しなのさかいの駅前広場

もうお腹いっぱいです。

KATO 2021年4月分・5月分ポスターを見てNゲージパイオニアメーカーらしい金型の使い方とは何かを考える。

こんにちは。しなのさかいです。




毎度のことながらカトー新ポスターのチェックです。
前回は「3・4月分」となっていたところ、今回は「4月分」となっていますので、4月の“追加分”のようです。
これまでに令和版「踊り子」シリーズの発売もその頃だとアナウンスされていますので、春頃のスケジュールがだんだん「密」になってきました。





【10-1678 223系2000番台<新快速> 8両セット】 ¥22,400+税
【10-1677 223系2000番台<新快速> 4両セット】 ¥12,800+税

当方は、長らくこの場で、2008年に発売されたカトーの223系2000番台の改良再生産を求め続けてきました。
ライトの輪郭を主とした「顔」がまるで別形式に見えますし、その下にあるスカートの丈は明らかに長過ぎです。
2000番台は1999年のデビューから20年。
その間ずっとアーバンネットワークの主力として活躍していながら、12両編成でも遊べるNゲージ製品がこのままでしたので、関西圏の鉄道の風景を楽しむためには大きなピースが欠けていて、どこか寂しい気がしていました。

そして2019年。
とうとうトミックスが立ち上がって(?)製品化。
前面幌無し仕様での発売で、もちろん当方も12両を入線させました。
この12月には幌付き仕様も発売されるので、自分にとっての「年末アイテム」だと思って既に予約して待ち焦がれていたんですわ。


カトーは、トミックスが12月に幌付きの2000番台を発売予定としていることを分かっていたはずです。
ですから、今回のポスターは、当方のようにトミックス製品を予約して発売日を待っていたユーザーに「ちょっと待って。ホントにそれでいいんですか?」と語りかけていることになります。

なんだかね。

店頭フリー分で(品質などを確かめて)トミックス製品を買おうとしていたユーザーの方々は、間違いなく立ち止まって考えるでしょうから、どうしたって年末年始の商機に水を差す形にはなるでしょうね。
もしかしたら、販売店も「やってられない」のかもしれませんョ。

最近、公式HPには「Nゲージパイオニアメーカーとしての誇りを胸に」というページが浮かび上がってきました。
その“パイオニア”が後発メーカーの商売をあからさまにカットインするようなことはなかったんじゃないかなぁって。
だいぶ前に他社が製品化したものを後からやり直すとか、春の117系のように他社とほぼ同時に製品化を告知するのとは、今回の状況は異なりますしね。


「買いません」とは言い切れないのです。
今のところ「買います」の方が強いんですけど、この年末にトミックス製品を入線させながらそんな不経済なことをやっていいんだろうかと、ポスターが発表されてからは自問自答を繰り返しているところです。

JR西日本の「新快速50周年記念プロモーション」は2020年10月1日から2021年3月31日までだそうです。
だからトミックスは、117系、153系ブルーライナーに続けて、そのキャンペーンのど真ん中に2000番台を発売することとなります。
何となくスケジュールが緻密に計算されているようで。
一方でカトー製品の発売は、プロモーションが終わった後となることで間違いないでしょう。
こういう点も「なんだかね」だったりします。





【10-1701 0系2000番台新幹線「ひかり・こだま」 8両増結セット】 ¥15,000+税
【10-1700 0系2000番台新幹線「ひかり・こだま」 8両基本セット】 ¥19,800+税

このポスターの写真は総本山のレイアウトで撮ったんですかね。
夕暮れ時の陽を思わせる照らし方と、無駄なくポスターの画像いっぱいに上手くくねらせて配置した大蛇のような16両編成に、かつて日本の大動脈と言われていた頃の〈新幹線〉を見た思いです。

しかし…


これもトミックスの動きとの比較にならざるを得ません。

数年前のトミックス製大窓仕様で全面的に刷新されたNゲージの「ゼロ」は、今年の冬、さらにトミックスによる1000番台の製品化に至りました。
さらにこの1月にはトミックスが再び大窓仕様を、リニューアルの上で発売することとなっています。
こうした流れがあるので、ユーザーは0系としてあるべき仕様をトミックス現行製品を基準にして考えるようになっていると思うんです。
それゆえに、今さら車両同士の連結部分が〈あのまま〉という、基本的な仕様が1980年代のままである製品を焼き直されても反応するはずがありません。
たとえ、ライトユニット付近を改良するにしても、です。

カトーは、企画としていくらでも活かしようがありそうな0系をこんな風に捉えていて、少なくとも「フルリニューアルにより刷新する気はない」とアナウンスする形になってしまったように見えます。
当方のように新幹線車両を集めていないユーザーでも「0系なら…」と考えることはありそうなものなのに。

外観は基本的に同じでしょうから(あたりまえ)、先頭部の内部パーツだけを刷新するのでしょう。
「買いません」。





【5240 マニ60 200】 ¥1,900+税
【10-034-1 旧形客車 4両セット(ブルー)】 ¥7,000+税

マニ60 200。
これは「つるぎ」セットに入っていた車両をベースに単品販売化したもの?

最近は新しく企画される客車急行セットにかつてのような勢いがなくなってきたので、既存セットから引っこ抜くやり方が目立ってきました。
だけどマニ60やマニ36を増やすばかりでは、集める方もそろそろ苦痛でして、もう少し単品でも需要が高くて遊び方の要となるような車両を引っこ抜いてもらいたいのです。
ひょっとしたらオハユニ61、スユニ50なんて、もっと必要とされているんじゃないでしょうか。
まぁ、価格も小さいので「買っておくか」という姿勢ですが、とりあえず、念のため、使いみちは後で考える、という消極的な買い物になりませう。


一方でブルーの旧型客車の詰め合わせ。
茶色い方の店頭在庫が増えることは、蒸気機関車のバリエーションが増え続けていますし、今年は8620の発売という目標がありましたからまだ分かりましたけどね。
ブルーの客車にはそうした企画として用意されたピークが見えてこないので、このセットが目指している方向が分かりません。

「茶色が売れたんだから次はブルーだろう…」
そんなことで企画されたのだとは思いませんけど、もう少しセット化してまで販売する意図を教えてほしいです(もちろんHPに編成表がたくさん掲載されていることは知っていますけど)。
それと、非冷房のオユ10は単品でやって欲しかった…。

電気機関車が牽引する列車とするならば、既に単品で需要が満たされているブルーの2000番台よりはオハ61系やスハ32系の2000番台が必要です。
トミックスは東北本線普通列車セットを企画していて「オハフ61 2616」(車番印刷済で)を入れるそうですから、その辺の需要をしっかりつかんでいるようですなぁ。
「買いませーン」。





5月分として。
「氷河特急」シリーズに続く鉱脈ということなのでしょうか。
ドイツ、アメリカ、イギリス…と、あちこちの海外の列車の製品化が続いています。
何か勝算があってのことなのでしょう。
素人にはさっぱり分かりません。
当方にとっては「買う必要のない製品」となります。





今月のまな板コーナー。
スルーしようと思っていましたが、やっぱり気になるので少々話題にしておきます。

「今のカトー」「これからのカトー」として、創業者の視点とは異なる「今までとは全く違う何か」をやろうとする姿勢には(どうかなーとは思いながらも)意見はありません。
創業者がやられてきたようにユーザーを楽しませ続けてくれるのならば、ユーザーの見えないところで新しい事業を立ち上げたって、ユーザーとしては「頑張ってください」となります。

ただそれを、今までずーっと鉄道模型を買っていたユーザーに買わせようと仕向けるのはどうかなと考えます。

「のら猫拳」というモノがなんなのか、よく存じ上げないのですけど、例えば、動物園の売店とか、百貨店の玩具売り場とか(動物フィギュアと並べて)、鉄道模型とは違う販路を開拓するつもりで営業をすればいいのに、と。
なにゆえ鉄道模型店に貼られるポスターの上に掲載するのかがよく分からないのです。
説明文を読むと、本気で鉄道模型との親和性を考えている節がありますが、それはいささか乱暴というものでしょう。
こういうことが多くなると、カトーはこれからどうなっていくのだろうと、とても心配になります。



□     □     □



ポスターを見て「なにこれ、おもしろそう!」と叫んでしまう仕組み、メカニズムは「新しい金型の使い方」に直結していると言えます。

ボディシェルもひと組の金型によるものであれば、ボディの中にスッポリと収められてしまう部品もひと組の金型によるものなのです。
そのどちらの方がユーザーの心にグサッときて、楽しめる金型か、と問われれば、当方は迷わずに前者だと答えるでしょう。

最近はユーザーに買い直しを迫るような焼き直し企画が続いていて、この場合は、たとえボディの中にスッポリと収まらないパーツでも、後者寄りの新規金型の使われ方が強く見られます(「そこまでは頼んでいない」というか…)。
長い間ユーザー稼業をやっていると「あそこさえ変えちゃえばアレ(別形式)ができちゃうじゃない」というネタは見えているんですけど、どうもそういう新規金型の使い方には至っていないんですよね。

カトーが製造する金型をこの趣味の世界の「公共財」とまで定義するつもりはありませんけど、それに近い位置付けで、ユーザーを楽しませて、他社を含む市場全体を、そしてNゲージ趣味全体を活性化させる目的で存在し続けてもらいたいものです。
「Nゲージパイオニアメーカー」と自ら標榜しているのですから。

ではまた。



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  1. 2020/11/30(月) 12:30:00|
  2. 鉄道模型(車両)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:16
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コメント

レガシイの活かし方

走らせている模型にパンチを食らい(パンチするんです;)
置いておくと齧られ(齧るんです;)
うっかりパーツを置いておいたりなんかしたらじゃれた末に隠され(これまた絶妙絶望的に取りづらそうな隙間に入れるんです;;)

普段から飼い猫に邪険にされながら模型を楽しんでる自分から見ると、もしもガシャポンのカプセルに入っていたらいい歳して100円玉を突っ込むかもしれないですね>のら猫拳
言い方を変えると、これがブリスターケースに入って「おぎのや」「ブルートレインの乗務員」などと一緒にぶら下がっている絵が想像できないです。
極小フィギュアの成型や着色技術など、Nゲージメーカーならではのレガシイの一つなのでしょうが、できるのはわかるんだけどそれで何をするの?という印象です。


0系、基本セットだけ再生産して在庫の山を作ってみたりなど歴史的にもいろいろあったみたいですが、KATOはあくまでこれ(2000番台)一本で行くという意思表示なのだと思いますが、レガシイの活用の仕方としてはどうなのかという是非は私にはできません。私がアーカイブ的に持っている旧24系25形あるいは103系と並んで走らせたりするには絵になりますが、それだったら今は中古市場にふんだんにありますからね。


旧型客車は、こうした一見汎用性がありそうでなさそうな中途半端な組み合わせや名称ではなく、中央線セットの時のように場所あるいは時代を特定しちゃった方が売れるような気がします。
「五能線混合列車セット」とか「花輪線混結セット」「北陸本線セット」「板谷越セット」みたいに。
ここ数年で目覚しく種類が増えたKATOの機関車群ですが、それらを埋もれさせないように、ユーザーから機関車の再生産の声が上がるように刺激するような企画ができそうな気がするのです。
  1. 2020/11/30(月) 13:19:45 |
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  3. 海無し #-
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ガシャポンで買えそうな気が

海無しさん

旧型客車セットについては、やっぱりそう思われますか。
「関スイ」と印刷してニュートラルな仕様に仕上げれば、後はユーザーが解釈なりアレンジして取り込んでくれるだろうというやり方。以前に古い車両の記号化を懸念する旨を表明しましたが、その流れが強まるばかりです。もちろん「関スイ」もアリなのでしょう。でもNゲージメーカーとして「もうそれでいいじゃない」となってしまってはいけない気がするのです。ちょうどトミックスは東北本線の客レに目を付けているのに。

レガシーについては、カトーなりの過去の金型の総括が十分に行われていないように見ています。165系や115系1000番台など、フルリニューアルに踏み切る形式はあるにはありますし、一方でタキ3000のように印刷措置を施しただけでもユーザーの支持を得られる金型もあります。そのような中において0系2000番台は「このままでいい」とした点には、当方の肌感覚としては違和感が残ってしまいました。仰るようにアーカイブ的な、懐古的なアイテムとしての提案ならば(KATO 30周年記念"あさかぜ"のようなアイテム?)ならば分かるんですけど(そこまでの信者がどれだけいるかは微妙)。

「のら猫拳」はカプセルトイ。そうですそうです。カプセルトイは価格の割にはクオリティが高いですからね。そう見えるのに価格は2,040円+税ですから、その実態は高級玩具なのです。我々が普段通う「専門店」にこういうアイテムがぶら下がってたとしたら、少々残念な気持ちになります。
「自由な発想が発揮できるT-TRAKでも活躍可能」なんだそうです…
  1. 2020/11/30(月) 14:03:20 |
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  3. しなのさかい #-
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「誇り」の無駄遣い

今回も失礼致します。

今回も焼き直し企画のてんこ盛りで「間に合わせ」や「その場しのぎ」という言葉が頭に浮かび上がる内容ですね。

223系2000番台にもとうとう「ハエ叩き」が付いてしまいましたね(笑)
安全上必要なものだというのは頭では理解しているつもりですが、あれは実車におけるデザインとしても悪手だと考えているくらいなので、模型として所有する気にはなれません。
あの幌パーツはユーザーが選択できる方式にしてもらいたいです。
親切心で穴を空けられては付けるより仕方ありませんから。

0系に関してはある意味現在のKATOの鉄道に関する考え方や捉え方を理解する製品になったと考えています。

0系は鉄道の長い歴史や世界の評価を考えると、まさに「記念碑」のような存在だと思います。
航空機に押されていた鉄道の斜陽化を止めた、とも言えるしそのスピードは従来の生活様式を一変させたという歴史的事実があります。

そのような宝物のようなネタを大昔の仕様で平然と広告のど真ん中に掲載する神経にはある種の「開き直り」すら感じてしまい、私達ユーザーは完全に「舐められている」と理解しました。

0系のような大物こそ、模型における新規の技術を組み込んだり、飯田線シリーズのような企画のきっかけにしたりと鉄道に一定の愛情やリスペクトがあれば考えるのではないでしょうか?

最近のKATOは「鉄道がそんなに好きではない」人が企画の中心にいるんだろうなという捉え方を私はしていましたが、その考えは残念ながら的中しているようです。

猫が珍妙な姿で踊っているのを見るにつけ、脱力すると共に「パイオニアとしての誇り」とやらが虚しく響いている気がします。

4月以降はKATOとの付き合い方は明らかに変わると思います。

・・・とは言いながら新しいカタログにそんな考えをひっくり返す「何か」が仕掛けられていることを祈るばかりです。
  1. 2020/11/30(月) 18:26:50 |
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  3. つばめ787 #-
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two way traffic arrowのすすめ

しなのさかい様

こんにちは。北斗星、ポスターの紹介懐かしくありがとうございました。いろいろ私も思うところがありまして。。。Tomixとの競作(実は切磋琢磨の共作?)はパイオニアとしての立ち位置としては止むないかなと思います。これが他社であると差が歴然となる可能性があります(下手すると他社製を購入した人の不満が爆発する可能性も?)。パイオニアとしての立ち位置からいろいろやりにくいところが察せられます(789系のスカートや四国2000系ドアの小窓もそうかな?)。そんな中、イギリスの鉄道は個人的にキター!という感じです。JRがだんだん単純化されてきた中、英語の恩師に勧められ乗りまくったイギリス鉄道は素晴らしかったです。IC125とIC225はじめ、特急には黄色、黒、白に赤の帯が入り、機関車にはINTERCITYとツバメが大書きされ、それはそれはかっこよかったです。プルマンサービスも良く、景色も牧草地帯から日本人好みの山、川、石組みの鉄橋、古城の隧道、湖のほとり、とここ通るの!とびっくりするほどです。あれから25年以上経ち、民営化しましたが、路線廃止は無いようで、手動ドアかつジェット機の爆音を奏でるIC125も健在、、フー心平安。。な感じです。そこへ登場の日本生まれのバイモード車、どう活躍しているのですかね?コロナが明けたら是非見に行きたいです。GWRかAZUMA(KingsX>York>Edinburgh魅力的東海岸本線!)か悩みますが、落ち着いたGWRの塗装を購入しようかと考えています。全く筋違いの個人の思い出を連ねて恐縮ですが、私のようにイギリス鉄道にはまっている人も少しはいるのかな、と思います。IC125、225も出して欲しい~

JRであーる
  1. 2020/11/30(月) 18:29:34 |
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  3. JRであーる #-
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1両だけでも

いつもお世話になっております.
今回のポスターを見て感じたのは「実は今回の製品は1両でも楽しめるのでは」という点です.
Class800については,製造工場・日立製作所笠戸事業所の地元,山口県下松市で行われた,「製造したClass800の陸送を日中に行う」イベントが思い出されます.人口約5万人の都市に約3万人の人々が集まり,地元ではその技術力の高さで町が一体になっていることを感じました.自分はこのイベントを見に行ったので「買います」が,ぜひ先頭車1両でも売って欲しいかなと思った次第です.
0系に関しても,22型0番代とClass800のモックアップが,イギリスの鉄道博物館で並びます.こちらも先頭車1両で飾っても良いのではと思います.KATOにも事情はありますが,0系が2014年にフルリニューアルされなかったことは悔やまれます.しかし,KATOの選択を尊重し,次は200系のリニューアルを期待します.ちょうど,2022年は東北・上越新幹線開業40周年です.

223系に関しては,TOMIXが223系を2019年6月に発売し,それからKATO内部でリニューアルの検討を始めたとすると,決算も近いですので,発売告知がこの時期になってもおかしくないと思います.昨今の生産事情を考えるとTOMIX製品とKATO製品が並ぶことはない(仮にTOMIX製品が4月に売れ残っているとすると,KATO製品が在庫に並ばない)可能性が高いため,比較して購入される方はかなり厳しい判断を迫られます.KATO製品では最近見かけない1000番代や,今年の221系と連結できる6000番代が先に欲しかったです.こちらも,先頭車だけでも遊べるような気がします.人気車両ですが「最新型」ではないことには注意しておきます.

客車については,オユ10の非冷房車が欲しいので買いたいところです.1両で売るべきモチーフであることは理解できます.セットに「オハフ46」が入っていればなおよかったです.線区別のセットが望ましいことは理解できますが,「関スイ」表記であれば「10-830」発売当時に存在しなかった「スハフ32」などが欲しいところです.

「のら猫拳」については,これらの車両のうち1両を飾ったジオラマを作り,(遠近法の関係で)手前側に置いておきましょう,と思っておきます.このシリーズでは明確に「置き物」が入っている「きつね・たぬき」が使いやすく,実際に買ってしまいました.最近はガシャポンもリアルなジオラマで使いたいと思える製品があるのでうかうかしてられません.

「鉄道模型は高い」というイメージを払拭するためにも,まずは1両だけ飾るジオラマを作るという導入方法,もっとメーカーで力を入れても良いのではと思った今月の一枚でした.他社では1両だけの製品が繰り返し企画・再生産されていますし,KATOでも直営店では取り組まれていますので.
  1. 2020/11/30(月) 19:13:23 |
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  3. かずひこ #uvyGvvqo
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のら猫は1/80ではなくて1/87

つばめ787さん

コメントをありがとうございます。
当方は数年前からカタログに楽しみを期待することをやめました。今は完全に惰性で買っていて、それは自宅の本棚に並ぶのを眺めたいだけなんです。だから読むのも買ってきた後だけなのかもしれません。以前は新製品ニュースのページを繰り返して開いていたものでした。

中にいる人が鉄道に興味があるのかどうか。ますます謎になってきましたよね。「0系だけは」という熱量は感じられなくて、外部から「やってくれよ」と言われて仕方なく、やっつけ仕事で再生産をすることとした…。もちろん中のことは分かりませんが、そんな風に捉えてしまいます。

のら猫が1/87スケールだという点も引っかかっています。たぶんですが、これまでの「HO」とは違う次の展開がありますよ。
カトーのリソースがどんどん「別の何か」にひっくり返っていきます。そして、ユーザーは呆然としてそれを見ているだけです。
  1. 2020/12/01(火) 08:43:31 |
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  3. しなのさかい #-
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製品化した車両の向こうに見るユーザーの姿

JRであーるさん

素晴らしい。イギリスの鉄道についての実体験があれば今回の縦型ポスターは直撃だったことでしょう。

同じ外国型でも「氷河特急シリーズ」については、以前の活字媒体で、日本国内の販売と展開をも見込んだからこそのスタートだったと読んだことがあります。
そこには、スイスの風景のみならず、レーティッシュ鉄道が見せるコンパクトでまとまった世界が日本の狭い住宅事情には合うということ、同鉄道のメーターゲージ規格が日本のNゲージの規格に馴染みやすいなどなどの考えがあってのことだったそうです。
ですから、ちょっと前のドイツ型、最近のアメリカ型や今度のイギリス型は「氷河特急シリーズ」とは全く違う視点で企画されていると見ています。
現地を訪問したことがない日本人にとっても入りやすい企画であれば、それは既存のカトーのリソースを削って企画したとしても日本のユーザー向けということになるでしょうが、果たして。
多くの金型を使って製品化した外国型車両が、どんなユーザーの手に渡って、どんな楽しみ方をすると想像しているのか。「のら猫拳」と同様、こんなことをカトーに聞いてみたいものです。
  1. 2020/12/01(火) 09:06:56 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
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先頭車だけというユーザーの選択と商売の在り方

かずひこさん

ありがとうございました。
「先頭車だけ」という需要は、古来からトレーンのNゲージダイキャストスケールシリーズがありますから、子どもたちの中で一定程度存在するのだと思います。

しかし、Nゲージの模型をダイキャストシリーズで遊ぶ子どもたちに手渡すことは、早晩その模型がたどる悲惨な運命を予想できるので(つまり破壊行動の生贄となる)、送り出すメーカーとしても修理品を増やしたくないでしょう。したがってトミックスのファーストカーシリーズは、やはり既存の、高めの年齢層のNゲージユーザー向けなのだと見ています。

そこで、ファーストカー商品の在り方になります。確かにトミックスは「先頭車だけでもいいや」という需要の掘り起こしには成功したと考えますが、これは既存のセット品の販売数と相対関係にあるように見えており、結果としてどうなるのかという心配が残ります。
もちろんユーザーの中にも懸念があって、例えばファーストカーだけで楽しむユーザーがいるとすれば、その方とこれまでのユーザーに接点はあるだろうか、方向性は同じなのだろうかということです。おそらくファーストカーを集める人々は「新しいユーザー層」と言うべきかもしれません。

当方は「先頭車だけ」というジャンルを否定はしませんが、メーカーからジャンジャン提案していくことには何らかのリスクがあるように見ています。カトーがやっているように、イベント等で限定的に販売する、あるいはやりたい人だけがASSYで、という方がちょうどいいのかもしれませんね。
「先頭車だけでいいや…」。ユーザーにそう思わせる企画にはどこか弱さ、訴求力のなさが見えます。つくっても売れないと思いながらつくる模型は、決まって値段が高いものなのです。
  1. 2020/12/01(火) 12:30:22 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
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要素技術だけを見れば、0系のライトケース内部で前照灯が2灯にきちんと分かれて見えることは、トミックスでも実現出来ていない画期的なことです。せっかく良い技術開発をしたのに、企画で損をしていてもったいないことですね。振り子車の開発経緯を聞く限り、この技術でこのような車輌を企画すればユーザーさんが驚くはずだという考えがあったと聞き及びますので、相当な乖離を感じます。
ちなみに、英国ヨーク鉄道博物館は大窓車を保存展示しています。小窓2000番台車だけの16輌編成は実在しませんので、なぜ大窓車をつくらないかという疑問が残ります。

パンダと赤緑の次はネコですか...。
鉄道に深い愛着はないんでしょうね。こういうのは、単なるノイズでしかない。別会社とか新ブランドでお好きにどうぞ。親会社にぶら下がってベンチャー始めたみたいなもので、みっともない限りだと思います。

カタログを買う客は減ったと、地方の模型店のカウンターで聞きましたよ。
  1. 2020/12/01(火) 17:11:38 |
  2. URL |
  3. 連接車 #M7elFNEI
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しなのさかい様、こんにちは。
いつもポスターのレビューありがとうございます。

今回のポスターの片隅にある猫を見た瞬間に「確実にヤバイ」と思いました。
今までは出す車両の方向性が見えなくても、「まぁ買う人はいるだろう」とは思ってました。
しかし今回の猫は確実に需要があるとは思えません。

海洋堂辺りのネタガシャポンを真似したいのかな?
あれは100~300円のガシャポンだから許されるのであって
2000円オーバーの(katoの今までの販路的に)模型コーナーにしか置かれないコレは金型の無駄使いとしか…
普通の猫じゃ駄目なんですかね…

この間氷河特急の増結セットを探しに模型店で聞いた話ですが、katoの模型は問屋でも在庫がかなり少ないそうです。
猫に金使うなら、その金で過去に売れた車両を再生産した方が良い気もしますが…

黄金期の跡は大体暗黒期に入るのは歴史ではよくありますが、
流石に今回はヤバイと思い長文になってしまいました、すいません。
  1. 2020/12/01(火) 19:57:49 |
  2. URL |
  3. Planet #-
  4. [ 編集 ]

パイオニアの誇り

連接車さん


いつもありがとうございます。

御披露いただいた振り子機構のお話は、カトーが持つ技術がひたすらにユーザーを喜ばすためにある、という過去のエピソードなのでしょう。よく分かります。カトーがユーザーを楽しませようとして開発してきた技術は、そのときの最高のネタ、企画として送り出されてきたような気がしていて、カトーの歴史を振り返っても何らかのマイルストーンになっているようです。最近では8620形くらいだったでしょうか。
0系でトミックスとは異なる何かを打ち立てる要素はあったように見ています。ライト周りだけでなく、連結部分の幌の表現もそうです。カトーが考える究極のゼロを見てみたかったし、その方が海外にもアピールできたかもしれませんよね。

一方で。
「親会社にぶら下がってベンチャー始めたみたいなもの」という御指摘は言い得て妙でして、あのポスターの中の違和感はなかなか拭えません。以前から動物フィギュアを製品化したいと考える人がいて、どうやったのか上手くカトーの懐に飛び込んで「間借り」ができたんですかね。その本人がリスクを背負わないで、販路も開拓しないで、ただカトーのリソースを削ってやっているんであれば、鉄道模型ユーザーとしては非常に残念です。これは「パトレイバー」でも同じ。
「Nゲージパイオニアメーカーの誇り」と胸を張る経営首脳陣の考え方がこういうものであると知る機会となりました。
  1. 2020/12/02(水) 08:41:35 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

在庫を抱えるということ

Planetさん

やっぱりそう思われますか。
どう考えても「のら猫拳」を鉄道模型店で販売するのは販路違いであり、入荷する販売店が居るのだろうかと思うのです。まさか「入荷しなければならない」なんてことはないでしょうが(公正取引…)。

問屋さんの在庫のエピソードもありがとうございます。販売店だけでなくて、問屋もメーカーも在庫を持たないということは、ポスターを見て予約をすることを前提とした、市場全体の受注生産化、販売店の売店化が進んでいる証拠だと思っています。
それは裏を返せば、在庫として持つことができない(始末の悪い)製品ばかりが市場に出回っているからであり、さらには、在庫を動かす(活かす)続行企画が存在しないことに外なりません。カトーのポスターを見て「ポツンと一軒家」だと指摘したアイテムがいくつかありましたが、正にそれになります。
ユーザーは在庫があるから、「確かあったはずだ…」と思えるから模型店に足を運ぶのでしょう。資金力の面はありましょうが、在庫を持とうとしない模型店はやはりユーザーには支持されないはずですし、せめて問屋がバックヤード的な役回りを引き受けなければ販売店の数は減少し続けるのでは。メーカーも「メーカー在庫なしです」なんていう、その後のことを何も考えていないようなことを誇らしげにアナウンスするのではなく、在庫を動かすような連続企画を考えて欲しいですよね。
「で、この後どうするのさ」。ユーザーはポスターを見た瞬間、そのアイテムを買う理由を確かめたくなるものなのです。だからポスターにはメーカーの「覚悟」のようなものが見えないといけないと思います。
  1. 2020/12/02(水) 09:01:29 |
  2. URL |
  3. しなのさかい #-
  4. [ 編集 ]

コメント失礼いたします。思うことが多かったので長文となってしまいましたが何卒ご容赦ください。

今月のポスターは先月のような「無風」と違い第一印象で驚きを持って見ることができましたが、よくよく見てみると首をかしげるポイントがありましたね。

顔と帯色が怪しく行先表示も謎仕様(どの模型店にもあるあのパーツ、結局どうなるんでしょうね)の223系をKATOがまだ見捨てていなかったのは予想外ですがよりによって他社製品の発売直前にぶつけてこなくてもと感じます。
ライバル意識を持って切磋琢磨してほしいとは思いますが後ろを振り返って冷や水を浴びせろという意味ではありません…。気に入らないから予約をキャンセルするなどと公言して憚らない心無いユーザーも増えていますし小売店は戦々恐々ではないでしょうか。
また787系など実車が現役の車両はとにかく現行仕様でリニューアル、という姿勢も大いに疑問です。未だに床ボディのスターターが量販店に出回る現行品の221系未更新車が「旧製品」と呼ばれている意味を考えてほしいです。

0系も一瞬「おっ!?」と目を留めた後にフルリニューアルでないことに気づき落胆した方は少なくないはずです。同じようなKATOのロングセラー205系も今でも見劣りしない素晴らしい模型だとは思いますが、店頭でTOMIXの本気を見せつけられると太い額縁などにどうしても年代物の雰囲気を感じてしまいます。そんな「旧い時代の製品」を新品でお迎えしてくれるユーザーがどれだけいるのやら。

結局、全般的にTOMIXに対抗意識を燃やしてるのは伝わりますが、とにかくピントがずれているとしか思えませんでした。

(話は変わってしまいますが、「ファーストカー」は16番で出てくると面白いことになる予感がします。)
  1. 2020/12/02(水) 12:52:27 |
  2. URL |
  3. くろぼー #-
  4. [ 編集 ]

リニューアルの判断とその程度

くろぼーさん

仰ること、ホントにそうですね。
不思議なことに、この世界では、過去と同じ企画をやるときには、リニューアルの“ツボ”と言いましょうか「すべきところ」と「そのままでいいところ」があって、それを見誤ると悲惨な結果になるようなんです。
そしてそれは一部のユーザーの主観のようなものではなくて、この世界に携わる多くの人々に共有されている価値観のようなものであると見ています。つまり、前回の製品を手にしたときに「残念」と感じた怨念のようなもの、と言いましょうか。もちろん時代的に技術レベルが陳腐化するパターンも。そんなものです。
で、この価値観、「んなの分かるわけねぇじゃん」と思えても、心構え次第では実は案外容易に捉えることができるんじゃないかと思います。それは「お金を払う立場になってみる」ことです。自分から財産を削ってプラスチックの物体に交換することは、外部の方からすればアホらしくて見ていられないかもしれません。でも当の本人にとっては極めて合理的な選択で、それは何故かというと、そこには製品に対する一定の期待があるからなのです。
その(自分の中のスタンダードである)期待が裏切られれば怨念となって「次こそは〜」となり、リニューアルへの期待も高まりますが、そのリニューアルがなされなければ「中途半端」「要らない」となるのでしょう。その逆にリニューアルへと舵を切ることで迷惑に捉えられることもあるようです。「今までのこれら全部をリニューアルするつもりなのかよ」という改良、よくありますよね。トミックスの機関車製品は今正にその途中にあります。
製品を企画するとき、企画者自ら財布を開けて買うつもりがあるのか、せめて買うユーザーの姿とその中の思いが見えているのかなどなど。やっつけで新製品を送り出すようなことが行われていないことを祈り、信じたいと思いました。
  1. 2020/12/02(水) 21:39:39 |
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  3. しなのさかい #-
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パイオニアの誇りとは

お財布を開いてお金を支払う人の立場になってみる。その企画は誰を楽しませようとしているのか? 自問してみるとメーカーの良心というものについて考えさせられますね。

もし動物のフィギュアを作りたい人がいたとして、その人自身を喜ばせるための企画だったり、内輪だけで盛り上がって「ポスター」というオフィシャルな媒体に露出してしまうのだとしたら...。ユーザーや小売店は寒々しさ、しらけを感じますよね。カトーには技術なりリソースなりを活用して、やってほしい仕事がまだまだあるのですから。

パイオニアの誇りというのも、馴染みの深いあのマークを2次創作したような京都のロゴとか、
ハンドメイドみたいな特製品をカトーブランドで出してしまうあたり...

鉄道マニアにも馴染みの深い名門カメラメーカがありますけれど、かつては技術で追随を許しませんでしたが、その技術を鼻にかけるところがあって、いつの間に凋落して経営危機に陥っています。「俺達は凄い」と言い出した瞬間に、進歩は止まると思いますけれどね。
  1. 2020/12/05(土) 09:11:23 |
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  3. 連接車 #M7elFNEI
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パイオニアがパイオニアでいるために

連接車さん

一般論として、〈パイオニア〉という企業にはひたすらに「過去のやり方」を淡々と、黙々と事業を継続していて欲しいものなのです。それは何故かというと、顧客がまわり道をして戻ってくることができる灯台のような存在として見ているからです。
かつての「セキスイ」が「カトー」となり、技術的に進化した製品を、かつてのテイストのままプロダクトし続けていればこそ、長い間この趣味から離れていたユーザーは戻ってくることができるのでしょう。
しかし今のカトーの様子を見ていると、消極的なリニューアル品を出すことと同時に、あえて飛躍的に「違う何か」をやろうとすることが多く、しかもそこにはこれまでの支持者を露頭に迷わせるというか、否定するような要素が目立つようになってしまいました。もちろんその「違う何か」が潜在的にユーザーに必要とされていたことであれば構わないのですけど、そこら辺は疑問が大きいですよね。例えば、御指摘の京都のお店も、関西地区の総本山を閉めた上でのスタートでしたから、ユーザーにとってはASSYパーツが手に入りにくくなりました(飽くまでもメーカー直販という意味でです)。それでも今の京都店のあり方はユーザーに必要だったと言えるのかなと。どこか京都店は、既存ユーザーには向いていない、別の消費者に対してアピールしているお店なのではと考えざるを得ない気がしました。
パイオニアは何も言わなくても、言わないからこそパイオニアとして見られています。そのことを敢えて口にしてしまうと不思議なことにそう見えなくなることがあります。職人気質で寡黙に、だけど説得力のある企画が再び見られることを祈りましょう。パイオニアがパイオニアらしくなくなると、この趣味の世界は市場とともに終わるような気がします。
  1. 2020/12/05(土) 19:31:10 |
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  3. しなのさかい #-
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