こんばんは。しなのさかいです。
財政的におだやかな日々が続いており、マイペースにのんびりと趣味活動を営んでいます。
レイアウト上にもう少し大幅なアレンジを加えたくなって、せっかくの週末の運転もウヤにして「列車の背景」づくり。
近いうちにきちんと御報告が出来ればイイんですが。
2週間連続でそんなことをしてしまうと更新が滞ってしまうのはこれまでどおりで、皆さんには大変申し訳なく思っております。

さて、2月1日と2日、つまり昨日と今日に横浜ランドマークプラザで鉄道模型イベントが開催される関係から「その前日の1月31日にはあるだろう」と思っていたカトーの新ポスター発表。
やはりそのとおりに発表されまして、内容に対する感想はまたもやイロイロです。
いつものことではありますが、一人のユーザーという立場でカトーの新しい提案に対する受け止めを整理してみます。
よろしければお付き合いください。

【10-1641 381系「スーパーくろしお」(リニューアル編成) 6両基本セット】 ¥18,800+税
【10-1642 381系「スーパーくろしお」(リニューアル編成) 3両増結セット】 ¥6,800+税
カトーは紀勢本線の「くろしお」を製品化する機会が多く、気が付けば当方も287系(パンダも)を除いて手元にある状態でした。
しかし「くろしお」ブランドは、Nゲージ市場への浸透力はそれほどないようで、287系や289系の「くろしお」はまだ中古市場で見ることがあります。
287系は「こうのとり」の方はどこを探しても見当たらないのに、この差はなんだろう?
余談ですが、メーカーの生産数如何で「売切れ」「メーカー在庫完売」が演出されることは多々ありますから、その点、中古市場で流通しているかどうかを観察する方が、ユーザーに刺さった製品かどうかが分かる気がしています。
強く刺さった製品であればユーザーは手放したりしません。
そうなると、たとえ中古市場であってもそう簡単には流通しませんよね。
さて、今回の「スーパーくろしお」、どうしましょうか。
アーバンネットワークの一部である阪和線系統には、大阪環状線を通るという意味でも親しみを感じており、「くろしお」はその仲間ですから気にはなるんですが、かといって「待ち望んでいた製品」というワケでもないのです。
おそらく多くのユーザーは、「スーパー○○」については、ズバリ「スーパー雷鳥」を切望しているんだと思うんですよ。
でも、カトーとしては「ゆったりやくも」のバリエーション展開を急ぎたい(急ぐしかない?)ようでして、こういう「これでもか、これでもか」という展開に付き合わされることが非常に疲れる…、とは以前の稿でも指摘しました。
225系「関空・紀州路快速」や281系「はるか」の仲間として、消極的な姿勢で「買います」かね。
白浜駅のように、増結の3両を駅の端っこに留置しておく、といった邪道な遊び方も面白いかも。
セールスポイントのテキストを読むと実に細かい仕様が語られています。
特に非常口の閉塞状況は丹念に調べ上げているようで、エラー騒動を気にしている姿勢が見て取れます。
この考証努力、最近はトミックスの方に力強さがあるようですが…。
高価格路線は今回も健在で、ユーザーにとってはそこまでお金を出して手に入れるものかどうか悩む、厳しい選択となっています。
ちなみにですが、10-1451「ゆったりやくも」6両セットは18,200円+税でした。
今回の基本セットは、それとほぼ同じ(部品)構成のように見えるんですけど、600円の価格上昇が仕込まれています。
謎です。

【10-1630 E233系7000番台 埼京線 6両基本セット】 ¥17,000+税
【10-1631 E233系7000番台 埼京線 4両増結セット】 ¥7,500+税
【28-240 E233系7000番台 埼京線 グレードアップシール】 ¥1,700+税
昨年末のJR・相鉄直通大騒動のときに「どうして再生産しないんだろう??」と思っていましたが、ようやく約半年遅れでの製品化だそうです。
トミックスでは早々に相鉄12000系の製品化決定情報を打ち出していますから、トミックスとしては7000番台とのセット的な意味で商品展開を考えているんでしょう。
前面ガラスに掲げられたATACS-IDは特徴的ですから、ガラスパーツへの印刷をこなせるカトーがやるべき仕事ではあると思っています。
もし、カトーでも相鉄12000系をやる気があるんだったら、先にこちらをぶら下げられても困りますョ。
なので「買わない」です。
カトーから12000系がリリースされるなら両方まとめて「買う」んだけどなぁ。
ちなみに、これまでの10-1195(6両基本セット)は16,000円+税、10-1196(4両増結セット)は7,000円+税でした。
部品構成上に大きな変更点もない(はずな)のに約6~7%の価格上昇が仕込まれています。
ですから我々は、店頭で会計したときに「そうか、消費税も上がったしな」と納得しちゃダメ。
それにしても、日銀もウットリしてしまうほどの物価上昇率ではないでしょうか。

【3023-7 EF64 1030 長岡車両センター】 ¥7,200+税
【10-822 24系寝台特急「あけぼの」 6両基本セット】 ¥12,000+税 ※再生産
【10-823 24系寝台特急「あけぼの」 3両増結セット】 ¥5,000+税 ※再生産
「買いません」(即答)。
もう、この<死神シリーズ>に付き合う気力がありませぬ。
特定番を追いかけている人が買えばいいんじゃないのかな。
24系「あけぼの」だって、これまでにも再生産を行っていますから、そろそろ市場には浸透しないはずなんですが。
どこかのお店が強く再生産を要望したのでしょうか。
カトーの14系・24系はパーツ構成と共に細かい印刷が当方の中では高評価となっていて、もはやトミックス製品を受け付けないくらいなのです。
それなのに、「ゆうづる」に続いてこうして単純な再生産が繰り返されるようでは、設計の宝の持ち腐れ状態です。
トミックスのブルトレシリーズを見ていると、トミックスの方がユーザーの心理をよく分かっていると思うときがあります。
これまた価格チェックでして、3023-4「EF64-1031 長岡車両センター」、3024-6「EF64 1032 長岡車両センター 双頭連結器付」は共に6,700円+税でした。
やはり約7%の価格上昇。
気が付かないうちにジワジワと来ていますよ。

【10-1601 323系大阪環状線 基本セット(4両)】 ¥13,400+税
【10-1602 323系大阪環状線 増結セット(4両)】 ¥10,200+税
「平成30年(2018)5月以降の弱冷車が2・7号車へと変更された際、弱冷車表記と表記位置が変更された形態を的確に再現」ですって。
これまでの10-1465/1466と異なる点はソコだそうで、後は車番がLS07編成からLS09編成に変更されるという点。
そうですか、LS09…。
LS09はLS07と同様に近畿車両製ですが、前面貫通扉上から種別表示器あたりの意匠がLS08(川崎重工製)のそれと同じように平坦なものに変更されたようです。
やはり電車の「顔」ですからね(連結側の妻面じゃなくてね)、素人でもこの違いはよく分かる。
カトーはなんとも微妙な編成を選んだものです。
ここら辺の差異まで再現すれば大したものですが、なんといっても「顔」ですから。
「スーパーくろしお」の非常口には相当なこだわりを持っているようですけど、こちらはどうしますか?
差異を表現してくれるなら買いますが、おそらくやらないだろうから「買いません」。
もっとも、これは実質的には「再生産」ですので、実車を見て買いたくなった人のためのメニューでしょう。
当方は車番と整合性のあるLS07でやっていきます。
この323系に関しては、10-1465/1466と同じ価格で設定されているようです。
よく分からんなー。

【10-1158 特別企画品 伯備線石灰輸送貨物列車12両セット】 ¥14,800+税 ※再生産
これ、どう思います?
2012年に発売されてから大分時間が経ちましたから、確かに中古市場でも高騰していたりして、今になって探しているユーザーは少なからず居るんだと想像しますけど、発売当時にこのセットの価値を感じて買った人間としては何とも複雑です。
先のマヌ34の再生産もそうですが、こうした特別企画品を再生産しなきゃなんないほどネタが浮かばないのかと思い、残念です。
中古市場におけるプレミア崩しをやる暇があるならば、もっとプレミアになる「何か違うこと」をしてそのプレミア価格を崩してもらいたいですよね。
2016-9の在庫を動かすためなのかなぁ。
とはいえ、D51を楽しむ上では至高のアイテムと言えましょう。
足立石灰工業のHPにもこの列車のことが触れられていますので勝手にリンクさせちゃいます。
https://www.ashidachi.co.jp/地域情報/文化-歴史/d51/それから、2013年のことになりますが、当ブログでも取り上げていますので、よろしければ是非こちらも。
http://sinanosakai.blog100.fc2.com/blog-entry-1163.html
【3039 EF58 初期形大窓 青大将】 ¥6,200+税 ※再生産
【10-428 「つばめ」青大将 7両基本セット】 ¥12,000+税 ※再生産
【10-573 「つばめ」青大将 8両増結セット】 ¥12,800+税
困りました。
もちろん2002年に発売されたこれら全部、今でもちゃんと持っているのです。
2005年の「はと」と一緒に、全車両に室内灯を組み込んで綺麗に保存していますので、先日の謎の「はと」再生産は当方にとっては全く関係のないイベントでした。
ただし、「はと」と違って「つばめ」の再生産にはそう思うことができない理由があります。
もちろん、発売当時はナロ10とスハ44が単品で設定されていたため、今回の「増結セット」新設により“車番被り”がなくなるという点は大きいのです。
しかし何よりも気になるのは、
2002年の「つばめ」のスハ44がいわゆる“バナナ状態”で、曲がって成型されていた点です。
小窓がズラリと並ぶ車両だけに、編成を組成するとトミックスのキハ183-550顔負けの、まるで錦帯橋のようでして、2002年当時はボディを手で丁寧に曲げては深呼吸をするという作業を繰り返した記憶があります。
追って発売された「はと」では曲がっていないスハ44が製品化されましたので、「つばめ」のスハを全てこれらに置き換えたのでした。
もう面倒くさいので、客車セットを両方「買います」。
このような買い直しには気が向かなくても、もう18年も前の事件ですし、これから先も美品状態で持っていたい列車ですからやむをえません。
EF58も地味にアップデートされているでしょうから、あれこれ悩むよりは更新してしまった方がイイかも。
複雑な気持ちで更新費用がかさむこととなりました。
カトーの年度末である5月に滑り込んでくるようですし、そんなに生産しないような予感もしますから、予約は必須かも。
しかしなんで今、こいつを再生産するんでしょう。
小売店側の要望がトリガーだとしたら、そういう声を右から左へと処理するのではなく、昭和30年代の列車たちと並べられるようにするとか、そうした企画上の工夫、舞台の設定が求められているような気がします。

【10-1182 クモニ83100(T)+クモニ13(M) 飯田線荷物電車 2両セット】 ¥9,800+税 ※再生産
不気味な再生産。
「飯田線シリーズ」リスタートへの「地ならし」なのだと思いたいです。
あ、「買いません」よ。
持ってますもの。
□ □ □
結局のところ、広義の意味での「再生産」メニューばかり並んだポスターとなっていて、「よし、これは買うぞ!」と息巻くものは見られませんでした。
「買う理由」を自分に言い聞かせるように、時間をかけて細かく分析して見つけ出すことばかりで、情報に接してストレートに脳内スイッチが入るものは残念ながら今回もナシです。
少なくとも、このポスターを見ながら小売店の店頭で話に花を咲かせることは至難の業でしょう。
この1月末の出荷はトミックス(トミーテック)製品の独壇場となったようで、特にHG153系の瞬殺ぶりが目立ったようですね。
14系「出雲2・3号」なんていうのも、製品の仕様はともかくとして、ネタとしてはナカナカでした。
当方は全て見送って、12月に続いて1月も限られた財源を温存しましたが、153系を見ると(これまでのHG165・169系のように)決して悪い製品ではなかったと拝察しています。
改善されたポイントは多くあるようでしたし、153系で再現したい鉄道シーンも多いですから。
カトーがやるべきフルリニューアルがトミックスで代行された形で、このフルリニューアルはカトー製品の古さからすれば問題なく許容されるものと言えましょう。
「153系」に似た「鉱脈」はまだまだあるはずです。
こうした鉱脈をカトーではなくてトミックスがジャンジャン掘り当てている「様子」とその両者の「構図」は、ここ数年の変化の果てとしてはあまりにも皮肉であり、完全に立場が入れ替わっている感があります。
トミックス側に「おい、向こうが休んでいる間に全部掘っちゃおうぜ!」「おう、ガッテン承知だぜ!」なんていう会話があるかどうか知る由もありませんが、葛飾区立石でそういう会話をしているんだろうなと想像してしまうほど、カトーの棒立ち状態には目を覆いたくなるものがあり…
多くのユーザーがこれでいいとは思っていないはずです。
おっと、取り上げるのを忘れていました。

【10-1618 特別企画品 E231系500番台 山手線 <最終編成> 11両セット】 ¥26,000+税
もうね、こんなのばっかり。
トミックスの「さようなら」商法が落ち着いたと思ったら、今度はカトーが「最終編成」商法を身に着けたようです。
ときめくユーザー、どれだけいるんでしょうか。
もちろん「買いません」。
ではまた。
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- 2020/02/02(日) 16:30:00|
- 鉄道模型(車両)
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楽しみに読ませていただきました。
リンゴというPNを改めさせていただきます。引き続きよろしくお願いいたします。
いつも心にあるのは、12台車/6台車のタタン・タタンというリズムでございます。
立石謹製153系は、緑14号ストライプ併結用に急行「伊豆」の低運修善寺編成を入線させました。異形式併結はTNカプラーの得意芸ですから今後の展開に期待いたしましょう。私は等価交換以上の効用があったようで、ライトリムの造形改善とか新モーターによるスムースなスロー走行の実現など、うんうん立石もユーザーの声が分かってるじゃないかとニヤッとした次第です。技術進化と好企画がうまく噛み合って模型化がなされる様子は、棒立ち状態に陥る前の西落合をみているようです。
急行伊豆の時代、伊豆箱根鉄道駿豆線、大井川鉄道といった地方私鉄でもささやかな貨物輸送が行われていて、今では考えられないことですが国鉄貨車の車扱い受け渡しをしていました。それこそ、現在の実物世界でアイドルのようにもてはやされている小さな機関車凸型電機がワム80000などの小編成を牽引していたのです。もし西落合が茶ワムをリニューアルするならば、このようなスモールワールドを見つめて「斜め上の企画」に期待したいと思っていました。埼玉工場には小さな機関車を作る技術があるのですから。
でも今の状況だと、ユーザーに大量増備を誘うような幹線筋の企画で来るんでしょうね。
急行型なら、455系常磐伊豆なんていうネタもいい。
盲言はこれぐらいにして…153系引取で訪れた模型店を物色していて、ついで買いした西落合製品はユニクリーナーだけでした。
オリンピックイヤー2020に対する立石のアンサーは空港アクセス特急のようですが、西落合は東海道新幹線でしょうか。
N700Aサウンドカードは、今夏のN700S発売に向けた布石と読み解きました。あのチャイム、出張明け休日に聞きたくないけどな..。
6月度ポスターに対する感想は皆様と同様でして、相鉄12000系とか283系が先ではないか?という疑問が立ってしまいます。
私が憂慮しておりますのは、西落合発の企画が不発であることに加え、市場との対話チャネルが失われていないかという心配です。担当者が変わったりするだけで、こうも状況がガラッと変わってユーザーが置き去りになるのは会社やブランドにとって良くないでしょう。儲け主義かなと心配したくなるような物価上昇や特別企画品の単純再生産をみていて、ユーザーの要望を取り次ぐ立場にある模型店の質の低下が心配になります。あるいは、それを聞く側がロバの耳の持ち主だったりするんでしょうか…。
酒造跡地の再開発が終わったら新展開という流れであることを願うばかりです。
- 2020/02/04(火) 10:24:58 |
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