こんばんは。しなのさかいです。
今回はちょっと気になった最近の出来事に触れてみます。
よろしければお付き合いください。
先月に発売されたトミックスのある新製品について、買われた方々を中心に、ボディへの塗装(印刷)に関する話題があったようです。
当方は当該製品(あえて伏せます)を買っていないので、話題に介入できる資格はないと自覚していますが、手元にある過去のトミックス製品について触れることで少々…と思った次第です。
今回話題になった箇所は、いわゆる「帯」の境界線で、①先頭部の塗り分けラインの歪み(帯の色のにじみ)、②側面の帯の直下に地色と同じ色の帯が重ねて上から印刷(?)されている、というもの。
諸先輩方の画像を見ると「なるほどそうか」と分かります。
①の方は作業工程上でマスキングが甘かったのでしょうか(いわゆる吹き込み現象)
②の方は、印刷されたと思われる“謎の帯”の下を確認できない以上どうしようもありませんが、推測すればおおよそ皆さんと同じ結論に至るのだろうとは思います。
当方もこのような仕上げのトミックス製品をこれまでに幾つも手にしてきました。

最初に「あれ?」と気づいた車両は、品番9192 EF64 ユーロライナー色でした。
トミックスがユーロライナーをリニューアルしたときでしたから、確か2013年。
今から10年前のことです。

模型ですから、手に取った後に光線の角度が少しでも変わると艶の違いに気づきます。
ナンバーパーツ上とボディとの分割線上に「印刷」の際があり、さらに左右に、モニター窓を覆うように、幅広のT字状にホワイトが印刷されています(ナンバーの上、ホワイトの印刷の上にはさらにJRマークが印刷)。
ビミョーに色調が異なるので「なんだ?」と指で擦ってみる訳ですが、これが落ちない。
「ありゃま、印刷されとる…」と理解するのです。
その理解の直後、この印刷の必要性を考え始めました。

EF64と同時に発売されたEF65ではそんな仕上げにはなっていませんでした。
つまり、ユーロライナーの塗色を施す上での必然的な措置ではないということのようです。
その後、同じような仕上げのトミックス製品にいくつかぶち当たり、その全て(このEF64を除いて)を処分してしまいました。
なんとなく自分のコレクションとして持っていたくなかったからです。
ユーロライナー色のEF64は、実は発売当初に店頭で違和感を感じ、ユーロライナーの代表的な牽引機であるにもかかわらず、買うのをやめてしまった経緯があります(予約していた訳ではありませんでしたから)
御覧いただいたEF64は、銀座松屋の「鉄道模型ショウ」の特売ブースで売られていたものでして、当時の自分の心境としては「これだけ安いならやっぱり買っておくか」だったんです。
このように、当方の記憶からすれば、トミックスがこの「境界線印刷」を採用してから10年は経っていることとなります。
いまだにこの印刷について違和感を訴えるユーザーが多いということは、やっぱりメーカーとユーザーとで大きな価値観のズレがある、ということでしょうか。
でも、そのユーザーの賛否よりも厄介な問題となるのは、ユーザーが、そういう仕上げをする可能性のあるメーカーの製品を、慎重に店頭で確かめてから買うようになる、ということかもしれません。
予約販売が当たり前になっているNゲージ市場では、その予約数の規模は企画自体のヒットによるところも大きいでしょうが、それまでの製品の品質を見て「予約しておこう」と考える、そんな要素も大きいはずです。
その後者の方が思考のウエイトとして大きくなるんじゃないかなと。
今回の新製品の仕上がりは、ポスターを見て即予約…という行動パターンにどこか冷や水を浴びせる。
そんな出来事だったようです。

難しいことを言いました。
ついでに12系700番台ユーロライナーを走らせてみました。
ロクヨンはライトユニットを0723に、モーターを0616(M-13)に、カプラーをJC6379に交換済み。

1990年代の鉄道シーン、いや「鉄道模型シーン」ですね。
ジョイフルトレインの中にもへんちくりんなやつが多く存在しましたが、この名古屋の編成には好感を持っていました。
1986年11月頃の発売日に自転車で街の模型店へ滑り込んだおもひでが懐かしい。
今、蕨方面ならどんなキャッチコピーをつけるのかと何故かひとりでドキドキしています(変態です)

381系もクロ381が大改造車ですから、広い意味でジョイフルトレイン(?)
鉄道でもできるサービスの向上が絶えず検討されていた、分割民営化後の唯一、最も頼もしい時代のワンシーンです。
床下がグレーの165系もそろそろ並べてみたくなりました。
スロフのテールライトは導光関係がシビアなようで、光源は点灯していても明るくなりにくいようです。

ジョイフルPCの楽しみ方の一つに、牽引機との連結部の対比があったかもなぁと思って1枚。
同じ塗色でなくても許せてしまうところがジョイフルPCでした。

今度はEF65の牽引で。

ということで、運転会はおしまいです。
JR東海が機関車と客車を所有していた頃が妙に懐かしく、381系と共演してもらいました。
たまにはこんなシーンを演出してニヤけるのも悪くないですね。
ではまた。
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- 2023/06/12(月) 19:00:00|
- 鉄道模型(車両)
-
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| コメント:8
しなのさかい様
いつも楽しく、懐かしく拝見しております。塗装は確かに気になりますが、走らせるとそれをはるかに凌駕する魅力があります。ユーロライナーいいですね!急行ユーロライナー赤倉、妙高高原行でしょうか?私は実車デビュー紹介のNHKニュースを見てすっかりとりこになり、初回品を買い、まだ楽しんでいます(JNRでござーる)。TOMIX模型化の宣伝は、氷の上に模型が並べられ「爽やかな作品。」がキャッチコピーでした。4+3両のセットで定価9800円です。この頃のTOMIXの宣伝は「まほろばのアイデンティティー」「アレグロラプソディー」などインパクトがありました。また展望付きの客車JT列車出てきてくれませんかね。これからもあの頃に戻れる記事を楽しみにしております。
JRであーる
- 2023/06/17(土) 12:04:06 |
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- JRであーる #-
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しなのさかい様
今回も共感した部分があったためコメントさせていただきます。
ちょっと違う現象ではありますが、先日、新幹線の300系のダイキャスト膨張するロットがあることがネットを、見ていてもしやと思い所有している当該製品をチェックしたところ見事にアウトでした。
お客様相談室に問い合わせたところ、修理対応はするものの、送料負担で送ってくれと塩対応でした。おそらくメーカー側としてはこの事象を把握しながらも、言われたら対応すると言う後ろ向きな対応です。(昔からそうですが。)
蕨方面のメーカーでも同じ事がありその時は着払いで送ってくれと言われ直ぐに修理されたものが返って来ました。
最近では、製品化要望についてはユーザーの声を聞くと言う姿勢を見せつつあるのに、売ったらおしまいで、アフターサービスについてはおざなりな姿勢に残念な気持ちになりました。
- 2023/06/17(土) 15:10:52 |
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- グリーンライナー #-
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こんばんわ。
20mを1/150に縮めて大量生産品として再現という世界ですから、そこにはいろいろな工夫や技術が投入されて当たり前だと思っています。塗分けの再現のために、古くはKATOのEF65PFが前面別パーツ化されて出ていたのも懐かしい思い出です。
インクジェット印刷技術も採用されるようになって久しく、特にラッピング車両など賑やかで非常に描写が細かな車両の再現には今や不可欠であると思っています。私が大好きなサンダーバードやスノーラビットに瑞風等々、これが無ければきっと世に出ていなかったでしょう。
他方、大量生産品であるがゆえに製造ラインにおける歩留り率は生命線のひとつ。
ですので、それの確保の策として印刷にご登場願ったというのは見方を変えれば良いアイデアであるとも言えます。
ただし、そうするなら「わからないようにやってくれ」。
本文中名前を伏せて挙げられている件については、今回はこの一言で片付けられちゃいますね。
恥ずかしながら価格との相談で手を出さないという選択を私はしたのですが、その決断がバリューフォアマネーの観点からも正しかったという様に補完されてしまうのは、作り手としては屈辱的だとさえ思います。
がんばれ、TOMIX。
- 2023/06/18(日) 20:15:05 |
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- 海無し #-
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JRであーるさん
いつもありがとうございます。
「ユーロの残照」だったかな(^^) 忘れてしまいましたが、1986年の模型誌の広告ページには確かそんなコピーも踊っていたような。「アレグロラプソディー」も覚えています(うーん、何のコピーだったかはど忘れました)。
キャッチコピーとか、カタログに掲載されるレイアウトとか、トミックスブルー1色のケースとか。なかなかセンスが良かったんですよね。
あのときのユーロライナーを今でもお持ちでしたか。JNRマークが付いたスロフ12は素直にカッコいいと思います。発売からまもなくしてJRマークを転写することが「正義」となってしまいましたが、国鉄末期、民営化直前の独特の高揚感も味わい深いものがありました。こうして編成を眺めているだけで蘇ってくるようです。1980年代の『Nゲージマガジン』の誌面が正にそうでした。
いろいろ走らせてみますね。
- 2023/06/19(月) 18:28:24 |
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- しなのさかい #-
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グリーンライナーさん
Nゲージ動力車のダイキャストが膨張するという現象は、何故か(^^)ここ10年くらいで知るところとなりました。
年単位の時間が経たないと見えてこないものなので、当方のコレクションでも既に発生しているのかもしれませんが、やはり起きることは前提にしたくないトラブル。汎用性の高いパーツのはずから、可能な限りユーザーのストレスがない修理対応を望みたいですね。
「製品化要望は…」という点は同感です。それ故に、高価格化が激しい今は、毎月のように発表されるポスターだけで心を踊らせるのではなく、アウトプットされる製品まで見て、トータルでメーカーの取組を評価させていただく方が良いのかなと思っています。そうなると、話題にもならないメーカーがあったりしますが…
- 2023/06/19(月) 18:30:00 |
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- しなのさかい #-
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海無しさん
メーカー側の生産過程でのエラー率の存在とこれを抑える苦労はいろいろあるのだろうと思うのですが、やってしまった後に率を下げる必要があるのだとすれば、おっしゃる通り「わからないようにやってくれ」です。
「ほら、こうしてしまえば分からない」という楽天的なリカバリーの考え方は世の中にたくさんある訳で。このときに反対意見を言うと「神経質だ」とか、「気にし過ぎだ」という反論をくらいがちです。でも、その「気にし過ぎ」が実は世の中のマスだったと後で分かることがあります。今回の話題ではどうだったのだろうと悩むところです。
印刷技術の向上は2000年代のマイクロエース製品から見て目覚ましいものがあります。ただ、今回の境界線のように、仮に生産過程でのズレが発生したのだとすれば、技術の向上とは別次元のこと。
ユーザーが工場での生産の様子を見て「おーい、ズレているよ!」と指摘できれば良いのですが、そうもいきません(笑) どなたか中の方でユーザー目線を持った方にそんなモニタリングをお願いしたいですね。
- 2023/06/19(月) 18:31:18 |
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クハ111-1111さん
初めての御経験でしたか。それはラッキーというかアンラッキーというか…。少なくとも印刷されてしまったことについての御評価は当方と同じのようですね。「印刷されているとは思わないことにする」という脳内の処理は、一度そう思ってしまうとなかなか制御が効かないもので、自分がやったことならともかく、高い買い物をして手に入れた模型がそうなっていたらなおさらダメなようです。
「鉄道模型はおもちゃとは違うんですよ!」とは、かつて隣町にあった模型店の店員氏の説教文句です(ホコリまみれの動力車を「修理して」と持ち込んだ親子に遠慮なく説教していました)。この感覚、捉え方のズレは人間同士のことですから、必ず起こるもの、一致することなんてないのですが、「こんなもんでいいでしょう」と考えるメーカーとそれを受け止めるユーザーとの間ではそんなに簡単に許容できるものなのかと思うところがあります。お金が絡んできますから。
「◯◯の別パーツ化を行います!」という言葉を発しながら、それを打ち消してしまうような生産品の作り方をしているのだとすれば、付き合い方は再考せざるを得ないのかもしれませんね。
- 2023/06/23(金) 09:21:00 |
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