こんばんは。しなのさかいです。

徒歩で近所の量販店へ出かけた帰り道。
空気が乾き切った関東平野の夕暮れ時、西の空です。
「不穏な空気」が漂う冬の中、当方からの更新は本当に頻度が落ちています。
改めて、毎日お越しくださっている方々にはお詫び申し上げます。
今回は一度、その理由をキチンと説明しておこうと思いました。
2019年8月 岐阜県にて当方がレイアウト上に必要としていることは、できるだけストラクチャーに頼らずに、自然なものを設けることで風景を完成させるという視点であり、その中でも「木」は不可欠だと認識しています。
そして「木」には落葉樹と常葉樹があり、日本の風景には後者、特に常葉針葉樹がよく似合うと勝手に想像しています。
2019年8月 岐阜県にてしかしながら鉄道模型、特にNゲージの世界では、常葉針葉樹を大量に必要としても、カトー(ウッドランドシーニックス)のキットくらいしか製品としてラインナップされていませんで、選択肢が非常に限られています。
さらにこのキット、幹をネジって四方に枝を展開させるということで、どうしても枝振りに不自然な点があり(下手をすると螺旋階段みたいになるし)、時間をかけて仕上げても、貧相な木が出来上がるというイマイチなものでした。
塗装や接着といった面でもこの製品に選択された素材は使いにくさが大きく、植林した後で葉がポロポロと落ちるトラブルも頻発。
製作工程と耐久性には疑問がつきまとうロングセラー品です。
ちなみにですが、ホビーショーでは毎回この点をよく指摘しながら各社さんを回っています(嫌なユーザーです)。
簡単で耐久性に優れた木のキットが欲しいですよ、と。
しかしながらこうした提案に興味を示すメーカーは皆無で、どこか需要を認めたがらない雰囲気が窺えました。
「そんなん、誰が買うんですか」と。
市場としての立ち位置を定めるにはモッテコイの方向性だと思うんですが…
閑話休題。
うーむ、ボリューミーな杉の木を表現できるような、何かいい方法はないものか。
そしてそれは、できれば大量生産を前提とした方法がいい。
昨年の夏頃には自分で方法を編み出すしかないと、そんなことばかり考えるようになり、多くの素材を見て回る日々となっていたのです。
そこでたどり着いた方法…

仕事の帰りに立ち寄った、画材用品を扱う「世界堂」さんにヒントがありました。
ここでは僅かながら工作用木工材も売っていて、その中から4ミリの丸棒を見つけました。
90㎝で140円程度です。
これを15㎝ずつ、6本とするようニッパーでカットします。
もちろん購入した本数は大量ですから、適当な本数で買えばざっと数十本にはなります。
これらを下の娘の勉強部屋に押し入って電動鉛筆削りで尖らせて、さらにダイソーで仕入れた麻紐を用意。

15㎝にした丸棒に麻紐を巻きつけていきます。
木のシルエットをイメージして、また尖らせた先端部には巻きつけないで、先が飛び出るように巻きます。
巻く前に、丸棒には軽く木工用ボンドを付けておくと巻いた紐がズレて抜ける心配もありません。
まぁ麻紐ですから、ギュッとしばると安定感が増すようではあるんです。
何事も念のため、ということで。

で、この形のままさらに木工用ボンド水溶液でじゃぶじゃぶ。
近所のOKストアで買った「栃木レモン」の容器が大活躍しました。
乾燥は約1日というところでしょうか。
麻紐には木工用ボンド水溶液が染み込んでいきますから固着も期待できます。
この段階では新聞紙に寝かせて置いても構いません。
新聞紙はくっつきますけど、ビリっと剥がせばいいのです。
破れた紙がついても問題なし。

木工用ボンド水溶液を浸して乾燥させると、若干飴色に変化していました。
麻紐がガッチリ固着されていて、もはや棒からズレ落ちることもありません。
巻き方にもよりますが、円錐形、三角形にするよりは若干下膨れに巻いた方がいいかなと。

そしてこの木の素材にクランプフォーリッジ(?)を接着します。
素材は数多ありますが、カトーが輸入しているウッドランドシーニックスブランドのコレを選びました。
1袋600円程度。
大袋で販売されるクランプフォーリッジよりはこの小袋の方が粒状感がよかったので、大量に必要としていてもこの小袋を選ぶようにしましたね。
当方では小袋一つで13本は賄えるという法則が見えています。

木の素材には、今度は厚めに木工用ボンドを塗り、そこへフォーリッジの粒を一つずつ埋め込んで、木の外観を構築します。
クランプフォーリッジのプールにドボンとさせてサーっとまぶす方法も考えましたが、全体に均一に固着することは難しく、やはり手で一粒ずつ摘んでスキマを詰めながら貼る方法が良いかと思いました。
また、クランプフォーリッジよりも軽いコースターフのプールに入れて試したところ、満遍なく固着させることはできましたが、スポンジの密度がスカスカなので、この後の工程では葉の表現がどこかペシャンコになってしまい、全体的にぬべーっとした木に。
やはりクランプフォーリッジが葉の雰囲気を再現するには良さそうです。

しかしこの工程が一番面倒で、当方の場合は1本に10分から15分を必要としています。
これをやるために週末の運転は全面休止としているワケなんです。
毎回、毎ターム70~80本を製造しており、今は5ターム目。
週末だけでなく平日の夜も生産ラインを稼働させており、今タームの72本もあと2日程度で貼り終わる見通しです。
これも「買うモノがない」からなんでしょう。
車両もいじりたいけど、その車両を置く背景づくりはもっと必要だろうからと自分に言い聞かせながらせっせと励んでいます。
あ、クランプフォーリッジを貼っておしまい、ではありません。
その後の工程のことをもう少し続けます。
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- 2020/02/19(水) 18:40:00|
- 鉄道模型(レイアウト)
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