(その3からつづく)
【カトー・その1】
カトーについては、毎月のポスターの発表時にもいろいろとズカズカとお話ししていますけど、その延長で今回もテストショットを見ながら考えてみようと思います。


仙台の701系です。
10月の発売に向けて、全てが確定し、概ね生産準備が完了したようでした。
こうした銀色のスクエアな車体を製品化することに関しては、もはやカトーは「敵無し状態」。
金型の設計だけでなく、銀色の塗料についても改良を重ねてきましたから、それはそうなんです。
まるで実車を見ているような錯覚を覚えます。
何故か先頭車の遮光ケースだけ大量に欲しいのですが…
主役に対する「風景」みたいな役割を演じる車両って、発売された後しばらく経ってからジワジワと探し始めたりするんですよ。
今回もそんな心理を先読みしておかないといけないようです。



415系。
ライトリムなどなど、これまでの設計思想がそのまま生かされていて、こうして見ていても確かに違和感はありません。
115系や165系などで培われてきた仕様がきちんと反映されていれば問題ないのでしょう。
逆に言えば、既に見たことがあるような模型に仕上がっています。
テストショットについてはそんな感想で、ユーザーとして悩むのは、企画的に低運転台の401系を先にやって欲しかったとか、せめてローズ色からやって欲しかったとか、そういうところ?
国鉄時代のアイボリー色となると、組み合わせる車両が485系「ひたち」とか営団6000系とかになるとは思うんですけど。
ポスターでの発表以来、どうしてこの製品にときめかないのか、その理由がモヤモヤしていてよく分からないのです。
「自分にとって買う必要がない模型」という答えだけはハッキリしているんですけどね。
なんでだろ~。
「買う理由」ってとても必要です。


787系アラウンド。
セールスミーティングのレポートでも見ていますのであんまり感想はないのです。
あの豪華列車の先駆けとも言える787系が先頭車同士で連結している姿は、どこか見ていて悲しい。
でも、カトーとしてはこれが「面白い」ということのようです。
伸縮カプラーに対応するスカートパーツを見ると、丸い穴の位置が通常のスカートパーツの位置よりも下がって見えますが。
当方の目がおかしいのかな?
その他の仕上がり感は既存製品と変わり映えなし。
新規のクロハに注目すべきでしたが、撮り忘れました。

381系ゆったりやくものクモハ。
スカートの形状が独特ですね。
カトーの〈岡山シリーズ〉が着々と構築されているようです。


しなの鉄道の115系。
赤い方が通常品で、湘南色と横須賀色は3両と3両を足した6両セットの特別企画品。
1000番台長野色の際にディテールフルになったライトリムパーツは、先行して製品化された300番台のために欲しかったんですが、そんなASSYパーツの設定はありませんから、仕方がありません。
世の中、不自由なことばかりですョ。
そろそろ発売です。


ユニトラムの設計を活用した貨物ヤードのプレートが試作品として置かれていました。
これはこれで「遊び方の提案」となっていて、面白そうです。
何よりも線路の表現が豊かですし、コンテナ置き場はスプレーを吹き付けるだけでよりリアルに変身させることができそうです。
ミニジオラマとして机の上にチョコンとコンテナ駅とか、車両工場での新車ロールアウトなどのワンシーンを再現するのも可。
見ているだけで使い方(というか妄想)は広がります。
伺ったところ、数年前に唐突に発売されたフォークリフトやトップリフターはこのプレートとの一連の企画だったそうで、ようやく陽の目を見た形なんだそうです。
とはいえ、フォークリフトやトップリフターはすっかり市場から消えて久しい訳で。
ここは再生産を望む声が、ユーザーだけでなく小売店からも出てきそうですよね。
ということで、セールスミーティングで披露されているテストショットがいくつか並んでいたよ…というレポートです。
皆さんは、これらの中に「欲しいゾ」と言えるアイテムがあるかと思いますが、当方から見ると、並んだテストショット相互の関連性はもちろん、「以前にリリースしたこんなアイテムと並べると面白いですよ」というアピールも感じられませんでした。
ひたすらに「701系です」「787系です」という淡々とした展示で、これでは他社ブースとあまり変わらない。
701系ならば、今度再生産する651系と並べて仙台駅の空気感を醸し出すとか、787系ならば「ななつ星in九州」と並べて市場にまだある在庫を動かす工夫をするとか、アイテム数が豊富なカトーとしてはそんなイタズラ心を爆発させてもいいんじゃないですかねー。
ユーザーは、新製品をキーとした「面的な広がり」を教えて欲しいものなのです。
以前は出来ていた「遊び方の提案」がすっかり見られなくなり、“中の人”自身が遊ぼうとしていないような気がしてなりません(車両そのものに対するこだわりは感じますが)。
ですから相対的に、トミーテックがやっていることの方が楽しそうに見えるのです。
もっとグイグイとユーザーを引っ張るような個性的な〈連続企画〉があって欲しいし、その流れにおいては「発狂」してもいいと思いますよ。
あ、動物フィギュアと警察ロボットの模型だけは別です(笑)
(その5・完へつづく)
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- 2019/08/22(木) 12:40:00|
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