しなのさかいの駅前広場

覆い隠すアイデア

第55回全日本模型ホビーショー(その5・完)

(その4からつづく)


【カトー】

最後はやっぱりカトーです。


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房総半島を目指す列車たちが大集合。
昔のGMのカタログにも伊豆急行をテーマにした、こんなビジュアルがありました。
もうすぐ、これら全部がカトー製品で楽しめるようになります。



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その房総特急のメイン、255系がそろそろという感じになっていました。
ロゴマークも綺麗に印刷されそうです。
発売は11月。菜の花の季節はその頃でもやってきます。



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2003年末にマイクロエースが製品化してから11年。
既にラインナップされているE217系やE233系京葉線との繋がり・広がりを持たせる意味から、E257系500番台と共に企画したそうです。
JRの列車となると、フラッグシップ車両だけでも良さそうな私鉄とは違って、やはり面的な広がりが有効で、既存製品との相乗効果を生むということが期待できるのでしょう。
これは信州の車両などでも見られる展開です。

ついでにベストセレクションの113系横須賀色も売れそうですね(実はそろそろ買おうかなと思っています。なんてったってあのお手頃価格ですから)。



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クモハ12は下回りが実にいいなあと。
カプラー下のATS車上子が精密感を上げているんですよ。これは実際に手にしてからさらに感想を述べさせていただきます。
スカートがある車両ではないので、カプラー下はスカスカになりがちですが、ここにゴチャゴチャ感を持たせることでビジュアル的に退屈させない配慮のようにも見えます。



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101系は直近のセールスミーティングでも出て来なかったんでは。発売直前にして初お目見えです。
もちろん塗り替え品ですから、思っていたとおり、二代目(顔面修正後の)101系そのままの完成度。
房総半島だけでなく、1980年代の鶴見線も一気に手元に広がる訳です。



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EH200量産型は買い過ぎに注意ですよ(笑)
知ってしまうと歯がゆくて仕方がなかった「既存品は1号機」という事実ですが、この事実を乗り越えて待っていればこうやって製品化されるのです。
「あそこをあーすれば」「ボディさえ変えてくれれば」というアイテム、カトー製品にはまだ散見されますよね。
楽しみにしましょう。



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小田急3100形NSE・冷房増設。
こちらは延期もなく順当に発売できそうだとのことでした。



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(左)コキ200with日陸コンテナ
(右)アムフリート客車
アムフリート客車の台車に注目です。



ここで今年の年末のお楽しみについて。
C59と急行「安芸」は、早くもカニ38とマシ38のボディがお目見えとなりました。


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カニ38は、これでほぼ完了だそうです。
シャッターが5つ並ぶ外観が不気味(笑)
こんなのが出てくる世の中ですから、もうどんな客車が出てきても不思議じゃないですよね。
ぜひともマイフ97もお願いします。



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マシ38はまだ修正があるかも、だそうです。



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C59は下回りとナンバープレートのみ。
ナンバーのフォントは特に良かったですよ。4つとも桁数も同じですしね。

機関車と客車はこれから受注数が上がってくるそうで、いろいろと届いている声から推測すると、もしかしたら〈1967〉セットがおそろしい受注数になっている予感がするそうです。
「カニ38が何千個も日本中に散らばる事態はどう考えてもおかしいですよね」
そんなことをお聞きしまして、それ以来、想像してはひとり笑いしています(なかなか頭から消えません)。

カニ38だけの10両編成をやってみたかった気もしますよ。



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京浜急行2100系は、テストショットが無いかわりに、設計情報が多く開示されました。

その中で驚いたのが先頭部のワイパーカバーで「2100」の文字が掘り込み表現となり、ワイパーの根元がちゃんと隠れ気味になるように一段凹ませるというはなし。
それと、ライトユニットのケース(カバー)で消えてしまいがちな運転台すぐ後ろ。例のかぶりつき座席が再現されるということでした。

特別企画品は側面の幕を印刷ではなくシール対応とすることから(シールは特別企画品のみ)、凹みの深さとシールの厚みを考えて設計するとの情報もあり、カトーの年末アイテムにふさわしい楽しみがやってきそうです。
さて、どっちにしようか。まだ悩んでいます。

2100系のためのサウンドカードも、発売を年末に合わせる目標で、仮に間に合わなくとも、何か月も待たせるような話にはならない(正月明け?)とのことでした。



その他ですよ。

E233系のサウンドカードは、最終調整が終わったようです。静岡、松屋、コンテストとたびたび試させていただきましが、明らかにモーターとの同調精度が高くなっていて、家の中での電車ゴッコがやみつきになりそう。子どもウケはまちがいないでしょう。
もうすぐ発売したい(ホントにもうすぐ)とのお話でした。
このE233系のカード(フォーマット)の開発は手探りの状態で試行錯誤を繰り返してきたそうです。その代わり、今後の電車カードのリリースにはそれ程苦労はしなくて済むそうで、京急2100系のカードについても、そうした背景に基づいた「お待たせしません」というコメントのようでした。
E233系のカードと京急2100系のカードの発売のインターバルが、今後のサウンドカードの発売ペースとなるかもしれません。


今回もいろいろとお話を伺いました。
ありがとうございました…



□□□



会場を出て、ビッグサイト内のとある場所で謎の反省会をやりました。



「ホビーショー」というだけに、出展企業は「これを出したら買ってくれますか」というメッセージを発信し、来場者はその答えを考えるという構図。
これは互いに単純明快でわかりやすいキャッチボールのような作業です。

そして「見本」市ですから、出展企業によってはメッセージ力が弱い企画が多々ある訳で、プラモデルやラジコンだけでなく、鉄道模型においても各社を比較してみると、その辺りが伺えました。



鉄道模型市場でも「今、どんなものが話題なのか」というマーケティングがなされ、今こその注目アイテム、今見ることができるアイテムに視点を振り切っている企業(メーカー)があるようです。

しかし、撮影対象となる車両が次々と引退し、気がつけば高価なカメラとレンズだけが手元に残る時代が来るかもしれません。
乗り鉄にしても同じ。新幹線だけの瞬間移動で「旅と鉄道」を楽しむことができるのかどうか不安です。
トレンドだけに視点を合わせ続けていて、この先、鉄道趣味は「趣味」であり続けることができるのか。


繰り返しになりますが「鉄道の魅力」は、機関車が貨車を牽いたり、夜行列車があったりと、切迫した重い輸送使命があってこそ、です。
そのコアな部分は今もファンを魅きつけ続けているはず。
でも、残念ながら目に見える現実の世界では、そんな切迫感は感じられなくなってしまいました。

だからこそ、簡単に過去に戻ることができる鉄道模型趣味に限っては、もっと強烈なメッセージを含む企画でユーザーを誘導するくらいのことがあってもいい。
今では見えにくくなった過去の鉄道の風景は、単なるオジサンの回顧分野ではなく、レールでヒトやモノを運ぶ本来の機能が十分活かされた、今の若い世代でも魅力的な世界だと思うのです。

そうでなければ、緑のメーカーが次々とリリースする過去の列車・ゲテモノ車両の模型の売れ方は、説明がつきませんよね。
多くの鉄道模型ユーザーは、そんな魅力を肌感覚で理解し、そんな楽しさを実感できる模型をいつの間にか求めるようになっているのかも、と思いました。
もしこれが事実ならば、やはりニュース性のあるトレンドだけに注目した企画は、あまり支持されないでしょう。




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警備員さんに敬礼されながらコッソリとドアを抜けたら、すっかり夜。
昼に見た大勢の来場者は完全に消えていました。

9月末ですから、日中は暑くてもさすがにこの時間になると涼しくて、夜風が気持ちいいことこの上なし。
秋の気配を感じることができる、1年で一番過ごしやすい季節がやってきますね。

静岡から始まった今年の夏は、こうして有明の夜で終わりました。

ではまた。

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  1. 2015/09/30(水) 22:40:00|
  2. 鉄道模型イベント
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

レポート御礼

いつもながら模型雑誌の編集部顔負け、またはそれ以上のレポート・記事をありがとうございます。

Nゲージの業界のコトはあまり詳しくない私には知り得ない情報を持ち帰ってくる しなのさかい さんには脱帽です。

近年、KATOからは、「え~、これがKATOから発売(O.O;)(o。o;)」というアイテムがつぎつぎに送り出されていますね。
若いユーザーにも、中高年のユーザーにも受け入れられる企画、これはメーカーの経営姿勢の現れのひとつでしょうか。

昔々とは違い、何かとむずかしいユーザーが多くなった昨今、これに応え続けているKATOのすごさ、あらためて感じます。

企画力、品質管理、市場調査…、どこのメーカーもやっているのでしょうけど、やはりオール国産で進めているKATOの強みがありますね。

もうすぐ発売の鶴見線、楽しみです。

EH200、これは病気が出そうです、というか、とりあえず2両は予約しているあたり、すでに発症しているかも知れません(;^_^A
もとかすると、付属のナンバー分の両数を揃えてしまう可能性も…(;^_^A

カニ38、これがKATOからですか~…(;^_^A
私はこの車両の存在を知りませんでしたが、たしかに不気味です(;^_^A

旧客列車特定列車シリーズ、これからも目が離せませんね。

サウンドカード、E233系用はE257系にも使えそうですし、期待しています。
これを機会にいろいろな電車用カードが出てくることも期待しちゃいます。
  1. 2015/09/30(水) 23:06:35 |
  2. URL |
  3. 隠密 #oKzxZbq2
  4. [ 編集 ]

全日本模型ホビーショー参加お疲れ様でした

お早う御座います

ショー参加&レポート参加お疲れ様でした。

今回もフムフム感心させて頂きながら読ませて頂きました。

やはりKATOの人気&性能&信頼性などなど・・・業界No1だと。
最新車輌からカニ38のようなマニアックな車輌まで最新技術を注ぎ込んで意欲的に製品化するところは脱帽です。

今後も目が話せないメーカーですね!
  1. 2015/10/01(木) 07:26:27 |
  2. URL |
  3. 海山鉄 #-
  4. [ 編集 ]

謎の反省会まで お疲れ様でした
鉄道趣味を取り巻く環境の変化が、模型市場にどの様な影響を及ぼすのか? 興味深いですね。
さて 色々な試作品の展示がありました 前からカトーの輸出品に将来の国内向け製品応用出来そうな設計パーツや機能を入れ込んでいる事が多く アムフリートの試作品をジックリ眺めてしまいました。
年末商戦も 今のところカトー一強で終わりそうな勢いです こんな状態っていいのかな〜
  1. 2015/10/02(金) 07:07:28 |
  2. URL |
  3. 線路際の住民 #-
  4. [ 編集 ]

過去と現代をいったりきたり

隠密さん

EH200量産型、複数買いですね。買い過ぎに注意ってずいぶん前から言いましたよー(笑)
カトーの面白さは、現代と過去の「振り子」が効いていて、それなりにバランスがちょうどいいというか、過去のウエイトが大きいのがちょうどいいということです。50:50でやっても現代の方が銀色の車両ばかりとなり、あっさりした企画で続いてしまうからでしょう。
まだまだ信州は狙われそうですよ。互いに今から気を付けて仕分けをしておきましょうね。
  1. 2015/10/03(土) 10:08:28 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

来年も

海山鉄さん

カニ38と京急2100形を同時に進行させるメーカー。それだけでも幅広い層が期待しちゃうじゃないですか。すごいことですよ。
だから来年の今頃はマイフ97とE235系が同時に進むような気がするのです(ジョークです)
  1. 2015/10/03(土) 10:11:09 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

世界のおわり?

線路際の住民さん

カメラの方面もネガティブな声が上がり始めました。
ノストラダムス、ではありませんが「実車の世界」で生きる同業者の方々は決断のころなんだと思います。
年末の小売店、カトー製品の発売日しかお客が来なかったりすると大変ですよね。
だからなのか、トミックスの小田急4000形を非常食のようにごっそり仕入れて、年末まで売るものをもたせようとするお店もあるようです。みなさんいろいろ考えています。
  1. 2015/10/03(土) 10:16:24 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

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