しなのさかいの駅前広場

細かいことばかりでよく分かりません。

ハイタウン石切(前編)

「日本橋ヒットアンドアウェイ」編からつづく)


2月27日(火)、旅の3日目の話のつづきです。




でんでんタウンを抜けて、PASMOで地下にある近鉄難波線・近鉄日本橋のホームへ降りてみたら、タイミングよく賢島へ向かう30000系ビスタEX(新塗装)が通過していきました。





ところで近鉄難波線は、大阪上本町 → 近鉄日本橋 → 大阪難波という僅か2.0kmの地下路線で、1970年に開業しました。
さらに大阪難波から先は阪神電車と直通運転をしています。
これは2009年のこと。
このときに「上本町 → 大阪上本町」「近鉄難波 → 大阪難波」にそれぞれ改称されたそうです。
そういえば、この前の日には、阪神電車区間で奈良行きの電車を見ていました。
私鉄のネットワーク化はJR西日本アーバンネットワークへの対抗か…。


この近鉄難波線は近鉄奈良線と一体化したダイヤとなっていて、上本町も地下ホーム。これに対して大阪線の列車は上本町止まり(地上ホーム)です。
ただし伊勢志摩、名古屋方面へ向かう特急については難波線へ乗り入れる列車もあるということで、少しややこしい。
京王線の新宿と似てはいるようですが…。

大阪の鉄道には、本来のターミナルが各路線で結構バラバラに設けられたため、後年にそれを補正する動きが見られる、というやや共通した特徴、傾向があるみたいです
(関東もそういう歴史はあることにはあります)。



◻︎ ◻︎ ◻︎



さて、3日目の真の目的は、この「近鉄奈良線」でした。
でも、なぜ特急がバンバン走る大阪線ではなくて奈良線を目的とするのか…。

それは、生駒山地を抜けるプロセスに大きなストーリー性を感じるから、なのです。

関東平野に住んでいると、とにかく街を見下ろせる地形が見当たりません。
「平野」ですからそりゃそうなのですが、例えば多摩丘陵の東の端の稲城市、そのニュータウンから新宿方向に臨む景色とか、そんな場所しかないのです。
それも車でアプローチするしかないような所です。
それだけ「関東平野は大きい」ということかと。





一方、大阪平野。
こちらも似たようなものかと思っていましたが、関東平野とは少し事情が違うようで、生駒山地が南北に屏風のように位置していて、平野の広がりを遮断しています。
つまり「その裾野には大阪の街を臨む場所が存在しそうだ」ということなんです。

そして、その山地を近鉄奈良線が貫いているので、ならば、そんな場所へのアクセスも容易なはず。
ここ数年は、こんな風に近鉄奈良線に対する興味をずっと温めてきました。
この機会に、その生駒山地越えを丁寧に観察しておこうということで、関西方面を旅先としてからは目的地としてロックオンするまでにさほど時間は必要としなかったように記憶しています。





という訳で、近鉄日本橋で乗り込んだのは、急行奈良行き。
9820系は“シリーズ21”です。
そういえばこの表示は、2日目の午後、阪神電車で見かけたものだと気付きました。
宝塚へ行かずに阪神電車でここまで来ることも可能だった訳です。





地上に出て、複々線区間を東へ。





正面に生駒山地が見えてきました。





瓢箪山を過ぎると、いよいよ生駒山地越えに取り掛かります。

まずは、北向きに方向を変える作業から。
ココのポイントは、篠ノ井線の姨捨や中央東線の勝沼ぶどう郷のように、まずは山の裾野に取り付いてから、等高線をひとつずつまたぐように丁寧に登って標高を稼ぐプロセスがあるというところです。

なので、我が乗車車両も東向きから90°向きを北へ変えて、モーター音を唸らせながら登り始めました。








勾配は33‰に達するんだそうです。
神戸電鉄といい、アップトリムに取り憑かれた旅でした。





そして、目的の地・石切に到着。
この先が新生駒トンネルですから、大阪方の最後の駅、となります。
つまり、瓢箪山を過ぎると枚岡、額田という2つの駅がありますが、その先にあるこの駅が一番高い場所にあるということ、なのです。
その標高104m。
瓢箪山は50m程度だそうですから、結構登りました。





山地の斜面にありながら、ホームは2面、線路は4線となっていて、急行も止まるし、始発列車もあるようだし。
なんだか不思議な感じがします。





新生駒トンネルの抗口はホームの奈良方から見えました。
難波方面へ下っていく列車が飛び出てきて、ダイヤも思っていた以上に過密。





橋上駅舎から外に出てみました。
住宅街と言うべきなのか、それも田舎の入口と言うべきなのか迷う雰囲気で、とにかく静か。
近くに大通りもないので、車の音も聞こえません。

こんな駅ですが、想像していた通りの風景は見ることができるのでしょうか…。





ありました。
平野を見下ろす景色が広がっていました。
想像していた通りのようで安心しました。
神戸のときと同じように、街を見下ろせる場所っていいなぁって。
ドラマとかマンガでは、よくこういう場所を効果的に使いますよね。


ちょっとこの辺を散歩してみることにしました。
そのあたりは次回で。



(つづきまーす)

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  1. 2018/03/20(火) 23:40:00|
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