しなのさかいの駅前広場

「トイレ」が付く製品名はあんまりよろしくないですね。

さようなら、思い出の竜宮丸

こんばんは。しなのさかいです。

前回、秋の色を求めて諏訪地方をウロウロしたところで「つづく」としていました。
今回はその続きとなります。




御存知かもしれませんが、諏訪湖にはいくつかの遊覧船が浮かんでいます。
そのうちの一つ、なんともユーモラスで思わずほっこりしてしまう外観の「竜宮丸」が、2020年3月に引退することとなりました。
先日、どこからとなく引退のニュースに接したため、仕事も手につかないほど気落ちしてしまい、どうしようかと悩み続けていたところだったんです。

我が家はこの船に何度もお世話になっていますので、思い出も深く、このまま冷たいお別れとなることは出来れば避けたい。
こんな理由から、竜宮丸のお別れ乗船を目的〈その2〉とした、というのが今回の「諏訪攻め」の真相だったのです(少々オーバーですな)。





でも、何故それほどまでに「思い出深い」のか。
それは我が家の旅行スタイルにあります。


2000年に長女が生まれてからの我が家は、なるべくお金をかけずにフィールドワークをすることを心がけてきました。
もちろんTDL的な何かを思い出の場所などにしたくなかった…という意図も強かったと思います。
なので、その長女が1歳の頃から連れ回した場所は『旅行読売』で取り上げられるようなところばかりとなってしまい、具体的に言えば、夏は伊豆、秋は信州という結果。
温泉とささやかな味覚、それにさりげない旅先の日常風景を求めて、ただそれだけを目的として車を運転してきました。

しかし、それだけではある種の虐待であり、子どもの心理としても退屈になりますよね(たぶん)。
そんな気分を紛らわす(ごまかす?)には、ココ諏訪湖にある「カメのおふね」は、TDLに匹敵する有効なアトラクションだった、というワケ。
当然ながら2005年に次女が生まれても同じで、このカメは諏訪湖にたどり着けば「いつでも居るもの」に。
竜宮丸は、いつしかそんな存在となっていったのでした。

こんなこともありまして、夕飯を囲みながら我が家の女三人に「最後になりそうだから、行くよ」と告げても際立った異論など全く出ず(?)、アッサリと諏訪湖行きが決定したという次第なのです。





だけど、現地入りしても「運航していない」のでは洒落になりません。

仕事の日の昼休み、誰にも見られないところへ身を隠しながら、現地事務所へ電話で問い合わせたところ、「うーん、その日はカメは…」との渋い回答がありました。
え、もしかして運航していないの???

そんなことはありませんでした。
乗船するつもりの日は午後に団体客の予約が入っているので「流動的な運航の予定」とのことだったのです。
「竜宮丸」はキャパが少ないので、団体客のためには「すわん」を動かしているんだとか。
このため、竜宮丸の登板が何時になるか決められない、ということなんですって。
こういうウラ事情は全然知りませんでした。
何事も直接聞いてみるもので、こうした行動規範はホビーショーから学んだことでもあります(笑)

しかし、こちら側の引退を意識したお別れ乗船の試みを告げると、スタッフの方は電話口でとても喜んでくれましてね。
「とにかくその日のカメは運航状態ですから、何時とまではお約束できませんが是非いらしてください」との回答を得ました。
これでひと安心。
旅立ちの前にはこんな経緯がありましたことも付け加えておきましょう。





2020年3月は完全な運航終了で、定期航路での引退はこの12月。
まあ、気軽に乗ることができるのは12月までのようです。
危ないところでした。

実を言うと、出発前まではこの「12月まで」と「3月まで」という二つの情報を得ていたので、少々混乱していたのです。
1月以降は、遠くから乗りに来る人にとってはスケジュールの調整に手惑うかもしれません。
巷の情報が入り混じっているようですので、皆さんの中でお出掛けする際は御注意くださいまし。





きっぷ売り場で「次の竜宮丸は何時発ですか?」と尋ねると、「えーと、次のカメは13時30分ですから…、約1時間後ですね」と窓口氏。
手元をのぞき込むと、この日の時刻表の13時30分の欄に手書きで「カ」と書き加えられていて、ちょっと笑ってしまいました。

お気づきになりましたでしょうか。
先の電話での回答もそうでしたが、現地スタッフでは「竜宮丸」とは呼ばずに「カメ」と呼んでいるようなのです。
おそらくどのお客さんもそう呼ぶから、次第に正式名称ではコミュニケーションが成り立たなくなったんではないかと。

「あのーカメに乗りたいんですけど、いつ出航しますか?」
「あー、竜宮丸のことですね」

なんていう風にイチイチ訂正していたら、会話にトゲが生まれるでしょうから。
こんなところに、この船の現地での馴染み方を感じてしまい、ホッコリしてしまったのです。
我が家で「カメのおふね」と言っていたのもどうやら間違いではなかったようです。





そのカメが諏訪湖に到着したときの写真がありましたので、ちょっと。
1976年ですから昭和51年になります。
皆さんはどんな風にこの世にいらしたでしょうか。



ここで、出発まで時間があるので、湖畔のベンチに座って、あの茅野のパン屋さん「となりて」で買っておいたパンを食べてひなたぼっこ。
ココで食べようと思っていたことは事実です。
年末は強烈な寒さでそんなことは不可能ですから。
この日はなんとも暖かくて、コートなど要らない不思議な気候でしたね。







定刻10分前になり乗船。
親ガメの上にある子ガメは、体育館にあるような折り畳み椅子が数個出されただけのちょっとした展望スペースで、運航中ずっといることには不向きです。

以前の稿でも触れたとおり、乗船直後はこの狭いスペースに上がろうとするお客さんばかりなので、息苦しくなったであろう螺旋階段の上からは悲鳴に似た声が漏れ聞こえてきます。
そのお決まりの過程をこんな所からニヤニヤと見ている我が家はいやらしいし卑怯かもしれませんけど、何度も何度も学習を重ねた結果なのでお許しいただくとしましょう。
こうしたアナログチックな楽しみが確かにこの「カメのおふね」にはあるんです。





操舵室も少し。





親ガメのシッポ。
経年劣化が激しく、これ以上の活躍も無理なんだろうなと諦めるしかなく。
44年間、がんばって働き続けたんですね。





湖の上から見る山並みもイイ色をしていました。
年末の頃では、ここから見る景色はすっかり灰色。
やっぱり「秋」は貴重なのです。









30分弱の遊覧が終わって下船し、名残惜し見ながら手際よくパチパチと撮影しました。
こうして思い出の場所がまたひとつ消えていきます。

おそらくこのカメは、保存などされずにスクラップにされてしまうでしょうが、鉄道車両と同じくカタチあるものですから、これは必然であり、止めることもできません。
せめてものお別れ乗船ができただけでもヨシとしましょう。

もし皆さんの中にもこの竜宮丸に思い出を残されている方がいるのであれば、今のうちの御乗船をオススメします。
もちろん乗船したことがなくても、一度いかがでしょうか。
さりげない乗り物でも、無くなってしまえば寂しいもの。
そして何よりもこれから先、こんなにユーモラスであり「子どものため」の形をした遊覧船は二度と現れないと思います。
その証拠に、竜宮丸と入れ替わる新造船は、なんとなく大人向け。
この秋、民放テレビ局のゴールデンタイムから最後の子ども向け番組が駆逐されたように、今の時代、どんどん「気持ち」に余裕がなくなっていくようで心配です。
「カメのおふね」は、そんな時代の流れの中で浮かぶ最後の「のりもの」だったのかもしれません。

さようなら、思い出の竜宮丸。



□      □      □





カメの親子にキチンとお別れをした後は、娘たちの御朱印集めに協力することとし、諏訪大社の四社を

①下社・秋宮(しもしゃ・あきみや)

②下社・春宮(しもしゃ・はるみや)

③上社・本宮(かみしゃ・ほんみや)

④上社・前宮(かみしゃ・まえみや)

の順にラリー(正式には「四社参り」)。
この日は土曜日で、郵便局巡りは無理ですから、こんなサービスもしてあげないと。







紅葉を楽しみながら御朱印の仕上がりを待ちました。
自分が郵便局を巡っているときはゼイゼイハアハアという感じなのですが、いざ待つ方になってみると結構余裕があるもので、いろいろと観察できることに気づきました。





しかしながらこの日は、下社・春宮だけ上手く御朱印帳を裁けていないようで、当方のような素人が見ても中はテンテコマイの御様子。
御朱印ブーム、加熱し過ぎて逆噴射がかからなければイイんですけどね。
もっとも、我が家のような旅の傾向の中では親和性が高い趣味(?)と言えそうです。
子どもが楽しめているというのは、親としては無条件に楽な気持ちになるものでして(笑)





行政区分的には「茅野市宮川」となる上社・前宮でスワ・ショートラリーをフィニッシュ(わざと横文字風に書いています)。
四社参りの景品は巾着袋だったようです。
ちょうど17時になろうかというところでして、我が家の他にも一人で汗だくになりながら参拝と御朱印をこなす男性がいました。


こんな頃合いで長女が「なにかうまいものを食わせろ」とおっしゃる。
一瞬、あの「さんれーく」岡谷店が頭の中に浮かびましたが、コアラの郷への再訪はもう少しだけインターバルを開けておきたくなりましてね。

考えた末、以前から気になるお店があるので(またです)、諏訪インターから中央道を駆け抜けて一宮御坂インターまでワープ。
すぐさま石和温泉方面へ走り、温泉街の近くにある洋食店「ドンキホーテ」さんへたどり着きました。
念のために申しますと、20号バイパス沿いにあるディスカウントストア「ドン・キホーテいさわ店」のことではありません。
18時過ぎなので開店したばかりのようで、我が家以外にお客さんはまだおらず。
メニューを見て長女が「ハンバーグ!」と言うので、自然と全員がハンバーグをお願いする流れになりまして…、





運ばれてきたハンバーグステーキがドーン!
とんでもないボリュームになっています。
運ばれてきた瞬間、サラダとの位置関係、遠近感覚がつかめなくなってしまい、少々焦りました。





肉汁がジュワって。
美味しさについては語らなくてもお分かりいただけるかと。

帰りがけに女房殿が「このハンバーグ、一体何グラムだったんですか?」と聞いたところ、「うーん、測ったことがないから分からないワ」というあっけらかーんとしたお返事がありまして、これまた凄いことだなと感心。
予備知識を曖昧にしたまま訪問したこのお店は、どうやらデカ盛り方面のそれだったようです。
あ、御飯は普通でしたよ。
ハンバーグステーキが1,000円、ライスが250円でした。


お店を後にし、車の中で「当分はハンバーグを食べなくてもいいね」という意見で全会一致、本案は可決成立です。
その後、ほったらかし温泉へ向かったという事実は、もう語るまでもないでしょう。


ではまた。

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  1. 2019/11/30(土) 20:20:00|
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コメント

かめさんも引退ですか・・
どこか湖畔にでも保存していただきたいとは思いますが、鉄道車両のように見えるところだけが車体ではないので陸に上げればかなりの大物になりますから屋根なども作ると相当の費用がかかりますから現実的ではなさそうですね。
そんなかめさんも、このように記事で残してくださる方がおられるので、きっと満足していると思いますよ。
  1. 2019/12/04(水) 07:35:37 |
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PINさん

保存しても錆、腐食などで朽ちていくくらいならいっそ解体されてしまった方がいいのかもしれません。
最近の鉄道車両の保存に関するニュースを見ると、どうしても悲観的になります。711系なんてどれだけ大騒ぎして保存にこぎつけたのか。屋根のない屋外で保存することはもはや無謀なのだと気づかなければなりませんね。クラウドファウンディングでの修繕費用募集はそんな将来性の有無によって判断してもいいのかもしれません。
  1. 2019/12/04(水) 11:19:48 |
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