こんばんは。しなのさかいです。
ここ数日間、市中の模型店が模型店でなくなっていくようなニュースに接し、暗い気分になってしまいました。
当たり前のことながら、鉄道模型店であるならば「鉄道模型」を売っていて欲しいのです。
当の模型店だって、そうありたいのではないでしょうか…

カトー謹製のJR四国N2000系です。
3両セットの通常品と、5両セットの特別企画品が発売され、今回は後者だけの入線としました。
その特別企画品には「うずしお4号」というサブタイトルが付されています。
特急形のディーゼル車両なので、直線状の非電化区間を持つ当レイアウトでは走らせてみたいし、また、とっくの昔に手放したマイクロエース製品の置き換え用としてもアリかと考えました。
1998年デビューのこの車両に特別な思い入れがあったわけではない、ということだけはハッキリしています。
「いつ頃に発売された製品だったか」と忘れることが多いので、メモ代わりに書いておきます。

特別企画品を選んだ理由は、先行量産車である2458をこちらに入れられたからです。
2000系と同じ顔をしていながら、その後に製造されたHOT7000系の技術がフィードバックされ、中身が330PSから355PSへとパワーアップしている点がユニーク。
どちらかというと、クルマのようなニオイのする車両でしょうか。

N2000系の本当の(量産車の)顔はこちらになります。
表情に丸みを持ち、ライト位置は上に動かされました。

カーブ区間を、車体を傾けて快走。
すれ違う列車は、ナシ。

先輩の2000系と並んで。
キリトっている時代は嫌いじゃないんですが、四国の鉄道を手元に引き寄せる作業はなかなか難しいと感じました。

夜の駅で出発時刻を待つ。
ヘッドライトの色、そしてライト周囲に僅かに反射するあたりはとても実感的で、この辺はカトーの技術力を見ることができていますね。

岡山駅では「南風」として様々な列車とも並ぶようですが、かと言って駅でジーッとしている姿を再現するのもつまらないものです。
N2000系にはどうしても高徳線という単線非電化区間の特急列車というイメージしかなくて、すれ違う列車も一般型車両ばかり。
また「うずしお4号」という通勤列車にも何ら面白み、深みを感じ得ていません。
単に4号が5両編成で運用されていることに着目したことなのでしょうが、やはりメーカーには公式に「うずしお4号」という列車名を付した責任として、その魅力を語ってもらいたかったですよね。
結局のところ、マイクロエース製品を置き換えるだけの意義しかなく、しけった花火みたいになっていて、通常品とともに持ち帰るという選択はあり得ませんでした。
繰り返しになりますが、特別企画品を設定する企画には「通常品を選んでも、さらに欲しい」と思えるくらいの力強さというか、通常品にも特別企画品にもそれぞれ「買う理由」がないといけません。
ユーザーに「通常品を買うならこっちにしておこう」という心理が働くようではダメなんだと思います。
HOT7000系であれば、カトーが大好きな京都駅の風景を再現することも、鳥取の非電化区間を走ることから他の列車との並びも見えて、やや違った風景のテザーになり得たかも。
ではまた。
スポンサーサイト
- 2020/12/17(木) 23:20:00|
- 鉄道模型(車両)
-
| トラックバック:0
-
| コメント:10
<<
KATO 2021年5月分ポスターを見て客車急行シリーズの終焉を確信する。 |
ホーム |
ロクヨンにヌクモリを>>
2000系製品化の時点で、N2000は確定事項でしたので。
HOT7000に行っても中途半端かと。
2000系の魅力ですか。
中村発岡山行きの、南風に乗り通しましたが。
この急勾配…、さらにここからまだ増速するの???
1本の列車で、海沿いの街から山間部の隘路、そして空の上まで連れて行ってくれることですかね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
長文でもダメ、短文でも意味通じないもので。
2000系とN2000はセットですので。
それやらないうちに、HOT7000 に行っても中途半端ってことです。
HOT7000が中途半端だなんて言ってませんよ。
- 2020/12/17(木) 23:55:50 |
- URL |
- Mu. #JSz2HnTU
- [ 編集 ]
いつもお世話になっております.
「クルマのようなニオイのする車両」についてですが,四国2000系(N2000系含む)は富士重工業(SUBARU)製ですので,ぴったりだと思います.鉄道車両から撤退してしまったのは残念ではあります.
自分は四国2000系について,「10-1505」「10-1628」のみの導入とし,「南風・うずしお」「宇和海4号」に組み替えています(本来の実車はアンパンマン列車が含まれています).「宇和海4号」も通勤列車ではあります.
この2製品を並べて思ったことは,「2458号車(や2424号車)」を製品化するのであれば,それはハイシーズンの帰省や旅行で長編成の「しおかぜ」「南風」に乗っている際に,宇多津駅で待っている2両編成の「いしづち」「しまんと」が,時間的に近接する瀬戸大橋通過のシーンと合わせて,「四国を出る・四国に着いた」と印象的に残りやすい列車であるのかなと思いました.この列車自体は讃岐平野のみを走る列車ですが,2両編成で良いですし,既存の製品と合わせてそれこそ「うずしお4号」などとしても楽しめると思います.このために,2458号車には「いしづち」のヘッドマークを付けました.
長い編成はインパクトはありますが,(N2000系には当てはまらないものの)小回りは効きにくいです.
今年の正月に四国の乗り放題切符が限定発売され,実際に行ったことを思い出しました.四国の気動車は土讃線から予土線まで良い走りっぷりで楽しいものです.
- 2020/12/18(金) 17:39:26 |
- URL |
- かずひこ #QCsvbcNU
- [ 編集 ]
Mu.さん
HOT7000系は中途半端ですか。
難しいですね。
- 2020/12/19(土) 13:42:52 |
- URL |
- しなのさかい #-
- [ 編集 ]
かずひこさん
情景が浮かぶコメントをありがとうございました。
富士重工製の特急形気動車たちは、1990年代の亜幹線高速化の切り札の象徴でしたから、北海道、山陰、そして四国の鉄道風景を描くときにはマストというか、手元に引き寄せると20年以上前の風景を脳内で再生できてジワーッとします。とにかく楽しみながら鉄道旅行をしていた時代なんです。
キハ281系なんか、もう一度どこかでやってくれないかしら。
かずひこさんは特別企画品2種を導入されて、とっかえひっかえしながら四国の様々な列車を再現しているようで、頭が下がります。当方は1993年9月に訪問したっきりでして、それ以降四国島内には足を踏み入れていませんのでなかなか分かっていない点もあり…。特にN2000系の活躍は把握できていないので、これから研究するしかないかなという感じです。
幼少の頃、国鉄時代の四国は正真正銘の「ディーゼル王国」だと認識していて(北海道は電化区間がありましたから)、写真で、煤煙を空に上げながら轟音とともに滑り出していく気動車群を見てはウットリしてあこがれていたものでした。その末裔が2000系気動車であるという自分なりの解釈があります。
土讃線、予土線。土佐や南予のあたりをもう一度、ディーゼルサウンドを聴きながら列車で揺られてみたいものです。
- 2020/12/19(土) 14:35:12 |
- URL |
- しなのさかい #-
- [ 編集 ]
しなのさかい様
EF64、N2000の活躍情景ありがとうございました。ダウンライトに旅愁を感じます。客車列車の暖かさいいですね。閉じこもっていると、出かければこんな光景にすぐ出会えると錯覚してしまい、実際に出かけた場合は幻影ばかり追い求めてしまいそうです(そして家族から引かれる)。鉄橋のN2000は「平坦路線が多い四国の鉄道でもここは別格、キハ181のエンジンがうなる(旅鉄別冊'86より)」のあそこですね!N2000は統一でうずしおの印象ですが、2600が撤退せざるを得なかった南風もとても似合います。実際に乗ったのは90年代の2000系ですが、本当に怖いくらい狂ったように飛ばして走るのが印象的でした。また、給油施設わきで中村駅にたたずむ2000系にはぐっとくるものがありました。混結・併結をヘッドマークを変えてあれこれ楽しんでますが、ライトのon/off含めパズルのようです(嬉しい悲鳴、南風+うずしおがお気に入りです)。関東から四国まで今は行きずらいですが、模型でしみじみして現地へ行った際の驚きを楽しみにしています(ここで飛ばすの!?こんな混結もあったの!など)。話が海外に飛んで恐縮ですが、class800は末端区間(Penzance辺り)はディーゼル+腕木式信号機(英国なので日本とほぼ同型)の区間を走るようです。四国、九州、果ては英国、強烈に行きたくなってます!
JRであーる
- 2020/12/20(日) 09:31:24 |
- URL |
- JRであーる #-
- [ 編集 ]
JRであーるさん
そうなんです。小さい四国島内でも、あの辺りは山岳路線のようなもので、海や平坦地ばかりではないのだなぁと気付いたものでした。阿波池田なんて、山間地にぽつんとある町で、なおかつジャンクションですから、気動車のアイドリング音が似合いましたね。そこをレーシングカーのような2000系が。民営化後の四国の風景です。
鉄道であちこちを周る旅行は(コロナ禍に関わらず)遠い過去となってしまいました。せめて模型で追体験をしたいわけで、在来線特急の車両が模型化されることにはとりあえずアンテナを向けてみましょうか(^^)
- 2020/12/20(日) 20:25:37 |
- URL |
- しなのさかい #-
- [ 編集 ]
しなのさかい様
JR四国の車両は確かに数種類の特急と普通車ばかりでデザインも質実剛健ですが、それでも魅了されてしまうのはどの車両も四国の鉄道に最適化された粒ぞろいの車だからではないかと感じています。
「うずしお5号」というネーミングは微妙とはいえ2000系は一貫して四国のL特急に専念していますから特企にふさわしいタイトルも思いつかず、そこまで気にすることでもないかなと思うようになりました。値が張るのが困りものですが(南風は3両にしておけばライト層の購入のハードルもグッと下がったんでしょうね)。
あとは短編成でバリ展も望み薄な形式なのですから2000系をKATOがやらなければならなかった理由、2000系(≒JR四国)のストーリーをもっともっと語って我々のイメージを膨らませてほしかったと感じます。
名実ともにJR四国の存亡を賭けて開発された2000系も過酷な運用が祟り、静かな余生など存在し得ないとばかりに先代よりも早く老朽廃車されています。短い編成に大きな期待と重荷を背負った2000系の見た目だけではわからない「ものがたり」にきちんと光を当てていれば心を動かされる方も増えたでしょうね。
- 2020/12/22(火) 12:36:20 |
- URL |
- くろぼー #-
- [ 編集 ]
くろぼーさん
コメントをありがとうございます。
四国の鉄道に最適化された車両。JR民営化初期の頃には、風光明媚な土地に馴染もうとして割り切った設計の車両が数多く開発されました。2000系気動車もその一つで、馴染もうとした技術の切り札が気動車初の振り子機構、しかも制御方式だったんですね(既にご案内のことをすみません)。こんな経緯を知っていて、予讃線の奥の方で「キーン」という音を聴きながら乗った経験もあるとなると、どうしてもファンにはなります。
その2000系がJR四国の顔となっていたところに、出力強化型のN2000系の登場。まずは高速バスに対抗するため、高徳線の130キロ化に対応することを目的としていたとのことですが、当方としてはこの導入経緯がダメでした。バスに対抗するパターンはなんとなく「薄味」でして。
なので「うずしお4号」というサブタイトルを見たとき、当方はむしろカトーの掘り下げ方に期待してしまったんですね。自分の知らない面白さ、文化的な切り口を開示してくれるのかなあと。しかしその答えはとうとう見ることも聞くこともできませんでした。
「見た目だけではわからない『ものがたり』」というお言葉には「そのとおり!」とひざを打ってしまいました。そうなんです、「うずしお4号」なんていう列車名を製品名に冠しておいて、その答えがただ単にN2000系5両編成だから、なんていうことではものがたりを語ろうとして何も考えていないことをさらけだしてしまっているようなものなんです。このサブタイトルを気にしないこともできますが、製品の送り手としてはこういう言葉を慎重に、文化的なテイストを味わえるように使ってもらいたかったなーと、そんな風に思っています。
以前の記事でも「古い列車の記号化」なんていうことを言いました。記号のままでしか出せないのならば、妙に文化チックな製品名はやめた方がいいのかも。むしろワラビ方面の「高速ターボ全開」のようなキャッチコピーの方が馴染みやすかったりしますね(笑)
- 2020/12/22(火) 22:02:55 |
- URL |
- しなのさかい #-
- [ 編集 ]
しなのさかい様
今回も失礼致します。
いつものカトーと言ってしまえばそれまでですが、相変わらずお供の車両が不足していますねぇ
1000系気動車じゃ短くて商売にならないからやりたくないんでしょうか?
やはり単発じゃなくて広がりを持って楽しみたいし出来るはずなんですよ、飯田線シリーズを提案した実績があるんですから・・・
しかし四国はカトーとしては少々やる気はあるようですね、まぁ特急形でしょうが。
智頭急行HOT7000に関しては来年のどこかで朗報が聞こえてきそうですね。
こちらもお供のHOT3500はスルーしそうな予感が
濃厚な気がします・・・
大人の事情で難しそうですが、アンパンマン列車を出せるとそれなりのムーブメントになりそうな予感がしますがハードルが高いでしょうね(笑)
- 2020/12/23(水) 19:02:08 |
- URL |
- つばめ787 #-
- [ 編集 ]
つばめ787さん
コメントをありがとうございます。
改めて考えることは、四国の鉄道シーンのキリトリ方は結構難しい、ということです。
2000系のお供がN2000系でおしまい、ではダメで、この点でトミックスの〈四国ブルー〉戦略は先に出ているようです。キハ185系の製品化も発表されていますし。1000系気動車も鉄コレで用意しているので、有名な下灘駅つながりでキハ32あたりも射程距離に入っているのでしょうね。使える動力ユニットはあるはずです。
残念ながら今のところ、トミックスがやれない振り子車をカトーが補完した形に見えます。
民営化後の四国の鉄道の様子はこんな風に構築されつつありますが、そもそも「四国」って鉄道の視点から見たらどんな特徴があったのか。
そうと思うと、ディーゼル王国、そして道路の悪条件による物流としての使命…。この辺りが浮かびます。
まぁいずれも国鉄時代になります。
ゲテモノ揃いの「キハユニ」「キユニ」「キユ」が結集していたのもその証拠。例えばこのような視点に立つと広がりはあるようです。カトーの四国形DF50はそのワールドなら生き生きと活躍できたはずで、早すぎた牽引機でした。
何でもかんでも国鉄時代に正解を求めてはいけません。しかしながら鉄道を利用して四国を周遊する人なんてもういないでしょうから、四国の鉄道を見てみたい、学びたい、模型として手元に引き寄せたいと思うならば、地勢的な要件とそれに対応した車両を結びつける必要はあるかもしれませんね。
2000系はその答えにはなっていたかも。
いずれにせよ、今のカトーにそこまで期待することは難しく、一方で以前に鉄コレで出されたゲテモノ気動車たちを思い出すと「その企画者さん、出ておいでー」となります。
カトー製品がトミックス製品の補完アイテムとなる時代はどうなんでしょう。結構事件性のあることだと思いますよね。
アンパンマンは…。なかなか抵抗感のある買い物にはなりそうです(笑)
- 2020/12/24(木) 08:52:18 |
- URL |
- しなのさかい #-
- [ 編集 ]
- トラックバック URL
- http://sinanosakai.blog100.fc2.com/tb.php/1722-d8b8f49d
- この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)