しなのさかいの駅前広場

四季島に旅情は感じない

KATO キハ85系「ワイドビューひだ・南紀」(その2・完)

(その1からつづく)




カトーのキハ85系がレイアウト上に居座るようになってから2か月が経とうとしています。
亜幹線の特急列車って、不思議と遊び続けても飽きないんですよネ。




【おもひでコーナー】




1994年6月3日 富山駅

キハ85系との出会いはデビューから5年経った頃の富山駅でした。

この日は、大阪へ赴任した友人のT君とココで合流して高山本線を乗りつぶすべく、関東平野から長岡経由でぐるっと回り込んで砺波平野へ進入。
翌朝に「スーパー雷鳥」でやってくるT君を迎えるため、1人富山で前泊したのでした。

夕暮れ時の地平ホームには、コンパクトな3両編成の特急が“カラカラカラ…”とアイドリング音を立てていて、「ワイドビューひだ」の富山編成からキハ85系を知ることとなったのです。

翌6月4日は2人で高山本線を旅して、越中八尾、猪谷、飛騨古川、高山と途中下車。
高山で1泊しました。
昨年あたりから飛騨古川が賑やかになりましたが、その頃は観光にはあまり縁がなさそうな土地で、ゆったりとした時間が流れていたことを覚えています。





1994年6月5日 高山駅

跨線橋から、スタートダッシュする「ワイドビューひだ」を眺めました。
このときの旅は、とにかくキハ85系に魅了されっぱなしで、高山の街並みを見ていても「カトーのやつ、買っちゃおうかな」ということばかり考えて高山の模型店を探したり。
それもそれで楽しかったんですが。模型趣味人の生き様ですよ、ねえ(10-316は帰ってから探し続け、横浜ダイヤモンド地下街の横浜模型で見つけることができましたとさ)。





1994年6月5日 高山駅

入線してくるキハ85系を見ていたときの写真には、貨物運用についていたらしいDD51 1028が写り込んでいます。
この「ワイドビューひだ」は8両編成。
「ああ、カトーの7両セットでは1両足りないんだな」と学習した瞬間でした。
背後の跨線橋が、先ほどの写真を撮ったところでございます。





1994年6月5日 高山駅

こちらは100番台で富山方。富山編成を切り離したところだったのかどうか記憶が曖昧。
詳しく記録をとっていないのでわからないことだらけです。
100番台を連続して連結した編成を見て「やはりディーゼル特急。編成にはバリエーションがあるんだな」と学習した瞬間でもありました。
学習してばかりでした。





1994年6月5日 高山駅

そして名古屋までの帰りは、もちろん「ワイドビューひだ」。
見ているだけじゃつまらないから、旅の最後くらい…というプランです。

ワイドビューな高山本線の車窓に文句もなく、さらに印象深かったのは、岐阜から名古屋までのディーゼル車とは思えない快速ぶりでした。
時折「キーン」という音が混ざりながら濃尾平野を駆け下りていく様は、311系と互角モノだったと思います。
当方の場合、こういう体験が模型への愛情というか「こだわり」に結びついていくようです。



◽︎ ◽︎ ◽︎





今回のキハ85系は、1991年に品番10-316、7両セットとして発売されてから四半世紀の間に蓄積されたユーザーの不満をほぼ解消するような仕様改善、増備車の製品化が断行され、「トレンディ&トラディショナル」の頃の製品が潜在的に持つポテンシャルを引き出すことに成功しました。

なんてったって「南紀」用として「鹿スカート」パーツまで起こされたのですから、これでは文句のつけようがありません。
送り手の持つキハ85系に対する愛情すら感じます。


カトーの年度末(5月)間際の発売であることから生産数が少なかったのか(?)、それ以上にユーザーが待ち望んでいたからなのか(??)、店頭に並んだ銀色のキハたちは瞬間蒸発し、総本山のASSYパーツも焼け野原。
買い逃したユーザーも多いように受け止めています(当方は予約して買ったので許してください)。
“リニューアル”とはいえ、これまでに何度か生産が繰り返されたのに、ですよ。

このことは、ある意味でトミックスが得意としてきたJR黎明期の車両も、いよいよ市場全体で懐かしく受け止めることができる時代に入った、とも解釈できそうです…が、それだけで「当たった企画」だとも思えません。





キハ85系が持つ編成の自由度から滲み出る楽しみもありますし、高山本線や紀勢本線の沿線風景、観光地を目指した特急であることによる乗車体験などの思い出が人間との関わりを深く持つようになったこともありましょう。
JR発足直後・1989年デビューのステンレス製車両であっても、単なる時間の経過ということではなく、列車として味わい深いものになったから、というのがポイントだったのではないでしょうか。





高山本線の列車のイメージリーダーとしては、もはやキハ82系よりもキハ85系の方が、貫禄と実績が伴います。
“メタモルフォーゼくだーさーいー”から29年ですからね。

地方の鉄道の沿線風景に想いを馳せるとき、そこにアイコンとして走る列車は何がふさわしいのか。
こうしたことを想像しながらメーカーとユーザーが対話することこそ、この趣味の真骨頂と言えましょう。

いわゆる“豪華列車”は、線路から浮いて走っているように見えます。
「合成写真かな?」「UFOかな?」ってね。
日常的に鉄道関係のページをパトロールしていても、こういう列車に乗ったという声は聞こえてきません。
どういう人たちが乗っているのか全くわからない。
ココ、非常に重要です。

ではまた。











余談ですが。
こんな趣味をやっていると、よく「私も好きなんですよ、鉄道」と言ってこられる方がいらっしゃいます。
これはこれで大変ありがたいことなんですけど、「四季島とか瑞風とか、いいですよね~」って続けられると、なんといいますか、その方が無理をして背伸びをしておられるなーって思ってしまいます。
続けて、早く楽にしてあげたいなーって思うんですがね。
あはははは。

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  1. 2017/07/21(金) 19:00:00|
  2. 鉄道模型(車両)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

地方の味わい

拝読しながら「うんうん、あるある」と感じました。
風光明媚な車窓はもちろんですが、地方には地方の暮らしがあり色彩豊かな季節感もあります。
本当はボックスシートにもたれながらジョイント音を聞いて時間と距離を過ごす、暑い季節には窓を開けて・・・ 
これが鉄道旅行の本懐だと私は思うのですが、一方で時間的なゆとりや乗り継ぎの利便を考えると特急列車もやむなしな時代になっています。
いずれにしても列車が風景の一部として溶け込んでいる
そんな旅の思い出を模型で再現、これは趣味人の特権ではないでしょうか。

豪華列車にあこがれる気持ちはわかりますし否定するつもりもありませんが、ではその旅の思い出を再現しようと思うと困ってしまうのでは?
  1. 2017/07/22(土) 21:40:26 |
  2. URL |
  3. ホビぽっぽ #8RsgBCDs
  4. [ 編集 ]

物流を担う姿

いつも楽しく読ませて頂いております。
JR黎明期、「年増の厚化粧」としか言いようがないような派手なパステルカラーを纏った国鉄型車両が多発しました。今でこそ懐かしさがありますが、趣味誌で国鉄メークを賛美する特集が乱発された記憶があります。しかし、振り返るとそれらの厚化粧な車両群には、バブル期の需要増に対して新型車両の登場まで持ちこたえるという使命がありました。国鉄型でもJR型でも、「物流」という役割を持った列車には、骨格や筋肉を感じます。
>>いわゆる“豪華列車”は、線路から浮いて走っているように見えます。
>>「合成写真かな?」「UFOかな?」
私もまさに同じ違和感があります。最新の豪華列車には、工芸品とかモデルの様な美しさはありますが、物流装置としての職業人的な機能美を感じる情景は現時点で皆無と言えるでしょう。もっとも、走行線区はローカル線ばかりですから、案外にも過酷な自然に立ち向かうアスリートの一面を見せてくれる可能性があり、一抹の期待を持っています。とりとめのない長文失礼致しました。
  1. 2017/07/23(日) 20:36:05 |
  2. URL |
  3. 北陸鉄 #tMaJSdvk
  4. [ 編集 ]

ボックスシートはグランクラスの上かもしれない

ホビぽっぽさん

毎度でーす。
かつては、ボックスシートでの旅なんて貧乏チックでネガティヴに捉えられていましたが、おっしゃるとおり、せわしなく特急や新幹線に飛び乗り、コンビニのおにぎりを口に入れていたらもう目的地…という今の旅行と比べると、実はとても贅沢で憧れる旅の形なのではと思うようになりました。
そんな手作り感のある旅は、テレビ番組でも絶大な支持を集めています。ここに今を生きる人間の憧れの目標があるとしたら、そんな旅が常識的だった昔の鉄道の姿も支持されて当然なのかもしれませんね。
  1. 2017/07/25(火) 23:27:09 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

ロックアウトされた世界

北陸鉄さん

はじめまして。今後ともよろしくお願いします。
骨格や筋肉を感じるとのこと、まさにそれです。それ故に、乗客や乗務員の顔が見えない列車って、われわれがこれまで趣味のフィールドとしていた世界の一部(一等地?)が突然ロックアウトされてしまったかのような錯覚が。
上野駅13番ホーム、今はどうなのかな、とか…。
そういえば姨捨駅には妙な建屋ができたとか…。
そーゆーことです。

筋肉質な使命を担えなくなってきた地方線でも「観光列車」というもっと身近な存在で、高い価格によらない親しみのわくもてなしをされる列車が数多く登場しています。そんな列車は(デザインはともかく)支持していきたいですね。筋肉質な輸送使命を背負っていた頃の、趣味の対象としての楽しめる姿をあらためて多くの人に教えようとしている存在だと思えるからです。
その点、夕張市は惜しいことをしました。
  1. 2017/07/25(火) 23:40:33 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

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