しなのさかいの駅前広場

ユートピアもモーターなしのままでしょうね

Nゲージとお金の使い方・2021年9月(その1)

こんにちは。しなのさかいです。


お金を使う目的って、どこか複雑ですよね。
自分では分かっているつもりでも、自分でも気づいていない隠れた目的があったりしないかなって、そう思います。

食べ物を買うときは「美味しそうだな」と考えて、その味が本当にそうなのかどうか確かめるために財布からお金を出す訳ですが、本質的には「生命を維持するため」にお金を使ったこととなるんでしょう。
普段そんな風に考えて買い物をすることはありません。
でも、昨今の情勢から見れば、そう考えて食品を買う人は間違いなく多くなっていて、両者の関係が逆転しつつあることも事実です。

行きたくもない職場の宴会。
それでも会費を支払ったならば「職場での自分の立場を守るため」としてお金を使うこととなる。
でも、そこまで深く考えずに惰性で財布からお金を出すことが普通かも。
もしかしたら「気になるアノコの隣に座れやしないかと」企んで、お金を使う目的を脳内で強制的に置き換える人もいらっしゃるかもしれません。



さて、鉄道模型を買うことについてはどうでしょうか、ということです。
カッコいい機関車や電車の模型を、いつまでも手に取って眺めてみたい…
こんなことを考えながら、模型屋さんで引き取って家路に着くことは大方の皆さんもそうでしょう。
でも、この中にも無意識のうちに別の意図もあったりしないかと考えます。

「コレを買ったことを誰かに伝えられないかな?」

つまり、今自分の中から溢れ出ている喜びを、誰か分かる人に伝えて共感してもらいたい、という(無)意識です。
鉄道模型、特にNゲージの買い物にはこうした他者とのコミュニケーションを目的とする向きもあるような気がしていて、もしそうならば、この辺りにネット上の「入線報告」の真相があるのかもしれません。
もちろん、当方もその中の一人です(笑)



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前置きはこのくらいにしておいて。
さてさて、今回もポスターの鑑賞会をしておきませう。
お金と引き換えて、他者とのつながりを持つことができそうなアイテムは果たして見えるでしょうか。





まずはカトーから。
「2022年1月」となっていますので、先月に発表されたN700Sと同じ月の発売アイテム、ということのようです。





JR東海の117系が発売予定とされました。
トミックスと同じようにカトーも“一段下降窓”のいわゆる「100番台ボディ」を作るようですが、外観の観察だけで終えてしまうのは、どこか面白くない気がします。


*     *     *


今回の117系。
当方にとっては、分割民営化前後の国鉄及びJRの動向、特に地方都市圏の地元密着ダイヤ設定(増発など)のために「制約」を越えて様々な工夫が行われた姿の一例、と見えます。
30歳代以前の方々には分からないことでしょうが、全国各地には「TOWNトレイン」のような看板を掲げた、新色の近郊型電車たちが現れ始めていた頃のお話、と言えばいかがでしょうか。


そのうち中京圏では、1982(昭和57)年3月10日に「東海ライナー」として運行を開始したばかりの117系0番台・6両貫通編成を、

真っ二つに切り離して編成数を増やしたろ

という、やや大胆な結論に至りました。
切り離したそれぞれの編成で大垣方(クハ116)、浜松方(クハ117)が欠損した状態となりますから「そこだけは新製することにしよ」。

しかし、0番台のデビューから約5年を経ていた117系はそのままリピート生産を行うということにはならず、一段下降窓で205系と同じボルスタレス台車のDT50、TR235を使用したモデルチェンジの設計に移行することとなりました。
こういう経緯があって、関西圏では100番台で統一された6両編成が投入される一方、中京圏では4両のうちの1両の外観が異なるチンドコ編成が生まれてしまったんですね。
1986(昭和61)年11月、国鉄最後のダイヤ改正に合わせてのことでした。

かくして編成数は増え、名古屋を中心とした地域の大幅な輸送力増強が実現。
現在見られるオレンジ帝国の都市型ダイヤの基礎は、35年前のこのときに現れました。
だから今回の117系の外観には、当時の苦労の名残が見えてくるというワケ。
419系などの「食パン電車」にも近い存在なのですよ。
117系に「サハ117」が存在していたら大変なことになっていたのかもしれません。


117系編成図


ちなみに、中京圏の117系0番台は、初期に関西圏に投入されたそれとは異なり、クハ116だけでなくクハ117にもトイレが設置されていました(22番から30番まで)。
誰がそうしようと判断したのか興味は尽きませんが、とにかく6両編成中に2か所のトイレがあったこととなります。
したがって、4両化で増備するクハ117とクハ116にはトイレを設置する必要がなくなり、前者は関西圏に増備された車両と同じタイプであるトイレなしのクハ117-100を、後者は関西圏に増備されたクハ116-100のトイレなしバージョンとして、中京圏オリジナルのクハ116-200を製造することに。

民営化を控えた“国鉄の置きみやげ”のようなこの頃のエピソード。
当時の制約や工夫の話題で奥行きが見えてくると、何気ない4両編成にも愛着や興味が出てくる気がしましてね。
ということで、ちょっと好きな時代の、ちょっと好きな列車だったりします。


今回カトーでは、先の6両セットにあるクハ117-0のままではトイレの表現がないことから、トイレ付きのクハ117-0を新規製作するということのようで、都合3形式の新しい先頭車投入となるようです。
ということは、いずれは6連の「東海ライナー」も製品化するということなのか?

さて、何回「トイレ」と書いたでしょうか(爆)


奇しくも(?)トミックスでも117系のバリエーション展開が絶賛進行中ですから、いずれは…とも想像できます。
結局のところ、カトーの117系もトミックスの117系も、どちらのメーカーの模型化のセンスを支持するか、ということで売れていくのかも。
「お金の使い方」を考える上で、大きな選択肢が出現してしまいました。

価格のこと、特別企画品も同時に設定されていることについてはもう省略です。
これら全てを買うことができるほどのお金持ちではありませんから、通常品の2セットを「買うことができたらいいな」という暫定的な結論でおしまい。






こちらは再生産。
ED78と50系客車との組み合わせはイイとして、今年の冬に2両セットで発売されたタキ10600は、これらと同時か近い頃に再生産されていれば、せめて同じポスターで再生産が発表されていたならば、ユーザーはもう少し違った風景を見ることができたのかもしれません。
磐越東線、仙山線のセメント輸送はED78とタキ10600の組み合わせで蔵王まで行われていました。
その辺については、キハ181つばささんの以下の記事に委ねさせていただきます。

マル鉄・鉄道写真館
「EF71+ED78重連牽引:明星セメント タキ10600」



このタキ、まだ模型屋さんに残っているのだとすれば、そろそろ消えてなくなる頃、でしょうか。


50系客車についてはトミックスも(リニューアル有りの)再生産をしたばかり。
長年トミックス製品の(ほぼ)独占アイテムでしたが、2015年にはカトーが製品化。
このとき以降、ユーザーは比較して買うことができるようになりました。
屋根上のベンチレーターを巡っては様々な意見があるようですが…
0番台に仕立てて、キハ58系やキハ181系とともに山陰本線の風景へ視線を転じさせてみるのもアリなのですが、そうはならないところが、ネ。

カトーの50系客車を巡っては、5~6年前の当方の記事があることを思い出しましたので、もしよろしければ御覧ください。
とても思い出深いイベントでした(ホント、この頃は毎月が楽しかったなぁ)。

2015年3月28日「KATO 50系客車発売によせて」
2015年4月13日「50系の見える風景」
2016年2月15日「KATO 50系客車グレードアップパーツ」
2016年2月22日「KATO 50系51形客車」


新幹線の再生産については、前回までに語りましたので省略します。





こちらのポスターは「学習」「学ぶ」という言葉が多く使われていますので、おそらく学校・教育関係者向けに編集されたものなのでしょう。
我々とは関係性が薄いようですから、アレコレと語ることはやめておきます。

ただ一つだけ。
高圧鉄塔キットのあの「腕」のトラス部分は、先端の接着がとても難しく(面接着にならないのでネ)、中学生に対しては特別な指導が必要ではないかと思われます。
この機会にカトーなりの正解をアナウンスしておくこともアリではないかと、そう思った次第です。
失礼しました。


(その2・完へつづく)


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  1. 2021/09/12(日) 14:00:00|
  2. 鉄道模型(車両)