こんばんは。しなのさかいです。

夏の終わりを告げるイベント「全日本模型ホビーショー」が今年も開催されました。
今回は東京ビックサイトの改修の影響からか、りんかい線・東京テレポート駅そばに仮設された東京ビックサイト「青海展示棟(青海ホールA)」が会場。
駅の地上出口から歩いて数歩の距離ですし、空調もキチンと効いていて、仮設施設としては高評価です。
来場者数からしてもこのホールは模型ショーのような規模にはうってつけのようで、静岡ホビーショーのような立ち止まっていられない殺伐とした雰囲気は全く見られませんでした。
仮設ですから撤去が控えているのでしょうが、恒久設置でも良さそうですョ。
今回も線路際の住民先生と二人であれこれと談義しながらの会場内回遊となりました。
いつものことながら、今回以降しばらくは当方の主観ばかりとなる記事が続きますが、もしよろしければお付き合いください。
【ピーエムオフィスエー】

今回のショーにおける鉄道関連では、この1/80の201系(中央線)が大きな話題と言えるでしょう。
株式会社ピーエムオフィスエーは、我々のような鉄道の世界の人間からすれば認識が十分ではありません(たぶん)。
所在地は長野県諏訪市だそうで、ホームページには「営業品目 金型の設計及び製造 プラスチック成型及びプレス加工業 経営合理化等に関するコンサルタント業務 キャラクターフィギュア・プラスチックキット等の製品の企画・設計・開発・生産・販売」とあります。
金型を自ら製造している点は「お!」となります。
当方は「さんれ~く」の稿で触れましたが、この会社を「諏訪姫」キャラクターの展開で注目していたところだったのであります。

説明が遅くなりましたが、これは「プラモデル」です。
ボディは一体成形。
吊り革などの各種パーツがディスプレイモデルであることを示していますね。
先頭車セット(クハ201・クハ200)、中間車セット(モハ201・モハ200)が各12,500円で、12月発売予定。

パーツ全体を見てみましょう。
ブルー系のパーツは座席。
台車の構造が細かく分かるようになっています。

床下機器をアップで。
機器類の分割線を処理するのが大変かも(笑)

鉄道模型をやっていると、クーラーを見て大体の精度を知ろうとするクセがありまして、自分でもいやらしいなと思います。


電車庫、架線柱、洗浄台もペーパーキットで製品化されます。
その他プラスチックキットでは、ピット線路、キュービクル、継電器、入換信号機を製品化予定。
伺ったところ、会社としては「車両だけではなく周辺のアクセサリーも是非製品化すべし」との積極的な方針に至った…とのことでした(頼もしいですね)。
電車庫(ペーパーキット)はテスト品なのか、もうブース内で販売されていました。
市販品は11月発売予定で、お値段は9,800円(税抜)。


イメージをつかむには十分なジオラマの作例。
担当さんに「どうして201系なのさ?」と質問したところ、諏訪地域を走る(走った)車両のうち、ボディカラーのインパクトが強いことを理由に選んだとの御回答がありました。
201系は諏訪湖の花火大会関連輸送でよくアルバイトをしに諏訪地域まで来ていましたからね。
そしてプラモデルにしたのは、持てる金型の設計技術を全力で注ぎ込みたかったからだそうで、企画当初から、会社として経験値のない「鉄道模型」としての走行装置やライトユニットなどは、きっぱりと外部にお任せしようと割り切っていたそうです。
さて、当方は「このプラモデルが今後どういう運命をたどるのか…」という点に関心を持つのであります。
当ブログでは、こうしたショーで、新機軸を打ち出す新規参入企業を見て、取り上げてきましたが、その後はきちんとこの市場に残る会社と早々に退場する会社に分かれ、どちらかというと後者の方が多かったように感じています。
今回は飽くまでも「プラモデル」ですから、鉄道模型ユーザーがとやかくいうのも変かもしれません。
しかしながら、この1/80といういやらしいスケールのプラモデルに需要があるとしたら、そのほとんどは鉄道模型ユーザーのそれなのだと思うのです。
走行化を簡単に実現できるパーツ類が何処からか現れたなら、潜在する需要が浮き上がってくる可能性はありますが…。
振り返れば、現在この市場には1/80スケールの車両プラキット(完成品ではなくてですよ)が多く市場に出回っています。
古くはホビーモデル製、最近ではあまぎのZugブランドやネコパブのホビダスブランド。
アクラス製205系なんていうのもありますよね。
そして、16番ユーザーには、これらを手に取るためには揺るぎない覚悟が必要のようで、近所の量販店にはいつまでも売れない店頭在庫があることを確認しています。
スケールこそ異なりますが、アオシマのDD51やEF66のプラモデルも然り。
完成作例が少ないですよね。
なんとなくですが、精巧なパーツであることは認めることができても、必ず「鉄道模型」に化けるという「約束」は、これらの精巧なキットからは感じられないのかもしれませんね。
16番に限らずに、今リリースされるべき鉄道模型の「キット」に必要な視点はそんなことなのではないでしょうか。
かつてのカトーの阪急6300系や京急800形のように、完成品から逆に分解した状態でのキットなんていうのものが出てくればよいのにと思うわけなんです。
いずれにせよ、新しい情熱を持ったプレイヤーが市場の上流に現れてくれました。
どうか退場することなく、早い段階で市場での立ち位置を確立させてください。
【グッドスマイルカンパニー】


東京都電6000形、のプラモデル。
試作品ということで、仕様や価格はまだまだ未定のようです。
スケールは1/24、全長512㎜(51.2㎝)だそうなので、ちょっとした出窓に置けば存在感(威圧感)は大きそう。
こちらもプラモデル。
この辺りになると、もう「鉄道模型」にするよりは「ラジコン」にしてしまった方が良さそうです(笑)。
【ポポンデッタ】


何かと話題の相鉄20000系。
そのサンプルを見ることができました。
第1弾のJR九州305系が発売となっていない現段階では、まだまだその出来は想像することができません。
が「安中貨物事件」を知る人間から見ると、このサンプルはなかなか善戦しているようでもあります。
いわゆる「電車系」への新規参入初期シリーズとなるであろう、この辺りのラインナップでは、少なくとも「選択肢になり得ない」ことはなさそうです。

南海30000系こうや号も。
サンプルとしてはもう一つのモノが線路を走っていまして、そちらの方がより分かりやすいテストショットだったかも。
少しだけお話を伺いました。
「安中貨物」のときは、生産体制面において工場へ指示を伝達することに難しかった点があったそうで、今の体制はその課題をクリアしているようです。
このポポンデッタ電車シリーズ、当方から見ると、少なくとも「鉄道模型の完成品」と言うべきパーツ構成の条件(貫通幌があるとか、床下パーツは機器との一体成形だとか)はキチンと満たしていますし、会話している脇をクルクル走る305系の車体への印刷もしっかりしていましたから、マイクロエースのようなレベルには達しているのではないかと想像します(おそらく)。
これなら予定品の状態で既にグリーンマックスと激突している「阪急1000系」対決は、少しだけ楽しみになります。

ジオラマ関連では法面のフレームがありました。
コルク仕様なので、ちょっとした歪んだ地形には難なく追従すると思われ、レイアウト作業がはかどりそう。
先のスノーシェッドといい、こういうの、どこかで見たような…
(その2へつづく)
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- 2019/09/30(月) 23:15:00|
- 鉄道模型イベント
-
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-
| コメント:3
模型販売業者からファブレスなのに製造メーカだと言っているところ。
担当者は、元___です。
工場は中国製日本型模型を売っているとこといっしょですよ。
やってること、いっしょやん。看板変わってるだけ。
- 2019/10/01(火) 23:22:18 |
- URL |
- Mu #CnwbxUkc
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しなのさかい様お疲れ様でした、今年も早いものでこの模型ショーで締めくくられた訳ですが、如何でしたでしょうか?
201系プラモデルに車両だけで無く周辺部を含める見せ方にワクワクしてしまいます、振り向けばオオカ商事様が…
相鉄20000系を見て、ん?何かが違う…
塗装のボッテリ感に実車の持つスマートなイメージを損ねているのかな? こうや号を見て そう、こうや号だね!と感じる事が出来る仕上がりなだけに、目立ってしまうのでした。
- 2019/10/02(水) 06:37:27 |
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- 線路際の住民 #-
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線路際の住民先生
お疲れ様でした。
やはり二人以上で頭の中を整理しながら会場を回ることは大事です。
ポポンデッタブランドがどのようにリスタートするのか、我々の選択肢となるのか、楽しみと不安が混じり合います。相鉄20000系がその辺の分岐点になるかもしれません。
それにしても、オオカさんが背後から忍び寄ってきたことには驚きましたね(笑)
- 2019/10/05(土) 09:35:20 |
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- しなのさかい #-
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