しなのさかいの駅前広場

スリーブの絵には秘密がある。

ハイタウン石切(後編)

「ハイタウン石切(前編)」編からつづく)




実は、この石切という場所には「石切劔箭神社」(いしきりつるぎやじんじゃ)がありまして、地元では親しみを込めて「石切さん」と、そう呼ばれているそうです。
“西の巣鴨”という位置付けでもあると聞いていて、当方は大阪平野の眺望を目的としてやってきましたが、それなりの観光参拝(?)需要があるということが発見でした。





その石切さんへのアクセスは、近鉄けいはんな線・新石切からの方が“地形的には”楽のようです。
近鉄奈良線・石切からは、かなりキツイ坂を下りることとなるので、年配の方々には抑速ブレーキがないと少々危ないような気もするんですけど。

しかし、その坂道はたとえ斜めでも「石切参道商店街」と称している立派な商店街でありまして、傾斜地感が出た背景が、商店街としてはステキ。
地形の角度だけを見れば、ヤギを放牧している中国の山奥とか、もはやそういう類です。

おばちゃんが犬の散歩をしながら、知り合いのお店に他愛のない挨拶をしていました。
その土地土地の何気ない日常風景を見れば、それはもう、れっきとした「観光」なのですよね。





黄色いのは「ハンカチ」なのか「旗」なのか。
それとも宇宙との交信なのか、なんらかの爆撃目標なのか…

商店街を歩いている間、頭上でやたらパタパタと目立っていて、だけど正解がよくわからない不思議な装飾。
とにかく、縁起のよいものとして張り巡らせていることは見ていて伝わってきました。





石切参道郵便局まで降下してきました。
ここも勾配の途中のようでした。
もちろん目的は貯金で、ついでに風景印もと思ったら残念ながら備えていない局とのこと。
黄色いハンカチのようなものにはラッキーな効果はなさそうだということがわかりました。

この日は気温が高くなり、2月末なのに完全に4月の陽気。
少し汗ばんできました。
当方は参拝客ではないので、この郵便局を折り返し地点にして、今度は来た道を逆に、石切駅方面へ「登山」開始。





商店街には占いのお店が多いようですね。
お年寄りに限らず、いろいろと悩み事は聞いてもらいたいものです。
時間があれば、例えば「カトーからクモヤ495なんか出ませんかね」とか、今後のNゲージの新製品をいろいろ占ってもらいたいところなんですけど、それはまた別の機会に。

お年寄りにシフトしているのかと思いきや、クレープ屋もあったりして、個性的な参道商店街でした。





参道の途中にある石切大仏は、日本で3番目に大きい大仏だそうです…が、その辺はよくわかりません。
どこかにその根拠が書いてあったのかなぁ。
鎌倉のよりも小さくて、ココのよりも大きいのを、日本のあちこちで見たことがあるような気もしますが「おまえ、ちゃんと測ってみたんか」と言われれば反論もできないので黙っていることにしました。

でも、見たことがあると思うのですが…。





生駒山地から流れてくる川を見ると、まさに急峻な地形を表していて、好きなんです、こーいうの。

川に面した家々では小橋を掛けたりしていて、その上には決まって「植木」。
大雨のときには心配も増すことと思うんですけど、通常時は、こんな風にのどかな時間が流れています。
こんなよくある景色をレイアウトにうまく再現できれば楽しそうです。
「あー、こういうのあるある」ってな風に。





近鉄奈良線のガーター橋の下まで戻ってきました。
午後2時頃なので、大阪の街も霞んでしまっています。
ちょうど小型車が通りかかりましたが、こんな風にソロソロと走っているだけなので、本当に静かな土地のようでした。





そして、大阪へ下っていく列車が乾いた音を立てて通過していきました。





はるか向こうには「あべのハルカス」。
なので、あそこが天王寺だと。
さっきまで居たところ、となります。
鉄道って、こんなところまで人を簡単に運ぶことができるんですね。





とにかく暖かい日でした。
日程的に春の雰囲気を楽しめる旅だとは思っていなかったので、なんだか得した気分で。





間違いなくここ石切は、大阪平野の街を遠望できる、高低差のある場所でした。
アップダウンが大変なようで、その分生活に苦労されている気配もありますが、普段からこうした風景を見ていれば、差し引いてもプラス要素が残るんでは、と勝手に想像します。

夕暮れ時までいたい気もしましたが、何事もほどほどが肝心でして、駅に戻って次のプランへ移ることにしました。





8000系が入線。
「普通 西大寺」とありますから、優等列車を待避するのでしょう。
こんな山の上で土地の余裕もなさそうなのに。
列車の運行としては不思議な感じが残ります。





ホームに降りて、その列車を観察しました。
近鉄の電車といえばこの方向幕を後付けしたスタイルかなと思っていて、これだけは昔から見続けています。
Nゲージでは設計泣かせな部分ですかね。





でもビックリなのが、最後尾の2両がシリーズ21タイプの9020系であること。
これぞまさに“異形式混結の美学”です。
車体断面というか、車体の規格そのものが違う気がして、なんとも大胆な混結編成じゃないですか。
国鉄型気動車でもこんなチンドコ編成がありました。
こうした編成の面白さは、やはり現地で見て体感しないとわからないものだと思うんですョ。
この編成、模型で再現したらさぞや面白いだろうなぁ…と。





新生駒トンネルを走り抜けてきた通過列車。
トンネルを抜けたらいきなり西陽が当たるのですから、大阪へ出たことを体感できる瞬間なのかな。
鉄道にはそういうシーンが所々にあります。





そして、駆け下りていきました。





代わりに登ってきたのは、阪神9000系。
阪神電車がこんなところを走っていることこそ、関西の私鉄のネットワーク化が進んでいる証。
ここから三宮へ1本で行けるというのは、関東っぽいようで面白いです。
やっぱり寝過ごしたら奈良とか神戸まで運ばれてしまうんでしょうか。





そして、いよいよ石切を後にする列車がやってきました。
やっぱり最後の2両は9020系みたい。
そういう編成ルールなんでしょう。




総じて石切は、鉄道の旅を楽しむ上では「十分な場所」でした。
地形や駅の立地だけでなく、列車本数が多いので、観察しているだけでも飽きないし面白いのではと。
そして、隣接する参道商店街の奥ゆかしさ(笑)。
エンタメ性もあるので、撮影派の方々が家族と来ても「クレープ食べといて~」「占ってもらっといて~」と誘導すればいいのです(やや無理があるな)。
旧トンネル、旧駅など観察する場所はまだありますから、再び訪れてみなければならないかもしれません。

名残惜しい気持ちを堪えて、新生駒トンネルへ入っていきました。
好きなことに拘り続けるのではなく「トンネルの向こう側」も見てみる勇気を持たなくてはいけませんね。
たぶん、そういうことなんです。



(つづきまーす)
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  1. 2018/03/22(木) 22:30:00|
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