しなのさかいの駅前広場

415系、売れているのかなぁ。

第59回全日本模型ホビーショー(その6・完)

(その5からつづく)


【カトー・その2】



最後にカトーの「トワイライトエクスプレス瑞風」を見ながら、今回のレポートを終わりにしようと思います。





パッケージ(スリーブ)を背景に。
ケース本体の色は「四季島」や「ななつ星in九州」と同じように、瑞風グリーンに近いものを選ぶつもりだったそうですが、その結果、いつものカトーの色になってしまったそうです。
どちらも互いに似ていますから、ある意味で必然ですよね。
ケースに印刷される文字類は、これまでの2製品と同じ傾向ですから、「ななつ星」等と並べてニヤニヤする楽しみもちゃんとあります。
御安心を。





斜め上から。
金色の帯の印刷もしっかりと。
色調も、黄土色のようには見られず、キチンとゴールドになっていました。





屋根上です。
「ななつ星in九州」もそうでしたが、当方は丸い屋根の美しさにはヤられやすい体質です(笑)





所属標記もしっかりと印刷されていますし、展望デッキ横の小さいエンブレムも台座表現を施した上で印刷されているので、満足感というか「手にする喜び」が高そう。





連結部を見てみました。
「近ミハ 定員6名」と位置呼称の「②」。
ドアコックの位置を示す三角マークもありますから、サードパーティのインレタを探し回る必要など全くなし。
こういう措置が手にしたときの満足感、安心感につながるのです。
やはり外観重視の姿勢は、当方には合っています。





ボディの反射具合を確認しているように見えるかもしれませんが、それだけでなく、10号車にある縦型の窓を見ていたのです。
と言いますのも、ガラスの平面性がキチンと出ているからなのです。
こういうところで平面性が失われてしまうと、蛍光灯の反射線などがふにゃーッと丸まってしてしまい、外観に違和感が生まれます。
技術力の勝負にも注目。





こちらもそんな趣旨で見たときの画像。
ガラスパーツの薄さとエッジの効き具合(角の出し方)がボディ側との連続性を気持ちいいものにさせています。
例えばの話ですが、ガラスパーツがブ厚かったり、エッジを効かせずに(角が丸まって)いたりすると、ありもしないはずの“白い窓枠”が見えたりするのです。
このサンプルにはそうした点がなく、塗料の良さと相まって実車に近い、安定感のある外側が再現されていると考えました。





スマホで撮影していますから残念な画像になっていますけど、肉眼で黒い箱の中を見ると、それはもう気持ちのいいものでしたよ。
来る人が皆、この箱に顔を入れるようにして、模型談議に花を咲かせていたようです。
尾灯点灯時のデッキ天井の灯りが金色の手すりに幾重にも反射して美しい。

それから尾灯のことをメモしておきましょう。
実はこの模型では、ライトのプリズムの中心を丸く彫刻してあって、僅かながら光の屈折率を変える配慮をしているんだそうです。
こうすることで、あのドーナツ形尾灯の再現を目指していたんですね。
あとはユーザーが抱く「あるべきドーナツ形尾灯」の程度をどの辺で手打ちとするか、でしょうか。
どういう仕様にせよ、コントローラーの電圧を上げてバーンと明るく点灯してしまえば、せっかくのドーナツの穴も見えなくなることでしょう。
なので「理論上はドーナツ形に光る」と思っていればそれでいいのかもしれません。





瑞風グリーンに落ち着いた色の室内灯。
そして窓にはカーテン。
見えなくても、乗客が食事をして、乗務員が給仕をしている様子が「見えます」。
いつまでもいつまでも見ていたくなります。

ここで改めて取り上げることは、各車とも、室内灯が「LED室内灯クリア」1個のみで点灯している、ということなんです。
LEDは、消費電力が少ないとはいえ、数が多くなればそれだけ厳しい走行環境になることは間違いなく、やはり少ない方がいいに決まっていますから。
LED1個でもここまで車内を明るくすることができてしまう。
これも技術が裏打ちとなった「自信」なのでしょうね。







「瑞風」の走行シーンをイメージさせるカトー謹製モジュールレイアウト。
こうして見てしまうと、自然とこの視線からは見えない車内の様子が想像できる気がします。

レイアウトも岩や土の色の選び方が素晴らしい。





細かい標記類はこんなアングルで見ると効き目があります。
ボディに映る光の反射具合がたまりませんな。

トミックス製品に遅れること約2か月。
11月から12月にかけて、今度はカトー製品があれこれと市場を賑わすことでしょう。

以上でカトーブースを見た感想はおしまいです。



□     □     □



今回も会場を見学した後は、特別顧問をお迎えしてのよもやま話となりました。
ありがとうございました。


前回のJAMの稿でも述べたとおり、Nゲージの価格は一昔前に比べると、明らかに一段階「上」へ進んだようで、もはやマイクロエースだけの問題ではなくなってしまっています。
このことに対して、ユーザーである当方は、悲しいことに手元の資金が増えていません。
ですから、どうしても店頭に並ぶたくさんの製品から自分の手元に引き寄せたい模型を吟味することで対処するしかないのであります。

そこで必要としているのは、後悔しないための「新しい基準」です。

これまでは「あの車両が発売されるのか、待ってました」というように「ネタ」だけで購入を決めていたケースが多かったような気がしています。
しかし、市場の上流のプレイヤーが、鉄道車両を1/150スケールで模型化するとき、そこには必ず考え方や思想が存在します。
さらにはその思想を具体化する「技術」も持っているはず。
こうした点は、これまでのショーで散々見て感じできました。
例えば…
・連結部に幌パーツがある(ない)
・車体への標記類が印刷されている(いない)
・方向幕等のシールが付属する(しない)
・先頭車のライトのためのLEDの数が多い(少ない)
・車内の作り込みがものすごい(そうでもない)
・屋根やベンチレーターが別パーツである(ない)
などなどです。

これらは全て、模型化を検討するときに「ウチはこれで行こう」という基本的な考え方で固められているはずで、その思想を具体化するための技術もそれなりの進化(か停滞)があったんだと考えます。

今回の「トワイライトエクスプレス瑞風」のように、車内表現の程度こそが自分の基準であればトミックス製品を選ぶでことになるでしょうし、それよりも車体への標記類が印刷されていることを必要とするならばカトー製品を選ぶことになるかもしれません。

今回の「瑞風」は、たまたま同じタイミングで企画が競合してしまったため、ユーザーにとってはとてもセンシティブな選択となってしまいましたが、当方にとっては、自分の手元に引き寄せても後悔しない選択を考える良い機会になりました。
自分としてはやっぱり…。

自分にとって最適なNゲージとの付き合い方を考えて、これからの財政出動の在り方も考えてみると、ネタとは別の角度として、こんな基準が見えてくるのです。
これを「信者」というかどうかは、皆さんの御判断にお任せしましょう。






今回のショーで、各社が秋から冬にかけて発売を予定している模型の具体像が見えてきました。

価格高騰の上に消費税の税率アップが被さってしまいましたから、Nゲージの買い物ミッションは数年前に比べて格段に難しく、より慎重に遂行する必要があります。

持てる財をどういう「プラスチックの物体」に化けさせるのか。
その選択は全く持ってユーザーの自由であります。
しかし、そのときは各人がその対価をしっかりと感じ取るべきで、お金を出す以上、誰もがそう思っているはず。
その対価は無条件に「ネタ」で感じ取るのではなく、模型の送り手が語っているはずの「この車両をウチが模型化したらこうなりましたよ」という考え方、思想、メッセージとそれに伴う設計技術で感じたいですね。
もしそうであれば、買ってきた模型は手をつけるのももったいないくらいに、神棚か枕元にでも置くことになるんじゃなと思います。
逆に対価を感じられないのであれば、買って帰ってきたその場で「違う!」と叫んで切り刻んだり、ヤスリでガリガリしたり、サードパーティのパーツを探し始めるのでしょう。
それもそれでホビーライフとしてはアリですが、当方はそういうことをして失敗して泣いて買い直すこともしてきました(大笑)

対価を感じ取ることができないのであれば、ヤスリでガリガリする前に、そんな模型の送り手とは決別した方がいいかもしれません。
そうしないと、いつまで経っても「ナメた模型」が店頭に並ぶことになります。
そして「ナメた模型」は、じわじわと小売店を疲弊させ、市場全体のレベルを低下させるのです。



またまた情報鮮度が落ちる中で、一週間お付き合いいただきありがとうございました。
ではまたお目にかかります。

スポンサーサイト



  1. 2019/10/05(土) 19:00:00|
  2. 鉄道模型イベント
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<KATO 2020年2月分ポスターを見て思わず電卓をたたいてみる。 | ホーム | 第59回全日本模型ホビーショー(その5)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://sinanosakai.blog100.fc2.com/tb.php/1664-3f6dd955
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)