KATO 2019年5月分ポスターを見て勘違いの怖さを知る

2019-01-05 (Sat) 12:20
鉄道模型(車両) 6
こんにちは。しなのさかいです。

昨年末にカトーから2019年5月分のポスターが発表されました。
今回はこの内容を見て、あれこれ考えてみようと思います。





【20系「カートレイン九州」・EF65 1000(JR仕様)】

20系関連で今度は「カートレイン」だそうです。
この国鉄末期デビューのキワモノ列車、皆さんはどう見ているでしょうか。

当方はこの列車の生い立ちを、「鉄道の輸送使命を意識してその当時の技術的合理性を追求した結果」ということではなくて、「国鉄首脳によるほんの出来心の結果」だったと思っています。
つまり、当時は既にこんな列車を仕立てなくてもフェリーで車を移動させることができましたし、そもそもマイカーを東京から九州まで移動させるニーズすらそんなに無かったのです。
だから「ニーズの掘り起こしをしようとした列車」なのでした。

結果として、この輸送サービスは定着しませんでした。
後に様々な条件(積載できる車の規格制限など)が旅客会社の運行継続意欲をも減退させていくこととなり、結局のところ、サービスの多様性を模索していた国鉄(JR)の「負の象徴」とも言えそうです。
これを「魅力のある列車」と捉えてしまったところに、カトーの大きな「勘違い」があるような気がしますが、いかがでしょうか。
「特別企画品」という位置づけも、ASSYパーツの流通を封じてその単品需要をセット購入へ流そうとする意図が見え隠れしています。
本来ならば、ユーザーに対してセット購入を必然とするような内容にしなければダメなのです。
「特別企画品」という冠を企画力の弱さを補うキーワードとして使う流れができつつあり、かえってみっともないレッテルと化している気がします。

それにしてもEF65の再生産は早すぎますよね。
ついこの前、24系「瀬戸・あさかぜ」で生産したばかりですし、まだまだ市場には残っているのではないでしょうか。
それだけ各企画のつなぎ方に計算が行われていない、“行き当たりばったり”ということなのでしょう。



【スハ32系中央本線普通列車・EF13・DF50】

ユーザーからすれば禁じ手である「特別企画品」の再生産。
客車セットについてはほぼ1週間で市場から消えた、2016年リリースの伝説のセットです。
当方は発売当時に予約してきちんと手にしていましたので、どんなに中古品の価格が上昇しようと眼中にありませんでした。
そのプレミアの付き方を笑っていたつもりはありませんが(手放すつもりなどありませんので)、こう簡単に再生産されてしまうと胸中は複雑です。
「じゃあ“特別企画品”ってなんなのさ」って。
“あったかーい編成”であるのに初夏である5月に再生産する感覚も謎ですし、EF13はともかく、茶色いDF50までを再生産しようとする点も疑問。
「DF50」という機関車に着目すれば、まずは市場から完全に枯渇している朱色を再生産すべきであり、売り切ったばかりかもしれない茶色を再び小売店に持たせるのはどう考えてもスパルタン、残酷です。
丸っこい初期タイプでも生産すれば別ですが。
どこからかのマヌ34再生産要望を素直に受けっとっただけであり、「だったらその牽引機も必要だよな」と考えたものとしか思えません。



【201系中央線色(T編成)】

これも実質的には再生産。
最大の謎は、忘れかけていた中央線の「201系」を、引退から10年弱という中途半端なタイミングで再生産する必要性が全く見えてこないということです。
最近のカトーには「え、なんで今、これだけを?」と思ってしまうような、唐突的な再生産が多く見られるようになっており、これもどこからかの強烈な要望がそのまま通った形のように見えます。
そしてまた、カトーの中央東線シリーズとなりまして、もう本当にお腹いっぱい。
「201系」というメカへの愛情ならば、いっそのこと関西の40N車をつくる方が面白かったと思います。
オレンジとウグイスを製品化できますし。


といいますか、このポスターを眺めて「新規金型を使った車両って何?」と考えると、角屋根のボディにするワキ10000、カヤ21くらいしか存在しないようです。
ほとんどが再生産品で占められているという事実に気づくと「なんなんだ、これは」となります。
これでは面白いはずもなく、小売店もユーザーを来店させるきっかけにはならないでしょう。





【JR四国 2000系 3両セット】
【JR四国 2000系「南風」】
【JR四国 2000系「しおかぜ・いしづち」】(特別企画品)

2018年版カタログにおける「宿題」となっていた2000系気動車は「5月分」ポスターと区別され、「2019年夏」と付されました。
この微妙なニュアンスの変化には注目しておきましょうか。
製品としては3つに区分されていますが、特に目立つ違いはなさそうで、そしてまたここでも「特別企画品」。
なんとなく車番違いを設定して、一気にユーザーに多く買わせようとしているように見えてしまうのですが。
かつてであれば、次の展開、次の次の展開を仕込んでおいて、その長いスパンで金型を償却していくプランが見え隠れしていました。
ユーザーとしてもその方が財政負担的に優しく、歓迎できる展開だったのです。
いずれにしろ、マイクロエースの2000系は側面の湾曲位置がおかしい(下膨れ)ため、その湾曲位置の影響がそのまま出てしまっている正面のふくれた表情が完全に破綻しています。
当方は初回品を買い求めたものの、その破綻を見つけてしまい、すぐに手放していました。
それをカトーの2000系で「買いなおす」のであれば今回しかないようです。

「2424」を特別企画品にするとか、そんな変化球があればよかったですね。
24系「瀬戸・あさかぜ」という企画とも時期的には約1年というブランクを空けてしまったところが惜しく、そういう点でもユーザーを振り向かせる仕掛けに丁寧な組み立てが欠けています。



□     □     □



これにてカトーの2018年度は終わり(のはず)です。
新年度となる6月以降、どんな展開が待っているかはまだわかりませんが、「塗り替え品」ばかりになるようでしたら勘弁してもらいたいと事前に言っておきましょう。
最近は「信州方面」で、中古車両の塗り替えを客寄せツールとしている鉄道もありますから(それはそれでいいのですが)、カトーが模型の世界で追従しないとも限りません。
しかしですよ、たとえ実車の世界で人気があったとしても、模型の世界で人気があるとは限らないのですよ。
「撮影」をナリワイとしている方々が、果たしてその撮影対象の模型を買う行為までしてくれるでしょうか。
塗り替え品を企画するときは「1/150スケールで保管しておきたくなる世界」というものをうまく捉えてほしいナと思います。
だってねぇ、1990年代に生産された「ムーンライト3兄弟」はいつまで経っても小売店の不良在庫となり続け、長い間小売店を苦しめたじゃないですか。
そこには生産するメーカーに何らかの「勘違い」があったように思えてなりません。
最後にそんな教訓を記して、本稿を終わりとしましょう。

ではまた。

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