しなのさかいの駅前広場

カタログ…

第58回全日本模型ホビーショー(その6・完)

(その5からつづく)


【カトー】

最後はいつもどおりカトーで見てきたことを書いておきます。




1997年にフルリニューアルが行われた20系寝台客車は、2018年に「ゆうづる・はくつる」となっても仕様のマイナーチェンジを施しながら、ちゃんと通用する製品として存在し続けています。
この間、実に21年。
初代製品の発売が1967年とのことですから、カトーの歴史はほぼこの形式抜きには語れないことになっています。

今回は車掌室側のカプラー回りがボディマウントカプラー化され、ジャンパ栓などのディテールが追加。
当方はココを「車間短縮ナックルカプラー」に交換して、これまででベストな表現だと納得してきましたが、再びそのファイナルアンサーが揺れています。
ASSYパーツがうまく手に入ればいいのですが。





カニ21のカプラー回りも同じ。
そして、このカニに連結する機関車が「C62常磐形」なのです。
ブルートレインを牽引する蒸気機関車って、手元に保存しておきたくなる姿ですよね。





立体的な試作品はまだでしたが、図の中ではもう完成していました(笑)
伺っているのは「もうこれは23号機」ということで、「細かいことを気にしなければ付属する他のナンバーでお楽しみを」とのことでした。
22号機などのために、通常の長さの煙突が付きます。
その他、22号機用にスノープラウも付属するそうですが、積雪の少ない「浜通り」地方を縦に通る常磐線にどれだけの耐雪装備の出番があったのかはよく分かりません。
付属するナンバーは19、22、23、24であるとアナウンスされています。

ところで。
23号機だけは「ゆうづる」の牽引を終えた後、平機関区から糸崎機関区へ転籍しています。
なので、複灯をカットしてしまえば呉線仕様にすることも可能のようです。
ちょっとした遊びゴコロなのてす。
少し前のカトーのやり方がこういうところに見られることを知っておくのもいいでしょう。





EF80も、ほぼ生産品に近い状態で飾られていました(Hゴムの印刷がまだですかね)。
ナンバーパーツとボディとの隙間も目立たなく、良い顔をしています。
EF70とEF81の合いの子のような顔は、昭和50年頃の上野駅を思い出させてくれそう。
地上ホーム19番、20番にカニ21が見えた風景も、当方の微かな記憶の中にいます。





唐突感のある「EH500 3次形 後期仕様」。
確かにヘッドマーク掛けが無くなったボディが新たに起こされたようです。
それにしても唐突感があるなぁ。
模型の世界で「何か」を牽引しようとしてたんじゃないかなぁ(笑)







221系リニューアル車については、8月のJAMの時点でこの状態でしたから、特段ここで触れることはなさそうです。
ただ単に、この模型を早く欲しいという理由から再び画像を置いておきます。
これを機に、アーバンネットワークの車両ラインナップを再構築してもらいたいですね。





今を生きるインフレナンバーのPF。
アナウンス内容からは、助士席側窓に取り付けられた冷風装置用ダクトが金型的な新しい点となりそうですが、よく分かりません。
平成が終わろうとしているこの時期の国鉄電機の姿にどれだけの興味を持つべきかも整理しきれていないのです。
しかし「欲しい」と思ったときには何処にも無かったりする、背景に溶け込むような地味なアイテムなので、そう割り切って保険的に手にしておくべきかも。





さて、77系客車なのですが、見本品が現われ始めました。
何処となくE655系のような雰囲気が漂いますが、あいにく実車を見たことがなく、グラビア資料を見る機会も少ないものですから、どうしても「はぁ、そうなるのですか」という受け身。
昨年末の「四季島」は完全にスルーしまして、今のところ、今年の年末の「ななつ星」も同じことになりそうです。
20系と221系でホッコリできそうですから(笑)
もっとも「四季島」よりは親しみのある外観ですから「787系『つばめ』の行き着いた果て」とでも思うことができれば食指が動くかもしれません。
とにかく、脳内で落とし所を探ることがなければ難しい列車です。







近郊型ホームDXは、レール製品を送り出しているメーカーとしては重要なストラクチャーであり、常に供給されていなければなりません。
当然にビギナーはホームの出来を見て支持して、そのホームに対応する線路を決めるからです。

点灯ギミックについては既にJAMの際にお話しています。
今回の見本はそのときよりも精度的に向上したもので、エッジの利いたホームの形状、特に角が尖ったホームが印象的でした。

黄色い点字ブロック部は取り外してホームドアパーツと交換することも可能。
当方は以前、この点字ブロックをマスキングして塗装することに大変苦労しましたから、外せるということは塗装面でも良いことかと。
ただし、点字ブロックが駅ホームで見られるようになったのは1980年代半ばの頃だったと記憶していて、ホーム上家の形状も含めて、似合う列車が限定されるようになっています。
ここに限界を感じる方は、当方と同じように「ローカルホーム」へ逃げてください。



◻︎ ◻︎ ◻︎



JAMから僅か1か月しか経っていませんが、今回もひと通り見終えた後に特別顧問を迎えての時事放談となりました。
長い時間をいただき、ありがとうございました。

相変わらず憂いを帯びた情報交換がテーマとなりましたが、そんな中であっても自分にとって刺激となるお話を伺い、これからどうすべきかといった方向性を再確認することはできたような気がします。



以前から、この業界の世代交代が進んでいることとを指摘してきました。
どうやら我々が親しんでいる複数の活字媒体にもそうした時期が目前に迫っているようなのです。
今まで存在することが当たり前だと思っていたモノが当たり前ではなくなろうとしています。

当方の世代は、かつてそういう世代の方々を「お兄さん」として見て、街の模型店でひたすら彼らの分からない話を聞き、それを学校の仲間にフィードバックしていました。
彼らはそんな世代に当たります。

しかし、じゃあ自分とその下の世代にそうした世代層が続いているかといえば「いそうにない」。

気がつけば平成も終わろうとしており、昭和時代なんて「近代」に含まれつつある勢いです。
鉄道の使命も大幅に変わり、先日の台風のようなことがあれば直ぐに全線運休として「お客様におかれましては、後は自力でどうにかしろ」という、始めと終わりが揃わない妙な文法が通用する時代となっています。
鉄道が無くてもなんとか移動できるはずでしょう、と鉄道自身がアナウンスする時代となったのです。

都会においても鉄道が社会インフラとして必須ではなくなっているのだとすれば、鉄道「模型」の捉え方なんていうのもどこか無味無臭なものに変わらざるを得ない。
それは避けて通れないことなのかもしれません。

今、こうした流れの中、局面で、鉄道趣味の世界における世代交代の波が訪れていることになる訳です。

「鉄道」の一体何が、どこが楽しいのか。
こうした論点で、一度深く再検討されるべきなのでしょう。









ショーの翌日は、上の娘の高校の文化祭。
毎年見に行っており、高校3年生の今年が普通の流れで見に行ける最後の機会となりました。

で、この高校、あの「鉄道模型コンテスト」に毎年参加しているのです。
今夏の結果は既にRMMで把握していました。
その成績は誌面で学校名しか載らないくらいのもの…。
毎年同じ結果なので、まぁ驚くことはありません。

ただ「どうしてそうなったのか」ということは、現物を見てみないと分からないものなのです。
だから実は、娘の様子を見に行くことよりも「そちら」に楽しみを置いているという秘密があったりします。
目指すは「鉄道研究部」。




見ました。
これはヒドイ。
3年間見てきて一番ヒドイものでした。
鉄道があるシーンを切り取ることを最初から全く放棄していて、おおよそギャラリーの「ウケ」を狙った作品であることが分かります。
もちろん、作り込みも雑。
アクセサリーのスケールが統一されておらず、オブジェとしか言いようがありません。
下の娘と一緒に見たところ「全然意味がわからない」とのコメントで(まぁ毎日自宅で別の作品を見ていますから、ウチの娘たちに限っては発言権はあると思います)、それだけ何をやっているのかわからない作品なのです。


こうなってしまう要因は様々で、挙げるとキリがなさそうです。
ただ、1つだけ挙げるとすれば、それは審査する側、そして部活の指導者が「鉄道のあるシーン」を思い描けていない、ということかと。
だから奇抜な発想でつくられたレイアウトを評価するしかなく、それを見た生徒達はそういう作品を目指す(しかない)。
もはや、ボード上に線路を必要とする説得力はなく、なんならSFの世界を描いてから申し訳程度に後から線路を置けばいいのです。

鉄道シーンを描けない大人の気持ちを忖度して、わけのわからないブツをつくる高校時代の夏。
もしそれが入選したならば(もちろん中には優秀な作品もあります)、それは「学校の特色」として大人の世界でアピールのツールとして扱われ、それを指導した大人の評価へつながり、部活予算が割り当てられる。

当方は、回数を重ねてきた今の「コンテスト」にそうした悪循環があるように見ています。
最初の頃は、たとえ下手でも、製作者が見つめているシーンに感心することが多くありましたが、今のコンテストではその傾向が少なくなりました。


「世代交代」の影響は、こうした指導の場においても現れているようです。


ではまた。
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  1. 2018/10/06(土) 22:00:00|
  2. 鉄道模型イベント
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コメント

経済性

いつも詳細なレポートと的確な評価に、拝読していて頷いています。

どうも最近は効率とか経済性といったことが重視され、安く・早く・簡単に、という方向にあまりにも突進しすぎていると感じています。だから「クルマ離れ」とか「欲しいものがない」のような消費の停滞現象が起きているのではないかと。

つまり文明がどんどん進んでいけば物質的には充足されても心が満足な世の中にはなっていかない というところまで来ているのでしょう。
実物の世界がそれですから趣味の世界についても同様、いまどきのSUS軍団に興味を持って「永く手元に置いておきたい」と思えるか疑問です。

世代が交代しても文化は継承されるのか?という点でも、今の世情と趣味の方向性には不安を感じます。そもそも文化というとらえ方が日本人は苦手なようで。
突飛な話題になってしまいましたが各社の今後の立ち位置と商品開発をナナメ目線で見守っていきたいと思います。
  1. 2018/10/06(土) 23:27:28 |
  2. URL |
  3. ホビぽっぽ #RxBcFBew
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この時期のEH500リニューアル

6回に渡る大長編レポート、じっくり繰り返し拝読致しました。ありがとうございました。
カトーのEH500ですが、そろそろ発売される銀タキ詰め合わせセットや同月再生産のエネオス緑タキセットのお供ではないかと推測します。同じEF65 2000番台も同様。ちょっと前の愛知区DD51(これも当時は唐突感がありました)等も、実はこの流れだったのかな、と、今では思えてきます。
いろんな機関車・いろんな色のタキを、取っ替え引っ替え走らせるのも楽しいです。EH500が大好きな私としては、外せません。
そういえば実物の石油輸送列車は、今や、関東〜東北・信州と東海〜信州のルートしか残っておらず、改めて貴重な列車になりつつあるなぁと思います。
  1. 2018/10/07(日) 09:08:36 |
  2. URL |
  3. やまだ #LLR6AlOk
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2020年の挑戦

ホビぽっぽさん

コメントをありがとうございます。
文明の進歩で心が満たされない…ということについてはまさにその通りで、この国は「3.11」でそのことに気づいたはずなのに「2020」というメルクマールを打ち立てたことによって必死に誤魔化して、経済成長、消費を最優先させ、この流れに合流することを美徳としているように見えます。
国際競争に勝ち抜く、無駄や非効率を絶対に認めない、というスパルタンな流れが本当に「幸せ」に結びつくのかどうか。JR北海道の危機、地方創生の波、武蔵◯杉の悲惨な通勤風景などを見ている我々は、オリンピックのピークを迎える前にこうした矛盾をじっと観察し続けているのでしょうね。
話がオーバーになりました。鉄道も、鉄道模型も、そうした流れの中のシステマチックな姿を楽しむ方がいいのか。それとも、今から見れば非効率でも鉄道にのしかかる使命が格段に大きかった時代の姿を楽しむ方がいいのか。メーカーが送り出す企画をそんな着眼点で仕分けしてみるのも一興でしょうか(笑)
  1. 2018/10/08(月) 22:03:17 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
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EH500

やまださん

長い間お付き合いいただいたようで、誠にありがとうございました。
EH500については、確かにタキとの組み合わせ…という企画のように見えますが…ひょっとして他社が製品化したアレかナ、と考えてみた次第です。
金太郎は運用範囲も大きいので、いろいろな地域に溶け込んでいますよね。当方も1両は増備してみます。本当は2次形のリニューアルをお願いしたいのですが。
  1. 2018/10/08(月) 22:08:38 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
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