年末の旅、名古屋から伊那へ(その2)

2015-01-08 (Thu) 07:50
駅ノート 2
(その1からつづきます)


名古屋から本来の目的地、昼神温泉へ。
ここからは主に中央道での移動となります。
ただし、近所の量販店の名古屋店で12:30。
このまま直行すると若干早着となりそうなのです。
ここで機転を効かせまして、以前から気になっていたスポットに寄ることとしました。



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中央自動車道・神坂(みさか)PA。
名古屋方面からの上り線では、あの長大な恵那山トンネルの直前に位置しています。
そばコーナーがある程度の、ごく普通のパーキングエリアです。ここに寄りたかったのでした。



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高速バスの停留所があり、人間だったら外に出れます。
ただし、外に人の気配はありません。



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車を降りて確認。
停留所正面の法面にはイラストマップがありました。
ここから歩いて数分で、中山道・馬籠宿へ抜けられることがわかります。
高速のパーキングエリアから、あの「木曽路はすべて山…」と言われた宿場町へ、散歩がてらに行けるとはなんとも愉快です。
残酷にも、車内で口を開けて爆睡している3人を起こして歩き始めました。



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下り線からも跨道橋を渡ってトライ可能。
そして「まごめ宿」という脱力系の看板。
民家はポツポツと点在するだけ。
日本の原風景が広がっていました。



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神坂小中学校付近から振り返ると、中央道が見渡せました。登坂車線が続く区間であることからも、ここが山の斜面であることがわかります。
そしてまた、山の中にザクッと日本の大幹線が敷かれたことを感じさせてくれるビジュアル。

ところで。
2005年2月、ここは長野県木曽郡山口村から岐阜県中津川市になりました。
通常、県境は峠に存在するところ、旧山口村の北方、長野県内に馬籠峠があり、コミュニティとしては従来から岐阜県側に親和性を感じていたのだと聞いています。
また、歴史的な経緯もあるようです。
46年ぶりの自治体ごとの越県合併となりました。合併スケジュールとしてギリギリの頃、長野県知事が分離に後ろ向きになるなど、それなりの話題となっていたと記憶しています。



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さらに進んで振り返ると、正面の建物が神坂小中学校。
小中学校からイラストマップ上の「近道」となるコース、つまり一旦谷を降りて登ると、こういう景色が広がる訳です。
右手には中央道の高架橋が見えます。車はここからさらにグングンと高度を稼ぐこととなります。



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簡単に、とまでは言えませんでしたが、ちゃんと着きました。
15分くらいでしょうか。宿場町を併設したPAと言ってもいいくらいの時間でしょう。
スマートインター化の話題も無くはないみたいですが、やめた方がいいのかもしれません。
理由は言うまでもありません。



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馬籠宿は坂の途中の宿場町です。



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家屋の屋根も階段状に連なっています。



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ものすごいアップトリムを感じていただけたら幸いです。江戸を目指した昔の旅行者は、木曽路の険しさを目の前にして腹をくくったことでしょう。
鉄道の路線にもこうした新たな局面を迎える場所がありますよね。
中央線の勝沼とか、篠ノ井線の姨捨とか。



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中山道は手前奥へと続いて京都へ伸びていました。
道はV字状に落ち込んでいるので、景色が切れて見えます。
こんな写真を撮っていたら、欧州系のツーリストさん数人が、キャリーカートを引きながら(いや、押しながら)この坂を登って来ました。
どこかの宿に泊まるようです。やるなあ!
どうやって宿泊手配をしたのでしょう。口コミ?インターネット?
貴重な日本の滞在時間を、こうした風情のある場所で、ピンと張り詰めた寒い空気の中で過ごそうとした決断に、敬意を表したくなりました。
しかも年越しを絡めてのステイです。
誰よりも貴重な体験をしてお帰りになったことと推察しています。

かつての国鉄の「ディスカバージャパン」って、あるべき観光の真を突いた、今でも色褪せないキャンペーンだったと思うのですが、どうでしょうか。



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ここから眺める岐阜の風景は、自分にとってのごちそうです。
夕陽が見えれば、なおよし。
これで10回目くらいの馬籠でしたが、満足できました。
さて、恵那山トンネルを抜けて、伊那へ。


(その3へつづきます)
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