こんにちは。しなのさかいです。

首都圏では、12月にならないと秋らしい色は見えてこないので、「もう冬かー」とか「もう年末かー」と思うタイミングで、色彩的に秋を楽しむこととなります。
空色は、桜色との組み合わせよりもこちらの黄色の方がより鮮やかだと思っています。
* * *
そんな季節に「巨石墜つ」という訃報に接しました。
このことは、ついに日本のNゲージの世界も、他の分野と同じように「原点」への回帰、振り返りが難しくなってしまったことを意味します。
原点など振り返らずとも革新的な方向へ進むのみ…。
そんな掛け声ほど怖いものはありません。なぜなら「破壊」しているだけの人も「創造」者に見えたりしますから。
そもそもこの趣味はどういう楽しみをもたらすのか…という思想的な回帰装置は「この世界のどこか」に持っていた方がいいに決まっている。
パイオニアを失ったNゲージの世界、特にそのパイオニアを擁していたカトーは、今まさにその岐路に立っていると思います。
紫色の新幹線、そんなことをやっていて大丈夫ですか?
* * *

カトーの80系が「飯田線」仕様としてリニューアルされました。
飯田線の旧国は今年の初夏のリリース(直行編成など)から途切れており、しばらくお休みが続いていました。
今回は横須賀色ではなくとも、紛れもなく飯田線の旧国電車です。
既に線路際の住民先生からのレポートがありますが、当方からも少しだけ感想などを。
よろしくお願いします。
さて、当方は「もう」旧製品を持っていません。
が、旧製品の不満点はいくつか記憶にあります。
◯ワイドビューな前面窓
◯おかしな前面運行番号表示窓
◯大きなテールライト
◯隠蔽力のないオレンジ色
などなど。

こうして先行したクモニ83103と比べると、統一された世界、同じ模型メーカーの車両だなと感じられますよね。
それにしても湘南顔は見ていて癒される、やさしい顔です。

運転台の秘密は様々な方々がレポートしています。
将来を思わせる準備工事が施されているみたいですが、その辺は見なかったことにしておきましょう。
当方は、今までに例を見ない立体的な運転席の表現に感心してしまいました。

こんな風に夜の走行シーンを、ほのかに明るくなる運転台と共に楽しめます。
室内灯は「旧国には」と当鉄道で決めているLED室内灯クリア電球色を組み込んでいますよ。

そして、クハ85100が登場。
旧製品の「晩年形」では300番台ということで、飯田線としては遊ぶにはピントがズレていたのでした。
こちらも運行番号表示窓の雰囲気が改善されていることがわかります。

そのクハとペアを組むモハ80には、クハ86と相対する妻面に貫通路閉塞板が。
当初の予定が変更され、ボディと一体成型となりました。
このことで通常のモハとは異なるモハの金型(妻面のみ?)が起こされたことになる訳で。
こういうところ、試験に出るでしょう。

増結させて、こんな不合理な連結面を楽しめるのは、この80系と157系くらいでしょうか。
これも魅力。

165系と同じように便所の臭気窓のHゴムが印刷されています。
それにしてもオレンジ色の発色がいいですね。
それでは寝る前の運転会です。

まずは工事中のカーブで。
どことなく遠慮しながらやってくるイメージのある80系(笑)

デッキガーターの上で増結編成を先頭に。

夜の駅で列車交換。
伊那谷の80系にはこんな寂しいシーンがよく似合います。
「模型に癒される」ということは、こういうことなのではないでしょうか。
職場の仲間に貸してもらったジャズのCDを聴きながら、頭の換気扇を回し続けました。
◻︎ ◻︎ ◻︎
1998年に発売された旧製品は、カトーの歴史からすればそんなに古い製品でもありません。
今やロングセラーとなっている現行の20系客車よりも「東海・比叡」セットの方が後年の発売なんです。
だから「やりなおす」と耳にしたときは驚きました(飲んでいたコーラがストローを介して逆流したような…)。
やはり似顔絵的に、それから塗装や印刷の質などが甘かったので「飯田線の顔」のバリエーションとしては認められなかったようです。
そういえばE231系でもそんなことがありました。

そう思えばカトーの「飯田線スピリッツ」はまだ健在で、今回が横須賀色の電車でなくとも安心していいのかもしれません。
とはいえ、横須賀色の旧国の製品化が途切れてしまうのは、ここまで連れてきてもらったユーザーとしては残念。
今後は、様々な「飯田線アイテム」と交互で横須賀色の電車も再開してもらいたいです。
ではまた。
(おまけコーナー)

スタ「ソ」ダードS…
今頃になって気づきました。
以前『VOW』で「ウルトラの父ずせ!」という破壊力のある誤植を見てからは、このフレーズが頭から消えなくなりました。
たぶん「だぜ」を「ずせ」としたんでしょうが、「ずせ」っていう言葉にも意味があるように感じてくるからおそろしい。
運悪く見つけてしまったので、これから死ぬまでは、このパワーパックを見るたびに心の中で「スタソダードS」とつぶやくことでしょう。
参りました。
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- 2016/12/06(火) 12:45:00|
- 鉄道模型(車両)
-
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-
| コメント:9
80系のリニューアルは、正直驚きました。
この正面窓を見たらワイドビュー80系は過去形に…
湘南顔の電車達シリーズの進化でしょうか。
幅広く活躍した電車なだけに飯田線だけで終わらないで欲しいですね
- 2016/12/06(火) 20:47:28 |
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- 線路際の住民 #-
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加藤祐治会長は以前、某松屋のショウで一度だけチラッとお見かけしたことがあります。ブースの横でちょこんと座っているのがとても印象的でした。
加藤氏がいなければ日本のNゲージは全く様相が異なっていた? といっても過言ではないでしょうね。ご冥福をお祈りいたします。
- 2016/12/07(水) 02:35:01 |
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- ムーンライトながら健壱 #-
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線路際の住民さん
ご覧のとおりこちらも導入しました。
顔の表情がよりハッキリしましたよね。だからいつまでも見てしまうのです。
この顔は使えそうです。横須賀色、湘南色とくれば、あとは…。
- 2016/12/07(水) 21:41:36 |
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- しなのさかい #-
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ムーンライトながら健壱さん
当方もファーストコンタクトは銀座松屋でした。
その頃はアナログの世界。業界の情報といえば月イチのTMSとか問屋から小売店に送られてくるFAXニュースで得るものだけでしたから、会長(当時は社長)を見つけたらもう「あ、いたぞー、あれだせやー」と怒鳴る人もいたりして、いろいろな意味で熱い時代でした。
「ブースの横でちょこんと座っている姿」というのは、そんな輩がいなくて子どもがキャハキャハしている時間帯だったのかも。そんなとき、何をお考えだったのでしょうか。今から思えば興味深い、ほのぼのとしたシーンです。
- 2016/12/07(水) 21:49:08 |
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- しなのさかい #-
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隠密です。
80系飯田線、導入おめでとうございます。
私も旧製品を一足早く中古市場に出し、新車を導入しました。
旧製品も良い製品だと思っていましたが、詳しい人から見ると、ココが違う、アソコが違うなど、いろいろ指摘点があったようですね。
80系湘南顔って、模型化するにあたり、とっても苦労すると聞いています。
昔々見た80系の記憶が薄れている昨今、ユーザーに「あ~、そうそう、こういう顔だった」と過去の記憶を蘇らせてくれるくらいのパワーが今回の新80系にはあるようですね。
昔々、カワイモデルがHOの80系を製品化していましたが、ミョーにタレ目に感じましたが、この湘南顔って、見る角度によって正面窓のタレ具合が変化するんですよね~。
ココが模型化の難しいところでしょうか…。
今回の新80系、実感目線で観察したり、ハイアングルで観察したりしましたが、納得の出来栄えだと感じました。
オレンジ色の発色、良いですね~。
何年か前に発売になった115系JR高崎車両センター4両セットでは、オレンジ色の隠ぺい力が弱く、下の緑色がほんのり見える場所があるなど、残念だと感じていましたが、新165系も新80系も安心の仕上がりですね。
スタソダード、よく気づきましたね…(;^_^A
この電源アダプター、チャイナ製だったんですね、知りませんでした(;^_^A
- 2016/12/08(木) 22:00:05 |
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- 隠密 #oKzxZbq2
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隠密さん
旧製品を放出し、新製品を導入する。そちらもそうしましたか。「共存できるかなあ」と思いながらも、いざ導入してみると結構な違いが気になり、「やっぱり共存は無理」と思うものです。コレクションの揃え方ってあるのでしょうね。
とにもかくにも「稼働する模型」だけを持って、すっきりと、さっぱりとしていたいですよね。オレンジ色の隠蔽力が弱い湘南色は、どうしても稼働が悪くなります(笑)
- 2016/12/10(土) 18:06:56 |
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- しなのさかい #-
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こんにちわ~^^
80系入線おめでとうございま~す。 トンネルから出てスグのデッキガーターがとても魅力的ですね。
線路際の住民さんが挿入したマグネットや導光材が入っていない迄も確保されたスペースなど今後の展開が気になるところですね^^
KATOでは101系以降各種800番台や155系等低屋根が次々と製品化される中、80系も800番台で急行富士川のヘッドマークって展開は期待しちゃいます。
低屋根となればトンネルの低さがポイントとなりますが、導入すると通常の車両が通れなくなっちゃいますからね^^
対策としては出入り口付近を着脱式で作るなんて夢を観ちゃいそうです。
線路際の住民さんのC59が牽く20系あさかぜ等、20系の屋根擦れ擦れでトンネルに吸い込まれるナハフ20の姿を古いビデオで観た時は驚きだったな~~。
- 2016/12/14(水) 17:59:09 |
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- PIN #-
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PINさん
トンネル断面は気になっているんですよ。
今回のカーブモジュールでは、ジオコレのトンネルポータルを使用していますが、線路を(メーカー想定の)ファイントラックよりも道床の高いユニトラックとすることで、天井とのクリアランスを抑えたつもりです。
ただこれも気休め程度でして、結局のところはパンタグラフの破損リスクを考えて…という具合。
最近はこういうところも考えたり悩んだりするようになりました。これも完成度の高い車両模型が手に入るようになったからですね。完成度の低い、というよりも、そもそも完成していない模型では、そんな地面系の悩みに至ることなどありません。こういう図式も試験に出ます(笑)
- 2016/12/16(金) 08:15:05 |
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- しなのさかい #-
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