補給」の両立まことにお見事です。

こっそりと「鉄分補給」と言っても奥様にはバレバレでしょうが、そこはしなのさかいさんの奥様のことですからしっかりと織り込み済みのはずですね。

お子様たちも毎年の事で「鉄分補給」も結構楽しみにているのでは?
  1. 2012/08/13(月) 19:38:46 |
  2. URL |
  3. 北の扇形庫から #Wd3nJgFU
  4. [ 編集 ]

線路際の住民さん

肛門、いや坑門フェチにはなってますね、もう(笑)
100年経ったレンガの色がまた芸術なのです。
以前ご紹介した大日影トンネルが、内部の変位の関係で立ち入り禁止になってしまい残念に思っていましたが、こうして安曇野市が積極的にウォーキングコースとして整備されたことは、たいへん頼もしく思えてしまうのでした。
  1. 2012/08/14(火) 23:02:45 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

北の扇形庫からさん

娘たちがどう思っているか、ホントのところはよくわかりまへん(爆)
下の娘は「つまらなかった」と容赦なくストレートな球を投げてきますし、上の娘は「楽しかったよ」とこれまた消える魔球を投げてきて…。
いずれにしても記憶に残る経験であれば、連れて行った甲斐がある、と思うことにしています。
ひたすらにそれだけを期待したいです。
次は狩勝峠かな(それはないない)
  1. 2012/08/14(火) 23:06:41 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

レンガトンネル♪

隠密です。
これは反応しないわけにはいかない記事です(^^;

篠ノ井線の旧線、存在は知っていましたが、遊歩道化されていたのは知りませんでした(^^;
かつてテレビで紹介された時はトンネルが閉塞されていましたが…。

おそらく、うちから2時間程度で行けそうなので、ぜひとも行ってみたいです(^^)

さて、このトンネルですが、当時の標準的な様式ですね。

資料によると篠ノ井線の着工は明治29年となっていますので、すでに開通していた碓氷線のトンネルと同じ断面が採用されたようです。

碓氷線タイプのトンネルは、それまでの標準とされていた東海道線タイプより高さがあるのが特徴でした。

写真を見る限り、もしかして開削工法で掘削されたトンネルのようです。

もう興味津々ンハンハです(^○^)

昭和63年まで使われていたということで、ここを381系も通っていたというコトですね。

潮沢信号所、地滑り危険箇所ということで、よう壁の補強がものものしいですね。
まだアースアンカー工法がなかった時代、この重力式コンクリートよう壁は飯山線の旧線でも見ることができます。

写真を見ているだけでも当時の保線区の苦労が見えてきます…。
  1. 2012/08/15(水) 21:53:09 |
  2. URL |
  3. 隠密 #oKzxZbq2
  4. [ 編集 ]

オープンカット

隠密さん

いやー、こちらも次々と専門的な見識でご解説いただきありがとうございます。
漆久保トンネルですが、土被りが薄いなあとは思っていたところです(ホントに)。
しかし開削してトンネルを作るということまでは想像していませんでした(おそれいりました)。
潮沢信号場は木々の成長がいちじるしく、山側の擁壁までは確認できませんでした。
帰ってからいろいろと調べると、最後から3番目の写真の擁壁は、スイッチバック線の土留め擁壁だったのですね。擁壁の上が森林そのものでして、線路があったなど全然わかりませんでした。
それだけ潮沢信号場の全体がつかみにくくなっています。
せめて信号場事務所の基礎部だけでも見てみたかったのですけど。
いろいろ調べると、もっと見ておけばよかったと思えてしまう、安曇野のウォーキングコースです。
雪の季節になる前に、ぜひぜひ。
  1. 2012/08/15(水) 22:17:07 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

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