しなのさかいの駅前広場

細かいことばかりでよく分かりません。

第19回国際鉄道模型コンベンション(その1)

こんばんは。しなのさかいです。




6月末に梅雨が明け、7月から8月にかけて厳しい暑さが続いていたと思ったら、今度は早めに秋雨前線が現れて台風が絶賛襲来中である8月下旬の日本列島です。
国際鉄道模型コンベンションを見に行った土曜日は、1か月以上ぶりに酷暑から解放された、秋のような乾いた空気が覆う1日となりました。

今年も線路際の住民先生と少しばかり見てきたので、徒然なるままに感想を並べてみようと思います。
ちょっと遅めのレポートであるにもかかわらず、ダラダラとした駄文が続きますが、いつもどおりお許しいただければ。
それでは何卒よろしくお願いします。



【ポポンデッタ】



野立て看板シリーズは「727」から発売されることが決まっていて、そろそろ出荷だそうです。
そういえば、新聞報道でも話題にされていました。
ブースで伺ったところ、今後もいろいろと発展していく余地が見られているとか。

“新幹線の車窓”という選択は「現代の鉄道」を捉えようとすれば仕方がないことであり、少々残念なのですが、ユーザーに訴えようとしている価値や楽しさは十分に伝わってくるので、当方はとてもいい企画だと思っています。

さらに言えば、「いにしえの野立て看板シリーズ」として、食玩の展開があると面白いのではないかなと。
鉄道に限らなくてもいいのですが、実際に存在する(した)企業モノ、ということだけは守っていただけたら。
当方は大人買いしてしまうかもしれません。
あ、くれぐれも1/150でお願いしますよ(笑)





新しい情景素材「高架橋脚」。
コンクリートタイプとレンガアーチタイプでの展開を控えているそうです。
つい数年前まではトミーテックのジオコレ・情景小物シリーズが攻めていた分野で、その展開がぴたりと止まったと思ったら、今度はこちらから。
津川洋行もデザインされたプラシートのような新しい展開をし続けていますから、この辺のメーカーが攻め始めたら面白そうです。
最近は、こんな小物からワクワク感を受け取るようになりました。







ついにLED室内灯も製品化してしまうそうです。
エネルギーチャージャー機能については想像通りの仕様なのでしょう。
既に10年以上前に確立された技術ではあるのですから。



その他、既に皆さんもご存知の通り、ポポンデッタも電車の模型を手掛けるということで、南海の特急と阪急の通勤電車の製品化が発表されました。
かなりの衝撃が走りました。
安中貨物の騒動も冷めやらぬ中、次は電車の編成セットモノを手掛けるという大胆さには感服するしかありません。
その設計・仕様に勝算があればいいのですが、CAD図しか情報公開されていない現段階で発注を迫られている小売店は「仕入れていいものなのかどうか」と大いに困っていることでしょう。
マイクロエースがE231系や401系を発売するとアナウンスした頃が懐かしいですね。



【マイクロエース】





14系「あすか」。
これまでのマイクロエースのJT客車には、まずまずの安定感があると思っていて、今回もそうなるのかなという気がしていますが、客車の割には価格が突き抜けているため、ごく限られたユーザーだけが手に入れることになりそうです。





阪急電車は、先のポポンデッタもそうですし、トミーテックの鉄道コレクションでも製品化の快進撃が続いています。
関西系私鉄電車の中でもそのペースが高いと感じていて、それなりに需要があるということなのでしょうか。
しかしながらユーザーとしては、「完成度と価格のバランスに納得できる製品にどれだけ出会えているのか」という角度から、よくよく考えなければなりません。

このマイクロエース製2800系はどうなんでしょう。
4両基本セットが23,100円+税という、恐ろしい価格になっていますけど。





京阪のプレミアムカー。
こういう企画は、改良再生産の理由が立つので、うまいネタと言えるのでしょう。





小田急2600形(改良品)。
見たところ、5200形と同じように、顔面成型手術とスカートの適正化が行われるようです。

それにしても、「ベストリニューアル」なんていう言葉が懐かしく思えるほど、マイクロエース製品にはこの「改良品」という言葉がはびこっています。
改良していただくのは結構なのですが、改良する余地のある製品を、大きな財政出動を乗り越えて手にしてしまったユーザー(マイクロエースファン)としては、どこか裏切られたような気がしています。
複雑ですよね。
この2600形については、その満足度の低さからはるか昔に手放しているため、今になって「改良しまっせ」という文句を突き付けられても納得できますけど(でも買いませんよ)、例えば2014年に満を持して製品化したばかりの60000形MSEを「改良品でっせ」と言われてしまうと、愕然としてしまうのです(持っていますよ)。
南海50000系ラピートなんて、改良品を出しておきながら、さらに改良品が出てくるようですから、もう何が何だかわかりません。
「マイクロエース商法」は、かつて言われていたような意味ではなく、別の次元の意味を持つようになりました。
本当にこれでいいんでしょうか。





「マイクロスピーカーシステム」というネームに決まった小型Bluetoothスピーカー。
“マイクロ”には二重の意味があるんでしょうか。
昨年から「年内には」とおっしゃっていたオオカ商事の持ち込み企画は、この秋に9,980円(税別)で発売されることが決定したそうです。
おめでとうございます。
しかしながら、決定した価格に、紆余曲折があったような生々しさを感じてしまいました(笑)
とりあえず1万円は切ったということのようです。

でもですよ、厳しい言い方になってしまいますけど、当方には3,000円くらいの品物に見えてしまいます。
大きさに違いはありますけど、Bluetoothスピーカーってその程度まで価格が下落しているじゃないですか。
それだけ汎用性のある技術になっているということ。
ですから、感覚的にはかなり高めに思えてしまうのです。
車両を買うだけの財源を必要としますから、ユーザーとしては悩んでしまいますね。



【グリーンマックス】





近鉄22000系ACE リニューアル車が、撮りにくいテーブルの上をグルグル回っていました。
金型の全面見直しが行われており、さらには前照灯類のLED を複数配置して的確な色味を出そうとしているそうです。
数年前までは複数のLEDを取り付けることに価格的な不安要素があったものの、最近はそこをブレイクスルーしたとのこと。
今後もライト類、行先表示器などにそれぞれ個別にLEDをあてがう設計とするそうです。

さて、この設計・仕様をプラスと見るかマイナスと見るかは分かれるところと思っていて、当方としては後者かな…?
要は、導光パーツの設計が他社のようにはできない、難しいのでは、と。

運転台の後ろに仕切り板、屏風のようにライトユニットを立てて、点灯すべき場所の真裏にLEDを配置しているため、「運転台シースルー化」ということは永遠に実現しないだろうと見ています。





今後の展開として、山陽電鉄5000系を製品化するという発表がありました。
新開地あたりが賑やかになってきています。
関西の私鉄車両の製品化は、まるで最後のユートピアのように進められていますが、先に述べた通り、品質を伴っての展開であることが求められそうです。


その他、ブース内では数多の103系の作品が展示されていました。
EVO103系、それから10年以上前に製品化されたJR西日本の103系半完成品たちがジワジワとパワーアイテム化しているみたい。
確かに今の現役車を見渡せば、103系や201系あたりは立派な「旧型国電」であり、若年層へも「なんとなく不気味でしょ、コイツら」とアピールもできそう。
世代交代はこうしたところにも起こりつつあるようです。
もっとも、この傾向はキットを組むユーザー人口の中での話であり、キット工作派が拡大しているかどうかは不明。

ただ、GMの半完成品にはそれなりの需要があると見ています。
自分で作るものには「終わり」がありませんから、パーツ需要を高めたり、吸収する素地としては最も適しているのです。
出来のいいキット、組んで納得できるキットには、そうした“工作派市場”を発展させるターミナルとしての立ち位置があると思っていて、それは現在GMが展開する完成品では代替できないだろうと思うのです。

「完成品」としては納得できない仕様であっても、「半完成品」としては納得できる仕様だったりする…。
床下機器を接着材で固定された「完成品」は、決して完成品として見ることはできないのです。
だって、そういう措置はキットを組む時に行うものだから。
今、ラインナップしている完成品たちを半完成状態で、価格を下げて売り出せば、新しい需要をつかむことができるんじゃないかな。
ユーザーとしてのわがままかもしれませんけど、そうなれば選択肢の一つにはなると申しておきましょう。


(その2につづく)
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  1. 2018/08/20(月) 23:45:00|
  2. 鉄道模型イベント
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

あすかは、やはり登場時を1本かな。
更新の色、ありえない・・・。値段は仕方ないかな。

LEDの多灯化は屏風状でしょうから、運転台シースルーは望めないでしょうね。
京阪3000系がどういう構造か確認すべきかと。
ライトレンズ類の部品点数削減、でしょうね。
蛍光灯状態になるのをどうやって防ぐのかな。

山陽50x0はやっと出てきましたね。
マイクロかと思っていたのですが、バリ展し放題ネタ、再生産見込めるメーカですのでまぁひと安心。
ただ、台車位置とかいいかげんだし、レリーフ状の床下機器は苦渋の選択・・・としないといけないかもと思っています。他にないから。

完成品を半完成にすると部品揃っているかの確認工数で値段上がるのですよね。
  1. 2018/08/21(火) 01:39:42 |
  2. URL |
  3. Mu #-
  4. [ 編集 ]

しなのさかい様、毎度の事ながらレポありがとうございます、私にとっては久しぶりの鉄分補給でした。
ポポンデッタの立て続けに私鉄電車に驚くばかりです、
3D画像等なく買い手側の想像で販売は なんだかなぁ〜
さて、どうなることやら…
  1. 2018/08/21(火) 09:58:57 |
  2. URL |
  3. 線路際の住民 #-
  4. [ 編集 ]

あすか

Muさん

「あすか」は実車についてよく知らないので、ボディの色調はよくわかりませんでした。すみません。
でも、こういう客車のセットっていいですよね。ありえない牽引機との組み合わせも面白そうです。
  1. 2018/08/28(火) 21:24:35 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

ポポンデッタの挑戦

線路際の住民さん

お疲れさまでした。
どのような電車シリーズとなるのか、全くわからない中で誰もが疑心暗鬼。もしかしたら送りだすポポンデッタ自身がそうなのかもしれません。
期待を寄せながらも、あんまり信用を失うようなことをして、市場からの退場を勧告されないよう、気を付けてもらいたいですね。
安中貨物事件からは、まだそんなに時間が経過していません。
  1. 2018/08/28(火) 21:27:51 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
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