しなのさかいの駅前広場

荷物車がいっぱい

8620から花輪線、そして五能線へ

おはようございます。しなのさかいです。

都合2回の記事にお付き合いいただきました。
そろそろ残した話題を箇条書きにしながら「まとめ」に入ります。



①9600のこと



繊細な8620を見ることができたのですから、贅沢を言えば、カトー製9600のフルリニューアルも期待します。

まさかのカトー、トミックス、マイクロエース3社の競作発売から20年経っていますし、スケールも「ワラビのオーパーツ」と言われるマイクロエースと比べれば若干オーバーのようです(立石産もある意味でオーパーツでした)。

8620と9600は、共にゆとりのある大正時代の設計であり、どこか優雅なスタイル。
今回の8620の完成度での9600を見てみたくなったのは当方だけではないはずです。
なんと言っても9600は、バリエーション展開だけで20年間はご飯を食べられますから(笑)



②オハユニ61のある風景



それから、我々はこのタイミングで10-1370「オハ61系客車4両セット」を思い出さなければなりません。





ローカル線の象徴である「ユニ」。
旧型客車の中ではオハユニ61が代表格です。
しかし残念なことに、この4両セットに収録されているだけの存在で、単品販売はありません。
8620の発売を機にオハユニ61を必要と思う人は単品生産を要望しましょう。





花輪線ではなくて、客車を引いて五能線っぽく遊んでもサマになります。
機関車の後ろ、客車の前には有蓋貨車を挟んでもいいのですが「客車の暖房」を考えるといろいろと問題があるので連結を省略してしまいました。

妄想ですが「花輪線貨物列車セット」に続いて「五能線混合列車セット」が製品化されるなら、おそらくヴェバスト・ヒーター装置付のオハ61系客車が作られることでしょうから、さらに夢が広がります。
偶然にもネーミングの語呂が合いますし、車両ケースを並べれば面白そう。
新しい貨車も引っ提げて製品化されないでしょうか。
この方面の趣味は「混合列車」を文化的に感じるところまでいかなければ、それは本物ではないでしょう。



③サウンドカードにも変化が?



同時発売のサウンドカード「8620」をサウンドボックスに挿入して、のんびりと走らせました。
今回のカードは、これまでの蒸気機関車カードの中では違った点がありました。
それは、電子接点のカバーが半透明からグレーになった、ということではなくて、注水(インジェクタの)音が独特だということです。
警報音に近いサウンドで、あちこちの動画を見ると機関車の形式を問わずに鳴っていたようでもあります。
知識に乏しく、どういう仕組みで鳴る音なのかは分からないままですけど(情報をお待ちします)「この音を待っていました」と西落合へ向いて叫んでおきます。




それでは深夜の運転会スタート。




汽笛を鳴らしてトンネルへ。
トンネルポータルは随分と前に自作したものですので、やや考証が甘くお恥ずかしい。





貨物列車にはトラ90000も連結してみました。
カトーがその都度(機会を逃さずに)着実にラインナップを広げてきた成果がこうして結実しているわけで、この取組は続けてもらいたいですね。
金網の「ヌケ」もこうでなければ。





機関車の音が遠ざかると、その後には乾いた音だけが延々と続いて、やがてその音も消えていく。
赤いテールライトが役者を引き立てています(どこぞの巨大な橋を赤く灯すこととは大違い)。





山の中腹で野良仕事をしていたら、8620が重連で貨物列車を牽引していた、の図。
やっぱり汽笛を鳴らしているような。





重連運転。
実は、2台目は重連用カプラーにしていません。





複線区間ではありますが、そう見えなければいいな。






こんな具合で本当のエンディングです。


実にいい買い物で、とんでもない財源が一気に財布から羽ばたいていきましたが、その対価もキチンと手元に残りました。
最近はこんなこと、少なくなりました。


貨物列車セットには少々物足りなさを指摘させていただきました。
その一方、機関車についてはこの完成度で文句を言うのであれば、その人が目指すものを問い詰めたくなる程です(そんなことはしませんけど)。

機関車の再現度について細かく分析する知識は当方にはありません。
このことを前提にして、一つ大事なことを、この場をお借りして挙げておきます。
それは、この製品化をキッカケにして、初めて「8620」という蒸気機関車に向き合った、興味を持った、ということです。


国鉄形蒸気機関車の製品化を希望する上で「ハチロク」は、自分の中ではいつも順位が低く、いや正直に申せば、一度も製品化を願ったことはありませんでした。
国鉄時代の写真集や図鑑を見ても、B20と並ぶくらいの存在で「次はC58がフルリニューアルされないかナ」と思っていたくらいです。


しかし、ポスターで製品化が発表されたことで、あえてこの古典的な機関車にチャレンジすることには意味があるのだろうと推測するようになり、そうこうするうちに、ここ数か月は花輪線や五能線のことを調べることばかりでした。
8620が馴染んだ風土から興味を引き寄せたようなものでしょう。

そして実際に現れた模型を見れば、腰が低くて重々しく、スポーク動輪が備わる、そして化粧煙突という優雅なスタイル。
このことに気づくと、この機関車がゆとりのある大正時代の古典的スタイルと昭和時代の端正なスタイルの過渡的な外観を持つ、面白い存在であると知ることにもなりました。


最近のカトーのポスターでは、説教や説法のようなテイストはほとんど見られなくなり、予定調和というか、どれも見た瞬時に「仕分け」ができてしまうものばかりでした。
それでもまだ、このようにして「知らないのなら是非知ってください」という天の声がする企画が混じって流れてくる事実。
実に不思議、西落合のミステリーです。

でも、多くのユーザーが求めている企画はやっぱりこうなんですよね。
だって、数年前まではこんなことばかりだっだのですから。






1992年9月7日 花輪線・松尾八幡平にて

乗り鉄旅の途上、大館に到着するまでに時間がありましたので、松尾八幡平で途中下車して数時間ぼんやりしたときの1枚です。

ちょうど北上盆地の最北端から、画面奥に安比高原(竜ヶ森)を望んでいることになり、ホームから見える線路の先には、なんと、早くも緩やかな上り勾配が見え始めています。

この後に乗り込んだ盛岡色のキハ58系は、実にのんびりとしたスピードで、約7km、33.3‰の上り勾配を進んでいきました。
平成初期の頃に初めて体験した竜ヶ森の勾配でして、この翌々日は五能線の旅を楽しんだのでした。



ではまた。

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  1. 2020/09/03(木) 08:10:00|
  2. 鉄道模型(車両)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<KATO 2021年1(~3)月分ポスターを見て昭和30年当時の客車の仕様なんてもうどうでもいいやと思う。 | ホーム | KATO 花輪線貨物列車 8両セット>>

コメント

>実に不思議、西落合のミステリーです

最近、自分もそう思うようになってきました。もしかしてKATOという会社が2つあるのではないか?と。
具体例を挙げてどうこうという事は避けますが、「ビジネス」「イメージ」が前面に押し出された現代的なKATOと、昔気質に「仕事」をこなすKATOと。

もちろん両者が混ざり合って調律されるのが一番なのでしょうが、私にはどうにも前者がイニシアチブを取りたがってしまい過ぎるが故にどうにも不協和音を奏でてしまう。
KATO関連で乱立するツイッターアカウントのように、どれが本物のKATOなのだ?と混乱することがしばし、です。

如何にもショールーム!といった立派な造りのホビーセンターよりも、町工場にお邪魔させていただくような旧ホビーセンターの方が懐かしく思えるような、そんな感傷的な気持ちにさいなまれるのです。

今回の8620は「仕事」サイドのKATOが健在であることを示した製品でした。
鉄道模型のトップブランドというイメージは人の脳内にある物で、一瞬にして雲散霧消も可能な物です。
製品は形となって、そう簡単に消える物ではありませんしそしてその中には多数の「仕事」が詰まっています。
地味なことの積み重ねですが、ユーザーの手元に残るのはその塊です。

是非とも「仕事」が前面に出ているメーカーであってほしいと、今回の三連ブログを読んで思った次第です。
  1. 2020/09/04(金) 06:09:28 |
  2. URL |
  3. 海無し #-
  4. [ 編集 ]

懐かしの白い階段

海無しさん

「町工場にお邪魔させていただくような旧ホビーセンターの方が懐かしく思える」とのお言葉に膝を打ってしまいました。現ホビーセンター完成時にはこれまでは不可能だったことが可能になるような期待をしていましたが、今ではいろいろな意味で白い階段を上がって入っていた昔のホビーセンター、昔のカトーの姿の方が懐かしく、我々ユーザーに近い存在だったんだなぁと考えることが多くなりました。上手く言えませんが、かつてのホビーセンターでは、奥から職人さんが出てきて「見せてごらんなさい」と言ってもらえるような。修理品を持ち込んで「ここでは修理できない」と言われたとき「本当はここに部品をストックしているんだろう」と何度疑ったことか。そんなことでした。
社会貢献的な活動が目立つ一方で、ポスターの内容はどんどん変容しており、どちらを取っても昔の姿が遠ざかっています。だからこうして精密な工芸品が出てくるとビックリと同時に懐かしさがジワーっと。皆さんもそうなんですね。
またそろそろ新しいポスターが発表されるでしょうから、昔からのカトーファンとして見ていきましょうか。
  1. 2020/09/04(金) 08:06:29 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

不毛な競作

ハチロク、私は感染症による減収と保管場所も限界でテーマも「副題」だったので見送りましたが、ここまで秀逸な出来栄えだとやはり心が動きます。
模型では「あの日に見た風景・空気の再現」というほかに、「見たことがない景色の具現化」という役割もありますから、ズバリ後者が当てはまります。
古い鉄道誌の写真で見た、ハチロクが日本海沿いを走る五能線の景色を、実際には国道を運転しながらキハ40とすれ違い、頭の中でオーバーラップさせる・・・ そんな再現を考えていました。

豪華列車のような「非日常」は確かに憧れではあるし運転会に持ち込めばギャラリーからは注目されますが、むしろ「なぁーんだ」という風に感じる普通の風景、広くポピュラーな機種・車種でもここまで作り込めば持つことや走らせることに喜びを感じます。むしろ今まで製品化されてなかったことが「穴」と感じるほどでした。
バブリーな商品展開(会社としての体力維持にはそういうところも必要かもしれませんが)だけではなく、時にはこうした「地味であたりまえ」「どこにでもあった」テーマにもエネルギーを注ぎ込んでほしいものです。
  1. 2020/09/05(土) 10:26:24 |
  2. URL |
  3. ホビぽっぽ #JUGsyThY
  4. [ 編集 ]

飲み屋で見せびらかすような模型

ホビぽっぽさん

染みるコメントをありがとうございます。
国道を運転しながらキハ40とすれ違う。状況がとても分かりますねー。
五能線に限らず、国道と並走する線路、路線ってイイものです。当方は「あけぼの」のB個室から見た国道7号を走るトラックが忘れられません。

日常をキリトる力って簡単なようで難しく、テクニックが必要のようです。
そしてキリトった結果は無機質なものではダメで、そこにはキチンとした答え、キリトッた理由がにじみ出ていないといけません。
そしてそして、「日常」はなにも「今」に限らなくて、かつての「日常」でもいいのです。
バブリーでキャッチーな企画ばかりでは、いずれ息切れしてしまうでしょうし、今の鉄道業界のしらけっぷりを見れば分かるものです。
妙なたとえになりますが、飲み屋さんでお店側の女性に「あー、あたしコレに乗ったことあるぅー」と言わせたいような列車ばかりを模型化していては、いずれユーザーは消えていなくなってしまうでしょうね。
最近はニューブルートレインの企画ですら見えなくなってきました。
  1. 2020/09/05(土) 17:22:23 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

リソースの使い方

ご無沙汰しております。あれから台枠作業に着手したものの、灼熱ともいえる夏の最中に鋸と鑿を振りかざしての作業は中々堪え、進捗捗々しくなく・・・
といっている間に模型店から姿を消しつつあるハチロク。
最近DIY店には足繁く通うものの模型店からは足が遠のくばかりで、しなのさかいさんの3連話を拝見して、やっとゆっくりと眺められた次第です。
なんかイイですね。こういう世界感を魅せてくれるKATOが今までのKATOであると再認識します。
今年はスペシャルトレインのジェットストリームアタックが終わり、社内リソースに余裕があるのか、本来はこのような仕事を行っていた方が本来の仕事に戻ったのか、はたまた新しい生活様式のメンバーもこの世界感に手を貸したのか。
近年稀に見る「ザ・蒸気機関車・オブ・KATO!」という感じです。
先行き不透明な世の中で、何がヒットするか企画の方の苦労も察しますが、1年に1回、SL、飯田線、立ち消えになってしまったレジェンドコレクション、定番ザ・国鉄、地元西武(笑)を出していただけるようなルーティンを企画していただけると、とても明るい先行きになるのはオッサンユーザーだけではないはずです。
メーカーも模型店さんも若いユーザーにも良い流れになると思うのはオッサンの独りよがりの妄想でしょうか。
  1. 2020/09/07(月) 17:25:10 |
  2. URL |
  3. 急行アルプスファン #-
  4. [ 編集 ]

リソースの使い方を「監視」する

急行アルプスファンさん

一般論ですが。
それまでのやり方にとらわれずに新しい方向性を探ることは、どんな場面においてもとても大事なんですけど、仮に先人が切り開いた新しい方向性が成功した場合、その探り方を研究せずに、短絡的にアウトプット、結論だけをマネすると、早晩ボロが出るようです。
だからハウツー、ノウハウを持つ、盗むためには、それを分かろうとする謙虚な姿勢が必要。
繰り返しになりますが、これは一般論(笑)

御指摘のような、ちょっと前に見られた、ユーザーの支持が厚かったカトーの方向性が現状途切れ途切れになっていることには、やはりカトーの中で以前のやり方へのネガティブな見方があるんだろうなぁと邪推してしまうのです。やっとこさで飯田線シリーズは再開したようですけど。
急行アルプスファンさんのようにココに来てくださる方々は、最低でも10年くらいはこの趣味をやっていらっしゃるでしょうから、新路線の模索には生暖かい目を向けつつ、やはりたまには今までの路線も織り交ぜてもらいたいナという気持ちはありましょう。
今回の8620のように、高い設計技術を人文学的な視点と配合させると、他社には真似できないとても奥深い企画が生まれるようです(久しぶりにその現象を見た思いがしました)。どちらもカトーが持つ(持っていた?)リソースであり、ユーザーは今でもそれらのリソースの使い方を「監視」(不適切な言葉かもしれませんが)しているのだということを、中の人には理解してもらいたいですね。
とにもかくにも、今回の8620はその通り、「ザ・蒸気機関車・オブ・KATO!」でした!
  1. 2020/09/07(月) 21:19:51 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

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