いまこそちくま(その2・完)

2017-03-18 (Sat) 10:30
鉄道模型(車両) 6
(その1からつづく)




前回は12系+20系 急行「ちくま」の、その客車たちと戯れました。
今回は、その牽引機に触れておこうという、そんなライトなお話です。

この列車の牽引機としては、EF64が挙げられます。
カトーのEF64(0番台)は、2000年前後に相次いで前期形と後期形が製品化され、トミックス製品しか存在しなかった市場にはそれなりの歓迎を受けたと記憶しています。

しかし、その似顔絵にはどこか引っかかる点が多く、「どうも気になる」という感覚のまま年月が過ぎていきました。

そして。
とうとう2010年にトミックス製品がフルリニューアルを遂げるんです。
こちらは実車に近い表情をしていたので、当方もこれを「ちくま」の牽引機にしようと考え、複数のバリエーションのうち4次形を買い求めました。





しかし、そのまま何もせずに月日が流れます。
2社でリアルタイプカプラーの仕様が異なるため「さて、どうしようか」と考えてしまったのでした。
今さらアーノルトカプラーというのもナシですから。

そこで「ちくま」との戯れをきっかけとして「かもめナックルカプラー」に交換することにしたのです。
検索すると様々な事例が紹介されていることに気づきまして、今回はその中から「鉄道模型FAN」さんの記事を参考にさせていただきました。





加工は、トミックス JC61を分解して、カプラー本体を「かもめナックルカプラー」に交換するだけです。
この際「かもめナックル」は、根元の上部の角を斜めにカット(又は削る)。
カットは、ほんの少しだけで大丈夫のようです。





その後は、JC61の「下パーツ」にカプラーの根元を入れて、んでもって「上パーツ」で挟み込んで、おしまい。

カプラーの根元をカットした理由は「上パーツ」の一部がカプラーの根元に干渉してしまうためで、干渉するとカプラーが上に向いてしまうのです。
ほんの少しのカットでカプラーはきちんと水平になりました。





12系客車との連結でチェック。
なんの問題もありません。
「こんなことならもっと早くやればよかった」と反省会を開催しました。





それでは、夜の運転会です。




もちろんカトーのカプラーですから「車間短縮ナックルカプラー」を取り付けたナハネフ22との相性も問題なし。
この角度から見るEF64とナハネフ22の組み合わせが好きなんですよね(大阪行になってしまいますが)。





自作ガスタンクの横を走り抜ける「ちくま」。





真夜中の夜の駅に進入する「ちくま」。
ロクヨンのLEDの色に不満があるのは我慢するとして、そのナンバーパーツとボディとのつながりが雑なのは、今でもトミックス製品の及ばないところだと思うのです。





そうでした、大阪・名古屋間を牽引したEF58は、浜松機関区の受け持ちだったそうです。
なので、こいつにも一回りしてもらいました。

ダイキャストがずっしりとた重みを備えていて、ひと昔前の機関車製品のような集電を見せつけてくれるカトーのゴハチ。
フルリニューアルを求める声が止みませんが、基本的な構造はこのままでも良さそうな気がしています。





青20号と青15号とのコラボレーション。
座席と寝台の共存、移動サービスの選択肢が存在することこそ、往年の急行列車の証と言えるでしょう。
皮肉なことに、近年は夜行バスにそんな傾向が見られるようになりました。
結局のところ、庶民の移動手段に係る需要については、半世紀前と比べてもそんなに大きな変化はないのかもしれません。
要はサービスの設定価格とその背景にある真実の問題なのですね。





中央本線ブームの中にある2017年。
そして、客車急行シリーズが充実しきっている2017年。
こんな今を考えると、2006年に発売されたこのセットは、時代を先取りした企画でした。

AU13クーラーをきっかけに、忘れそうになっていた中央西線の脇役を、もう一度ステージに上がらせた遊び方。
今だからこそ、面白みがあると思います。

再生産されるとしたら、カトーのEF64はどんな姿となっているのでしょう?
そんなことを想像しながら真夜中にフル編成をぶん回した運転会でした。




(おまけコーナー)

2006年に「ちくま」セットが発売された後は…。




時は流れて2012年。
国鉄時代のED76もカトーから製品化されました。
さらに下って2016年には、14系500番台 急行「利尻」セットの中でスユニ50が製品化。

ED76があるのですから、この「ちくま」セットを使えば、1970年代末期から1980年代にかけて九州島内を走り回った「かいもん」と「日南」を再現することができます。
そして、スユニ50は「日南」のシンガリにも使える…。
これはやるしかない!





急行「かいもん」到着。
九州ワイド周遊券を片手に、赤い機関車と青い客車を宿代わりにして島内を遊び回った方も多いのではないでしょうか。

ではまた。


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