こんばんは。しなのさかいです。
前の記事では、皆さんには大変お世話になりました。
参考となる多くのコメントをいただきまして、こちらとしても楽しんで返信をさせていただきました。
今回はその御礼を兼ねながら、ちょっとだけ前回のコメント欄の最後に書くつもりで脱線させていただこうという趣旨になります。
そのような位置付けになりますので、今回だけはコメント欄を閉塞させていただき、次回の記事へつなげます。
御理解をいただきたく、よろしくお願いします。
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前の記事では、連接車さんのコメントから「1990年代が懐かしい」ということで対話をさせていただきました(連接車さん、ありがとうございました)。
連接車さんへの返信は、実は仕事帰りの通勤電車を降りたところで「えいっ」と送信させていただいたのですが、その後、バスに乗っている間に再び考えこんでしまったのです。
「懐かしい」ってどういうことなんだろう。
当方は勉強がきらいですので、ここで国語辞典を読むようや野暮なことはサラサラやる気がありません。
飽くまでも鉄道模型趣味を例にして捉えてみたくなった、ということで本稿を続けます。
我々は、鉄道模型の車両を見るとき、そしてまた模型メーカーのポスターを見るときには「懐かしい」と思うことがよくあるようです。
おそらくたぶん、鉄道が好きになってから乗ってみたり、自分の目で走っている車両を、あるいはある車両の現役当時に鉄道雑誌のグラビアなどに掲載されたその車両を見て、なおかつその経験が記憶の中にあることで、自分の脳が「懐かしい」と認識してしまい、また声に出してしまうんだと思います。
また「今も走っている車両」なんだけど、自分の住まいから遠く離れた旅先で乗っただけであって、普段は簡単に乗れない車両だったりすると、これも「懐かしい」となるかもしれません。
いずれにしても「懐かしい車両」とは“かつて自分が乗ったり見たりしたけれど、今はそれが叶わない車両”とやや幅広に捉えることができそうです。
さて、「懐かしい」と思う車両があるということは「懐かしくない」と思う車両もあるはずです。
その違い、その境界線はどこにどのように存在するのでしょう、というのが本稿のテーマになります。
簡単に思いつくことは、今も走っている車両を「懐かしくない」として「懐かしい車両」と区別する、そんな境界線です。
これはこれで間違いではないはずで、要は時間のスケール上では「懐かしい」よりも現在の方に向いたところの範囲ですね。
E235系などは多くの方が「懐かしくない」と捉える車両ではないでしょうか。

ここで当方、脳内で自分の模型部屋をぐるりと見渡すイメージを描いて(だいたい収納場所は頭の中に入っています)少々悩んでしまいました。
「懐かしい」車両は簡単に「これ」って指をさせるんですけど、どうも懐かしいと思っていたはずなのに指をさせない車両がある。
「懐かしい」と思っていたものが「懐かしくない」かもしれないと気づいたからなんです。
当方は蒸気機関車の模型を数多く持っていますが、これらが現役の頃を知らない人間です。
だから「懐かしい」という捉え方は正解ではありません。
客車急行列車たちもそうで、乗ったことはほぼありませんが、何故か模型部屋にはズラリと並んでいます。
飯田線の旧型国電たちも実は全然懐かしくない(笑)
当方はまだ「関水金属」と呼ばれていた頃にカトー製Nゲージを買ってもらいましたが、まだまだ趣味的にはヨチヨチ歩きもいいところでした。
鉄道雑誌を立ち読みしたり、友達同士で乗り鉄をするようになったのはせいぜい1983年頃から。
もう飯田線には119系が走り始めていました。
その他にも疑惑印の「懐かしい鉄道模型車両」はたくさんあって、今更ながら、そやつらをお店から持ち帰ってきた動機は何かもっと別の動機だったのではないかと。
つまり「懐かしくない」世界は、懐かしい世界の手前の世界だけにあるのではなくて、もう一つ、懐かしい世界のもっと過去の世界にも存在するようだ、ということなのです。
懐かしくはないんだけど、何故か興味が湧いてしまう過去の車両。
懐かしくはないんだけど、いつのまにか1票を投じてしまう謎の車両(爆)
不思議ですよね。
現在に至ってもなんらかの魅力、人を惹きつける力のような要素を劣らせることなく備えた車両や列車もあることにはあって、そのことで出たヒット作もあるのでしょうが、今までの数多くの鉄道模型の「新製品」を振り返ると、それだけでは説明がつかないものもたくさんあります。
「懐かしいでしょう」と言って特定のターゲット層に向けてセールスする新製品車両と、もはや懐かしいと考えるユーザー層が薄いことを見越して、それでもなお「ね、おもしろそうでしょう」とセールスする新製品車両。
もちろんどちらも歓迎できるものであるとして、発表直後のざわめきの大きさは、どちらかと言えば後者なのかもしれません。
「おいおい、いったい何を始める気なんだ?」となって、メーカーから発せられたメッセージの意味を調べたり、とかね。
この時点で既に「対話」が生まれているのだということは、もはや本稿で繰り返す必要もないですね。
これまでの鉄道模型の新製品には、そうやってユーザーの心理を揺さぶって、思わず買わせてしまうものがあった、ということのようです。
さて、このコロナ禍で忘れがちでしたけど総括すべき2010年代の10年は既に終わっていて、もはや2020年代です。
我々鉄道模型ユーザーは「懐かしくない」新製品に出会うことができているでしょうか。
なんだか新年の御挨拶のようになってしまいまして反省しています。
ではまた次回に。
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- 2021/06/21(月) 20:00:00|
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