しなのさかいの駅前広場

もうお腹いっぱいです。

第59回全日本模型ホビーショー(その5)

(その4からつづく)


【カトー・その1】





「やまぐち」向けのC57 1は年末発売予定。
当方からサンプルに意見を言うことはありません。
専門家の方がそれぞれ確認してください。





ナンバープレートのフォントは、10年前のレベルと比べれば相当な進歩をしてくれました。
このレベルで、これまでの蒸気機関車に対応する「ナンバープレート集」を発売してくれると楽しいのですが、今のカトーの様子では無理でしょう。
そのナンバープレート集にはしれっと適正なフォントの「C62 2」と「C62 3」が収録されていたりして。
これまでに買い物をしたユーザーをさらに楽しませるやり方って、何も車両を増やすことだけではないのですゾ。







113系0番台。
サンプルが緑色の樹脂のままなので、結局のところその正体はよく分かりませんでした。
サロだけは確認できましたが。

んー、どうしましょうか。
やはりというか、年末アイテムにしては話題性が乏しいようです(年末に相応しいスペシャル感がないですから)。
皆さんが通っている模型店では、この113系は話題になっているでしょうか?





今回展示された試作品の中で一際目立つ存在だったのが「貨物プレート」。
JAMでも先行して発表されていましたが、さらにその詳細が見えてきました。





「基本セット」にはパーツが封入されるそうです。
で、そのパーツがなんともニクイ。







まずはカートレイン用として、自動車のパレットと客車へ乗り込むための乗降台。
こういうストーリーを用意しているのなら、もっとカートレインセットと共にアピールすれば良かったのにと思います。

ワキ10000も、マイクロエース製品のように扉が開けは面白そうなものです。
カトーでもツムで扉の開閉ギミックを実現させているのですから、プラの厚みなどで設計上の障害があるとも言えないはずです。
だからパレットに車を置いて、それをフォークで刺していても、ワキの扉が開いていないから、なんだか寒々とした風景です。
「重いから早く誰か開けろ!」と叫んでいるシーンに見えちゃいますよね(笑)

企画する側がもっと遊ばなければ、買う側にはそれなりの価値しか感じられない…という好事例と言えそうです。
少しもったいなかったようですね。







その意味では、このク5000用自動車積卸装置も同じです。
「こんなことも考えていますよ」とクの発売当時に一言あれば、企画の見方も変わってきたのではないでしょうか。
今からクを探す人、多くなるのでは。
こうして小売店の販売機会が損失しているのです。





サウンドカードについては、C62用、2000系気動車用、EF81用、EF65用が発売予定。
どれも遊ぶためには必要なものばかりです。

特にC62用カードは、担当者さんにデモンストレーションをしていただき、メカニカルストーカーの音も確認することができましたし、重低音が響く制動音にもグッときました。

サウンドボックス・カードシリーズ開始当初は生録音したものだけをカード化していたようですが、今は亡き車両のカード化ミッションも増えてきたため、現役時代にファンが録音した音源を探し求めて、それをプログラムに取り込むことも積極的に行なっているそうです。
そうした手法を混じえてか、これらの後にも続々とカード化の企画が控えているそうですから、サウンドボックスを2台持つ当方としては楽しみ。
なんといっても、手元にある車両が再び魅力的な遊び道具になるところがイイです。
皆さんを(勝手に)代表して、コントローラー同調カードの「サウンド同調ウイルス」、それからキハ85系のサウンドも是非とお願いしておきました。





ファッションビルとテナントビルは、久しぶりの生産。
こういうの、いつまでもあると思っていると大間違いで、必要なときには日本全国を探し回ることになるかもしれませんよ。
何らかの野望を持つ方は早めに買っておて、こっそりとクローゼットにしまっておきましょう。


□     □     □


その他、カトーブースの透明ケース内では、多くの車両のサンプルが飾られていましたが、JAMの内容とほぼ同じでしたので、ここでは省略します。
もっとも、最近のポスターの内容(新規モノがないこと)を振り返れば、従来の金型によるものとほぼ同じになるはずですから、新しいサンプルなどあってもなくてもどうでもいい訳です。

そういう真相を察しているからか分かりませんが、今回、カトーブースを一歩下がって見ていると、見に来たユーザーの関心がほとんど「貨物プレート」に集まってしまっていたようで、車両サンプルを食い入るように見ようとする人は少なめでした。
こういうところに、今のカトーを見つめるユーザーの視線が表れているのかもしれません。
うまく表現できませんが、透明ケース前にたどり着いたユーザーがそれぞれ「これを待っていた」「守備範囲外のものばかり、イラネ」と、淡々と仕分け作業をしているだけ…のようで。

もともと興味がないアイテムでも、遊び方の提案を受けると自分の勉強不足に気づきますし、その方がメーカーとの対話、他のユーザーとの対話も弾みます。
当ブログでは、従前からこのようなことを「(深みのある)企画力」だと言ってきたつもりです。
そして数年前までは、貨物プレートのようなアクセサリーなどではなく、車両や列車そのもので「こう遊ぶべし」という提案を受けることができていました。
その企画力が、残念ながら今は見ることができません。
あ、念のために申せば、「遊び方の提案」とは「イチオシ」などで編成表をバラまくことを指すのではありませんからね。
415系を、113系を買ったその後で、買った意味がさらに増幅することを言っているのです。
415系を企画した決断の中身は「ただ大好きな415系を模型化したかっただけ」なのか?
それとも企画には続きがあって、「あー415系を買っておけばよかったー」と後悔する人が続出することも考えているのか?
ユーザーは製品化発表のポスターを見てから、ずーっと、そういう問いかけをし続けているのです。


(その6・完へつづく)

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  1. 2019/10/04(金) 23:35:00|
  2. 鉄道模型イベント
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コメント

レポートありがとうございます。
先程発売予定ポスターが更新されて、貨物駅は11月発売だそうです。
来月いきなり発売は予算確保が難しそうですがどう思いますか?
せめて12月か年明けだったら準備できそうですが。

私は準備できなさそうですので、
予算が整うまで売り切れない事を願うばかりです。
  1. 2019/10/05(土) 15:02:09 |
  2. URL |
  3. planet #-
  4. [ 編集 ]

いつでも買えるように

planetさん

貨物駅プレートのようなアクセサリー商品は、トミックスの車両基地セットのように店頭から絶やさないやり方で生産してもらいたいですね。念のために買っておく…というのもどこか違うと思います。
導入した車両を撮影する場所として、このプレートには注目しています。
  1. 2019/10/05(土) 18:39:01 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

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