Nゲージとお金の使い方・2021年7月(その2・完)
2021-07-16 (Fri) 09:00
(その1からつづく)

一方で、トミックス。
こちらにも、以前に見たようなモノがチラホラ見られます。
でも、企画を行う上で「あのときの、あの列車」という概念を大切にしているセンスはやはりこちら青組の方に軍配が上がるようで、確かに見ているだけで誰かと語り合いたい気分にはなります(こういうムード、模型屋さんの店頭で求めていたりしませんか?)
ただ…

583系の仕様変更を伴う再生産は、トミックスとしての宿題とは理解しながらも「やっぱりね」という気持ちになってしまいました。
既に多くの方が予測していたとおりで、M-13モーターへの換装と同時にスカート部品、カプラー部品の改良が行われるようです。
そしてカトーのように“旧製品”を持つユーザーを分売パーツで救済する気配もなく。
キハ82系(ひだ・南紀)も同じことが言えそうです。
「商売だから」といえばそれまでですが、そうだとしたらカトーのASSYパーツ同時発売のやり方は、本当に商売の妨げになっているのかなぁと。
この市場は、一定のユーザーを長期に渡ってファンとして囲い込む必要がある特殊な場でもありますから、「古いユーザー」とまでは言わずとも過去にトミックス製品を買って企画を支持したユーザーも守りながら進めていただきたいな、という思いが残ります。
もちろん、ポスターには惑わされずに「今持っているもので十分」と判断される方が多いことも、これまでいただいたコメントで確認していますが、この気持ちの中には、少なくとも支持要素は含まれていないのではないか、と。

12-3000系・14系15形(だいせん・ちくま)は「いかにも」と言える最近のトミックスらしい企画。
引っ掛かるのは、牽引機が同時に手に入らなさそうな点です。
単純な再生産が予定されているのかもしれませんが、同時にポスター上で告知されないとユーザーの予約には結びつかないかもしれません。
生産能力が不足しているのかしら(まさか発売が延期してばかりのM-13モーターと関係が…?)
信じる者だけが後に救済されるようになっているのか分かりませんが、EF66と同じようにDD51の国産化を兼ねたフルリニューアルを控えている、ということも想像しています(北斗星色のDDはあっさりと再生産していましたけど)。
「ちくま」のためのEF64も、近いうちにモーター換装、ダミーカプラー化、黒染車両化が行われるんでしょう。
この辺は分かりやすい。

そして。
今回のポスター上で目立つ意欲的な企画は名鉄キハ8200系、なんですが…
コレ、よく見ると同じ車両が5両入るというセット構成のようで、商売的に「おいしい」やり方となっています。
MとTの作り分けが必要だとしたって、Mの専用部品はモーターカバーのガワと動力台車のガワ、それにM用座席の3パーツくらいかも。
蕨方面の手持ち品を置き換える運動が起こると想像しますけど(当方は持っていません)、その蕨方面の製品の方が車種構成として豊かだということは見逃してはいけない気がします。
どこか「これでいいのかな」というモヤモヤ感が残りました。

113系も、トミックス製品には鬼門となる湘南色の塗装が気になって眠れません(そういえば153系は良かったですかね?)
113系もとうとうHG仕様で製品化される時代となりましたか。
ライトリムの薄さは期待できるので、それなりの新製品にはなるでしょう。
青組の総括です。
「だいせん・ちくま」には多少惹かれますが、カトーの12系+20系のバージョンの方が併結スタイルとしてはイイかな。
そのくらいでして、ほぼほぼスルー。
「お金の使い方」を考える上では、緑組にも青組にも、どちらにも強いメッセージがありました。
□ □ □
エンディングです。
再生産メニューを「待っていました」として買い求められる方々がいらっしゃることはよく分かっていて、そのことを否定するつもりなどありません(そもそも待っている人がゼロであるはずもなく)。
特に最近この趣味を始められた方にとっては、かつての新製品をほとんど「買い逃している」ことになるでしょうし、もちろん当方にも「買っておけば良かったナ」と反省しながら探し続けているモノはあります(先日御覧いただいた、とある模型店での買い物がその証拠です)。
ただ残念ながら、それらは既に世に出回っていたものですので「手に入れたときの喜び」はユーザー全体で広く共有できなくなっています。
それ故に、再生産の発表を巡るユーザー間での反応のギャップは必然なのだと考えます。
例えばM250系スーパーレールカーゴ(SRC)。
多くのユーザーが入線させて喜び合ったのは今から約16年前、2004年の年末と2005年の正月のことでした(珍しく関東では大晦日に大雪が降りました)。
そして、その後も繰り返し再生産されてきた訳です。
今、カトーやトミックスのポスターでメインを張る再生産「的な」アイテムは、探し続けているユーザーにとっては朗報なれど、同じ模型を手にしながら語り合うユーザー同士でのお祭り騒ぎにはつながらず、新ポスターが開示される度に起こる機会損失のような落胆が一定のユーザーの評価につながっているのかもしれません。
2021年の夏。
当ブログを含め、ユーザーの営みをいろいろ見回してみると、なんと言いますか、個室に入って自分の興味の対象を披露する、そんな傾向が一層強くなっているようです。
そしてまた、その興味への共感もなかなか広がりにくくなっているみたい。
以前にも申しましたとおり、個人のこだわりは必要だとして、たまには個室から広場に出て、みんなでキャンプファイヤーでもやれれば、ユーザー同士での語らいも生まれていいですよね。
趣味生活も活性化します。
そんなことは2010年代限りの奇跡だったのかもしれず、また、昨年のカトーの8620形が最後の炎だったのかもしれません。
キャンプファイヤーの幹事は…、やはり模型メーカーが適任なのでしょう。
ジオラマ製作のムーブメント。
オールニューだけど高額な新製品。
既存品のフルリニューアル合戦。
いろいろな方法で頑張って着火を試みているように見えますが、当方が見ている範囲では、なかなか炎が燃え盛らないようです。
そしてまた、当方のお金の使い方もより緩やかになっていて、脳内に占める「鉄道」という範囲も縮小する傾向にある。
そんな気がする今年の夏なのでした。
お付き合いいただきありがとうございました。
ではまた。

一方で、トミックス。
こちらにも、以前に見たようなモノがチラホラ見られます。
でも、企画を行う上で「あのときの、あの列車」という概念を大切にしているセンスはやはりこちら青組の方に軍配が上がるようで、確かに見ているだけで誰かと語り合いたい気分にはなります(こういうムード、模型屋さんの店頭で求めていたりしませんか?)
ただ…

583系の仕様変更を伴う再生産は、トミックスとしての宿題とは理解しながらも「やっぱりね」という気持ちになってしまいました。
既に多くの方が予測していたとおりで、M-13モーターへの換装と同時にスカート部品、カプラー部品の改良が行われるようです。
そしてカトーのように“旧製品”を持つユーザーを分売パーツで救済する気配もなく。
キハ82系(ひだ・南紀)も同じことが言えそうです。
「商売だから」といえばそれまでですが、そうだとしたらカトーのASSYパーツ同時発売のやり方は、本当に商売の妨げになっているのかなぁと。
この市場は、一定のユーザーを長期に渡ってファンとして囲い込む必要がある特殊な場でもありますから、「古いユーザー」とまでは言わずとも過去にトミックス製品を買って企画を支持したユーザーも守りながら進めていただきたいな、という思いが残ります。
もちろん、ポスターには惑わされずに「今持っているもので十分」と判断される方が多いことも、これまでいただいたコメントで確認していますが、この気持ちの中には、少なくとも支持要素は含まれていないのではないか、と。

12-3000系・14系15形(だいせん・ちくま)は「いかにも」と言える最近のトミックスらしい企画。
引っ掛かるのは、牽引機が同時に手に入らなさそうな点です。
単純な再生産が予定されているのかもしれませんが、同時にポスター上で告知されないとユーザーの予約には結びつかないかもしれません。
生産能力が不足しているのかしら(まさか発売が延期してばかりのM-13モーターと関係が…?)
信じる者だけが後に救済されるようになっているのか分かりませんが、EF66と同じようにDD51の国産化を兼ねたフルリニューアルを控えている、ということも想像しています(北斗星色のDDはあっさりと再生産していましたけど)。
「ちくま」のためのEF64も、近いうちにモーター換装、ダミーカプラー化、黒染車両化が行われるんでしょう。
この辺は分かりやすい。

そして。
今回のポスター上で目立つ意欲的な企画は名鉄キハ8200系、なんですが…
コレ、よく見ると同じ車両が5両入るというセット構成のようで、商売的に「おいしい」やり方となっています。
MとTの作り分けが必要だとしたって、Mの専用部品はモーターカバーのガワと動力台車のガワ、それにM用座席の3パーツくらいかも。
蕨方面の手持ち品を置き換える運動が起こると想像しますけど(当方は持っていません)、その蕨方面の製品の方が車種構成として豊かだということは見逃してはいけない気がします。
どこか「これでいいのかな」というモヤモヤ感が残りました。

113系も、トミックス製品には鬼門となる湘南色の塗装が気になって眠れません(そういえば153系は良かったですかね?)
113系もとうとうHG仕様で製品化される時代となりましたか。
ライトリムの薄さは期待できるので、それなりの新製品にはなるでしょう。
青組の総括です。
「だいせん・ちくま」には多少惹かれますが、カトーの12系+20系のバージョンの方が併結スタイルとしてはイイかな。
そのくらいでして、ほぼほぼスルー。
「お金の使い方」を考える上では、緑組にも青組にも、どちらにも強いメッセージがありました。
□ □ □
エンディングです。
再生産メニューを「待っていました」として買い求められる方々がいらっしゃることはよく分かっていて、そのことを否定するつもりなどありません(そもそも待っている人がゼロであるはずもなく)。
特に最近この趣味を始められた方にとっては、かつての新製品をほとんど「買い逃している」ことになるでしょうし、もちろん当方にも「買っておけば良かったナ」と反省しながら探し続けているモノはあります(先日御覧いただいた、とある模型店での買い物がその証拠です)。
ただ残念ながら、それらは既に世に出回っていたものですので「手に入れたときの喜び」はユーザー全体で広く共有できなくなっています。
それ故に、再生産の発表を巡るユーザー間での反応のギャップは必然なのだと考えます。
例えばM250系スーパーレールカーゴ(SRC)。
多くのユーザーが入線させて喜び合ったのは今から約16年前、2004年の年末と2005年の正月のことでした(珍しく関東では大晦日に大雪が降りました)。
そして、その後も繰り返し再生産されてきた訳です。
今、カトーやトミックスのポスターでメインを張る再生産「的な」アイテムは、探し続けているユーザーにとっては朗報なれど、同じ模型を手にしながら語り合うユーザー同士でのお祭り騒ぎにはつながらず、新ポスターが開示される度に起こる機会損失のような落胆が一定のユーザーの評価につながっているのかもしれません。
2021年の夏。
当ブログを含め、ユーザーの営みをいろいろ見回してみると、なんと言いますか、個室に入って自分の興味の対象を披露する、そんな傾向が一層強くなっているようです。
そしてまた、その興味への共感もなかなか広がりにくくなっているみたい。
以前にも申しましたとおり、個人のこだわりは必要だとして、たまには個室から広場に出て、みんなでキャンプファイヤーでもやれれば、ユーザー同士での語らいも生まれていいですよね。
趣味生活も活性化します。
そんなことは2010年代限りの奇跡だったのかもしれず、また、昨年のカトーの8620形が最後の炎だったのかもしれません。
キャンプファイヤーの幹事は…、やはり模型メーカーが適任なのでしょう。
ジオラマ製作のムーブメント。
オールニューだけど高額な新製品。
既存品のフルリニューアル合戦。
いろいろな方法で頑張って着火を試みているように見えますが、当方が見ている範囲では、なかなか炎が燃え盛らないようです。
そしてまた、当方のお金の使い方もより緩やかになっていて、脳内に占める「鉄道」という範囲も縮小する傾向にある。
そんな気がする今年の夏なのでした。
お付き合いいただきありがとうございました。
ではまた。
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